えばらさんの映画レビュー・感想・評価

えばら

えばら

映画(416)
ドラマ(0)
アニメ(0)

パターソン(2016年製作の映画)

4.5

多分、観たタイミングがぴったりだった。
瞑想のようであり啓発的でもあった素晴らしい映画体験。

「毎日が、新しい」。素敵なキャッチコピーだ。
退屈で平凡なように見える日常だけど、そのどれも同じではない
>>続きを読む

オクジャ okja(2017年製作の映画)

4.0

アイ・ラヴ・ポンジュノ。
ホットで社会性のあるテーマを扱いながらも、説教臭くなく考えさせてくるバランス感覚が本当に素晴らしい。
エンタメだって彼の腕にかかれば全く問題なし。本作はその手腕を持って老若男
>>続きを読む

氷の微笑(1992年製作の映画)

4.0

え?実はコメディ??

子供は観ちゃいけない大人のミステリー。たしかにセックスシーン多めだし、シャロン・ストーンの色気は凄まじい。
けど、鼻の下伸ばしているおっさん警官がツボに入りすぎて、途中から笑い
>>続きを読む

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.0

え?あっ、そっち系のホラーね。(怖くはない)

日本でいう歌舞伎町的な場所らしいソーホーを舞台に繰り広げられる耽美な物語。ネオンの看板に潜む社会の闇を、コミカルに映し出す。

エドガー・ライト先輩の演
>>続きを読む

To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)

4.2

ずっと気になっていた作品。その期待値をちゃんと超えてきた傑作でした。
リアルだと感じさせられる濃厚で深遠な物語。がっつりと泣いてしまった。

少しずつ大人になっていっていると自覚せざるを得ない今日この
>>続きを読む

ケープ・フィアー(1991年製作の映画)

4.0

インテリ系アンチヒーロー爆誕。

構図としては正義と悪の二項対立なんだけど、正義側にいるキャラクターが軒並みクズ。むしろ視聴者は悪役であるはずのデニーロ先輩に感情移入するという面白い構図。今となっては
>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.2

たしかにネオ東京な世界観だし日本語の台詞には違和感ある。何ならそれを観て斜に構えたレビューでも書こうかと思っていた。
あれ??あまりにも面白過ぎて、二時間が新幹線のスピードで過ぎて行ったんだが!?
>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.2

観終わって一番最初に思ったこと。
「いや、許さないよお前ら」
日本の何倍もの人が暮らしているアメリカにおいて、一部の馬鹿な人はこれで過去を清算したと思うかもしれないけど、それだけは絶対に違うからとアメ
>>続きを読む

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.5

これほどまでに優しい映画は観たことがなかった。壮大な詩のような作品。

ミクロな設定がどんどんマクロになっていく素晴らしい構成。最初の設定が分かった時点で「あんなことやこんなことが起きるんだろうな」と
>>続きを読む

ドニー・ダーコ(2001年製作の映画)

4.5

溜め息すら漏れるほどに、好みのど真ん中。
説明欄にあった概要は「不条理な青春劇」。非常に的を射ている。

難解映画として語られる本作。知識人ぶる訳じゃないけど「本当に?」という感想。めっちゃ身構えて観
>>続きを読む

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011年製作の映画)

4.0

これは変化球・・・と呼ぶにふさわしい。のでは?

意味不明なタイトルと何にも聞こえてこない評判から敬遠してた本作。ようやく視聴。
911を題材にしているのでもっと露骨に出来たかもなのに、むっちゃ変化球
>>続きを読む

灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.2

重いなんて言葉では到底表しきれない衝撃。
かなり観る人を選ぶ映画だし、自分はまだ全然咀嚼できていない。けれども本作の素晴らしさを理解出来るのは十年後、いやもっと先かもしれないので、一旦記録しておこうと
>>続きを読む

ジェントルメン(2019年製作の映画)

4.0

イケオジの世界大会、開幕。
アメリカの映画における敵国ってロシアとか中国が多いけど、イギリス感マシマシの本作ではアメリカもロシアも中国もみんな敵ってのがアホらしくて良い。

意外とドンパチしない。ギャ
>>続きを読む

オクトパスの神秘: 海の賢者は語る(2020年製作の映画)

4.2

「動物は好きだけど別にそういう系のドキュメンタリーとか興味ないし、タコってなんかキモいなあ」。
観る前はそんなことを思ってました。
まさかまさか。観てみたら泣いてしまいました。

ドキュメンタリーでは
>>続きを読む

ルディ・レイ・ムーア(2019年製作の映画)

4.0

嘘偽りのないエンターテイメントがここに。

数字に弱いし、テクニカルな事は勉強したくない。けれども、ただ人を楽しませたい。これこそタレントの本質であり、本作のラストシーンにその真髄が現れる。
コンテン
>>続きを読む

ブラック・スネーク・モーン(2006年製作の映画)

4.2

中学生の頃にDVDを借りようとTSUTAYAに行った。その時この作品が目に入り、思わず目を背けた記憶がある。
中坊の俺へ。大丈夫。これはエッチな作品じゃなくて、信じられないくらい濃厚なヒューマンドラマ
>>続きを読む

スクリーム(1996年製作の映画)

4.0

「わたしホラー映画とか無理ぃぃ」とか言っている可愛い子と観る為の映画。

ジャンプスケアの安売り。驚き顔選手権。それっぽいスラッシャー。
色々と要素は揃っているけど、この映画はそこに対して「ホラー映画
>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.2

ウザいくらい長い法廷シーン。掴みどころのないストーリー。なんとも感情移入しづらい主人公。この映画を観て感じるすべての退屈は、多分意図されている。

あの隔離された場所で一緒に過ごしていた家族。誰よりも
>>続きを読む

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

4.2

映画『フォレスト・ガンプ』をダークサイドに落としたらこうなる。
フォレストがその純粋さで希望を示してくれたのなら、本作のマックはそのずる賢さと漢気で希望を見せてくれる。

ルールって何のためにあるのだ
>>続きを読む

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

4.0

邦題のコピーは、「米軍史上最多、160人を射殺した、ひとりの優しい父親」。
これ書いた奴、絶対映画観てないだろ。

一見すると超優秀なスナイパーの苦悩を描いた作品のように感じられるが、本当のテーマは変
>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.2

タイムスリップ系映画。だってニ時間以上あるのに体感は二十分くらいなんだもん。それなのに、二分半の作戦に十五分くらい使うんだもん。

"時間の長さを感じない"は、映画の作り手にとって最高級の褒め言葉のひ
>>続きを読む

ギャラクシー・クエスト(1999年製作の映画)

4.0

B級コメディー?SFモノ?
いえいえ。お仕事ムービーです。

架空のSFドラマで人気を博したけれど今は落ちぶれている役者達が、ガチの宇宙人に助けを求められて宇宙を救いに行く話。
この設定だけでもはや優
>>続きを読む

ナンシー(2018年製作の映画)

4.2

ジャケットの印象とは裏腹に、悲壮感と哀愁漂う濃密なヒューマンドラマ。
え、何でこんなに評価低いの?サンダンス脚本賞も納得の、近年稀にみる大傑作だったんだが。

テーマは「嘘」。嘘はダメだと分かっていて
>>続きを読む

家族ゲーム(1983年製作の映画)

4.2

ぐちゃぐちゃとねちゃねちゃのオンパレード。耳おかしくなるかと思った。

平凡な家族のもとにひとりの家庭教師がやって来る話。次男の成績を上げるためにやって来る訳だけど本作の主軸は全くもってそこではなく、
>>続きを読む

グッド・ボーイズ(2019年製作の映画)

4.2

アメリカの笑って泣けるコメディーって当たり外れがあるけれど、
本作に関しては「え、嘘でしょ?」ってくらい良い作品だった。
思春期に目覚めちゃった男の子達の友情の物語...ではあるんだけど、途中から大人
>>続きを読む

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

4.2

題名の意味は、「ミークさんが見つけた近道」。実際本当にそういう道が存在するらしいけれど、個人的には"カットオフ"という言葉が持つもう一つの意味である"遮断"の方が適している気がした。だって全然近道して>>続きを読む

シリアスマン(2009年製作の映画)

4.2

今年初のコーエン兄弟作品。大満足。観れば観るほど彼らの作品にハマっていく自分がいます。

彼らのテーマである「なるようになるさ」的な哲学は変わらない。今作ではむしろ、それが冒頭にいきなり直球で描かれて
>>続きを読む

ハーフネルソン(2006年製作の映画)

4.0

逆に生徒に助けられちゃう系の学園モノ。
劣悪な環境から生徒を救おうとするヤク中の先生の話。淡々と進む映画だけど、皮肉な要素満載でかなり好みでした。

テーマは明確に"二項対立"と示される。黒人と白人、
>>続きを読む

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

4.2

本作に出てくる台詞「アメリカは簡単に敵を作る」とは、言い得て妙なのかもしれない。
トーニャごめん、めっちゃ楽しませてもらいました。
日本でも人気のフィギュアスケート。そんなお淑やかで品性が問われる競技
>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.2

ヤングパパと思春期入りたての女の子の、ある常夏のバカンスを淡々と描くという設定。
自分の境遇とはひとつも当てはまらないのに、心が日焼けしたような気分。日焼けした所は水に浴びると少し痛いけど、それは間違
>>続きを読む

ブレードランナー(1982年製作の映画)

4.0

ハリソン・フォードがとにかく雑魚い。

所謂「サイバーパンク」という世界観を持つ映画の原点にして頂点。乗り物や建物の造形が非常にユニークで、退廃的な街並みは好みど真ん中だった。

ストーリーも思った以
>>続きを読む

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.2

Netflixの『ブラック・ミラー』シリーズに、こんな感じの台詞がある。「不愉快は癖になり、やがて中毒になる。辛い食べ物のように」。
公開当初に映画館で観て途中からまともに目が開けられず、自分的に一番
>>続きを読む

クラウド アトラス(2012年製作の映画)

4.0

様々な時代の輪廻転生ストーリーを、10人くらいの役者が特殊メイクで演じ切る意欲作。

どうしてもこういう作品は一つ一つのストーリーの深掘りが浅くなるけれど、本作品の素晴らしいところは、複数の思想により
>>続きを読む

ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)

4.0

ノーベル賞を受賞した天才数学者ジョン・ナッシュという人の半生を描く。これをゴリゴリ理系の人が観たらどう思うんだろう?笑

(偏見だけど)DreamWorksが入っていることで演出が大味でBGMうるさめ
>>続きを読む

ドッグヴィル(2003年製作の映画)

4.2

頭でっかちの人間を椅子に縛り付けて観せたい映画、第一位。

哲学とか正義とか優しさとか、結局は全て傲慢さによって生まれるんじゃね?とかいう、血も涙もないテーマ。こういう考えさせられるテーマは好きだけど
>>続きを読む

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001年製作の映画)

4.0

評価は一旦これくらいにしておくけど、これまで観てきたウェス・アンダーソンの中で一番好きかも。

ウェスと言えばの可愛さと緩さで成り立っている映画だけど、伏線や人間ドラマがスパイス程度に入ってくるのが凄
>>続きを読む

>|