カリカリ亭ガリガリさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

カリカリ亭ガリガリ

カリカリ亭ガリガリ

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ファインディング・ニモ(2003年製作の映画)

5.0

過去に囚われて未来を恐れていた過保護な親が、"子離れ"ではなく、自分の子供への信頼の獲得によって子をセカイへと送り出す側になり、そして自らも過去の自分から脱却する物語。オーソドックスな作劇を魚でやって>>続きを読む

素晴らしき放浪者(1932年製作の映画)

5.0

超最高。恥ずかしながらジャン・ルノワールを全然観ていなかったので、色々と鑑賞している最中で、まさかこんなにほっこりして、ニコニコできて、どたばたしている喜劇だとは思わず。流石はホン・サンスのオールタイ>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

5.0

よ、良すぎるな……。アカデミー賞作品賞はコレで良い気がする……。ベストワン!って勢い……。
単なるお涙頂戴映画に落とし込まず、オーソドックスと呼ぶにはあまりにも新鮮なユーモアと丁寧なカット運びで展開し
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

5.0

スピルバーグ超絶演出力&ヤヌス・カミンスキー超絶撮影テクニック圧倒映画。
全編がギラギラとアホみたいな数の光源や照明によって輝いていて、もはやそれだけでいい映画観たなぁ感ある。

スピルバーグの映画マ
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カリフォルニア・ドールズ(1981年製作の映画)

5.0

「負けても愛してる」
オールタイムベスト。娯楽活劇映画に求める全てが詰まってる。
黒沢清が「ひょっとすると映画史上最も、観客ひとりあたまから大量の涙を搾りとった映画がこれかもしれない」という賛辞には、
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.5

普通。2つのコラムと3つの挿話で成り立っていて、3つの短編がそれぞれゴダールやジャック・タチ、ジャン・ルノワールやアンリ=ジョルジュ・クルーゾー、ジャック・ベッケル、ジャック・リヴェット、トリュフォー>>続きを読む

スピード(1994年製作の映画)

5.0

5〜6歳ぶりに再見。矢継ぎ早にアクシデントが連続されて飽きないし、エレベーター!バス!電車!あと飛行機爆破!と乗り物パニックを全部やる感じも好き。
元撮影監督のヤン・デ・ボン監督なので、異様にカメラワ
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

5.0

21世紀版『博士の異常な愛情』。もはやコメディ映画のようなバカ現実それ自体を、デフォルメや寓話化するというよりも実はそのまんま描写していて、鑑賞中はめちゃ笑えるけど、観終わると背筋が凍る……とは言え、>>続きを読む

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

5.0

最高最高最高。極上の159分。早撮り御大リドリー・スコット、コレと『最後の決闘裁判』を同年に撮ってるって、いよいよ影武者説が濃厚。しかもめっちゃ肩の力抜いて軽ーく撮れちゃってる感じ、イーストウッドの『>>続きを読む

セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ(2000年製作の映画)

5.0

久々に観たらめちゃアガった。やっぱり1年に1回くらいはセシルBを見直して「商業映画なんかクソ喰らえだ!」という衝動を保持し続けることは大切だと感じた。
『パッチ・アダムス』上映中の映画館に奇襲を仕掛け
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ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツ(2022年製作の映画)

5.0

実質新年一本目。実家に帰省する電車の中で観たのだけど、ハリポタ自体の思い出が、青春と接続しているというよりも"実家"と結び付いていて、キャストたちの約10年ぶりの同窓会と実家への帰省という時間が多少な>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

5.0

日本最速試写会にて。
"こんなことが起きる映画がこの世に存在していいんですか?!!??!?!"

いいんです。全てが想像と期待以上の素晴らしさで、文字通りに最高でした。久々に映画観ただけで興奮、放心、
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

5.0

超絶メタフィクション映画で素晴らしかった。何このスーパー入れ子構造。完全に2021年の映画。こんなの『マトリックス』でしか出来ないじゃん。1だけ予習しとくか〜が全く許されない、予想以上に(1と)2と3>>続きを読む

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.0

上京残酷物語。大好きエドガー・ライトが満を辞してホラーを撮ったというだけでも充分嬉しくて、ヒッチコック『フレンジー』やローグ『赤い影』、ポランスキー『反撥』にパウエル『血を吸うカメラ』に果ては黒沢清『>>続きを読む

ドラミちゃん アララ・少年山賊団(1991年製作の映画)

5.0

超絶。僅か40分でこの鮮やかな展開はすごすぎるし、脚本の勉強として学びになりすぎ。教科書に載せていい。日本史を踏まえての教育映画&対オトナたちの改心というエモ、流石の原恵一……。ドラミちゃんクソ可愛い>>続きを読む

マトリックス レボリューションズ(2003年製作の映画)

5.0

久々に観たらめちゃめちゃ面白かったな(リローデッドに続き2回目)。

前作のラストショットで「んなアホなー!どうなってまうのー!」と誰もがエセ関西弁で叫んだでしょうけれど、その後の"TO BE CON
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マトリックス リローデッド(2003年製作の映画)

5.0

超ビックリ展開そんなバカな映画。久々に観たらめちゃめちゃ面白かったな。

初見時から、実際に全長2キロの高速道路を作って撮影された逆走カーチェイス(『テネット』の元ネタだと思う)は好きで仕方なかったの
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マトリックス(1999年製作の映画)

5.0

やっぱり名作。18年ぶりの新作がめちゃんこ楽しみで予習/復習がてら再見。
映画におけるアクション描写格上げにも貢献したと共に、ひとつの哲学として今なお雄弁。唯我論と実存主義。果ては決定論へのカウンター
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

5.0

超絶最高満点映画。ジェームズ・ワンの集大成、ホラー映画ファンたる者、拍手を送るしかありません。人を怖がらせることや面白がらせることの工夫の玉手箱。ジャンルブレンドの素晴らしさ。

デ・パルマ、ダリオ・
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犬神家の一族 4Kデジタル修復版(1976年製作の映画)

5.0

今まで観たどの『犬神家の一族』よりも最上級に美しかった!常にモダンでクールでスタイリッシュ。初のスクリーンでの鑑賞でしたが、音響設備の整う環境で聴く「ギャアアア!」は素晴らしく、また、たくさんの観客と>>続きを読む

ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)

5.0

何億歩譲ったとしても、主演二人よりもラス・タンブリン(『ツインピークス』のジャコビー先生!『サンダ対ガイラ』!)やリタ・モレノやジョージ・チャキリスの人間的・身体的魅力の方がまさってしまうのが弱点であ>>続きを読む

(2020年製作の映画)

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ご結婚おめでとうございます。
『溺れるナイフ』『ディストラクション・ベイビーズ』での共演を目撃し続け、大変に大好きなお二人でした。
菅田くんと同い年なんです、わたし。彼のラジオもよく聴いてるし、喜ばし
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田舎司祭の日記 4Kデジタル・リマスター版(1951年製作の映画)

5.0

田舎司祭「ぼくは不健康で何をやってもダメで、誰からも愛されないしみんなにバカにされるし、毎日が辛い、生きているのが苦しい、人に優しくしているのに、なぜぼくはこんな目に遭わなきゃならんのだ……ああ、ぼく>>続きを読む

バンビ(1942年製作の映画)

5.0

寓話的バイオレンス映画。ひとりの少年が外界から侵入してきた理不尽な暴力に直面することによって、暴力を獲得し、やがては力の象徴として君臨するまでの話。それこそが自然界そのものであり、同時に社会もそんなも>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

5.0

超絶大傑作!今年ベストです!!!
研ぎ澄まされた映像美や美術は朝飯前で、『羅生門』形式をレファレンスとしながら、その『羅生門』にすら感じられた女性蔑視な側面を批評する形で、現代にこそ通じて"しまう"残
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.5

加筆修正:大事なことを書き忘れてしまっていたので再投稿します。
文中のIMAXとは"池袋グランドシネマサンシャインのレーザーIMAX"を指しており、実際そこで鑑賞しました。
池袋グラシネのレーザーIM
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マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)

1.0

テレビで観た。
たくさんの人物を出しては、途端に薄っぺらいおままごと(ドラマや感傷ですらない)で退場させるの繰り返しで、もはやグランドホテル形式を遂行しようともしない愚行の羅列でめまい😵‍💫。

尺の
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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

2.0

『鬼滅の刃』という作品(原作漫画/TVアニメシリーズ)を微塵も摂取しておらず、主人公の名前も知らないし、その傍らのキャラクターたちの名前も知らないし、猪人間みたいな人は可愛いなあとは思いつつ、世界観も>>続きを読む

劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト(2021年製作の映画)

5.0

年間ベストワン級……。
2時間版ゴルゴダ・オブジェクト。
ハイ!カレーライスです!お次はハンバーグです!ラーメンどうぞ!寿司食べてください!ハイこれデザートのステーキです!みたいな映画的快楽・多幸感に
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ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

5.0

デカい怪獣とデカいゴリラが殴り合う映画、それ以上でも以下でもない。その姿勢は全くもって正しいと思うし、こういった映画が作られる意義は間違いなくあると思う。

面白いと楽しいは異なる感情で、個人的には「
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ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

5.0

15年ぶりくらいに観たけど超サイコー映画!名作!ゾンビ映画を茶化しているようでいてジャンルから逸脱しないゾンビ映画愛が素晴らしいし(「ゾンビは走っちゃダメだよね!」とロメロゾンビへのオマージュなのも良>>続きを読む

stay(2019年製作の映画)

5.0

映画のジャンルの一つに、所謂「聖なる訪問者」について描かれた作品群がある。たとえば、パゾリーニ監督の『テオレマ』では、裕福な工場経営者の邸宅に謎の美青年(テレンス・スタンプ)が滞在(stay)し始めて>>続きを読む

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

5.0

大傑作!!!これは面白い。タイムリープものを逆手に取った叙述方法が、ポストモダン的な新しさにまで到達している。哲学的/無意味の映画。地蔵中毒好きな人が観たら納得する作風。めっちゃキュートな映画。宣伝や>>続きを読む

隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

2.0

タイムリープとBLMを掛け合わせたのは発明。素晴らしい着眼点。

でも、発明ではあるけど発見は無い。ソーシャルメディアやニュース番組で見聞きしてきたメッセージ以上の「ことば」は無い。

だからこれでは
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夏の娘たち~ひめごと~(2017年製作の映画)

5.0

堀禎一の遺作である。という紹介のされ方が全く不釣り合いな、遺作にしてはあまりにも短すぎる、あまりにも若すぎる、あまりにも生命感に満ちた映画が、不可逆的に"遺作"になってしまったこと。その事象自体が、あ>>続きを読む

リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

5.0

初めて観たのは学生時代の英語の授業で、当時最高にひねくれていた自分は、この手の「お涙頂戴ハートフルファミリームービー」みたいな作品に対して明確に偏見を抱いていた(他にも「オシャレなミニシアター系ムービ>>続きを読む