栗田真帆さんの映画レビュー・感想・評価

栗田真帆

栗田真帆

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落下の王国(2006年製作の映画)

4.6

構想26年 / 撮影4年 (24ヶ国)。世界中をロケハンし細部までこだわりぬいた、アートに溺れるファンタジームービーベスト!

撮影中に大怪我をしたスタントマンのロイは、恋人も奪われ人生に絶望し、オレ
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.8

ドラマチックとリアリティのバランスの妙。現代のラブストーリーとしての感情の流れは説得力があるし(SNS等)、あまりにも現実味がある。そしてショット群がパーフェクト!雨の日のNYの撮り方とってもタイプ。>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

4.0

“あなたなら どこにいたって 孤独を手放さずにいられるわ”

来る者拒まず去る者追わず、なちひろさん。他人に求めなすぎて本当はドライな人なのかな?と考えていると『…それだけで良かったんだけどなぁ』と多
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冬の旅(1985年製作の映画)

4.0

献血、コニャック、赤マフラー。
モナの死に至るまでの足取りを周りの証言をもとに辿っていく。自由と孤独は紙一重だ。凍てつく冬の旅。

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.8

長時間フライトにぴったりなファンタジー。ティム・バートンのほうじゃなくて、『夢のチョコレート工場』のほうの前日譚だそう。
難しいのを好んで観がちだけど、たまには深く考えずに観れる映画も大事。私もチョコ
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

-

サスペンスと哲学のあわいを漂う巧みな演出。上品で、緻密で、ものすごい緊張した。客層も二分される渋さはあるものの(私も前半は若干ウトウトしてしまった)ラスト良すぎて言葉を失う。映画の素晴らしさを撮ってく>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.7

かわいい世界観なのに、メッセージ性は強烈というギャップ!バービー人形をモチーフにしてフェミニズム問題を撮るという発想自体を評価したいし、そのストレートさはお見事!です。
ただ、それぞれの目的意識、最終
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ブンミおじさんの森(2010年製作の映画)

3.8

どう形容するべきか。まるでコントのようだけど、至って真面目という。咀嚼して、受け止めて、の連続はもう修行のよう!
牛のファーストカットから最高だし、アピチャッポンはいつだって自然を味方につけている。昨
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Love,サイモン 17歳の告白(2018年製作の映画)

4.2

久しぶりのティーンムービー!同性愛をテーマにしている映画は今や溢れているが、主観的かつ客観的に描いているのがとても良かったな。時々、すべての人種が肯定されていく世の中は嬉しくもあるが、作品によって、主>>続きを読む

パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

3.7

本来あるべきところへ戻ってゆく。
設定も渋滞していて焦点も定まりにくいので、離脱してしまう人も多いのでは…とみていた。結局のところ、事実(DNA)を受け止める他ないのだろう。わかるような、わからないよ
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.1

ケリー・ライカートとA24…?ドーナツでアメリカンドリーム?と色々想像してしまったけど、『OLD JOY』のようなささやかな男の絆、『ウェンディ・ルーシー』のような動物への眼差しもあり、全体のひっそり>>続きを読む

ピアニストを撃て(1960年製作の映画)

3.9

フィルム・ノワールの重要作品、と思いきや中身ほぼコメディ(?)じゃないか!アメリカB級映画へのオマージュでもあるそうで、肩の力ぬいて観れるところは良いね。キレのあるショット群、撮影は『勝手にしやがれ』>>続きを読む

あこがれ(1958年製作の映画)

3.8

1958年、若かりし頃のトリュフォー短編。少年たちの原体験、みずみずしくてきゅっとなる。

U-NEXTありがとうーーー!のトリュフォー祭。いつもより早く起きたり、夜更かししたりしてでも全部観たいな◯
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破局(1961年製作の映画)

3.8

オープニングの浮かれ様(?)からの、翻弄っぷりが終始楽しい。コミカルに映し出される敗北の様子、ラストも見どころ。

ダ・ヴィンチ・コード(2006年製作の映画)

3.9

“今、我々は歴史を生きている”

「最近、知人が立て続けにルーブルへ行っていて…」と話す父が突然流し始めた本作。先週実家にて。
テンプル騎士団/シオン修道会など宗教に疎くなっていて序盤、ついていけるか
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パリ13区(2021年製作の映画)

4.0

あまりの裸の多さに “結局そういう映画かっ!”と一刀両断されそうなところ、なかなか魅力に富んでいると私は思いました(基本前情報無しで飛びこむのでびっくりはしたけれど!)
性的マイノリティも含めて嫌味な
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落穂拾い(2000年製作の映画)

4.3

ヴァルダのドキュメンタリーは全部最高ね!彼女の好奇心と柔軟性、人への愛着のようなものが傑作へと押し上げる。ハンディ撮影。
ヴァルダの作品はどれも、映画とは、本当に魅力的で美しいツールだな〜〜と思えるの
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怪物(2023年製作の映画)

3.9

“誰かにしか手に入らないものは幸せって言わない。しょうもない。誰にでも手に入るものを幸せというの。”

生きる事が、こんなにも難しいなんて!若干、他者視点の演出(羅生門スタイル!)に無理はあるものの、
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大恋愛(1969年製作の映画)

4.2

エテックス初のカラー作品!ベッドドライブのシーン夢すぎる!彼の作品はシンプルな笑い・かわいさの中にも、シニカル要素をスパイスとして散りばめていて、ショットも美しいし本当に肌に合う。ジャックタチのような>>続きを読む

幸福な結婚記念日(1962年製作の映画)

4.1

かわいいの大渋滞。エテックスの車アクシデントシリーズだ!!!とワクワクみてました◎
説明的な言葉を極力排し、映像と音のみで表現する映画らしい映画だ、と感心してしまう。なんて豊かなのだろう。

Valimo(2007年製作の映画)

4.0

もはや視点自体が、映画になってしまうのかカウリスマキ。労働者三部作(中でも工場のショット)が好きなので、とっても濃厚な5分間でした◎

Bico(2004年製作の映画)

3.8

ポルトガルの地図も載っていない小さな村、ビコを撮影した作品。糸を紡ぐ婦人の様子、アコーディオンの音色、ずっと見ていられる〜
5分という時間、題材自体に興味を持たせるには十分な時間なんだ!と新たな発見。

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.2

『Here』鑑賞後に勉強してみて、移民問題・経済格差・人種差別などをより体感出来るかなと思ったけど、そうじゃない。本作はそういった不安要素を排除し、真夜中のブリュッセルを彷徨うカディジャを通して、人々>>続きを読む

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

3.7

ザ・フレンチ!深く読みとれば世の中の縮図のようで、今後も人生は劇的な変化もなく淡々と続いてゆくのかもしれないな〜と鑑賞していた。

“あなたは幸せ者よ” って他人に定義付けられるのシーンなんか嫌だ、悪
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Here(2023年製作の映画)

4.5

OLD JOYを鑑賞した友人と、OLD JOYのような温もりのある本作を。映画=人生の等式があまりにもしっくり来る映画◎
“映画の主人公” らしからぬ、植物学者と移民労働者なふたりを優しく照らすバス・
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健康でさえあれば(1966年製作の映画)

4.3

YOYO以来、一年振りのエテックス!

映画館の章『シネマトグラフ』とても好い。
オムニバスで見易く、チグハグで、それでいてキュートすぎるなんてもう涙出る!人生は喜劇よ。

マリとユリ(1977年製作の映画)

3.8

自分の人生を自分のものにする。あとはオムレツ!
(鑑賞後しばらく空いてしまい、若干うる覚え。というより咀嚼しきれてないのかも…?)

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

4.4

女子同士くっついていても『仲良し』なだけなのに、男性同士だと同性愛だと言われる。集団の中で自分(たち)を知らされる、狭く恐ろしい子供の世界。ヒリヒリするセンシティブなカットの数々に感動、、かつての自分>>続きを読む

FLEE フリー(2021年製作の映画)

4.3

“密入国業者に人生を支配される 僕はまったく無力だった”

故郷は冷戦時代のアフガニスタン。ソ連崩壊後のロシアを経てデンマークへと亡命した、アミンのドキュメンタリーアニメ。本人の匿名性を高める事、回想
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