Jionさんの映画レビュー・感想・評価

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ニンゲン合格(1999年製作の映画)

5.0

黒沢清の映画観るたびにこれが最高傑作じゃんって思う。すげー悲しい。

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.2

バタイユのいう祝祭的、蕩尽的な一夜の恋に燃え、日常に戻っていく。素敵やん。美男美女ってだけで成立する映画って最近ないけどいいねと思った。これを一日と言わず何年もやってるとこうなっちゃいますよという悲劇>>続きを読む

蛇の道(1998年製作の映画)

4.9

正気を失っている間だけ正気を保つことができる。恣意的でない解など存在しないと知ることで唯一の解に辿りつける。という逆説論理ムービー。

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.5

流れる水、音、煙、人と動物、血。
悪は存在せず、ただ流れのみが存在する。

赤線地帯(1956年製作の映画)

4.9

映画としてこれ以上ないほど完璧な作品なのだが、しかしあえて言えば、問題はもう一段根深いのではないかと最近の報道を見ていて思う。つまり頂き女子の話である。彼女(ら)はまず、ホス狂いなのだ。デジタル性産業>>続きを読む

街の灯(1931年製作の映画)

3.0

そもそもチャップリン自体がめちゃくちゃプライド高そうで苦手ではある、しかしそれを今の目線で言うのはフェアじゃないし、自意識を引き受けるからこそ偉大なのであって、だからこれは戯言でしかないのだろう。…そ>>続きを読む

浮草(1959年製作の映画)

4.8

Yeah〜Alright〜Let’s go〜て感じの映画
小津の映画って優等生チックだけどYeah〜てなるからこれでいい、芝居に言い訳は無用、人生もまた然り。旅は道連れ世は情け、である。

アカルイミライ(2002年製作の映画)

5.0

全てが嘘になる。全てが夢になる。溟い水に漂う海月、死してなお彷徨い続ける幽霊、それは見果てぬ夢。それは革命。

これは革命の映画である。
近づけば去る。触れれば死ぬ。
ならば死んだように生きるのか。
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スパイの妻(2020年製作の映画)

5.0

映画を撮るということ、それは嘘をつくということ。
映画を観るということ、それは信じるということ。

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.2

今さら見た。
降りしきる雨は、半地下に住む貧しき者たちにとって災禍でしかないが、華やかなる上流階級にとっては大気汚染/においを浄化する恵みの雨となる。格差は、常に既に、人々を、世界を、地上と地下に分断
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.8

2回観た。感想書き始めたらとてもじゃないけど書ききれないので感動したということだけ、

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.7

最後、苗字はまだ思い出せない、っていうのが粋だなと思った。名前が思い出せるって嬉しい。というか、名前だけでいい、姓にこだわることはない。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

かつてアインシュタインが「神はサイコロを振らない」と言って批判した不確定性原理は、今日の量子力学においてはもはや常識である。神はサイコロを振る。しかし人間は凡そ「万事は決定不可能」などとは考えられない>>続きを読む

千年女優(2001年製作の映画)

4.5

この映画は単なる「女優人生」に留まらない。恋焦がれて止まない人がもうこの世にはいないと知っていて、しかし最後まで「知らないかのように」生きるのである。未来を予見して全体を見渡す理知的な態度こそ人間的だ>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.0

ゴジラ=戦争の記憶を海中深く沈めてしまうのではなく正面から打ち砕き、そして生きていくという正統派で、邦画の文法に即してきっちり作ってるしちゃんと大衆に向かってて単純に良いと思った。シンゴジラみたいな趣>>続きを読む

祇園囃子(1953年製作の映画)

4.9

クソおもろい。芸は甲斐性、無駄の賜物。そこんとこがわからなくなって、男は女のために金を使っていたのが次第に金のために女を使うようになる。じゃあ今が良いかと言えば、大学の女性枠だの女性の雇用改善だの、本>>続きを読む

こんにちは、母さん(2023年製作の映画)

4.3

傑作老人介護ムービー。2023年の映画で「先生、あたしも連れてって」が聞けるとは思わなかった。

カリスマ(1999年製作の映画)

5.0

世界の法則とは法則なき法則、無秩序の秩序、カリスマなき世界のカリスマ性である。事物はただ無秩序に存在する、と言った時、事物は「事物はただ無秩序に存在する」という秩序に絡め取られてしまう。また「意味など>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

4.5

今のところ今年ベスト。女の子はいつまでも人形みたいにただ着飾って肩書きに満足してないで、身体性を引き受けて地に足つけて人間として生きろって話なんだから、本筋はフェミニズムとは全然関係ない。確かに男性性>>続きを読む