話の筋と構成が途中全く思い出せないが、そこがメルビンの刹那的な在り方と重なる。
対照的に僅かなハワードが印象的なのは、彼の大切な、死ぬまで抱えていた大事な時間がそこに詰め込まれていたから。
夜明けの光>>続きを読む
君たちはどう生きるかの次に、宮崎作品で最も隠喩的なモチーフに支えられた作品として今更思いを馳せてしまった。
この映画ではハウルの心情は驚く程に不明である(少なくともソフィーの視点からは)、と同時に表>>続きを読む
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一枚では意味のない絵。それが連なり、物語を導き出す瞬間にこそ映画を観ている実感が湧く。そして一つ一つのショットがただ一枚でも美しく輝くときの感動は何物にも代えがたく映画の本質に迫る。
初めて宮崎駿作品>>続きを読む
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私達がEOの境遇に同情できるなら、最早彼の目は私達の目だ。
かつて放浪の物語は神話的世界に果敢に挑むものだったはず。
ロバのような無垢なか弱い魂にとって、私達の世界がそのまま地獄の有様を示しているの>>続きを読む
私達の生が心を喪った先にもあるなら、私とは何者なのか。
そもそも私達の人生はいつから始まったのか。
ふたりのベロニカは共鳴する他人以上の関係性を以て心の在り方を象徴し、彼女達は魂と心の揺らぎを表象す>>続きを読む
人類と異星人の全面戦争、その先鋒そして中核として孤独な戦いを続けるイデオン。すれ違い続ける者たちの悲劇の連続、終わりない戦いの旅をこの劇場版まで続けてきた。
その果ての
「こんな甲斐の無い人生、俺>>続きを読む
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自分の人生を引き受け、心の底から生きることを試みる人の物語には心動かされてやまない。
寂しい人生だった。
ガラスの向こうで唯一人の友に向けたその言葉。人はそれが「間違い」であっても自分の人生を生き、>>続きを読む
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ポール・トーマス・アンダーソンのエッセンスである男の生き様は「仕事」そして「女」に託されて描写される。今回新しい境地でそれらに生命が宿っていた。
PTA映画は物語よりは人生の断片の記録という性質が強>>続きを読む
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映画は私達を救えるのか。自分が何者でもなく、全てに見放され、誰も救いに来ないこの世界で。
辿り着いた舞台で全てが録音だと示唆されることで、それまでの部分も含めて彼女達の体験全てが全て映画に過ぎな>>続きを読む
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ドラマ演出が脚本の面白さを損なうほど致命的に下手である点と、リアル志向の怪獣、宇宙人周りのリファインの素晴らしさが競合した進撃の巨人実写版の個人的再来。
自分は特撮パートには比較的寛容(実写版進撃の>>続きを読む
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彼女はきっと、チタンの星に行けば、痛みのない幸せを見つけられたかもしれない。
きっと「機械」を愛する星の下に産まれた彼女は、真の異種族となる儀式、降霊の呪術としてプレートを埋め込み、本物の異邦人とし>>続きを読む
人生は2時間の映画の時間に比べれば永遠だ。映画の前と後があり、そして、どこかを区切ることで映画が始まる。
これは、ヘイゼルと出会い彼女が亡くなるまでの数十年を「映画の1日」に再構成したものだったのだ>>続きを読む
押井守はゴダールを大層評価し、編集で映像に文脈を与えることで映像は映画になると読んだ。それはどんな映像であっても。
描写は言葉少なに語られる白い服の男の隠喩、そして主役のいかにも苦しげな表情を繋ぎに>>続きを読む
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前半、後半で趣旨が変わる。
透明人間の襲撃に始まり、誰も信じない理不尽さに詰まされる前半。
後半では敵の意図が伏線を回収しつつ収束し、それを逆手に敵を詰ませる反撃と攻防が展開された。
透明を利用し周>>続きを読む
謎が謎を呼ぶ…のは楽しいが、あまりに不憫な人ばかりで胸糞悪い。広角好きか監督。
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どこもギラギラしてない、野心的でもない。やりたいことやったらデカいことになって、それでも普段通り。それに不満もないから。
…っての、いい生活だ。カミュの異邦人的な。
「世界には核爆弾保有国が8つあ>>続きを読む
注目のホアキン・フェニックス主演にして、ポールトーマスアンダーソンの観残していた作品の一つ。
いつものPTA撮りと主演二人の演技に掴まれ、どういう映画なのかと最後まで辿り着けば、狂ってしまったままで>>続きを読む
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誰も知らない。
是枝裕和の映画を思い出した。この天気の子の子供たちが大人に見放された逃避行をする場面が好きだったからだ。というのも、この映画はそこがひたすらに切実だった。
誰も知らない。それは、世界>>続きを読む
X-MENZeroとファイナルディシジョンくらいは面白かった。つまりとても面白く、楽しめた。
比較的絵が薄い、盛り上げ方に工夫が無いなど悪点を挙げられるけども敢えて言う程ではない。あとは、新能力を魅>>続きを読む
映画って何だ、と堂々巡りの考えをするにつけ、この映画のことが思い浮かぶくらいには「物を語る」という側面で突出した魅力を持っている。
サスペンスフルでも、ヒッチコック程の技巧を感じさせない。それは欠点>>続きを読む
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最後の余韻がシェイプ・オブ・ウォーターのそれと良く似ていて、どちらのラストでも感動できる全ての人にとって、戦後アメリカの楽天さがある意味で心の帰る場所なのかもしれない。天国ではスローテンポでノスタルジ>>続きを読む
某氏のギター破壊のシーンなんかでは、「所詮人は俺に支配されていることも知らず、勘違いのまま生きる意味を発見する。」と神の声が聞こえてくるよう。禍々さと神々しさが映画を満たしていた。
そんな、神に支配>>続きを読む
話が面白いのは東野圭吾の筋書きを十分演出できているから。筋書きの面白さに加えて、映画的な美しさを作り上げようとするカット、編集が多くて印象良かった。例えばワンカット目はゴッドファーザーのそれを全く踏襲>>続きを読む