Dachusneneさんの映画レビュー・感想・評価

Dachusnene

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パリタクシー(2022年製作の映画)

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免停寸前で不機嫌なタクシー運転手が乗せた92歳の老婦人、ファーストキスの想い出を語りだす。時代の波に揉まれたあまりに激しい人生に言葉を失い、問いに答えて自分の道のりも少しずつ。私にはわかる、あなたはい>>続きを読む

アワーミュージック(2004年製作の映画)

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戦争は地獄、時代も地域も民族も問わない。ユダヤとパレスチナの悪夢、地図の外では平等。物語を語るものは実態を知らない、想像の確実さと現実の不確実さ。民族や詩に終わりはない。2つの岸と1つの真実、結びつけ>>続きを読む

ひまわり(1970年製作の映画)

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新婚直後に夫は激戦のソ連戦線へ駆り出されるも、極寒の雪原を敗走。あの人は生きている、必ず見つけ出すと終戦後に戦地に赴く。かすかな手がかりから見つけ出したその人が大切にする別の人生。見渡す限りに広がり風>>続きを読む

チャーリング・クロス街84番地(1986年製作の映画)

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貧乏作家が大西洋をはさんだロンドンの古書店とつながり、所望の本を見つけ出してくれる店長と心をこめた文通が始まる。戦後の混乱で食料も配給だったロンドンに海を越えてクリスマスプレゼントが届き、社員皆との絆>>続きを読む

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

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連続猟奇殺人犯探しに躍起になっているFBI。見習い捜査官が獄中の凶悪犯にヒントを求めて向き合う。事前の情報と違い、冷静で論理的な駆け引き。右往左往する周りの人物側に内在する狂気が、次第に見えてくる。そ>>続きを読む

ドリーム・ホース(2020年製作の映画)

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ウェールズの小さな街で平凡な生活を送っていた主婦が、競走馬を育てるというアイディアに夢中になり、周りの皆を巻き込んでいく。人生が変わると思わせてくれる何か、スピリットと強い個性。決してあきらめず、勝利>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

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指揮者は時を進め、時を止めることができる。過去と現在、問いと答え。最初の一拍は無音。業績を積み上げ頂点に上り詰めた女性首席指揮者には表と裏の世界が同居し、徐々に狂い始めた歯車に自身が蝕まれていく。言葉>>続きを読む

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

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第2次大戦開戦直後のワルシャワ、ドイツ侵攻でユダヤ人は壁に囲まれた居住区に。程なく家族が収容所行き列車に押し込まれる中、ピアニストの息子だけが残され強制労働に。知り合いを頼り脱走、隠れ家を転々として生>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

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住み込み家政婦の朝は床掃除から。光が差し、水が流れ、飛行機が静かに空を飛ぶ。そんな幸せそうな家庭に少しずつ忍び寄る崩壊の足音、自身にもあまりに様々な試練が降りかかる。でも子供たちは優しくいつも通り。こ>>続きを読む

秋刀魚の味(1962年製作の映画)

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自宅の廊下は、家族の息遣いを感じさせる明かりと影、いつでもじっとそこにある。同窓会に呼んだ恩師は歳を取り、送った住まいでの暮らしは、自分の人生と重なる。思ったように事は進まなくても、皆がお互いのことを>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

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のっけからストーリーも画面も言語も定まらない。音と光に翻弄され流されていく。いつ停止ボタンを押すか悩みながら、観ることをやめられない。急に訪れる平和。誰もが戦っている。少し優しく、なんて甘くない。

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

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論理的な父と感性に身を委ねる母。幼き日の衝撃の映画体験から、自らフィルムへの記録と編集に没頭すると、そこに写り込む残酷な事実に気づく。成長し周囲との関りもうまくいかず、それでもフィルムを回し続け、想い>>続きを読む

ブロンクス物語/愛につつまれた街(1993年製作の映画)

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マフィアのボスに憧れる少年、事件現場を目撃し彼の庇護を受けるように。ボス自身と服従する部下たちとは、決して信頼関係があるわけではない虚しさ。真面目一筋のバス運転手の父と派手な振る舞いのマフィア、世界は>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

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エア・ジョーダンが生まれるまでのマーケターの葛藤。華々しいランニングシューズ部門に比べ、バスケは低予算で失敗続き。ビデオを見まくり一人のNBL新人をターゲットに。確信は一直線にゴールへと向かう道を選ぶ>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984年製作の映画)

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戦前のニューヨーク暗黒街をしたたかに生き延びるギャング達、大事なのは勝ち馬を見つけて賭けること。いろいろあった、こうなることは分かっていた。借りを返すために殺せ、そんな非情な時にも流れる美しいメロディ>>続きを読む

モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

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国連加盟をめざしソマリアの首都モガディシュでロビー活動にしのぎを削る韓国・北朝鮮。そんな中内戦が勃発、国外脱出を試みるが、空港は封鎖され自国との連絡も取れない。大使館を追われた北朝鮮側が韓国大使館に助>>続きを読む

めぐり逢わせのお弁当(2013年製作の映画)

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インド ムンバイでは弁当配達が日常。職場で受け取る弁当がミスで入れ替わり、見ず知らずの間でやり取りが始まる。少しの違いに気づいたり、決して変わらないものだったり。実生活の歪みとお互いへの感情も、二人の>>続きを読む

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

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ピントが中心にだけ合った画面が不安をかきたてる。記憶喪失のテストはほぼ不正解。迎えに来るはずの家族は来ない。過去は忘れたのではない、捨てたのだ。同じ境遇の人がそこらじゅうにいて、お互いこれ以上忘れない>>続きを読む

デーヴ(1993年製作の映画)

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大統領お忍びの間の影武者として採用されたはずが、本物は脳卒中で再起不能状態に。周囲の思惑でそのままホワイトハウス執務室に。やったことのないポジションの驚きより、その実務の違和感から、信じる友人と反撃開>>続きを読む

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

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障害をもつ弟、肥満で家から出ようとしない母を守りながら、片田舎の街で悶々と暮らす若者。その瞬間しかないもの、ずっと変わらないもの。なりたいこと、望む姿、その全てが自分以外。そんな時に舞い込む新しい出会>>続きを読む

喜びも悲しみも幾歳月(1957年製作の映画)

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観音崎の見覚えのある灯台から二人の生活はスタート。すぐ転勤で北海道の僻地へ。子どもを授かるも、次第に閉ざされた環境の辛さに直面。戦争勃発で海岸線の灯台は機銃掃射の矢面に。戦後も配置転換は続き、子供らも>>続きを読む

南極料理人(2009年製作の映画)

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観測が目的の南極ドームふじ基地は標高3810m、ペンギンもアザラシもいない。8名が1年以上単身赴任。調理担当は心を込めてレストラン顔負けの献立を作り続けるが、男たちは繊細な味付けもおかまいなし。時はあ>>続きを読む

ライアー ライアー(1997年製作の映画)

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やり手の弁護士は、法廷でも仕事仲間とも全力で駆け引きを楽しむ。本心から出た言葉も、真実とはかけ離れる場合もしばしば。そんな彼が嘘を封印されたら。今までの良好な関係は一転し、全てが負の連鎖に。なんとかし>>続きを読む

ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

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国際養子縁組の闇の世界。せっかくの暖かな家庭も、見通せない将来に押しつぶされそうになる。深い湿った森で娘と秘密の時間。大丈夫?と子供から問われる気持ち。何度もチャンスはあったのに、さらに事態は悪化。触>>続きを読む

手紙と線路と小さな奇跡(2021年製作の映画)

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頑固な父はローカル線の運転士。近くに駅はなく、学校に通うのも線路を歩いて命がけ。駅設置を懇願する手紙を大統領に送り続ける。弟の背中を押す優しい姉。変人の弟も、認める人たちが少しずつ増えてくる。当たって>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

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赤ちゃんポストにまつわる登場人物それぞれには、人に決して言えない深い事情と思惑。自分はいったいどちら側にいるのか、あっと言う間に入れ替わる。でもまだ、手遅れなわけじゃない。君が海なら、彼は空。全てを受>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

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マイクを向けると、子供たちは自立し、考え、実現し、それを言葉にする。どんな境遇であっても必ず希望がある。そんなジャーナリストが、突然甥を預かり行動を共にすることに。ストレートな質問、一緒に本を読み考え>>続きを読む

親愛なる同志たちへ(2020年製作の映画)

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スターリン亡き後、混迷を極めるソビエトの内情。庶民が並んでも配給品を手にできない中、国の将来を疑わず、特権階級として生き延びていた共産党員の女性。工場のストライキに端を発したデモ隊に対し銃を向けるソ連>>続きを読む

ストレイト・ストーリー(1999年製作の映画)

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仲たがいをして疎遠になった兄が倒れたと聞き、自分で動かせる唯一の移動手段である芝刈り機で旅に出る。様々な人と出会い、お互いの話に耳を傾ける。相手に寄り添い、困ったら助けてもらう。年を取っていいことは経>>続きを読む

モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

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911の首謀者として拘束され、収容所で投獄生活を送る被告。人権擁護のため弁護を引き受ける女性弁護士と死刑判決が絶対条件と指示される中佐。本人から届く告白と、機密文書に記された自白のギャップ。自分の信念>>続きを読む

ゴヤの名画と優しい泥棒(2020年製作の映画)

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家政婦の妻の収入に依存しながらも、街角に一人立ち貧困に苦しむ高齢者のためにBBC受診料支払い拒否運動を続ける老人。ロンドンナショナルギャラリーに展示されているゴヤの名作を盗み、政府の購入価格14万ポン>>続きを読む

ドリームプラン(2021年製作の映画)

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ビーナス、セリーナという時代を変えた2選手を育てたずぶの素人の父親。何を言われようと信念を曲げず、何者からも家族を守り、強引に娘たちを有名コーチに売り込む。連戦連勝のジュニア大会の参加はやめ、機が熟す>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

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昇進でなく現場での最高のパフォーマンスを求め続けたマーヴェリック。無人機が趨勢となる中、小回りの利く有人機でしかできないミッションの教官に指名される。選抜された若手パイロット達よりも経験と実力で勝るマ>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

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誰からもいつか来てねと必ず最後に言われるのが印象的で、訪れてみたいと思っている街。60年代後半からの宗教対立は、否応なしに一般市民のそれぞれの生活も巻き込む。家族を守るために出稼ぎ先への逃避を考える夫>>続きを読む

ブータン 山の教室(2019年製作の映画)

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ブータンからオーストラリアへの脱出を夢見ていた若者が、バスを降りてから8日間歩いてやっと辿り着く標高4800mの村に派遣される。村人とかわいい子供たちが総出で心からの歓迎。“先生は未来に触れることがで>>続きを読む

テスラ エジソンが恐れた天才(2020年製作の映画)

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エジソンとの送電技術(直流vs交流)で勝利したテスラも、無線送電などその後の研究は困難を極める。J.P.モルガンやサラ・ベルナールなどが関わっていたとは。知るよりも考える方が面白い、見るのは何ものにも>>続きを読む