皮膚の重篤な糜爛をめくると血と脂に照る肉が剥き出しになるように、極度の緊張感と曖昧模糊とした真相、容赦のない生々しさが彩る作品全体から感得しうる情念は喉を締め付ける思いがする。完璧に計算されたショット>>続きを読む
アクションは比較的良かった。そこはやはりベイビーわるきゅーれの監督。しかしストーリーはあまりにもおざなりで、学生映画みたいなノリだった。撮ってみたいショットやアクションを映像に落とし込む意図の、習作の>>続きを読む
あまりにも美しく、優しい物語。群像劇の中で確執を抱える各々や、それぞれ二組の物語が入り組みながら進んでいくのは「獨立時代」でも描かれていたが、本作ではそこにさらにヤンヤン、ティンティン、NJの世代ご>>続きを読む
恋愛時代というタイトルが付いてはいるが、この作品は恋愛というくくりに収まる作品ではない。当然、恋愛が大きなテーマであることに異存はないが、それ以上に「獨立」が主要なテーマであることには留意しておきた>>続きを読む
私の人生が流れていく中で、この目で世界を見ていく中で取りこぼされているものに、この映画は静かな視線を注いでいる。この世界のどこかには、山添や藤沢のように、望まぬ制約の中で生きづらさを抱えている人がい>>続きを読む
人は変われる。しかしそれは周りの人間が認めることで真に達成となるのか?時代の渦中にあって、少女はあがくしかない
差別はどこから生じるのか?差別は当然許されぬものであり、それは人道に対する罪だ。しかしながら差別は社会が生み出し、社会がまたそれを罰する。そしてその償いをするのは軋轢に巻き込まれた個人である。
言葉は口から飛び立ち、相手の耳を抜けてその精神に意味を運ぶ。ピアノが彼女にとっての言葉だとして、その音を思うがままに解放できるベインズの懐はどれほど暖かったことだろう。
ピアノ=言葉の文脈として見ると>>続きを読む
ノーラン映画の文脈で見ればすごい、原爆を扱った映画として見るなら見るべき作品、一映画として見るなら普通
責任の所在はどこにあるのか?その問いかけは二人を止める理由にはならない。巻き込まれ、あるいは巻き起こしてしまったのであれば、その災禍に乗り込まねばならない。サイレンと銃が触れ合う音にせきたてられるよう>>続きを読む
目の合わない会話、横並びの食卓、介入を躊躇いまた忌避する母と無頓着な父親、環境ゆえに肘を打ち合い互いにどことなくぎこちなさを抱く兄弟。ボートに乗って海から現れる松田優作はゴジラ、あるいは黒船。旧来のも>>続きを読む
眠りの真暗な底から意識はいくらか深い呼吸をして衣擦れの相伴と持ち上がる瞼によって生を始める。生活のリフレイン、それらは似通っているが、結節点に置かれた彼の夢は一つたりとて同様のものはない。反復からの逸>>続きを読む
権力を被った人間が権力を持てば、その虐げられてきた人もまた権力を振りかざす。ゆえに総じて哀れなるものたち。
美術、音楽共にこの物語世界を構成するためのかけがえのない柱となっていて、相互がお互いを強固な>>続きを読む
絵は良いが物語の展開は悪いし内容が自業自得すぎて「いや、でもお前が悪いし…」となって全てがお笑い種。
過度な演出や演技を廃しているが、それゆえに二人の愛模様という物語の構造が浮き彫りになり、また人間味をあえて差し引いてるからこそ、ふとした時に表れる温もりに気づく。静かに優しく、こぼれ落ちるものに手を差>>続きを読む
小気味良く、不思議に、ゆるゆると、川流れのような放浪を見守る。それが愛おしい…
感想とかはあんまりない。疲れた。けど良い映画だった