ノーランの十八番ともいえるノンリニアな展開も手伝ってかロスアラモスやトリニティ実験を知っている程度だと話についていけない。特に公聴会のくだりとかは予備知識を入れてから見た方がよかったと反省しつつパンフ>>続きを読む
夢幻的なカット割やフレーミングがATG全開という感じでいい。以降のシリーズとは完全に別次元の妖気と禍々しさが漂う作品でとても好き。
太平洋戦争開戦前の上海租界を舞台に、リアルとフィクションが交錯するロウ・イエのスパイスリラー。モノクロでいわゆる劇伴も全くついていない上、本筋と劇中劇の境目が意図的にぼやかされていて蠱惑的な雰囲気で展>>続きを読む
相変わらず三半規管を試される手持ち映像で人間関係の危機がスリリングに展開。「シャドウプレイ」と同じくミステリーという鋳型も作品の求心力になっている。表向きは二重生活を巡る痴情のもつれ的なメロドラマなの>>続きを読む
ジャック・タチのスタッフとしてキャリアをスタートさせ、ジャン=クロード・カリエールとがっつりタッグを組んで映画を撮っていたのに長らく忘れられていたらしい不遇のマルチアーティスト、ピエール・エテックスの>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
冒頭は「プレイタイム」を参考にしたらしいという情報以外はすべて遮断して見に行ったが面白かった。全体的には病的な「トゥルーマン・ショー」という感じの映画だったが、釈然としないこともかなり多くて今後もスル>>続きを読む
冒頭の結婚披露宴のシーンから天才的に面白い。このシーンの推進力は「天国と地獄」の冒頭に匹敵するのでは。展開が進むにつれて活劇的になってくるので、題材の割にはどんよりならないのも黒澤映画という感じ。西村>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
鋳型は「マーダロック」あたりと全く同じな後期フルチの純ジャーロ。ホシが割れてから心理学者があたかも横で見ていたかのように倍速で事の経緯を教えてくれるのだが、なんでそうなるのかさっぱり意味がわからずかな>>続きを読む
「フレンチ・コネクション」とLAと80年代を閉じ込めて真空パックにしたような映画。やはりこの頃のフリードキンは神掛かってる感があるなぁ。金のために金を作っているわけでもなさそうなウィレム・デフォーのキ>>続きを読む
リハーサルはアホがすることだとか、言いたい放題のフリードキン節が痛快なドキュメンタリー。今では絶対にあり得ないようなエピソードがわんさか聞ける。ルメットもワンテイク派っていう話が地味にビビった。タラン>>続きを読む
題材の割にはそこまでシリアスではなく、ホークスのコメディみたいな軽快なトーン。スキャンダル云々の話から完全に志村喬演じる老弁護士のエピソードにシフトしていくあたりもスクリューボール。この頃は千石規子が>>続きを読む
再見。
アンソニー・マンの「Tメン」みたいなテイストのセミドキュメンタリー路線を狙ったと思われる黒澤作品。それだけに、詰められた淡路恵子がドレス着て回転するくだりとか、対位法のテキストとも言えるラス>>続きを読む
この頃はまだスタンダードだったんだなぁ。あまりにも有名なラストカットは言うまでもなく、ワンカットでウロウロする山田五十鈴が超絶怖い。
ビリー・ワイルダーの「失われた週末」みたいな話かと勝手に思ってたら全然違った。ほぼ志村、三船のぶつかり稽古で、明らかに後続の黒澤(志村×三船)作品と熱量が違くてびっくりする。
ドン・シーゲル×イーストウッドによる異色スリラー、というかホラー。ハーレムかと思ったら地獄でした案件を、職人ドンシーのアクション映画みたいな快速エディットで見せられるため、幸か不幸かめちゃくちゃ面白い>>続きを読む
相当レーティングが落ちた阪元裕吾作品といった感じだけど面白かった。てっきり原作ものだと思ってたんだけど、そのまま逆輸出できそうなジャンプ感。アクションはもろ「ザ・レイド」に影響を受けている感じでいい。
強盗犯を匿う羽目になった家族と強盗の攻防というほぼワンシチュエーションのスリラー。これが遺作となったジョン・ガーフィールドの演技が見事。俺のチキンが食えねーってのか、と言ってブチギレているシーンが好き>>続きを読む
アンソニー・マンということで多分に西部劇ナイズされている感はあるものの、延長線上には確実に「プラトーン」あたりがある厭戦的な雰囲気に塗り込められた朝鮮戦争映画。脚本はフィリップ・ヨーダン、撮影は「理由>>続きを読む
ロマンポルノみたいなウエスタンみたいな邦題だが、かなりゆるいメロドラマだった。フィリップ・ヨーダンの脚本としてみればそれっぽい感じには見えてくる。それだけ掘ってたらそれはゴールドディガーではなくもはや>>続きを読む
悪趣味映画の申し子ジョン・ウォーターズの文字通りの悪趣味映画で、やっていることは「ピンク・フラミンゴ」と1ミリも変わらないのだが、アホの極みとも言うべき最後のアレでしっかり持っていくあたりはやはりレジ>>続きを読む
兵舎から一歩も出ないベトナム戦争映画。ひりつくような神経症的な演出は、さすがアルトマンの成せる業といったところ。何しろ一歩も出ないので、行く「前」ではなく、「後」という「トゥインクル・トゥインクル・キ>>続きを読む
再見。
「CUBE」のヴィンチェンゾ・ナタリによるスパイ・スリラー。あらためて見ても、なんでこんな七面倒くさいことをするのかさっぱり分からなかった。アイデンティティーの崩壊という意味でフランケンハイ>>続きを読む
再見。あらためて見ると、カーペンターの中でマイケル・マイヤーズはノーマン・ベイツではなく、”物体X”だったんだなと思った。
このレビューはネタバレを含みます
キャロル・リードやヒッチコックの初期脚本を書いていたことでも知られるシドニー・ギリアットのポリティカルスリラー。独裁国家の機密を知ってしまい逃げる追われるというプロットは、「引き裂かれたカーテン」あた>>続きを読む
ミステリー的な前フリをしておきながらミステリー的な要素はほとんどない、今でいうところのヘイトクライムを取り扱った硬派なノワール。リベラルで通っていたロバート・ライアンが生粋のレイシストを嬉々として演じ>>続きを読む
俳優時代のロン・ハワードが出演していることでも有名なフライシャーのジュブナイルな西部劇。終始のほほんとしたタッチだが、ニューシネマ期の死臭はしっかり充満していてオチもビター。
未見だったフライシャーのスリラー。さすがの面白さ。エルマー・バーンスタインのOPテーマがカッコいい。ミア・ファローが若手芸人ばりに体を張っている。
バーヴァがまさかのワンシチュエーションスリラーに挑んだ!という新鮮味はあるものの、オチ一発な点がなきにしもあらず…。設定や展開としてはペキンパーの「わらの犬」をちょっと捻った感じ?80年代チックな映像>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
再見。
「サスペリア」の成功を受けて、アルジェントがハリウッド資本を得て撮った作品。ただ、「サスペリア」と比べて予算をそこまでかけている風には見えず、むしろスケールダウンしているようにさえ思える。魔>>続きを読む
やっと見た。映画館で5時間座っていられる自信がなかったので、泣く泣く先送りにしていたが、5話分のドラマとしてみればそんなに長いわけでもなく一気見できた。続編でもありセルフパロディでもありという感じで、>>続きを読む
再見。
「血塗られた墓標」や「白い肌に狂う鞭」あたりに比べると、舞台が現代になっているからかゴシックホラーとしての趣はいま一つ。蘇った殺人男爵が普通にウロウロしている様は、ムードもへったくれもない感>>続きを読む
誰がどう見ても「キャリー」なのだけど、フルチは「断じてパクっていない」とドキュメンタリーで言い張っていた。ただ、いじめられっ子→事故死までがいくらなんでも爆速過ぎるし、あくまで手を変え品を変えいじめっ>>続きを読む
再見。
明らかにアルジェントを意識したジャーロで、落とし方から何から既視感がすごい。キース・エマーソンの起用もその辺りを意図したものだと思われるが、なぜか全くハマっていない。脈絡なく、そして仕掛けが>>続きを読む
たぶん初見。
明らかに「悪魔の棲む家」近辺をトレースした感じのハウスホラー映画。これまでのフルチゾンビの規模感からいくと、スケールダウンも甚だしいのだが、ぐちゃぐちゃカットはしっかりマンキンで演出し>>続きを読む