佐藤達哉さんの映画レビュー・感想・評価

佐藤達哉

佐藤達哉

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.1

前評判通りの素晴らしい作品で、今年上半期公開のベスト映画に入るであろう傑作。

詩的で絵画のような美しい作品で、人間の嫌な部分をかき消すような優しい光が心地よい。観てとてもよかった。
コットに幸あれ。

アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

4.3

人生の教訓的な大好きな名作。人生で観てきた映画の中でもベスト3位に入るほど何度も繰り返し観ている。

ただ映画館で観たことはなかったので、このリバイバル上映はとても嬉しい。10年以上前の作品にも関わら
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ライド・オン(2023年製作の映画)

3.9

いい意味で裏切りられるような感動があり、ここ最近のジャッキー映画の中で一番良かった。
ジャッキー・チェンの優しさ、面白さ、強さ、かっこよさ、偉大さがつまった作品。多才で魅力的過ぎる存在。
ジャッキー作
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告白 コンフェッション(2024年製作の映画)

3.5

主要人物がたったの3人だけで展開される、ワンシミュレーション作品。
約70分という短尺で繰り広げられるのでさくっと楽しめる。
前半はサイコホラー感があり緊張感があって良かったが、後半から「は?笑」が連
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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.0

前作とは違う形態の面白さがありとても良かった。
「怒りのデス・ロード」は映画館で観れなかったことを悔やんでいたので、映画館で観れて満足。
前作の「怒りのデス・ロード」では謎とされていた部分が本作で深掘
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関心領域(2023年製作の映画)

3.6

「関心持って観る」と言い聞かせながら観たせいか、結果的に吸い取られたような疲労感がすごい…。
鑑賞上、”想像力”が試される要素が多い。個人的には臭いすら想像できるようなシーンもあった。

特にアカデミ
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胸騒ぎ(2022年製作の映画)

3.8

近年稀に見るほどの「胸糞映画」。
嫌悪感とストレス、不安が徐々に蓄積されていく感じで、心の中で何回も「最悪」と呟いた。やめてあげてよ。の連発。
それは監督にとっては褒め言葉になってしまうほど、手加減が
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ありふれた教室(2023年製作の映画)

3.9

「教師」という職業を99分間、体験したかのような感覚。そして”教える行為”の難しさを知る。
作品の大体が学校の中で展開されているのに、不穏な音楽と緊張感のあるシーンで構成されているので、見応えのある内
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ミッシング(2024年製作の映画)

4.2

傑作。今年上半期の邦画で一番期待していた作品だったが、本当に観てよかった。
「辛さ」が幾重にも積み重なり、ラスト思わず泣いてしまった。
終始、しんどいが脚本、編集、演技いずれも素晴らしい作品。吉田恵輔
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.2

2024年邦画の暫定マイベスト。
邦画でよくある”青春キラキラ系”の作品ではなく、ロードムービーの要素がある考えさせられる素晴らしい傑作。
映像、音楽、セリフ、仕草、どれも儚くも美しく、時間の尊さを感
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アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~(2024年製作の映画)

3.8

アン・ハサウェイが出ている点と美術が関連している点。
アン・ハサウェイ演じる主人公はアートギャラリーを運営していて、相手の男性も美術が好きという設定。
なので美術作品が何点か出てきたり、主人公ソレーヌ
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マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

4.3

これまで観てきたドキュメンタリー作品の中で、一番の衝撃作品だった。
予告動画にある通り「観るのに覚悟」が必要というのは嘘ではなく、観るに堪えない悲惨なマリウポリの人々の現実が記録されている。

日頃か
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名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

4.1

ファンには痺れる展開。
最後はこの顔になった→😳
オッペンハイマー並みに登場人物が多く、情報量の多い作品だが、改めてコナンキャラの層の厚さとコナン君は魅力的な人物に囲まれていることを再認識。
ずっとコ
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

4.0

デビュー作からこの完成度は凄い。
この頃から既に、その後のノーラン作品のピースとなるような要素が詰まっており、自主映画とは思えないクオリティ。
この作品はわずか70分でその中に散りばめられた伏線と後半
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.8

ブランドン監督らしい、変な性癖が詰まった作品。
エログロはあるが、グロさは思ったよりは弱く少なく、カメラワークとエンドロールがお洒落なのでホラー苦手な人でも観れそうな内容、多分。

監督にいつこの変態
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.1

期待通りの素晴らしい作品だった。
満足度高。
12歳→24歳→36歳と12年ごとに進む構成。
冒頭シーンとラストシーンが好き過ぎて、終始心持っていかれた。
切なさはあるけど、観た後の余韻が心地よい。
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

4.0

色んな切り口で語れる作品。
評価されているのも納得の内容。

まずローラ・ポイトラス監督。やはりドキュメンタリーを撮るのが上手で徐々にあらわになっていく構成づくりと映し出される人々との距離感が良い。前
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ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

3.5

予告を観ると、怖さもありそうで良さそうと思っていたが怖さはほぼなく、コメディ寄り。
ボスキャラも思ってたような設定と容姿で、全体的に予算がなかったのかチープっぽさを感じてしまった。

ゴーストバスター
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.2

「凄さ」において、今年上半期で観た全ジャンルの作品の中では、本作が一番凄いと体感した。
メッセージ性も含め、全人類に観てほしいと思えた内容で、観終わった後いろいろ考えさせられる作品。

近年でこれほど
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

想像の遥か上をいく面白さと迫力の2時間46分だった。前作がスローな展開だったこともあり正直ハマらなかったが、今回は冒頭から引き込まれ、世界観に終始没入。圧倒的な映像美と、爆音による地響きでここまで映画>>続きを読む

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.8

犬飼いたくなるほど、犬が躍動し大活躍する犬映画。犬好きな人が見ても嫌な気分にはならない。たくさん愛嬌のある犬が見事な演技をするのがまず見どころ。
話としては、「なぜドッグマンが誕生したのか」を回想とと
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変な家(2024年製作の映画)

2.7

間取りの違和感以上に、映画内に散りばめられた”余計な違和感”の方が気になってしまった。
前半はそこそこ怖いけど、「そういう怖さ」ではなく、原作のように後からゾクっとしてくる嫌な怖さが欲しかった。

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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.0

今年入ってNo.1のダークホース。
緻密な脚本のサスペンス作。

何を言ってもネタバレになりそうなので多くは語れないが、めちゃくちゃ面白かった。見事な伏線回収と展開のスピードの2時間。予告観て気になっ
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

4.0

ある事実が発覚してから、展開が全く読めなくなり、二転三転する面白さがあった。

キック・アスやキングスマンも好きだけど、本作も音楽、映像、アクション、いずれもとにかく魅せ方とリズムがお洒落。
奇才マシ
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.0

感動と紛争の恐ろしさの両方を味わった。
オープニングから息を呑む展開でその後も銃撃戦も多く、リアルで緊迫感のあるシーンが続く展開。ガイ・リッチー監督ならではの作家性とアクションを得意とするエンタメ性が
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ソウルメイト(2023年製作の映画)

4.1

今年上半期ベスト級。
これは回避不能だった。
単なる青春映画に消化されずに、何気ない会話や表現が非常に繊細で余韻が残る、そして尊い。
特に主演のキム・ダミの魅力と表現力がやはり凄くて、この作品をより引
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

アカデミー賞ノミネート納得の重厚感。法廷劇もあり長ゼリフも多く、出演者の迫真の演技もあり終始緊張感が走っている。ミステリーというより、法廷サスペンスで物事の捉え方次第で、観る度変化があり観た人同士で議>>続きを読む

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

4.0

本作も安定の面白さで、今年一番笑った映画。お決まりのやりとりや会話劇がまあ面白く、館内も笑い声がかなり聞こえてきた。

そして、敵が可哀想に見えてしまうマ・ドンソクの強さ。爽快なアクションが今回も現在
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

3.9

サッカー映画はハズレがないので期待してみたが、やはり面白かった。
盛られている可能性はあるが、実話ベースの作品というだけあって、元気がもらえるのもまたプラス点。
話全体は読める展開ではあるが、それぞれ
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.7

”喜劇”とも取れるボーの人生に翻弄された。

観る人によってホラー映画に感じたりコメディ映画に感じたりと、ジャンル分けが異なるであろう、アリ・アスター史上1番の奇妙な作品。

全体的に狂っているのに、
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.9

韓国×サスペンススリラーの組み合わせ、毎回面白いが、今回も終始面白かった。
エンターテイメントとしての魅せ方と脚本の構成力がまたお見事。
ポスターからホラーのようにも見えたが、サスペンスモノなのでホラ
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.2

傑作。鑑賞中、「いい作品だな」というのが、じわじわと染み入ってくるような良いシーンやセリフが多かった作品。

演技も心境の変化の仕方も自然体。題材としては難しいものを扱っているのに、全体的に柔らかい空
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キリング・オブ・ケネス・チェンバレン(2020年製作の映画)

4.0

傑作。想像以上に辛い展開が待ち構えているが、色々と考えさせられ学ぶことができる内容。しかし辛い。
緊迫感とリアリティのある演技と演出であっという間だった。

熱のあとに(2023年製作の映画)

3.5

想像以上にメンヘラ度が高くて、ゾッとした。下手な幽霊作品よりもよっぽど怖い本作は「メンヘラホラー」。メンヘラ特有のトリッキーな行動と言動に、終始翻弄された。

度々「どうした?」と思わされる行動や情報
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ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

3.8

ライブパフォーマンス作品なので、グランドシネマサンシャインのIMAXレーザーGTで体験。

1980年代の音楽シーンに変革をもたらしたアメリカのロックバンド「トーキング・ヘッズ」が1983年に行った伝
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ショーイング・アップ(2022年製作の映画)

4.0

結論すごく好きな作品だった。
劇的なことが起きるわけではないのに、それぞれの登場人物の人間味がリアルで漂う空気感がイイ。

芸術肌のチームA24が関わっているからか美術部分の描写が自然体で、映像の撮り
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