鳥さんの瞼さんの映画レビュー・感想・評価

鳥さんの瞼

鳥さんの瞼

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17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

4.4

洗練された端正な物語。


寡黙なトーン。
無駄が排されている。注意深く作っていると思う。


この筋でポルノ要素がなくてすごい。
ただ妊娠がわかって、中絶しにいくだけ。

妊娠に至った過程も辱めもと
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髪結いの亭主(1990年製作の映画)

4.8

美しい愛の夕暮。
純真なるエロス。


一貫してロマンチック。

愛し合う老人と美しい妻。
内容は気持ち悪い。確実に。


でも、描かれ方が極めて甘美。

お陰か、臭みを感じづらかった。
心から愛し合
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Good bye, Eric!(2018年製作の映画)

3.3

・あっさり
・独特の空気感
・嫌らしさがない
・てらてらした彩度
・肩越しに見るような構図

さり気無く、小気味いい。
ラストに心を動かされたりしないけれど、
なんだか腑に落ちる自然さがありました。

ユンヒへ(2019年製作の映画)

4.0

上品なセンチメンタルさ。終始静か。

トーンが穏やか。


まずテンポがゆっくり。
穏やかな筋で、跨る時間も少ない。

でも冗長さは感じられなかった。過不足ない情報量だと思う。


また、キャラも派手
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ヴァンパイア(2011年製作の映画)

3.3

静かな殺し。静かな吸血鬼の心の揺らぎ。

不思議な湿度。
空気の奇妙なこすれ。


美しいカット。
白い風船、貼り付けた青空のコピー。

カメラワークの優雅さ。


特に悪でも善でもない吸血鬼。
その
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フリー・ガイ(2021年製作の映画)

3.7

エンタメの最大公約数。

明るさ、わかりやすさ、展開のはやさ。


映像がきれい。
アクションシーンもばっちり。

ゲームの経験はないが、それでも世界観は飲み込めた。


興味をひく設定。

でも、話
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ラバー(2010年製作の映画)

4.1

「理由はない」面白さ。
シニカルギャグ、メタ発言もりもり。

「この映画は"理由がない"ことへのオマージュである」
オモシロナンセンス。


B級映画感は強くない。知らんけど

映像が普通にかっこいい
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夜勤明け男子のモーニングルーティーン(2020年製作の映画)

3.4

・簡潔
・SE大きめ
・彼女可愛い
・音響きれい
・薄青に整った画面
・早々予想できる展開
・普通にあり得そうで嫌

メランコリア(2011年製作の映画)

4.3

静かで荘厳で美しい。
ダウナー。

巨大惑星「メランコリア」の接近により反転する世界。


筋はざっくり二部構成。

前半がキツい。
まず画面で目にダメージ。
ぐらぐらカメラ、セピア色など。

内容も
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小さな恋のメロディ(1971年製作の映画)

3.7

「親たちに教えとくがいい 子供たちの世界はゆっくり過ぎていく」

子供間の壊れやすい切実な愛情。


軽快な音楽。
BGMがしょっちゅう大きめに流れて、MV仕立ての物語とも言える位。


幼少期の無力
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ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

3.3

葛藤ありポップさありの、ライトな恋愛ドラマ。

起きる度、老若男女に姿を変えてしまう主人公……という斬新な設定。


この設定による苦難が話のメインのひとつ。

視聴者のほうも主人公が今どの顔なのかわ
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ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)

4.6

真剣で壮大なギャグだった。

1より悲壮感強め、キリスト教色強め。フィボナッチ数は草


画面が結構いつも暗い。
構図の美しさは流石。

ズーム多用でも見やすい映像、
多い切り替えによるポップさが優し
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此処に住むの素敵(2020年製作の映画)

3.2

良くも悪くも片生な印象。


映像に熱を感じる。

カメラの過ぎ去り方、カットの繋ぎ。
オープニングとエンディングがキレてた。

青みがかった画面が若々しい。
男の子の喋り方もリアル。


ただ、話は
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ニンフォマニアック Vol.1(2013年製作の映画)

4.7

詩的。ギャグ。
キャッチーな音楽とテンポ。ヘビメタは草

淡々と面白い。


チャプターわけや独白という形は「ハウスジャックビルト(同監督)」を彷彿とさせる。


性依存症の女性と、話を聞くお爺さん。
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儀式(1971年製作の映画)

4.0

イルな家族の湿った鬱屈。
終始じっとり濡れている。

ギャグにしては背筋が寒く、
ホラーにしてはロマンチック。


映像が冴えている。
オープニングからキレキレ。

カメラの滑らせ方が自然なかっこよさ
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.7

タイトル通り。
その他にはギャグと日常の隙間。

「だれかとだれかが出会って何かが起こる」話。会話劇多め。


全編通して、
わかりやすさとリアルさを追求しているように思う。

会話が注意深く作られて
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何度でも忘れよう(2019年製作の映画)

3.5

「ママは死んだりしないよ」
恐らく不安定な母子の物語。

ムード、絵作りが素晴らしい
話は抽象的で掴みづらい印象

きわどい描写
邪魔しないSE
階調の美しい黒
断片的に進む展開
写真とイラストの馴染
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PASSION(2008年製作の映画)

4.6

烈しさ。奇怪なぶつかり合い。
ぐちゃぐちゃの男女。


完成度の高さ。

好みではないのに、それでもすごいとわかった。
卒業制作とは。


キャラクターが絶妙な生々しさ。
思わず気になる。

不思議な
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睡蓮の人(2003年製作の映画)

3.5

切ない雰囲気
生々しい質感
鮮烈な自然光
緻密な生活音
音楽が効果的
台詞なかった
話追えず終了
肉感と湿り気

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.5

「さよなら 子供時代」
詩人が人生を戦う物語。

カロリー高い映像、演出たち。


画面が華やか。
でも、前作のぺかぺかした感じより、
なめらかな翳りが増えた印象。

色の配置やカメラの滑りの美しさは
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リアリティのダンス(2013年製作の映画)

4.5

鮮やかな映像と演出。
突飛な部分もあるが、美術や詩情を楽しむだけでも楽しい。


ポップ。テンポ良し。華やかな映像。

画面のトーンは柔らかい。しかしカラフル。
赤や緑の配置がきれい。

デフォルメさ
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ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)

3.6

ややダークなストップモーション。
孤独な子どもらの寄り添う心。

大きな筋よりも、
こまかな描写で楽しめる作品だと思った。


展開は割と王道な感じ。
ちょっと予想できるかも。個人的には綺麗すぎて刺さ
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デカローグ(1988年製作の映画)

4.0

全体的に完成度が高く、
ひとつひとつ毛色がちがうかも。

なので、1つ見てハマっても、他がピンとこなかったりしそう(逆もありそう)。

リマスター上映で観た 5.殺人 が個人的には完璧すぎました。
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.6

「責任 とってね♡」
怒涛の映像表現。


王道SF。

普遍的な題材。
「理想の夢にずっといられることを選ぶか、選ばないか」

映像が気持ちいい。
幻想的な設定が、
こんなにも美しく、かっこいい画で
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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(2013年製作の映画)

4.5

愛と執着と痛み。百合。
愛の成就の一つの形。


見事な作画と演出。
苛烈なバトルや共闘等、サービス多し。

ほむらちゃんの悲痛。


今までずっと利他愛ばかりだった物語の進展。
「この思いは私だけの
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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 後編 永遠の物語(2012年製作の映画)

4.0

ギアの入る後編。百合です。
祈りと呪いと愛と救済。


壮大なSF。
脚本が骨太。

アニメとして、映像や演出がこってり楽しい。
声優さんの切り替えが見事。


まどかちゃんとほむらちゃん、二人にフォ
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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語(2012年製作の映画)

4.0

怒涛の美術と追い込み。
気持ちの良い前編。


可愛いキャラクターと不穏なムード。

影が相当黒い。焼き込みツールのよう。
ダークな空気が充満している。
画面も直線的だったり、引きが多かったり。
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オーシャンズ11(2001年製作の映画)

3.6

かっこいい。
シブい男性がガンガン出てくる。


音楽良し、テンポ良し。
「月の光」で着く緩急の美しさ。

照明への色の乗り方もきれい。
なめらかで、
導線のはっきりしたカメラワークが気持ちいい。
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フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

3.8

真っ直ぐヒューマンドラマ。
爽やか。吹き抜ける風のよう。


テンポ良し。
ユーモア、と思えば感動させてくる。


筋はファンタジック。
でも史実に即した流れ。
合成映像もあって、現代史に詳しければ楽
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亀は意外と速く泳ぐ(2005年製作の映画)

3.6

ゆるふわ奇天烈ドラマ。
箸休めに良し。


穏やかながら賑やかしい画面。
スタイリングや美術の美しさ。

色合いやキャラクターが鮮やかで楽しい。
俳優陣も豪華で絶妙。


脱力系のシュールさ、ポップさ
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サイコ(1960年製作の映画)

4.4

「剥製は鳥が最高」。

完成度が高い。
適度にわかりやすく、適度に怖い。


映像が美しい。
オープニングから鮮烈。

モノクロがくっきり鮮やか。
どのシーンも構図が整っていて目に楽しい。

古さを感
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戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.6

デヴィットボウイさんのカリスマ性。
ささやかな美しさが光る。ほのかなロマンチックさ。


暴力シーン多め。
終始薄暗く、じめじめしている。


画面が地味ながら美しい。
構図がカチッとはまる。

色合
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三十四丁目の奇蹟/34丁目の奇蹟(1947年製作の映画)

4.0

浮きすぎず、まとまったエンタメ。
信念の大切さ。

ふわふわした夢物語としての「信じよう」ではなく、
現実も提示した上での「それでも信じよう」。


色がなくても充分あかるいモノクロ。

演出が洒脱。
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東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

3.9

爽やかハートフルコメディ。
縁と温もり。

今敏監督が苦手でも観られそう。素直なエンタメ。


音楽、演出が華やか。
カメラワークが派手。圧倒的作画。

緻密な描写とわかりやすさ。

仕掛けのある物語
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クリスマス・キャロル(1938年製作の映画)

4.4

ムードの盛り上がる暖かな映画。
コンパクトに楽しめる。


見事な画面。1938年!?

モノクロが麗しい。
硬い照明で作られたコントラスト。

あと普通に画質が良くて、
雪の街の冷気まで美しく描写さ
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不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)

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造りやテーマが挑戦的。

ぬめりのある映画。
没入できれば楽しめそう。


なまなましく湿っている。

終始暗い空気。
露出の足りないフィルムのような陰。

基本的にシリアス。
笑って良さそうなシーン
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