非常に繊細、緻密。ラストシーン、破綻した夫婦の間に漂う煙草の煙。それが霧のような、把握し難い距離感を感じさせる。カッコいい。
こういう映画をどう評価すればよいのかはわからないが、言葉ではなく、出来事として自分の存在を受け止めていく、そしてそれに真摯にカメラを向ける、最後のシーンが印象に残った。
自分の脚フェチを淡々と説明していく、これまでのトリュフォー脚フェチ映画の総括みたいなものだったので、意外とエロさがなくサッパリしていた。わたしとしては他の映画の方が好き。
ザ・いい映画。家族の再会は超偶然の一瞬なのだがやはり涙を誘う。ペニーの表情が素敵。邦題がいい。
メンツが凄い。勿論のことだが、スペクタクル性は昔の映画より圧倒的に高かった。善と悪の間隙に想いを馳せてゆくことになる、ポワロの内面に踏み込んだ演出。
ひねくれたフランス映画らしからぬ飽きの来なさ。シンプルな設定ながら音楽が緊張感を煽る。癒えぬ傷を抱えた男女の心は、最後に重なったのか。
今回もしょうもない犯罪から人がコロッと死ぬ。ファーゴほどの派手さは無いが、それでも飽きない面白さがある。脳筋ブラピがツボ。あとクルーニーのヘンな製作物が草。
昔は男の性を切り取っていたアレンは、最近は女性にシフトしているかのようで。こちらもケイト・ウィンスレットの演技が見応え充分。
ストーリーはわりと平凡だが、それをもって有り余る歌の素晴らしさ。エンタメはいいなあ。
無口、煙草、美声のおっさんがたまらん。(髪の)毛に対するフェティシズムめいた描写もよい。
出てくる人間が揃いも揃ってシブく、撮り方のギャグセンも高いので、終始ダークな笑いに浸れる。
映像美とガーシュウィンだけで飛べる。少女に対して上手に出ようとしても、やっぱりかなわない、愛しさ。
Ni avec toi, ni sans toi.
この一節に尽きる。独占欲から暴力的になってしまう男の幼さ。
テーマとしては面白い。口伝の頃に思いをはせる。最後のユートピア的な感じがよい。ところどころシブいものが出てきて笑える。
丁寧に、丁寧に紡いできた物語を、最後一瞬で破壊する女が痛快を通り越してもはや笑える。トリュフォーの脚フェチが終電車同様滲み出ていてよい。
人間業の深さが軽妙に描かれる。だいたいこういうものはダレるが、演出が洒落ているので飽きずに見られた。
トラクター遅すぎワロタ。が、そんなことはどうでもいいな、と思える。星空と、ちょっと琉球っぽい音楽が印象的。
映像美、わけのわからなさ、かといって観者をおいてけぼりにしない感じがリンチ作品の中では一番のように思われる。
凄いものを見せられた、という気持ちになる。人間の顔は怖い。わりと。