演出も問題提起もトレーラー見てこんな感じの映画だろうなって思ったそのまんまだった。
むしろ、冒頭にある「音に注目する映画ですよっ」ていう目配せに始まるような、意図が見え透いた音・映像の演出に広告臭さ>>続きを読む
相変わらず、画も編集もプロットもカオス。唯一感情の波の満ち引きにだけ忠実。
デプレシャンのこのテンションは、家族間の愛憎を描くにはいつもすごく適切に感じる。
作品のテーマを啓示的なセリフで言い表しち>>続きを読む
映画館でやってたのでなんとなく再見。
やっぱりヴェンダースで一番好き。
家でのシーンにはやたらと所在なさがあって、車に乗って移動している時には安寧がある。場所を定めるとそれに縛られ始める、どこかに向>>続きを読む
「半矢の鹿は襲う」「水は上から下に流れる」っていう2つの道理を「幹」として配置して、後は善にも悪にも振れる真っ当な人間達が、そうなるべき(そうならざるをえない)方向に進んでいく。会話や動きの面白さが「>>続きを読む
同じ閉鎖的な空間に閉じ込められてるけど、全員違う方向を向いていて、描写の質感も全員違う。
ミア・ゴスの死に際がシーンとして1番力強かった。しっかり悲惨で無惨な死に方に見せることは、劇中でその人物の存在>>続きを読む
安心と愛を与えてくれる相手と刺激と恋を感じさせてくれる相手との間で揺れる、典型的な構図。画やモンタージュの良さも特に感じず、コロナ禍っていう背景も特に生きてないと思う。マスクする/しないみたいなのも撮>>続きを読む
息子がレジスタンスに加わった時の解放された表情が印象的で、人種と生まれた土地に挟まれて、負のエネルギーから反抗を始める見応えのある立ち位置を担ってる。
他所者と住民の対比で、切実さの違いを描く。『シ>>続きを読む
映画でやるべき表現とはこういうことなんだと思う。感情とその要因となる環境を映像で見せることができれば、筋書きなんてモノローグで示せば十分。時系列の乱れも、人間が過去を思い出す順番なんてお行儀よく古い順>>続きを読む
大半がワンシチュエーション会話劇の中で、視線の交錯とか動きとかにかなり厳密に撮られてて、確かに様式美は今までと変わらずある。ただ、「中世的な信仰と個人」から「近代的な抑圧と個人」にテーマが変わってるの>>続きを読む
ヨハンネスの存在をこんなにも露骨に一緒に配置してOKなのは、舞台設定が可能にさせてて面白いし、丘の呼びかけるシーンは、屋内でのシーンが大半の中で、大なる存在を感じさせて印象的。
上辺だけの信仰を批判>>続きを読む
抑圧から解放されるたびに華やかになってく衣装と舞台、主人公の目線や力強さと他の封建的な人物との対比等、映画文法のベースっぽい部分にすごく忠実に丁寧に撮られてる。
その中でラストシーンの独白は力強く意味>>続きを読む
若く、野放図な生活を描写するには適切な画作りだし、エアポケット的な夕張のシーンはすごく良かった。実生活の対比で差し込まれる開放感のある描写ってすごく印象的に映る。『きみの鳥はうたえる』のクラブシーンの>>続きを読む
舞台が自分のいる位置と遠ければ遠いほど加点法で観るようになるし、近ければ減点法で観てしまう。何十年も前のフランスで撮られた映画で、自分でも言語化しにくい感情が描かれていたら、他にどんな破綻があってもそ>>続きを読む
自伝とも言っていいくらい、ビクトル・エリセの映画との距離と、人生への回顧が表れていた。
前半は老いやこれまでの人生に対する諦念が中心で、映画は側に置かれている。どこかへ戻りたいと思わなくて良い場所を>>続きを読む
美術が良い、音楽も良い、コメディとして笑える部分もしっかりあって、ダンスシーンや川辺を歩くシーンなど目を惹く画もばっちりある。これだけで、観る価値は十二分にあるけど、個人的にはだいぶ苦手な部類の映画。>>続きを読む
2人の間にある友情の芽生えが描かれるけど、もう最初から一定の信頼はあって、それは多分「食」っていう生きる上での核となる部分での裏切りがお互いに無かったから。だから、信頼の深まりの度合いは緩やかで、直接>>続きを読む
これを見逃しちゃうなら、嫌だけどせかせかTwitterで映画情報追わなければいけないと思った。
1ターンの描写で関係性と感情をばしっと説明できるくらい、脚本と俳優の演出が上手い。だから、生まれた余白>>続きを読む
持ってこられた企画に乗っただけってタイプの映画かと思ったら、割としっかり色が出ていた。
ただ、三人の主人公が2時間経ても最初の印象から脱しない。まあそうなるわなっていう、行動と心情変化だけだから、退>>続きを読む
ほとんど荒野•昼、荒野•夜しか場面転換がないのに、全く飽きずに見れる、同じ撮り方をしてるシーンがほとんどない。
この監督は毎作品やりたいことが明確で、それ以外を切り捨ててる気がする。画作りで映画1本>>続きを読む
ずっとしんどい。
孤立感、不安感、疲労感がすごく伝わる、というかそこの描写にほとんどのエネルギーつぎこんだ映画だと思う。
十字架ぶら下げた青年はめちゃくちゃ挑発してくるし、唯一の希望の警備のおじさん>>続きを読む
ある部分では通じてるけど、ここはもう違ってきたなっていう部分を認識しつつ流しつつ、過去の貯金で保ってる友人との関係。
多分、多くの人の感覚にアクセスする内容だけど、エモくなりすぎずちゃんと疲労感を残す>>続きを読む
生きてきた土地のじっとりした低空飛行感に縛られ続ける醜い2人の描き方がすごく秀逸。
逃避行はなんの爽快感もなく、オンビートがそもそもないから、オフビート感もない。銃を手にしたり、家族を放って家出した>>続きを読む
「変な清掃員と行く、ヴィム・ヴェンダースが見たトーキョーのあんな景色こんな景色
」だった。
違和感あるキャラや描写を正当化or無視できるだけのドラマが無く、役所広司もずっと役所広司。
これが他所の>>続きを読む
ジブリの良さをどこに置くかだと思う。
一から世界を作る創造力だとするなら、アニメーションのキャッチーさ含めてそこまで良いものだと思えなかった。というか、千と千尋やもののけが凄すぎて、もうその体力は無い>>続きを読む
小ボケに笑えないとだいぶキツい。
Twitterでちょっとバズるようなクソな男あるあるを必殺技みたいに使われても困るし、
途中でまくしたてるお母さんの主張も薄っぺらいし、のわりに長いしテンポが悪い。あ>>続きを読む
カウリスマキの描く労働者はいつも寓話っぽく見えて、人間味をあまり感じない。だからか、ラジオから流れる戦争の情報も滑っていって、現実っぽくない。でも、自分はそれが実際に起きてることだと知っているから、変>>続きを読む
ロードムービーの作りに、アンチ資本主義、喪失からの回復っていう3つの複雑な合わせ技なんだけど、そのバランスの取り方がすごく上手で見やすかった。
ただ、だからこそ終盤、喪失にフォーカスされていったので>>続きを読む
ステレオタイプな悪い人間、悲惨な状況が続いて、味濃すぎてきつかった。テロップやニュース映像みたいな過剰な演出も「わかったわかった」ってなる。
どれだけ大層な社会問題をテーマに練り込んでても映画として>>続きを読む
昔から変わらずの今泉力哉だけど、良いシーンもグッとくるセリフも無く。
描かれてる心の機微も、関係性の変化も、あるあるだけど、一切興味がない。
女優演技ひどい。
引いた画の中で、空気感の対比を作りながら、外界の状況を説明するって、よくアンゲロプロスがやってた気がする。してなかってかも。
出なかった声が出始める物語って、否応なく感動する
アルフォンソキュアロ>>続きを読む
うーん
良くも悪くも非常にフックの多い映画で、商業映画でこれをやるのはすごい。次ないんじゃないか?
全編通して濱口竜介的な演出なんだけど、役者の中途半端さがちょいマイナスになってた。
最後の付け>>続きを読む
夜のコンビニ、雨の路上、部屋での飲み、ビリヤード、バイトの休憩室、病院、喫茶店、クラブの後の帰り道…等々
シーンの中にその匂いを画として落とし込むのが上手すぎる。
なにかを撮ろうとして撮ってるんでは>>続きを読む
ファンタジーを現実世界舞台にやるには、描写に力がない、素直すぎる気がする。それ以前に、セリフ、演出がうすら寒くてきつかった。いちいち画の色変えるのとか、こねくり回すのなんなんだろう。開始40分で出た。
人生とかに対する提言なんて、一瞬の強い性愛の前ではただの添え物だよね、っていう