YohTabata田幡庸さんの映画レビュー・感想・評価

YohTabata田幡庸

YohTabata田幡庸

アンソニーのハッピー・モーテル(1996年製作の映画)

3.6

邦題が、誰も観たがらない位ダサいけど、ウェス・アンダーソンと大学の友達のオーウェン・ウィルソン、その兄弟のルーク・ウィルソンのメジャー映画デビュー作。この兄弟よく似ている。そしてウェスとオーウェンの出>>続きを読む

ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)

4.0

流石はスパイク・リー。上手いし、何より当時のブルックリンの1ブロックをここまで生き生きとリアルに描き出すとは。描き出すと言うよりはよく見て正確に切り取った様に見える。
ブラック・カルチャー、人種差別、
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

5.0

今まで、何故観て来なかったのだろう。最高。素晴らしい。

淀川長治大先生が批判しようが、私はスピルバーグ作品が好きだ。

父親の仕事柄もあってか、新聞記者物が偏愛的に好きで、原田眞人「クライマーズ・ハ
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天才マックスの世界(1998年製作の映画)

4.0

Rushmore
これは受け止め切れない。
私も同じ感覚を持ち合わせているからこそ、この少年性、童貞性の悪いカタチでの表出を肯定し切れない。してはいけない気がする。
頼まれてもいないのに自己満足で、相
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菊次郎の夏(1999年製作の映画)

4.2

帰り道にたむろしている不良。
夏休みに遊びに行っても、家族で旅行に行っていない友達。
夏休み、マサオ少年は近所のおじちゃんと、生き別れた母親を探す旅にでる。そして始まる、ひと夏の冒険。

と言えば、普
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デッドプール(2016年製作の映画)

3.4

露悪的な暴力と人を喰った様なコメディをMCUでやると言うアイディアは面白いのだが、それ以上でもそれ以外でもない気がした。エロもグロも結局何かの二番煎じ感が否めず、そう言う物MCUのヒーロー物でやっただ>>続きを読む

明日に向って撃て!(1969年製作の映画)

4.4

中学生以来、久し振りに観た。
父のオールタイムベストで、家にDVDがある。
スペイン人のルームメイトと一緒に観たのだが、彼のお父さんもこの作品が好きらしい。60年代生まれの親父たちは、テレビとかで後追
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愛のコリーダ(1976年製作の映画)

3.4

ご飯を食べながら本作を見始めた。

開始5分、映画にも集中出来ず、飯も喉を通らない。それで気付いたが、飯食いながら観る物じゃねぇ!で、別の映画を観た。

改めて見始めた。
「コレはなんなの?」「延々と
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ライフ・アクアティック(2004年製作の映画)

4.6

私はウェス・アンダーソン作品が格別好きな訳ではない。だが彼の近作は、ひとりの映画好きとして観て来ている。好き嫌いは置いておいても、観ていなかったらモグリだと思う。それくらい、21世紀の映画にとって重要>>続きを読む

メリー・ポピンズ(1964年製作の映画)

4.0

私はディズニー作品に、その長い歴史から敬意と嫌悪感を同時に持ち合わせている。
3DCGアニメの原体験は「塔の上のラプンツェル」だし、近年では「アナと雪の女王」シリーズや実写版「アラジン」は好きだ。
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雪山の絆(2023年製作の映画)

4.0

初めてスペイン映画を観た。勿論映画産業がある事は知っていたが、ここまでストレートに面白い物を作るとは知らなかった。所謂ヨーロッパ映画のイメージが、フランス映画やイタリア映画に代表される通り、良くも悪く>>続きを読む

犬王(2021年製作の映画)

3.4

U.S.の「スパイダーバース」シリーズをはじめとする、アニメーションが凄い時代の凄い一作。

湯浅政明作品が特別好きな訳ではないし、追っている訳でもないが、気になって観てみると湯浅作品である事が度々あ
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

4.2

「スパイダーバース」シリーズに端を発した、ここ数年のアニメーション映画の革命の寵児のうちのひとつ。

擦られ過ぎて、改めて言及する必要もないが、落書きが動いている様な絵作りが凄いし、観た事がなく、カッ
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.0

初めてスパイク・リー作品を観た。
トランプ時代の黒人映画として、2018年が色濃く出ている映画。冒頭から、アレック・ボールドウィンのお喋りに、何を見せられているのかとポカンとしたが、タイトルの出方で、
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椿三十郎(1962年製作の映画)

4.4

「用心棒」続編。例に違わず、黒澤好きのスペイン人ルームメイトとスウェーデンにて鑑賞。

プロットは違うのに、既視感が強い。それもその筈、三十郎の行動パターンが「用心棒」と基本的に変わりないのだから。
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用心棒(1961年製作の映画)

4.1

黒澤好きのスペイン人ルームメイトとスウェーデンにて鑑賞。

毎度、黒澤作品を観て思うのは、キャラクター作りが本当に上手い、と言う事。登場人物が多く、名前を覚え切れるとは言えないが、ひとりひとりのキャラ
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ラッシュアワー(1998年製作の映画)

3.9

質の高いジャンル映画の代表格。アクション・コメディの基準と言っても過言ではない。

ジャッキー・チェンの長回しコミカル・アクションが本当に凄いし楽しい。アクションは引きで長回しで見せるべし。

クリス
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.4

映画館で観なかったのを、これ程後悔する事も珍しい。何か歴史的な瞬間に立ち会い損ねた気分だ。
MCUが下火になり、DCEUはボロボロで、そもそもアメコミやスーパーヒーロー物を、ジャンル映画として斜めに見
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モンキーマン(2024年製作の映画)

3.5

観る積りではなかったが、友人たちに同行して観に行った。

インド版「ジョン・ウィック」と言う前評判のあり、Netflixがスクラップにしようとしたのを’Key & Peele’ 「ゲット・アウト」「ア
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.2

「エイリアン」に続き本作と、偶々リドリー・スコット卿マラソンになっている。両者がDisney +でのみの配信なのだから仕方がないが。

ジョディー・コマーはNTLの「Prima Facie」で初めてち
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.8

フェーズ4以降、急激に勢いを失ったMCUだが、そんな中にいて本作の評価はある程度高かった様に思う。そして私もフェーズ4は続編なので「スパイダーマン:ノーウェイ・ホーム」「ソー:ラヴ&サンダー」「ブラッ>>続きを読む

エイリアン(1979年製作の映画)

4.1

今まで観た事がなかったのが不思議なのだが、初めてこの史上稀代の名作を観た。

オープニングから、この音楽の聞き覚えがある様に感じた。そしてその後に起こる事態への不安を煽る。

メカデザインが兎に角カッ
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ザ・ビートルズ:Get Back(2021年製作の映画)

5.0

69年1月2日から31日までのビートルズ4人と周りの人たちの記録。
観る前は7時間48分は流石に長いと思った。然し、ビートルズが何だったのか、解散しなければいけなかったのか、真に何が凄かったのか、を知
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

スウェーデンでも昨年末に公開されていたのだが、タイミングを逃していた。遅ればせながらやっと観られた。

ヴィム・ヴェンダース作品を観るのは「ベルリン・天使の詩」を高校卒業後にTSUTAYAで借りて以来
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ナポレオン(2023年製作の映画)

4.1

ハリウッドを含めて世界を見渡して、ここまでの正統派スペクタクルを撮れる映画監督がどれくらい現存しているだろうか。
久しぶりにこんな画の映画を観た気がする。下手したら、映画館でこの様な映画を観た事があっ
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.1

ストックホルムでの鑑賞の為、フレメン語パートがはっきり解っていないのが残念。とは言えスウェーデン語が解る友人に通訳してもらったので大体解ったが。
思い返せば、一作目もストックホルムで、なんなら同じ劇場
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.4

正直、一回では咀嚼仕切れない。ヨルゴス・ランティモス作品初鑑賞。
友人と観に行って、二人で只々多幸感に浸って劇場を後にした。暫定今年のベスト映画。もう一度観たい。兎に角情報量に圧倒された。

色は特に
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ミッション(1986年製作の映画)

3.8

ここまで映画音響が大事だと改めて再認識した事はない。サウンドデザインが酷いのか、私の観た環境の問題なのか、兎に角音が酷くて、全く集中出来なかった。

話としては良いのだろうが、音が酷い。本当にコレが賞
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リプリー(1999年製作の映画)

4.0

「太陽がいっぱい」と「ヴェニスに死す」を足して、ヒッチコック流重厚サスペンスで割った様な映画。それを高度に、リッチに上手くやった印象。撮影もセットデザインも美しい。

若いマット・デイモンとジュード・
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キッド・カディ: Entergalactic(2022年製作の映画)

3.5

日本のアニメもどう評価して良いのか分からないのに、ましてや海外のアニメなどロクに観てない私からしたら、どう観て良いのかすらも分からない。勉強せねば。文法が知っている映画とも、アニメとも違いすぎる。只、>>続きを読む

プリシラ(2023年製作の映画)

3.8

ソフィア・コッポラ作品を観るのは3作目にして、初の劇場観賞。高校時に「Virgin Suicide」、2年前の夏に「Lost In Translation」を観た。「Virgin Suicide」はハ>>続きを読む

マダガスカル(2005年製作の映画)

3.6

ペンギンズがやっぱり好き。それに尽きる。
だって、幼き頃の思い出だから。
初めて英語であのキャラクターたちが喋っているのを聞いたのは新鮮だった。
2000年代のドリーム・ワークスの力の強さに慄く。

マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

4.2

私が生まれて初めて、レナード・バーンスタインのブームが起きている様に感じる。スピルバーグが「ウェスト・サイド・ストーリー」をリメイクし、トッド・フィールドが現代版バーンスタインの物語を「Tar」で語り>>続きを読む

イングロリアス・バスターズ(2009年製作の映画)

3.9

タランティーノ作品を観るのは久しぶりにして6作目。個人的なベストは「ジャンゴ」。

タランティーノのファンでもないし嫌いでもない。おこがましいが、シネフィルである事、映画評論的目線を持ちつつ自身も映画
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ノーカントリー(2007年製作の映画)

4.1

コーエン兄弟作品を観るのは「トゥルー・グリッド」以来2本目。

コレが噂に聞くPTA ‘There Will Be Blood’ とオスカーを争って見事に仕留めた作品か。

淡々としたイカれポンチたち
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ハンガー・ゲーム(2012年製作の映画)

3.7

友人に勧められて観た。決してつまらない事はないのだが、正直日本にはもう「バトル・ロワイアル(以下BR)」と言う深作欣二の名作があるので、新鮮味はなかった。

勿論別物である事は分かっている。本作「ザ・
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