ベラボーさんの映画レビュー・感想・評価

ベラボー

ベラボー

違国日記(2023年製作の映画)

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傑作👏
原作未読。
両親亡くした少女と彼女の母が嫌いだった妹の同居生活から波紋のように描かれていく様々な”らしさ”の柔らかな揺らぎ。
瀬田監督マイベスト「彼方からの手紙」への一番の近似感じつつ、自家中
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チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

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テニス界の元スター選手と彼女の虜になった親友で好敵手な二人の男子選手の三角関係は「テ=ペ/ニス」なんてありふれたゲームにはならない。
1試合と13年のラリーを通じ剥き出しにされていく野性と本性🎾❤️‍
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ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

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せっかくのクリスマス休暇を寄宿舎で過ごさざるを得ない生徒・教師・学食職員ワケありクセつよ3人組の1970年の2週間を描いた名篇 😆😢
”残りモノ”には”福”がある?
惜しむらくは冬に出会いたかったかも
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莉の対(2023年製作の映画)

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人と人が関わり合う。
「莉」が意味を持つ瞬間の積み重ねの涯/果てを描いた圧巻の190分はバベルの塔を想起しました。
作品の中身もこれを創ったこと自体も。
スクリーンに圧倒される歓び堪能。
大傑作👏
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ユニコーン・ウォーズ(2022年製作の映画)

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ファンシーな双子のテディベアの命運に重ねグロテスクに描かれる聖戦の俗と戦場の記憶は残酷虹色鳥獣戯画。
人類が人類に刻んできた原罪は現在進行形で増え続けている。
傑作

24.6.1鑑賞

からかい上手の高木さん(2024年製作の映画)

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驚きに満ち溢れたミラクルな映画。
登場人物の10年後の納得感の、何見せられてんの?何でこれが映画に?がいつの間にか…の、映っている景色や情感への、驚き。
生徒2人との邂逅からぬめぬめ映画はドラマではあ
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HOW TO BLOW UP(2022年製作の映画)

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#爆破法
自己陶酔もヤケっぱちも視野狭窄もない若者たちの異議申し立てを描く実録スリラー。
社会システム遂行のための”名も無き小さな犠牲者”が自身の正義と自分たちなど存在していない世界に生きる”他者/
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REVENGE リベンジ 鮮血の処刑人(2020年製作の映画)

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カンヌコンペで一番気になった作品「THE SUBSTANCE」のコラリー・ファルジャ監督過去作。
U局平日昼間に放送されていそうなちょいエロ残虐復讐活劇...だけど主人公の設定に作家魂感じます。
動き
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

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最高の「最終回」映画でした。
世界のエピローグ⇄プロローグを圧倒的な物語性・情報量・感情で描きスクリーンに濃縮し、一人ひとりの身体感性にて解凍。想像力に圧倒される歓び堪能。
ドラえもんエヴァETガンダ
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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

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圧巻。
ただただおもしろいただただおもしろい。
大傑作!
北斗の拳とチェンソーマンの邂逅感じたり…?笑。
凄い

24.5.22鑑賞(先行上映IMAXにて)

フュリオサ2時間半文字通り終始おもしろか
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

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橙色の台湾と白色の日本を往来する18年を描いた青色センチメンタルジャーニー&インナートリップ。
18才ジミーくんの純心に泣いた。
36才ジミーさんと22才のアミの想いに泣いた。
清原果耶さん圧巻。
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ありふれた教室(2023年製作の映画)

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校内に相次ぐ盗難の疑いが教え子に?
新任女教師は学校の強引な遣り方に反発して独自に犯人を探すが…
社会の縮図=学校を舞台に全方位詰めに詰められる精神崩壊寸前スリラー。
教師生徒父兄のジキリ合い。
最善
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トラペジウム(2024年製作の映画)

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「パーフェクトブルー」以来?なアイドルサイコホラーの怪作からの自己愛/嫌悪→自己肯定に至る正しき成長物語へ。
怪作のまま突き抜けてほしかったけど綺麗な着地にも納得の快作!
東西南北へのこだわりは原作読
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正義の行方(2024年製作の映画)

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確固たる正義同士が威信ぶつけ合うが真実は薮の中。
疑いなき信念に心曇らされた後悔と恐怖。それがある者、ない者、見て見ぬふりする者、あっては困る者…
死刑執行済みの2(3?)女児殺害事件をめぐる羅生門。
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あこがれの色彩(2022年製作の映画)

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有田焼産地のご当地青春映画。のつもりが中島セナさん主演がそれで終われる訳なく。
クレプスキュール配給?笑。セナさんがオルガ・ヘプナロヴァーに重なる。
矛盾する価値観や感情を矛盾したまま折り合わす大人と
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山谷 やられたらやり返せ(1986年製作の映画)

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山谷の日雇い労働者の生活実態を追ったドキュメンタリーは制作陣とも連帯した闘争の記録。
冒頭から言葉失う…
山谷だけでなく寿町や釜ヶ崎、筑豊など全国のドヤ街も取材していたんですね。
長年観たかった作品よ
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殺人鬼の存在証明(2021年製作の映画)

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殺人未遂で保護された被害者の証言によると10年以上続く連続殺人犯と同じく手口。
3年前に逮捕済みの筈が誤認?新たな容疑者を追い詰めていくが…
1991年現在を起点に10年をラリーしながら闇は暴かれてい
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リバウンド(2023年製作の映画)

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昭和平成スポコン漫画アニメ学園ドラマの髄を2時間ちょい越えに凝縮しツボ押さえまくった職人芸エンタテイメント、しかも実話ベース。これが作品に効きまくり。
「スラムダンク」じゃなく「リバウンド」の物語に興
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青春(2023年製作の映画)

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中国に数多ある個人経営の衣料品工場で働く若者たちを2014年から19年映し続けた記録。
みんな手も口もよく動く笑。早回し?って思っちゃうミシンテク、カメラ前明け透け過ぎる口説き口説かれ、生々しい賃上げ
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システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたい(2019年製作の映画)

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ただ母と暮らしたいだけなのに大人は判ってくれない…神すらも判りようもない9才少女の怒り悲しみ怒り。
福祉制度も人間の優しさをも無惨にブチ壊す怒り悲しみ怒り。
ベニー・ピンクは不意に血と炎の紅に染まり真
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

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傑作!
濱口監督作品でしか味わえないものに加え監督の新味もあって驚き。
過去作大長編群の圧倒感と短篇集の軽やかさ兼ね備えた新境地?
なんでこんなプロットがあんなにおもしろい映画になるねん。
マジック
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わたくしどもは。(2023年製作の映画)

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”あわい”を現代佐渡島に現前させようとする100分間の試み。あの「みどりいろ」は緑、翠、碧、水鳥、看取り…どの「みどり」なんでしょう?
緑の黒髪黒睫毛の小松菜奈さん美麗

名前を与えられること呼ばれ
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人間の境界(2023年製作の映画)

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国選べない人々がドッチボールのように扱われる酷い現実を多視点で写した力作。
難民、国境警備隊、支援者...安全圏からでしかないがどの立場にも想像及ばせ感じるどうしようもなさ。
描かれない視点も想像。私
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辰巳(2023年製作の映画)

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このアウトロー世界の片隅に。
兵どもが悪夢の跡。
想起捗る亜細亜暗黒暴力活劇だがどれにも似ず。
強いてはイーストウッドの情感?
小路監督印?な寄り寄りショットは至近距離連弾かドスの雨嵐か。
役者も撮影
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異人たち(2023年製作の映画)

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傑作!
目覚めて涙していた、だけどなぜ泣いたのか思い出せない、悲しかったのか嬉しかったのかもはっきりしないそんな目覚めの涙みたいな映画。
琥珀色の夢。
役者映像音楽ムードにゆったり酔いながら。
ゴース
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あまろっく(2024年製作の映画)

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ベタ(王道)とアバンギャルド&エッヂがせめぎ合い行ったり来たり揺らぎまくり(ロック)な関西人情喜劇に笑い泣き驚愕。
今の時代だからこその家族映画。
想定外の傑作!嬉😊
ここ数年感じ考えて続けているこん
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水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)

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水のないプールに積もる砂は掃除し切れようない賽の目河原。女の子であることの遣りきれない遣り場ない怒りが砂地も心も潤しやがて…
微熱帯びていく青春の瞬間瞬間はカラッとではなく薄っすら湿度も粘度もあるが爽
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

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大傑作!
亡き父最期の手料理🐓を食べたい娘と食べさせたい母。
そんな小さな話から驚愕凶暴狂騒に展開、想像力爆発👏
アクションコメディでクライムサスペンスでラブストーリーでアートアニメな人間讃歌。
エッ
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

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佳品。
24年間の、前世から今世、来世にまで亘る永い永い初恋についての映画。
期待し躊躇い思い遣り思い留まり戸惑う三者の眼差し。
その交差のゆっくりと流れる時間をカメラと共に見守る中で滲み出してくるも
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ミッシング(2024年製作の映画)

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ここ数年の吉田恵輔作品ベスト
失踪した幼い娘を捜索する夫婦と
二人を取材する地方局報道マンが
無責任な偏見と悪意に晒されていく…
そんな厭な現実を濃密に過剰に描きながら
“願い“も負けず強く込める
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不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)

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両想いになった瞬間消えちゃう彼に何度も出会い「すきっ」を伝え続ける彼女…
戸川純な怒涛の恋愛譚は二度三度生まれ変わり吃驚仰天!
無限初期衝動の楽しさ苦しさ。
Mゴンドリーと陳玉勲と松居大悟が繋がる。
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

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ブランドン・クローネンバーグのパノラマ島奇譚「恐怖死刑人間」。
発想の奇抜さと脱線と少々拍子抜けな収まり具合(笑)が愛おしい正しくカルト映画な快作。
クローネンバーグゲノム以上に東映異常性愛路線味濃ゆ
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

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プロレス史に残る一家の有名な悲劇を染み沁み綴った秀作。
等身大の青春しているひとときが美しくて泣けて…
鉄の爪で掴んだ栄光とその代償。
兄弟以上に感じる両親の闇と空洞が哀しい。
鉄の爪剥がし生身の我が
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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ぐったり大力作。
加害者の告解と激詰めと。
題材問わずこういう視点の作品はもっと観たいです

公開前少なからず目耳にした被爆者視点は直接描かずとも伝わる…いや感じることできました。想像しようとする、の
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関心領域(2023年製作の映画)

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アウシュビッツ裏に豪邸構えたナチス高官一家の裕福でそれなりの悩みも諍いもある小市民生活記。
観客には聴こえる不穏な音も劇中人物には響かないただの環境音。
こんな無関心領域は今すぐ隣にも溢れている。
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