懲悪ものとしては痛快無比、3時間近くの長尺を持たせる手腕はさすがの一言。
そしてここに差別問題・奴隷制度の黒歴史を持ちこむことで、この映画のオリジナリティとしているのだろうが、黒人の人権や尊厳・命の重>>続きを読む
探偵業というよりも、どんな依頼にでも劇団芝居で対応する便利屋のようなもの。”対象者”を煙に巻き、翻弄し、騙していく。
バラエティ番組派生の映画なだけにアドリブ合戦のようなシーンは楽しいが、話は割とシン>>続きを読む
出会いから結ばれるまでの恋愛成就話を、思い込み・気持ちのすれ違いだけで描いている非常にシンプルな物語だが、まだ未成熟で世間擦れしてない高校生の思春期らしい純粋さとかもどかしさが前面に出た非常に魅力高>>続きを読む
北支前線の重要拠点である東平橋を八路軍に奪われ、そこを奪還せんと集められた決死隊が、まるでまとまりのない一癖も二癖もありそうな顔ぶれで早速ウキウキさせてくれる。
当然道中も匪賊に武器を奪われたりゲリラ>>続きを読む
「ホームアローン」よろしく、亭主の居ぬ間を狙う強盗3人組。だが今日に限っては、家内トラブル続きでてんやわんやの大騒動。強盗する隙すらありゃしない。
人の出入りと組み合わせで話を進めていく手腕がお見事>>続きを読む
FBIの狙いはナチススパイのアメリカにおける大ボス「クリストファー」の正体暴き出すこと。二重スパイとなったディートリッヒが、スパイ仲間に怪しまれつつも暗躍活動に励む心理戦の要素もあり、なかなかにスリリ>>続きを読む
課長宅に勝手に上り込んで図々しくも夕食までご相伴にあずかったり、パチンコでとったポマードを同僚に売りつけたりと、何かと悪智恵の働くアツカマ氏だが、小林桂樹の持つ素質のせいかそこまで嫌味な感じはなく、要>>続きを読む
登場人物からホテルの造形に至るまであちらこちらに誇張を加えたコミカルさと、ある種のノスタルジー感覚をくすぐられる繊細な感傷性を合わせ持つ、ファンタジーのような戯画のような。そして不思議に愛くるしいトボ>>続きを読む
壮大で静寂な宇宙空間とNASA内での人間関係のごたごたの対比でドラマに動きをつけていく安定のSF大作だった。
未開の土地に作物を植えたらそこは”植民地(我が領土)”だとか、火星は地球の領土権が及ばな>>続きを読む
「十五少年漂流記」を下地に「cube」をミックスしたような冒険譚で、一筋縄ではいかない謎の迷宮からの脱出劇を主軸に奮闘する少年らを描いている。
設定としてはなかなか興味をひくもので、少年だけの集まり>>続きを読む
決してイデオロギーに寄った作品でもなく、教訓的で押しつけがましいメッセージが込められているわけでもなく、敵国人や上官・同僚に非人間的キャラクターを配してるわけでもない。
純粋に戦争活劇としての醍醐味>>続きを読む
地獄産魚や似非腹話術と脱力したギャグの連続にまた三木聡系かと思っていたが、地獄へ落とされてからは不思議なほどすんなりとその世界に入り込めた。
そもそも旅行先では開放感から人格が露わになりがちなもんだ>>続きを読む
二重三重に仕掛けのある楽しいスパイ物でしたが、正直なところこういうミステリー要素のある作品の真ん中にビッグネーム(アル・パチーノ)を置いてしまうと、それだけで観客は色々と詮索してしまうのではないかな、>>続きを読む
日本では団体に所属して活動することが多い女子プロレスの世界だが、アメリカでは芸能界同様個人にマネージャーがついて、直接プロモーターと出演交渉していくものなのだろうか。
そう考えると一試合一試合がまさに>>続きを読む
佐藤允は、慰安所の二階からぶらりと出てきて軽口をたたく快活な役柄がよく似合う。
脱走兵の始末を拒否し万年中尉だが、大隊長(中丸忠雄)とはその件でわだかまりが生じた同期の桜で、部隊の中でもはぐれ狼的なポ>>続きを読む
面白かったのは、思いのほかマックさんが自己を客観的に見ていることがわかったことくらい。秘書の息子がどうだとかマックの息子が他人の演説つっこんでいってわめきちらすだとか、あからさまに感情で訴えようとする>>続きを読む
「バカヤロー2」の併映として企画された添え物的本作。
3日で仕上げた脚本、公開2か月前のクランクイン、とかなりドタバタ早撮りした割にはとっ散らかることなくまとまりがみられる内容で、カメラマンがそれまで>>続きを読む
戦後ベビーブームで増え続ける人口に苦慮し、人口調節法案を打ち出した厚生大臣(山村聡)一家に、皮肉にも次々と巻き起こるおめでた話で、長男の恋人に始まり、大臣夫人、次女、長女、さらには落とし子まで出てくる>>続きを読む
助手 :ブイヤベースみたいな霧で何も見えません・・
ポワロ:Nuts!(バカもん!)
助手 :なんですって?
ポワロ:このチョコにNuts(木の実)が入ってない、店員がレーズン入りをよこしやがった
助>>続きを読む
基本的にトーチカ内部だけで物語が進行するいわゆる密室劇だが、外部から遮蔽された閉塞感もあってか、こんな狭い空間に閉じこもりっきりだと、爆撃音だけでなく電話のブザー音にすら過敏になる気にさせられるから恐>>続きを読む
冒頭、フェリーから人形を海へ落とす子供のカットがいきなり不穏な空気を漂わせているが、Don't Worry Babyと聖者の行進が流れる中、水兵と子供たちの自然で無邪気な表情が強い印象を残している。>>続きを読む
本番数分前ちょっと一服と外に出るが、閉じられたドアに文字通り身ぐるみはがされ、パンイチで大通りをかけめぐった末に嘲笑の的になる。やっと劇場にたどり着いたものの、リーガンが再入場したのは客席側だ。
ま>>続きを読む
タイトルが全てでしょう。
粗雑に事件の上辺を掬い取って映画のインパクトとしてるだけで、事件に関わるそれぞれの人間性は全く見えてこない。
実話をモチーフにしたからといって、なんだっていうんだ、人間描け>>続きを読む
「流されてわかった振りしたくない」
出荷される食用豚の世話を偽善だと指摘されたことに返した言葉だけど、とても印象的で素敵な台詞だと思いました。
マニュアル通りに物事進めるのは合理的だし、始める前か>>続きを読む
この映画の特徴はわかりやすい悪役がいないことである。
舞台セットに出てくる水車や桜・柿の木に感激し、日本の原風景をひたすら懐かしむ一般兵から、演芸部設立に腐心した司令部の士官に至るまでを、温かく優しい>>続きを読む
先に見た「上海陸戦隊」DVDの画質と比べるとかなり鮮明で、この時代のものとしては最良といえるレベルではないでしょうか。
実機を使った戦闘シーンが有名だが、普通の男子を感じさせる航空兵の日常的なやりと>>続きを読む
弟の横着なご飯の食べ方についてや、絞めた鶏がまだ生きていてふらふら歩き出した話など、日常に落ちているほんのちょっとしたユーモアを拾い上げたマア坊の綴方(作文)が、とてもキュートで生き生きとしている。>>続きを読む
先輩であったり、近所のおばあちゃんであったり、家族であったり、友人であったり、ほんとに大事でありがたいと思えるのは、話を聞いて少しでも気にかけてくれる誰かが傍にいるということ。
きっと彼女は涙をこらえて 僕のことなど思うだろ♪
は、小沢健二の名曲「いちょう並木のセレナーデ」だけど、別れた後もいつまでも相手にとって自分は特別な存在であるかのような一種の願望を持ってしまうのは、>>続きを読む
43年製作とあって検閲により多くのシーンをカットを余儀なくされたらしいが、それでも後の無責任シリーズを彷彿させるかのような陽性で洋風な演出。
ただ、ともすると度を超えて異様とも思えるはしゃぎっぷりに、>>続きを読む
猫や子供には寛容な態度で接する人間らしい一面が残りつつも、仕事となると非情なところを見せるプロの殺し屋をアラン・ラッド。スパイもこなし警官を婚約者に持つマジシャン(その理由は中盤で明らかになる)をヴェ>>続きを読む
007以降のB級スパイアクションの末端にあるような作品で、知り合ったスチュワーデスがさらわれ、その行方を追っているうちに、国際ギャング団やブラックタイツ団(くの一)と三つ巴で隠された金塊をめぐる攻防を>>続きを読む
初期森田の軽快かつ乾いたタッチで描かれる、若者・洋一の淡々とした純情失恋話。
バイト感覚のストリッパー・グロリアに一目ぼれするも、どれだけアタックかけようが気にも留めずただのお客としてあしらわれる。>>続きを読む
赤線映画。現象やスタイルを風刺まじりに描くことが先んじて、肝心の人間がそれぞれ役目として動いてるようにしか見えなかった。
「あたし、お腹すいちゃった」で胴上げしちゃうのが松竹喜劇なんだろうな、うん。
邦画では珍しい市街戦をドキュメンタリータッチで描いた作品。今と違ってほぼフィックスだけの映像でも、ここまで真に迫る戦闘映像が得られるのはディテールが本物だからだろうか。
こういう映画こそリメイクしてほ>>続きを読む
いかめしいタイトルだが、あの動乱の時代を生き抜いた普遍的な家族を描いた傑作。
本を踏みつけた息子に「本は人間の魂が入ってる!」と叱りつける絹代ママの言葉は、即物的で個人主義な今現在にこそ響いてくる教訓>>続きを読む