eigaさんの映画レビュー・感想・評価

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風立ちぬ(2013年製作の映画)

4.6

オッペンハイマーとの違いについて。
外発か内発か。
目的があるものか私的なものか。
日本とアメリカの違い、で片付けていいのか。


狂気と夢は紙一重。
結核がうつる、そんなことは二人には関係ない。
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.6

黒人に対するナラティブのステレオタイプさを扱った映画。
という一言でまとめられてしまうのもまた、ステレオタイプではないかというメタな構造。
そこは意識的なのだろうか。

結局、家族。

正義の行方(2024年製作の映画)

4.2


ドキュメンタリーのはずなのに。
配役がこうも適任なのはなぜか。
人間性の善悪や葛藤が滲み出てくるのはなぜか。
背景のだるまがいい味を出しているのはなぜか。

編集の力、なのか。

取材力もまた、見込
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崖の上のポニョ(2008年製作の映画)

3.9

朝起きて「おはよう」と言う。
好きな人に「好き」と言う。
それだけのことなのになぜか泣ける。

ファンタジーの顔をした、日常の尊さの話。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.9

原爆そのものより怖いもの。
連鎖反応。

理論を証明したくなる科学の無限膨張。
ユダヤであり社会主義の疑いをかけられる、自己存在証明。

創造主アインシュタインとの対話。

完成の瞬間,アメリカ的な盛
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.5

映画というよりジャーナリズム。
問題提起が大きいがそれは現実の誇張でしかなく、
どう回収するかが見えなかった。

ニュースで見るような閉塞感と寓話性。

ワンカットである意味。

耳をすませば(1995年製作の映画)

3.7

今見ると割と普通に感じてしまうのは、この青春ものが増えすぎているせいか。原型的なものという意味か。
立花隆が声優。
工房でみんなが演奏を始めて盛り上がっていくシーン。
若者を見守る老人たち。

ハイ・フィデリティ(2000年製作の映画)

3.4

モテキと似てて違うところ。

弱さが自己完結しているところ。
高いところから見ている感じ。

自分を出し切っていない主人公へは苛立ちだけが残る。

が、そういうのを含めて男なのだ、というメタな見方をす
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

哀れなる男たち。

知りすぎているようで何も知らないから。

「女に生まれるのではなく女になっていく」
ボーボワール

獲得していく歴史としての女性と、
喪失していく男性。

そもそもこういう二項対立
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光陰的故事(1982年製作の映画)

4.2

光と影。
建築的構図。

恋の芽生え、叶わない想い。
大人との差の自覚。

それを追う男の子。
「自転車に乗れたらどこへでも行けると思ってたけど、乗れるようになったらどこへ行けばいいかわからない」
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百万円と苦虫女(2008年製作の映画)

4.0

若い蒼井優にひたすら目がゆく。
普遍的な感じ。
我が道をゆく。

森山未來はモテキの萌芽。

北野ブルー的な絵作りと手持ちカメラ。
不穏な映像。

家族のやり取りの名シーン。
話が共話して交差して撹拌
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.8

社会の縮図。
ブルシットジョブで得た大金の使い道はシットとして帰ってくる。

手榴弾と地雷を売って金持ちになった老夫婦。
「地雷が売れなくて大変だったけど愛で乗り切った」

船長は死ぬ気だった。
 
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マグノリア(1999年製作の映画)

4.7

全員負け組。

哀しい父親か、傷を負った子ども、
それで世界はできている。

「過去を捨てても過去は追ってくる」

but it did happen

愛はあるが吐け口がない


エクス・マキナとい
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.8

退院して、一番初めに女性と顔を合わせる。

たった一人でもいい、自分の帰りを待ってる人がいる。それだけが幸せなこと。

無表情で進行する。

ペーソスとユーモア。

秋で終わる人生。

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.5

「あなたがモテないこの世界に腹が立つ」

周縁にいる者が世界を自分にとってかわいいものとして世界を定義づけていく。

モテない女がモテない男を好きになるのは優越感に浸るためか?母性か?
屈折したフェミ
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となりのトトロ(1988年製作の映画)

4.0

原初的な記憶の詰め合わせ。

ゴキブリ(的なもの)は一気に散る。
よそのおばあちゃんは怖い。
雨の日のバスを待つ時間は心細い。

全部、過酷な状況下でつくりだした夢だったとしたら。

パンズラビリンス
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ファーゴ(1996年製作の映画)

4.0

全員不細工。

禿げた白人。
出っ歯のチビ。
メガネの男。

それがコンプレックスになるか、
足元の幸せに気づくか。

「強いアメリカ」はない。

刑事コロンボ的な。
普通に見せて実は活躍する。
「こ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.9

ゴジラとは何なのか。

日本の被害者妄想の塊?
越えるべき敗戦記憶?
科学技術の罪?

敗戦から遡る。

CGだからこそできる表現。
インターバルがなく襲ってくる感覚。

圧倒的恐怖と無力感。

浮袋
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.9

黒人の境遇への新しい視座。
憧れの対象だからこそ搾取する。
白人の劣等感の昇華先。

ホラーと呼べるのか?
KKKの再解釈。

演出のキャッチーさに若さが見える。

霧の中の風景(1988年製作の映画)

3.8

救いのなさ。
人物配置と構図。

舞台のようなおかしみ。

夜に抱きつくシーンでのカメラワーク。
回転。

母をたずねて三千里的な。

国を越えることの当時の困難さ。

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

4.8

細部が記憶に残る。
アニメーションは密度。
主観情報量の濃密さ。

温泉旅館から見た外の景色。
テーブルに並ぶ食事。
紐が引かれて反動する感じ。

「どっかで見たことある」
の詰め合わせ。

取材とリ
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美しき冒険旅行(1971年製作の映画)

4.2

都市で生きる不条理と、野生で生きる非合理。
似て非なるもの。

言語が通じないからこそ通じ合えるものがある。

レイヤーを隔てることで異質なものに見えてくる。

カンガルーの撲殺と、モネのような遊泳。

別れる決心(2022年製作の映画)

3.0

脳内妄想の可視化。
見ることはそこにいること。
その妄想にだんだんハマっていく主人公。

ミステリーとしてだけ見るとテレビドラマ的すぎた。

本当の意味を反芻する。

言葉の追体験?
「崩壊」

言葉
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福田村事件(2023年製作の映画)

3.8

問題提起としては価値がある作品。
ただ、演出を加えて「エンタメ化」することが
どういう意味をもたらすのか。

過剰な演出が思考停止を生むとしたら。

ドキュメンタリーも劇映画も、思想が入る。演出が入る
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.9

核実験と隔離。
戦争とコロナのアナロジーか。

何があってもおかしくない、舞台のような現実。
アステロイドシティは虚構のふりした現実にも見える。

客観なカメラワーク。
澄み渡りすぎる世界観。

山の
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ムード・インディゴ うたかたの日々(2013年製作の映画)

3.8

二次元の三次元化。
文字を映像にしたかのような表現。

その翻訳にクラフトとテクノロジーを注ぐ。
ミシェルゴンドリー。

後半が自分の世界に入りすぎる感じ。

小説の本質ってなんだっけ。

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.2

生き物に倫理はない。
善も悪もない。
ただ、生き残るのみ。

極限の人生における、野生という活路。

「野性の回復」と唱えている企業は、
「野性プレイ」でしかない。

空、森、川。
「美しさ」は「残酷
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.8

「芯」はなにか?

人間か怪人か、という差別の話ではなく。
人間の根源悪と、いかに共存できるのか。

救済。正義。利他。

人類を守るという正義もあれば、
滅ぼすという正義もある。

その「芯」が、表
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空のハシゴ: ツァイ・グオチャンの夜空のアート(2016年製作の映画)

3.7

アートかデザインか。
中国という体制の中で作品をつくるジレンマ。
パンクなものだけがアートではないかもしれないが、そこに「問い」があるのかどうか。

両方こなすという姿勢そのものがアート、なのか。
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異人たちとの夏(1988年製作の映画)

3.8

父を見つけた瞬間。
落語の手品とのカットバック。

女性との緊張のシーンで
くだらないテレビとのカットバック。 

両親の家はセットで作られている。
あせばむ日本の昔の夏。
おいしそうなビール。

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ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

3.8

カトリックとプロテスタント。
ベルファストの小学校。

何が未来をつくるのか。
それは子供であり教育。

哲学をし続けなけれいけない。
争いを争いで解決しないために。

食生活だけ気になってしまった。

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