冒頭、舞台で演舞する女性の顔をカメラが引きで捉え、どんどんと寄っていき、画面いっぱいに顔が映ったところで、いつの間にかメイクルームへと場面転換し、実像から鏡像へと境目も分からぬまま入れ替わる超絶カメラ>>続きを読む
大学の図書館で観て以来のストローブ夫妻作品。
カメラがゆるりと360度パンすると、映し出されるフランス北東部にあるロレーヌ地方。眼前に広がる建築物や自然風景にもあらゆる歴史の蓄積があるということ。
顔の半分にイグアナの皮膚を纏った男が漁師からいじめられ、流れ着いた島で王国を築く奇妙な話。明媚な海岸の風景や洞窟内でのコミュニケーション、斬首シーンが記憶に残る。蓄積したコンプレックスを源に、徹底的に>>続きを読む
少女を主人公に据えた日本の恋愛映画に『海辺のポーリーヌ』『夏物語』辺りのロメール作品や『ヤンヤン 夏の思い出』が限りなく接近した感覚。終盤の主人公のコーディネートが『なまいきシャルロット』のシャルロッ>>続きを読む
対位法。血が流れ続けても、カミソリで髭を剃ることを止めない男。
岩井俊二の集大成的作品とはいえ、『リップヴァンウィンクルの花嫁』と比べると明らかに物語の求心力は劣る。178分のランタイムが割とちゃんと長く感じてしまった。