あるてーきゅう至上主義者さんの映画レビュー・感想・評価

あるてーきゅう至上主義者

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GODZILLA 怪獣惑星(2017年製作の映画)

3.7

シン・ゴジラが苦手だ。一般的には絶賛評が集まっているけど、正直なところストーリー的にはかなりツッコミどころがあるし、疑問点や不満点もかなりある。果たして、自分はゴジラ映画が苦手なのか、シン・ゴジラが苦>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

4.0

ジム・ジャームッシュ。自分の中の評価がくるくる変わった監督である。ファーストコンタクトは「ストレンジャー・ザン・パラダイス」だったのだが、まるで合わなかった。しかし「ナイト・オン・ザ・プラネット」は普>>続きを読む

劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~(2017年製作の映画)

4.0

原作未読。たまたま、観る予定だった映画のチケットが取れず、まあタイトルだけは知ってるし…。と思って観たのだが、これがめちゃくちゃ面白かった。

ストーリー展開そのものはお約束通りだし、キャラクターもよ
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バリー・シール/アメリカをはめた男(2016年製作の映画)

3.7

「バリー・シール アメリカにはめられた男」だったかぁ…。というのが、見終わってすぐの感想。そして、この題材を「ハリウッド映画の娯楽作」として作ったのは大正解だったのでは。

全体を通して軽くコミカルな
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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

3.1

うん。いい映画だと思う。演技はみんな素晴らしいし、展開もよく練られてる。人物の書き分けもうまい。
ただ、どうしても好きにはなれなかった。

(個人的な)最大の問題は、陣治というキャラクターに全く感情移
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蝶の舌(1999年製作の映画)

4.5

誰も悪くない。時代が悪い。
みんな一生懸命生きている。幸せになりたい。恋もしたい。ましてや捕まりたくない。殺されたくない。

ただ凄惨な、あまりにも残酷な、あまりにも絶望的な、そしてあまりにも人間らし
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打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(2017年製作の映画)

4.0

今年は昨年ほどではないにせよ、アニメの豊作年である。その中でもベストは夜明け告げるルーのうたで確定か、と思っていたのだが、この作品を観たことで再び迷いが生じてきた。まさか、あの映画をここまで見事に調理>>続きを読む

ガルシアの首(1974年製作の映画)

3.5

男の生き様。
男の死に様。

不条理な現実に素手で立ち向かう美学もある。

メアリと魔女の花(2017年製作の映画)

4.0

世評と自分の中の評価が違うことはさほど珍しくはないけれど、この作品くらい極端に違うのはひさびさ。色々な意味で素晴らしい傑作だと思うんだけどなあ。

たしかにジブリオマージュが露骨なシーンはたくさんある
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残像(2016年製作の映画)

3.7

アンジェイ・ワイダの遺作とあらば、観に行かねばなるまい。彼が最後に題材としたのはアーティスト。それも前衛芸術家。しかし、ワイダは最後までワイダだった。祖国の暗部。そしてその中で潰されていく個人。素晴ら>>続きを読む

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.0

この映画を見終わったあと、「すごく似てる映画があるなぁ…。でもなんだっけ?」と思いながら悶々としていたのだが、ようやく思い出した。「スタンド・バイ・ミー」だ。

いや、たしかにキャラクターの構成やテー
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

3.8

アカデミー賞脚本賞&主演男優賞授賞作品。作品賞や助演女優賞などにもノミネート。結論からいえば、ムーンライトなどと同じく、十分大人の観客の鑑賞に耐える秀作である。ただ、そのぶん引っ掛かりが何点か残ってし>>続きを読む

夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)

4.5

傑作。大傑作。湯浅ワールドの最高到達点。今年のアニメーション映画と言わず、邦画を代表する作品になるだろう。ここまで満足した映画体験はひさびさだ。

映画の上映が終わったあと、周りで観ていた人たちが口々
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美女と野獣(2017年製作の映画)

3.5

とにかく徹底的に美女と野獣。
徹底的に正統派ディズニー映画。
いわゆる社会批判だとか、新たに現代的なテーマを入れるとか、そういった試みは潔いほどにされていない。ストーリーも演出も、アニメ版とほぼ同じと
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カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)

4.0

いやー、これは大好きだ。絵作りの巧みさやレトロな雰囲気が素晴らしい。そして、つくづくアレンはニューヨーカーなんだなあと再認識。間違いなく、今年ベスト級の一作。

とあるカップルのハリウッドを舞台にした
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スウィート17モンスター(2016年製作の映画)

4.0

ヘイリー・スタインフェルドのファンは一食抜いてでも行くべし。最高なので。スタインフェルドのファンでなくても観るべし。観れば絶対ファンになるから。超極上ティーン映画の誕生だ!

主人公はうだつの上がらな
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午後8時の訪問者(2016年製作の映画)

3.7

前作、「サンドラの週末」と同じく社会的格差や貧困を正面から描いている。ただ、本作はミステリ要素(といってもそこまで濃厚じゃないけど)も絡み、また群像劇としてもなかなか見応えのある作品に仕上がっていると>>続きを読む

LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

3.6

「予告編から察する限り、こうなってああなるんでしょ?ライオンって、だいたいこんな意味でしょ?」という、見る前の予想がほぼ的中する映画…なのだが、それでもちゃんと面白い。

インドを描いた最近のハリウッ
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夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

3.6

演技と映像と作画の大量得点で、脚本の大量失点をカバーした印象。厳密には脚本そのものは悪くないが、1つ致命的な欠点があり、それが最後までノイズになってしまっている。

話はわりとシンプルで、主人公の大学
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ムーンライト(2016年製作の映画)

3.9

いわゆる人種差別、分かりやすくいえば黒人と白人の間の溝を描いた映画は少なからずあるが、本作は黒人と黒人の間の溝であり、黒人社会の中における生きづらさと苦しさを三部構成で描いた作品である。

そして見終
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サラエヴォの銃声(2016年製作の映画)

2.9

いいとか悪いとかではなく、20世紀のユーゴスラビア諸国の現代史をどれだけ理解しているかが問われる。冒頭から、ユーゴ紛争に関する固有名詞が機関銃のように飛び出してくるので…。

ただ、20世紀の始まりと
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はらはらなのか。(2017年製作の映画)

3.6

かなり人を選ぶ映画なのは間違いない。徹底的に作り込まれた世界観にはまれば楽しめるが、それができなければ辛いかもしれない。でも一見の価値は確実にある。

主演の原菜乃華を綺麗に撮るアイドル映画、という視
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.5

まさにいま作られるべき、観られるべき傑作である。

お気にいり監督のひとり、ケン・ローチの新作という時点で観に行くことは決めていたが、ここまでとは。ローチは社会的弱者、少数者の立場に立って映画づくりを
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アシュラ(2016年製作の映画)

3.7

外道(市長)VS非道(検察)の争いを、犬(主人公)の視点でまとめあげた血みどろオペラ。権力と支配のためには手段を選ばない市長役のファン・ジョンミョンが凄い。

とにかく主人公のキャラクターが、まさに犬
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カナリア(2004年製作の映画)

4.5

もしも主演のキャストたちと同じくらいの年齢のときに、リアルタイムで観ることができていれば、もっともっと大切で大好きな映画になっていたかもしれない。
そう感じる作品はたくさんあるけど、この映画はまさにそ
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ミッション:インポッシブル(1996年製作の映画)

3.9

007並のプログラムピクチャーになりそうなシリーズの第一作。CGやアクションの派手さは近作のほうがいいけど、作品としての作り込みはこれが最高だと思う。

なんといっても、開始から15分くらいの急展開が
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3月のライオン 前編(2017年製作の映画)

3.7

あの原作をどうやってまとめるんだ…?と、あまり期待しないで観に行ったら、これがなかなかよくできていた。全て原作通りではない(島田×桐山戦での対局後の感想戦がカットされていたり。これは入れて欲しかった…>>続きを読む

天井桟敷の人々(1945年製作の映画)

3.8

ドロドロのドロドロのドロドロの愛憎劇。詩人がとても詩人と思えないほどの暴れん坊だけど、それはそれでいいのかな。

フランスの半分がヒトラーの統治下で、もう半分のヒトラーの傀儡政権だったヴィシー政権下で
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L.A.コンフィデンシャル(1997年製作の映画)

4.0

ラ・ラ・ランドがハリウッドの表街道を行く物語なら、この映画はハリウッドの裏街道を疾走する物語。「ハリウッドの有名女優そっくりの娼婦」という設定も、なかなか皮肉がきいている。

とはいえ、刑事物としては
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ロード・トゥ・パーディション(2002年製作の映画)

3.9

事件は雨の日に起こる。トム・ハンクス演じる父の「秘密」を息子が知ってしまうのが雨の日なら、ハンクスとポール・ニューマンの「疑似親子」の関係性の終着駅も雨の日。雨の光、闇の暗さをくっきり浮かび上がらせた>>続きを読む

ニノチカ(1939年製作の映画)

3.9

グレタ・ガルボのツンデレ演技。それだけで充分観る価値がある作品。クオリティーの高い冷戦をバックにしたコメディだけど、ガルボのアイドル映画として観ても楽しめる。

ガルボが初めて声を出して笑うシーンが一
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ファーゴ(1996年製作の映画)

3.7

雪原の白、そこに飛び散る死体の鮮血の赤。あまり意識はされてないのかもしれないけれど、このコントラストがとても鮮やかな映画。

実話に基づく物語とあって、もちろん脚色もあるのだろうけど、とにかくとんでも
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ANTIPORNO アンチポルノ(2016年製作の映画)

3.8

いま、なぜロマンポルノを再び作るのか?という疑問に対する園子温からの回答映画。ただのエロなら、わざわざいま作る意味はないのでは?という彼の意志が宿っているから、このとんでもない珍品ができたんだろうなあ>>続きを読む

お嬢さん(2016年製作の映画)

5.0

現時点における2017年のマイベスト洋画。今年は韓国映画の狂い咲き。コクソンが今年のベスト韓国映画だと思ったが、この映画が軽々と超えていった。

中身は韓国が日本の植民地であった頃。日本文化に憧れる韓
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ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜(2017年製作の映画)

3.7

傷だらけだし、突っこみどころや疑問点もたくさんある。純粋な出来でいえば、昨年の「君の名は。」「聲の形」といった作品には、正直遠く及ばないだろう。だが、この映画が好きか嫌いかと聞かれたら、大好きだと言い>>続きを読む

決戦・紫禁城(2000年製作の映画)

3.8

インファナル アフェアの監督、こんな映画も撮ってたんだ⁉と、(いい意味で)驚かされる作品。清末期を舞台に、天下最強の剣聖と超絶技巧を誇る剣士の宿命の対決を軸に、皇帝暗殺計画とそれを食い止めようとする密>>続きを読む

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