主人公の少年がスーザンと言う『女性』の、その肉体を通過しながら、その精神を手に入れることができない様に、本作以降に作られた、ありとあらゆる青春映画は、『早春』と言う『映画』の、その肉体を通過しながら、>>続きを読む
性同一性障害にシングルマザーに同性愛。一昔前なら『普通ではない』が、今では当たり前の、それでもまだそうとは言い切れない人々の物語と言うか、ぶっちゃけショーケースなんですよ本作は。
例えば『20センチュ>>続きを読む
珍品。何がしたいのかさっぱり分からない。先ず持って主人公の姉が分からない。主人公を守りたいのか晒し者にしたいのか?壮絶な姉妹喧嘩の原因となるキッカケも(あんなことをすれば学校中から主人公だけでなく自分>>続きを読む
言葉にするのが難しい。それが本作に対する偽らざる感想だ。
ここに描かれる差別とその構造、人間がどれほどまでに同じ人間を憎むことが出来るかと言うことを突きつけられると、我々はただ映画を観ている観客として>>続きを読む
人が人を憎むのではなく赦すこと。そこからしか何も始まらないこと。そのことを静かに、しかし腹の底にズシリと響く重いボディブローのように我々に問うてくる今年度屈指の傑作。
憎しみと言う感情のみに突き動かさ>>続きを読む
『ジョン・カーペンターの要塞警察』meetsラブクラフト或いは『ヘル・レイザー』とも言うべきグチャグロホラーで、ラストもどこか『死霊のはらわたII』を思わせる、80年代のホラーのスピリットに溢れた作品>>続きを読む
昨年の『ローガン』もそうだが、本作もまたスピルバーグ『戦火の馬』から始まったアメリカ映画の西部劇への回帰、その流れに則った一本でありながら、その見事なまでのフォード『捜索者』ぶりにこれがキング原作のホ>>続きを読む
ウォルター・ヒルによる『私が、生きる肌』とも呼べそうな本作だが、しかしここにはアルモドバルが自身の倒錯性を全開にして、自らがこのインモラルな悲喜劇の一番の観客として作品を楽しむ様な態度は見られない。>>続きを読む
POVホラーの肝とは、どんなに話がグダグダでも、ただ一回衝撃映像が見れたらOKと言う一点に尽きる。その意味で合格な本作は、ババァの衝撃度において『スペル』と『ヴィジット』に比肩し、笑撃度では遥かに凌駕>>続きを読む
気持ち悪い。
こんなの童貞と処女しか喜ばないでしょ?
相手の唾液を飲んで問題解決って。
当然大林宣彦『転校生』は観てると思うけど、それでこれってどうなの?
もっと言えば実写でできることをわざわざアニメ>>続きを読む
セガールにゾンビを掛け合わせれば…このアイデアを思いついた製作陣はきっと作品の成功は間違いないと考えただろうが、結果は箸にも棒にもかからないクソ以下の暇つぶしにもならない作品となった。
セガール無双の>>続きを読む
今更観たが、新でも深でも、神でもない、まして真でもない、敢えて言うなら震・ゴジラか。
本作が東日本大震災なしでは撮られなかったこと、またラストのゴジラの姿はそのまま福島第一原発のそれであり、そのことも>>続きを読む
同じジョス・ウェドンなのに『アベンジャーズ』が二作ともダメで、本作がOKなのは、ひとえにザック・スナイダーの功績な訳でも何でもなくて、ただ単にワンダーウーマンがいるかいないか。それだけのことである。『>>続きを読む
ホラーが持つ青春映画との親和性の高さや、恐怖と言う通過儀礼を通した成長譚としての側面を余すところなく描きながら、同じ“それ”を扱った『イット・フォローズ』ほどグッとこなかったのは、まるで予め勝敗が分か>>続きを読む
『映画は生ものである』。その言葉を二十数年振りに観た本作で改めて思った。
20代の自分ではなく歳を重ねた今の自分だからこそ分かる、もう若くはない主人公ケーブル・ホーグと娼婦ヒルディの想いが痛いほどいち>>続きを読む
傑作『ラブバトル』をものにしたドワイヨンだから、勝手にロダンとカミーユ・クローデルの愛の修羅を描いた作品だと思ったら(これは邦題にも責任がある)、全然違って全然つまらなかった。
ロダンがありとあらゆる>>続きを読む
ともかく劇中劇が素晴らしい。70年代映画のルックだけでなく空気までも纏った復讐劇の緊密さの前では本筋である主人公のストーリーなどどーでもいいように見える(実際劇中劇の主人公と彼女の行動をいちいちシンク>>続きを読む
帰ってきたウルトラマン『怪獣使いと少年』を少年を拗らせたまま大人になった者たちの自分探しの物語として再構築しながら、怪獣映画にしか持ち得ないカタルシスとそのカタルシスが持たざるを得ない罪をそのどちらに>>続きを読む
行き過ぎた恐怖は時に笑いを生み、行き過ぎた笑いは時に恐怖を生む。
キム・ギョン初体験となる『下女』を前に、これがメロドラマなのかホラーなのか?そもそもそんなジャンル分け自体が無意味なのか?私はそれを可>>続きを読む
物語の中盤黒人青年が主人公に向けて放つ『出て行け!』の言葉。作品のタイトルでもあるこの『出て行け!』は誰に向けられた言葉なのか?
もちろん物語上主人公に向けられたものであるが、他に自身の肉体を内側から>>続きを読む
見飽きたと言うか、最早これ無しではアメリカ映画は成立さえしないと思われる『真実に基づく物語』の文句から始まる本作と数多ある同種の作品を大きく隔ている点が、そこにトム・クルーズがいるかいないか?であるこ>>続きを読む
例えばダウンタウンの『ガキ使』での松本と浜田のツーショットトークのように。面白いか面白くないかと言ったこととは別次元の、ただ二人がそこに並んで喋っている、それだけで何もかもが成立してしまう。そんなレベ>>続きを読む
『野獣の青春』『海外特派員』等。ハードボイルドやスパイ映画の記憶をそこかしこに散りばめながら、あくまで一見さんが楽しめる作品に徹する姿勢が良い。
アクションはどれも素晴らしいが、中でもデモに紛れて西側>>続きを読む
処女作『パーマネント・バケーション』からそのスタイルや志向する作品が一貫して変わることのない、良い意味でも悪い意味でも“永遠の若年寄”たるジャームッシュ。前作『オンリー・ラブァーズ・レフト・アライヴ』>>続きを読む
女性であり黒人であること。そんな二重の生き辛さを無効にする、人間の、人間そのものの力の尊さを描き、どうしようもない程に観る者の胸を震わせる
手渡されるチョークやマグカップは、白人と黒人が人と人として“>>続きを読む
これは韓国映画であってゾンビ映画ではない。
前者だけで評価するなら、韓国映画お得意の親子愛と男泣き要素満載のベタなアクション映画として及第点だが、後者としては全くダメ。
ホラー映画の三大発明であるゾン>>続きを読む
最高。ラストは想定内にしても『ウヒャヒャ』ってなった。リドスコの肉体破壊描写は『悪の法則』以降益々磨きがかかっていて、今回はもはや芸術の域に達している。
『オデッセイ』が糞だったから期待してなかったが>>続きを読む
私はやっぱりロックよりカントリーのほうが好きだ。
これは本作と本作がオマージュを捧げているウォルター・ヒルの孤高の傑作『ザ・ドライバー』を指してのものだが、いつだってウェルメイドなエドガー・ライトだか>>続きを読む
最近のアメコミ映画の中では上出来の部類に入る。
島を出るまでのアマゾネス映画振りの(このまま島を出なくてもよかった)素晴らしさ。何よりロビン・ライトとコニー・ニールセンを姉妹にキャスティングした時点で>>続きを読む
今年は決定的なジャンル映画の衰退、もっと言うと崩壊の年として記憶されるだろう。ミュージカル映画を知らない『ラ・ラ・ランド』、西部劇を知らない『マグニフィセント・セブン』、そして戦争映画を知らない本作と>>続きを読む
かつて北野映画の醍醐味は、映画なんてどうでもいい、映画のえの字も知らない武が、映画において常識とされるあらゆる型に囚われず、むしろそれを破壊することで生まれる異化効果にあった。
ただ例のバイク事故以降>>続きを読む
黒沢清による『SF/ボディ・スナッチャー』であり『スターマン/愛・宇宙はるかに』でもある本作は、『岸辺の旅』以降彼が描き続けている『愛』についての物語であり、『岸辺の旅』と通底する、愛を見失い、一度は>>続きを読む
これはヴァーホーヴェンがチ◯コと言う絵筆で、精液と言う絵の具を使って描いた『未来よ こんにちは』である。
ただ両作が人生をテーマにしながら、『未来よ〜』がその淡々とした描き方が示す様に水彩画であるのに>>続きを読む
子どもの頃何度もテレビで観て分かっていてもラストに震える。
にしても昔より今こそ響くのは、一連の北朝鮮のミサイルやそれに対するトランプの発言を見るにつけ、本作及び旧シリーズが、人間の、もっと言えばアメ>>続きを読む
ポケモンGOにハマって早一年。数年前まで『ポケモン映画?どーせポケモンがバトルするだけの子供騙しでしょ?』と高を括っていた自分がまさか号泣するとは思わなかった。
本作は古くからある少年の動物との出会い>>続きを読む
本作を観て現代における戦争映画を撮ることの困難さを痛感した。
『映画』の醍醐味の一つに、人が人を殺すところ&人が死ぬところを何の負い目もなく見て楽しめることにあるが、その点で戦争映画は正にうってつけの>>続きを読む