mさんの映画レビュー・感想・評価

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BOM !(2001年製作の映画)

1.0

日本映画界には今も昔もこういうアレな案件が存在する(とは言ってもフィルム撮影だしカメラマンは現三池組カメラマンの北さんだし、全然底辺ではないけど)。

ダサくてキモいオッサンが脳内で作り上げた非実在女
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ドリームプラン(2021年製作の映画)

4.8

何が良いって、監督も脚本家も演じるウィル・スミスも『この父親、正直色々ダメじゃない?(家父長制とか自己顕示欲とか)』って事から逃げずに、安易な英雄譚にはせず描く本人に対して客観性・批評性を持って相対し>>続きを読む

蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳(1998年製作の映画)

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黒沢清監督が柴咲コウ主演でフランス映画としてセルフリメイクした6月日本公開の「蛇の道」、そのオリジナル版の続編。

日本映画史上トップレベルの恐ろしい邪悪な結末を迎えた前作から一転、脚本から高橋洋が抜
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猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

3.9

前作「猿の惑星:聖戦記」があれだけの大傑作で完璧に幕を閉じただけに、今更「猿の惑星」の新作をやるなんて蛇足以外の何物でもないだろうというのは観客だけでなく勿論作り手達自身も分かっていたはずで、そんな重>>続きを読む

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

4.6

「マン・オブ・スティール」から始まったDCエクステンデッド・ユニバース最後の映画。なんか凄い倦怠感・退屈さ・事故物件感が序盤で漂っていて、えっDCEUこれで終わりで良いんですか・・?となりましたが、ワ>>続きを読む

DASHCAM ダッシュカム(2021年製作の映画)

1.5

トランプ支持者で反ワクチン・反リベラルで他人に迷惑をかけまくる人間性が完全にゴミな女性配信者が最後までゴミのまま怪異とカチ合うという発想は本当に面白いんだけど、その発想以外全てダメだった。「ブギーマン>>続きを読む

コカイン・ベア(2023年製作の映画)

4.7

ゆるっとしつつ妙にきめ細かい群像劇とVFX&グロがやたらガチな熊活劇がドッキングした結果、他に類を見ない奇妙なテイストの映画が誕生。なんか良い話風に処理しようとするエンディングも含めて、なんだろう、な>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.9

濱口映画の魔法は言葉に宿ると思っているので、映像と音楽メインの序盤はすわ「不気味なものの肌に触れる」以来の自分と肌の合わない濱口映画かと不安に思ったけど、説明会のシーンからやはり一気にエンジンがかかる>>続きを読む

辻占恋慕(2020年製作の映画)

4.8

大野大輔監督の作品をようやく初めて観たのだけど、確かに才能を感じさせる傑作だった・・
『人生のアウトロ』と向き合う売れない夢追い人達へのレクイエムにはいつの時代にも通じる普遍性があり、尚且つ大野監督の
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蜘蛛巣城(1957年製作の映画)

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濃霧の中から蘇る蜘蛛巣城、妻の進言に怯え慄きながら主君を殺しに行く三船敏郎の表情、霧の中で妖しく蠢く木々、そしてお馴染みのガチ矢。弱さと夢幻をこそ徹底的にダイナミックに演出するのが黒沢節。

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.8

シリーズ完結編は三作中最も静かで、最も逃れられない死の恐怖感があって(マッコールさんは全編においてヒーローというよりもはや死神である)、そして最も映画としての格調が高い作品だった。アントワン・フークワ>>続きを読む

Pearl パール(2022年製作の映画)

4.8

前作「X エックス」はタイ・ウエスト監督の才気は買いつつ全然好きじゃない映画だったのだけど、その前日譚となる今作は本当に良かった。遂にタイ監督の才気と作品のドラマとが完璧に噛み合ったと思う。

鬱屈と
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死霊館のシスター 呪いの秘密(2023年製作の映画)

4.7

連続する聖職者怪死事件。事態を重く見た教会は、かつて奇蹟の毒霧攻撃で悪魔・バラクを退けたアイリーンに捜査を依頼する。新たなバディと共に捜査するアイリーンだが、捜査線上に浮かび上がったのは前作で共に生き>>続きを読む

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

1.1

ここ数年友達付き合いでコナン映画を観てきてどの作品も楽しめたんだけど、今回のはちょっと話にならないくらい脚本と演出が酷かった。映画としてあまりにもぎこちなくて稚拙。
衝撃ネタバラシやラブコメ展開でファ
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ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

1.5

何が悪いってこの映画自体よりこの映画についてTwitterで楽しそうに書かれてる言葉の方が断然面白い事ですよ。ヤンキー漫画ノリって聞いて『アダム・ウィンガードって「クローズZERO」好きすぎて前作に小>>続きを読む

ロスト・フライト(2022年製作の映画)

4.8

丁寧に作られた娯楽映画はこの世の救いです。

丁寧に航空パニックをやる序盤、丁寧に『この後筋肉展開になります』という伏線を積み重ねる中盤、そして丁寧に筋肉銃弾大炸裂活劇になる丁寧脳筋終盤と、とにかく丁
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REBEL MOON ー パート2: 傷跡を刻む者(2024年製作の映画)

1.0

ダルい!ダルいよーーーっ!!!
今度こそちゃんと「七人の侍」が始まると思ったら、ますます初期の頃より薄味になったゆるゆるのザック映画をダラダラと見せられてしまう後編。「七人の侍」やるならちゃんとやりな
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.8

同じバス・ドゥヴォス監督作品だと「Here」よりはこちらの方がまだとっつきやすい印象はある。でも個人的には「Here」の方が好き。

仕事帰りの終電で居眠りして寝過ごしてしまった清掃作業員の女性が、人
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Here(2023年製作の映画)

4.9

バス・ドゥヴォス監督の作品を観たのはこれが初めてなんだけど、凄く良かったな・・。正直自分とは相性が悪い作風だし実際少し眠気に襲われたけど、最後には言いようの無い感慨に包まれた。

祖国に帰る前に冷蔵庫
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ただ悪より救いたまえ(2019年製作の映画)

4.4

手段は選ばないが善性のあるファン・ジョンミンとお洒落で凶暴なイ・ジョンジェの「新しき世界」逆転コンビは良い座組。ただ復讐劇の合間に子供との交流(割となぁなぁで済まされる)もあったりタイ現地のマフィアと>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.9

鋭い客観性のあるオープニングに息を呑み、あまりにも完璧なラストシーンの圧倒的な情感に人生と愛を見る。主要登場人物3人の思慮深さによって物語はベタなメロドラマには陥らず、豊かさと感慨深さを伴う人生のドラ>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

5.0

まずこれは本当に語弊があるとは思うんだけど、率直に言って凄まじく面白い映画だった。間違いなくクリストファー・ノーラン最高傑作だと思う。

プロメテウスになってしまった男と彼がモーツァルトで自分がサリエ
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貴公子(2023年製作の映画)

2.0

ごめん、つまんないわ!
凡庸で微妙にタルいシーンの連続(つまらない追いかけっこが何回も続く)、既視感のある話なのに何故か目的を明かさないまま後半まで引っ張る故にダルい暗中模索が続く展開(そして引っ張っ
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i ai(2022年製作の映画)

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GEZANのボーカル:マヒトゥ・ザ・ピーポー(以下・マヒト)の映画監督デビュー作。

マヒトの映画に完成度とか技術なんてハナから望んでいないのだけど、90〜ゼロ年代ミニシアター邦画の尖った感じやポエテ
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オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

4.8

凄く良いじゃないですか・・!
1作目とあの時期の映画(画のルックとズーム!)にリスペクトを捧げつつ、この映画は更に上を目指すと宣言するような冒頭のシーケンスでまず刮目。
その直後、穏やかな音楽と美しい
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ドラキュラ/デメテル号最期の航海(2023年製作の映画)

4.7

本国で興行的に大コケしたのは知っていたので、この類のジャンル映画にしては明らかに気合が入りすぎた撮影・美術・衣装に序盤から大赤字の気配を察して青ざめる。そんなこちらの余計な心配など勿論どうでも良くて、>>続きを読む

ロードハウス/孤独の街(2024年製作の映画)

4.8

これめっちゃ面白いやん!!配信のみで劇場公開されないのが本当に残念(監督もキレてました)。

80年代映画の大らかさとダグ・リーマン監督らしい狂気性&尖った表現が合わさり、それを取り持つジェイク・ギレ
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ダムゼル/運命を拓きし者(2024年製作の映画)

4.6

懐かしの大傑作「28週後…」の監督久々の最新作!フアン監督お元気でしたか!?俺ほんと「28週後…」大好きなんで嬉しいっす!!

明らかに「ゲー○・オブ・ス○ーンズ」参考にしたでしょという物語ながらこの
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

-

良作だと思う。無茶を捩じ伏せる綾野剛のオム・ファタールっぷりは余りにも最強で、齋藤潤のクライマックスでの熱唱は胸に来るものがしっかりあった。この2点だけでも実写化の意味は充分あったし、野木さんの脚色と>>続きを読む

レミニセンス(2021年製作の映画)

4.7

好きですねぇ・・・・イイじゃないですか・・・好きですよ・・・イイですね・・

近未来SFの皮を被った探偵物フィルムノワールであり、その作り手の意図をヒュー・ジャックマンとレベッカ・ファーガソンは完璧に
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.7

確定申告が終わったんでね、こういうのが観たかったんですよね。
主人公も敵も寡黙なので、やたら雄大なロケーションも相まって何となくサイレント映画的な風格があるような無いようないやあるような、いやいや気の
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パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女(2020年製作の映画)

4.7

まずパク・ソダムって最高じゃないですか?
で、ハードボイルドだけど情に厚くて猫と子供に優しい孤高の裏ドライバーがパク・ソダムだったら更に最高じゃないですか?それです。つまりあなたは109分間そんな最高
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.9

裁判を通じて解剖されていくのは事件の真相ではなく、人間・夫婦の厄介なグレーさと、この社会=我々が如何に女性を偏見を抱いて見ているかである。そうしたものをこそ解剖していく映画の厳密な構造と、一種のリトマ>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.8

ドゥニ監督らしい魔的なものが存分に発揮された巨大で凄い映画だけど、特に心は動かされなかった。
革命の巨大な暴力のカタルシスではなく政治という大きな流れの厭さをこそ強調して描く所にドゥニらしさがあるもの
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