映画人間さんの映画レビュー・感想・評価

映画人間

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ミッシング(2024年製作の映画)

3.8

とてつもなく力の溢れた作品だった。どちらかというと映画よりもドラマに出演しているイメージの強い石原さとみが、ワーナーブラザーズ配給とはいえ、スターサンズ企画の作品に出るとは驚いた。しっかりと身を削った>>続きを読む

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

3.6

映像技術は素晴らしく、言語を喋るということもあり、主人公のノアを含めた猿たちに感情移入することができた。ただ、人間が登場してからの嘘っぽさが際立っており、特に今回の中心人物であるメイのビジュアルには違>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.9

流石は濱口監督というべき作品だった。最初はもの静かに始まるが、グランピング施設の説明会のシーンから、ボルテージが上がっていく。地元住民からしたら敵キャラのように思えてくる施設側の人たちだが、車の中の会>>続きを読む

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

3.8

タイトルが微妙だなと思ったが、流石は藤井監督クオリティの作品だった。主人公の男性も良いが、本作では清原果耶演じるヒロインの存在が光る。こんなに可愛かったと思うほどに魅力に溢れた女性を演じ、彼女無しでは>>続きを読む

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.5

来週公開する「猿の惑星」かと思える内容になっており、ゴジラの存在感が薄かった。コングのいないゴジラは「ゴジラ-1.0」だが、コングのいるゴジラは「ゴジラ×コング」で、ゴジラのいない猿の映画は「猿の惑星>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.6

決して悪くはないけれど、壮大なコントを観ているような作品。映像美や音楽は素晴らしく、壮大な世界観が広がるが、如何せん登場人物の魅力が薄い。主人公も前作よりも微妙になり、ヒロインに関しては役者も悪いと思>>続きを読む

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

3.6

去年は良かったけれど、今年はそこまで良くは無かった。スタッフで言うと、隔年で脚本家が入れ替わっているようだが、私はもう一人の脚本家の作風が好きだ。アニメではあるが、実写のような脚本なのが良い。本作はご>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.7

予想通りの展開ではあったが、ソウルとニューヨークをどちらも旅行したことがある身としては、両都市の空気感が伝わってきて、非常に味わいの深い作品になっていた。韓国人の男性と女性の話がメインではあるが、女性>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.6

中盤までよく分からず、そして中盤以降もよく分からなかったが、段々と魅力にハマっていく摩訶不思議な作品だった。声優を務めた幾田りらは最初から違和感がなく、逆にあのちゃんはそのまま過ぎたが、幼少期のシーン>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.7

日本人としては非常に複雑な心境になる作品だった。原子力爆弾を発明したオッペンハイマー氏の半生を描いた本作。終盤で広島や長崎への原爆投下の話が出てくるが、まるでゲームかのように話をしているアメリカ人の姿>>続きを読む

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

4.3

やっぱり私は川村元気の作品が大好きだ。過去の彼が小説の作品は全て高評価を付けていたが、本作は今までは一番良かった気がする。まずは何といっても佐藤健、長澤まさみ、森七菜というキャスティングが素晴らしいす>>続きを読む

変な家(2024年製作の映画)

3.2

空前の大ヒットとなっている本作。元々、雨穴さんのYouTubeで原作は観ていたが、ほぼ序盤だけで、それ以降はオリジナル要素が強かった。主人公を演じる間宮祥太朗は良いが、佐藤二朗はいつもの彼すぎるし、川>>続きを読む

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.8

脚本は素直に褒められた内容では無かったけれど。演出やキャスティング、役者の演技が素晴らしかった。特に主演を務める杉咲花は圧倒的な存在感であり、法廷遊戯や市子の近年の作品で絶賛の声が上がっているが、本作>>続きを読む

映画 マイホームヒーロー(2024年製作の映画)

3.7

全然期待をしていなかったが、予告が気になったので鑑賞をしてみる事に。ドラマの続きという事で未視聴だった私は置いて行かれると思いきや、しっかりとダイジェスト的に昔話を序盤でしてくれて、知識のある状態で観>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.0

中国ドラマが原作ということで、終始独特な雰囲気を持った映画だったが、怒涛の展開を繰り広げる脚本の展開があっぱれだった。沖縄を舞台に、観光業が盛んで暖かいが、貧困の問題など、どこか影がある雰囲気が漂って>>続きを読む

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.3

評判が著しく悪いので、あまり期待をせずに観に行ったら、意外にも序盤は良い意味で予想を裏切られ、ハラハラドキドキの展開に。ただ、ほんの一時に過ぎず、途中からは会話が多めで、アクションも少なく、キャラクタ>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.3

遅くなったが、やっと観れた。世間の評価以上にかなりの出来であり、映画館のスクリーンで観れて良かったと心の底から思った。あまりゲゲゲの鬼太郎に触れてこなかったが、非常に奥深い作品となっており、戦後の混沌>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.7

序盤は退屈だったが、要所要所のアクションシーンは釘付けになるし、中盤以降の展開は驚きの連続で段々テンションが上がっていく作りであった。その立役者とも言えるのが主演の演技力であり、彼女なしでは本作は完成>>続きを読む

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

3.8

記念すべき人生1000本目の作品。ずっとこの時を待っていたが、節目に相応しい名作であった。混乱の時代を生きる人々の苦しさと、そして何よりも必死に生きていく心強さを感じる一作であった。アンハサウェイの登>>続きを読む

マッチング(2024年製作の映画)

3.6

期待を下回ったが、美術など評価点もあり、少し高めの点数を付けた。ストーリーに関しては全然ダメで、これは予告編があまりにもネタバレな空気を出し過ぎている事も要因のように思える。そして、主演の土屋太鳳は非>>続きを読む

カラーパープル(2023年製作の映画)

3.6

色々と救いようのない話だった。女性を人と思っていない時代の過酷さが映像を通じて痛感した。ミュージカルパートは迫力もあり、あまり知らない俳優の方々という事もあり、実際のミュージカルを舞台で観ているかのよ>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.6

独特の空気感が醸し出されており、序盤は非常に居心地が良いが、中盤以降は慣れてしまったのか、急に退屈に思えてしまった。主演の二人は素晴らしく、特に松村北斗はアイドルらしさはゼロで、鬱っぽい表情を見事に演>>続きを読む

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.4

なんか普通の映画になってしまった印象だった。前作の1が非常に面白かっただけに本作には期待をしていたが、普通以上の感想が思い浮かばなかった。海の絵が地味だし、主人公以外のキャラクターの魅力が薄く、本作は>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.8

日本映画史に誇る素晴らしいクオリティーだった。漫画が未読なのだが、キングダム並みの壮大な世界観に加え、アクションシーンもさることながら、美術にも非常に拘りを感じた。何かと批判を集める実写化作品だが、本>>続きを読む

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.5

構成作家を目指す主人公という設定に惹かれ、主人公を演じる岡山くんや菅田将暉、仲野太賀など、キャスティングが私の琴線に触れたが、肝心の登場人物の魅力が弱かった。特に主人公はずっと中二病過ぎて、作品を通し>>続きを読む

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)

3.6

終盤の展開は意外性もあり面白かった。そして、キャスティングも今が旬な実力派若手俳優が集結しており、よくぞ集めたと思えるメンツだった。映像の雰囲気や演技の温度感も良い。しかし、序盤から中盤の展開が退屈で>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.6

正直期待しすぎた。原作が非常に人気なので楽しみであり、内容も予想通りであったが、お笑いも感動も控えめな印象で、何だか内容が薄いと思った。主人公を演じる綾野剛の演技は流石だが、他作品に比べるとその魅力は>>続きを読む

劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)

3.4

テレビアニメで十分だと思った。本作の緩いノリがどうも大きなスクリーンには合わない。深夜にパソコンやテレビなどでポテチでも食べながら鑑賞するのに適したコンテンツだと思う。だけど、中規模ながらヒットしてい>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.9

何気ない、でも確かにそこに生きている、一人東京で暮らす男性の姿がそこにあった。大きな出来事の起こらない話だが、主人公の男性を役所広司が見事に演じている。そして、その生き様をヴィム・ヴェンダース監督があ>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

3.7

久々に骨太な作品を観た気がした。何度も時系列が移り変わるが、混乱させずに、とても観やすい工夫がされていた。杉咲花演じる主人公の市子の存在感や魅力は凄まじく、かなり体当たりな演技をしていた。以前から注目>>続きを読む

屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)

3.3

導入までが異様に長く、それ以降も不思議な世界でワクワクする展開が続くと思いきや、途中で何度も現実世界に戻るなど、かなり中途半端な印象。脚本や演出など、ジブリを相当意識していたように思えるが、そのどれも>>続きを読む

ウィッシュ(2023年製作の映画)

3.5

これがディズニー100周年なのかという出来。及第点ではあるものの、名作と言われる過去のディズニー作品には遠く及ばない内容であった。主人公のアーシャも、周りの仲間も、キーとなるスターも、敵キャラも全員魅>>続きを読む

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

3.7

時系列が途中まで分かりにくく、頭で整理をしながら鑑賞。周りからの評判が良かったが正直期待しすぎてしまった印象。話は面白かったが、最後の展開は読めてしまったのでどんでん返し感は弱かった。当時映画館で観れ>>続きを読む

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

3.7

予告では観たいと思わなかったが、評判通り、戦前から戦時にかけての時代を上手く捉えた素晴らしいアニメーションになっていた。おてんば娘のトットちゃんは可愛らしく、周りの生徒も含めて、皆等身大で親近感が持て>>続きを読む

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