ゴートさんの映画レビュー・感想・評価

ゴート

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マネー・ショート 華麗なる大逆転(2016年製作の映画)

3.8

経済知識が浅いので、登場人物たちが何に一喜一憂してるのか、根本的には理解できてないけど、なんというか。モラルもへったくれもない世界があるんだなと認識。

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.8

強がりで、独善的で、臆病で、優しいジョジョ。彼のひとつひとつのリアクションに魅力が溢れていた。

世界がジョジョ目線で描かれているからか、残酷な場面もどこかコミカルに感じられた。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.9

企画のアイディアや、ストーリーの構成は抜群にいいと思うのだけど、セリフがうまくない。
キャラクターが監督の考える「こうあるべき」の域を出ていないというか、用意された構図に当てはめられただけという感じ。
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.4

鬼太郎のエピソード0という枠組みの中で、犬神家のようなホラーサスペンスを語り、さらに戦後の日本の闇にも切り込むという、なかなかな芸当をやっている。

普通ならストーリーに粗が出てきそうなものだが、全編
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蛇の道(1998年製作の映画)

4.0

めっちゃなんか、しんどかった。
ファーストカットから、異様な暗さ。
この年代特有の空気感は嫌いじゃないんだけど。

哀川翔がよくわからん場所で、よくわからんメンツに、数学を教えてるのがヘンテコなんだよ
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.7

創作のイマジネーションって、本当はこんなふうに使われるべきなんだろうな。

理屈じゃないというか、自分でもよくわからない涙が何度も出た。

ラストまで観て、この映画がロードムービーでなければならない理
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怪物(2023年製作の映画)

4.6

伏線が張り巡らされていて、全部を拾いきれない。拾えたつもりの伏線も、時間がたつと別の意味に思えてくる。

視点だけでなく思考が、作品にジャックされている感じ。うまく言葉にできないけど。

ラストにいい
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女神の継承(2021年製作の映画)

3.5

洒落にならないくらい怖い映画なのだと思って観たが、そうでもなかった。

災いの理由を推理するシークエンスはちょっと面白かったが、それ以降は過剰な演出で畳み掛ける感じで冷めてしまった。

怖いという感情
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.6

終わったあとに、しばらく言葉が出てこなかった。

三上の社会復帰をサポートする人たちはいかにも善良だが、今の世界に存在するとは思えず、非現実感がある。

だが、それはこの映画では意図されたことで、「現
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

2.8

わからん…
混乱するだけで、心が揺さぶられない。
ドラマパートに全然感情移入できない。
もう一度最初から観ようとも思えない。
目がチカチカしただけだった…

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.1

子供のように、いつまでも真実を問い続ける大人になりたい。

市子(2023年製作の映画)

2.3

「真実はわからなかった。だから想像するしかない」というのが、この手の作品の基本的な立ち位置ではないだろうか。

主人公格である長谷川や北の、彼女の真実がわかりました。僕は頑張ってそこに到達しました。僕
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.1

プロットはいたってシンプルなのだが、冒頭からラストまで、離脱を許さない緊張感があった。
殺し屋は意外と、自己対話に優れているのかもしれない。

幸せへのまわり道(2019年製作の映画)

4.0

派手さはないけど、いい映画。

最初から最後まで善人である人はいない。しかし、善人たろうと日々努力する人はいる。それがトム・ハンクスが演じるフレッドだ。

「過酷な現実も、言葉にできるのなら対処できる
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八つ墓村(1977年製作の映画)

3.7

思ってたのと違った。

幼少期に親戚の家に泊まったとき、夜テレビで流れていて一瞬しか観てないけど、とてもまともに観てはいけないものだと直感していた。ある種のトラウマだったと思う。

でも実際この歳で観
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砂の器(1974年製作の映画)

4.0

事件の真相を追うことはときに、人の壮絶な人生を辿ることになる。

罪の声(2020年製作の映画)

3.8

事件当時の昭和59年、60年とはどのような時代で、人々はどのような感情で生きていたのだろうか。

本作では、真相究明の過程において、事件当時の日本の問題が、数々の人の証言をもとに掘り起こされていく。
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

塔に入るまでの青サギの異様な存在感。嘲笑するときの表情が、もののけ姫のモロの君を彷彿とさせて、ゾクゾクした。

サギ男になってからは、ジコ坊にしか見えず、魅力を感じなくなった。

ただ、最後の去り際の
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

5.0

何度も、静かに涙した。
映像を純粋に愛しいと思えたのは、いつぶりかわからない。
ただ生きて、呼吸をして、汗をかいて。見つめて。
一人の人間がそこにいる。ただそれだけのことを、丹念に誠実に、映している。

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.1

仮面ライダーは、使命を負った改造人間であると同時に、あるいはそれ以前に、一人のバイカーなんだなと思った。

犬王(2021年製作の映画)

3.1

どうしてこうなった。
製作の座組みは豪華だし、多分やろうとしてることも、面白い(少なくとも予告編ではそう思えた)のに。

中盤の「見届けようぜ」の歌が、ヒキがないわりにくどい。何を延々と見せられてるの
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.5

サスペンスとロマンスの噛み合わせが絶妙。映像のギミックが全編で冴え渡っていて、饒舌な語り口だった。

ある男(2022年製作の映画)

4.0

自分の人生を生き直すために、「他人の人生を生きる」人がいる。

ワンダーウォール 劇場版(2019年製作の映画)

3.8

大学時代、学園祭の準備で、クラブハウスの狭くて汚い部室に一度だけ泊まったことがある。
人間にもまれ、ヘトヘトになっていた時期だった。
でも早朝、窓から差し込むほの青い朝焼けが、本当に美しかったのを覚え
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わたしの見ている世界が全て(2022年製作の映画)

4.4

人の心を慮らず、ただ自分の承認欲求を満たすために生きる遥風(はるか)。普通なら、物語を引っ掻き回すだけの脇役であるキャラクターを、本作の主人公にしたことが素晴らしい。

彼女の人間性には共感できないが
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ニンゲン合格(1999年製作の映画)

4.3

スクラップアンドビルドの輪廻の中で、人はどのようにして人生を紡いでいくのか。

誰かにすがらなければ生きていけない者達。しかし、彼らは共同体を維持することはできない。その可能性は、最初から否定されてい
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僕たちは変わらない朝を迎える(2021年製作の映画)

4.1

パッケージの写真がよかったので鑑賞。
邦画のこの手の恋愛映画は、安っぽいものが多くて途中で観るのをやめることがほとんどだけど、これは最後まで観れた。
主役の髙橋雄祐さん、はじめて観たけど、この作品の世
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オールド(2021年製作の映画)

3.9

アイディアはよいのだが、最後まで観ても「だから、なんなのだろう」としか思えなかった。
シャラマンは、斬新なアイディアを誉めてもらいたいマンなのだろうか。ドヤ顔で画面に出てくるのはよしてくれ。

この映
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空に住む(2020年製作の映画)

3.1

EDテーマええ加減にせえよ。
岩田さんの演技に終始違和感。

永瀬正敏の役柄が渋い。必要なときに必要な芝居だけして退場していく。

タワマンの部屋が醸す非現実感がよい。生きてるのか死んでるのかわからな
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

4.1

ずっと何が起きてるのか読み取れずモヤモヤしてたけど、なぜか目が離せなかった。
最後の衝撃がやばい。
ちゃんと理解したくてもう一回観返したら、きれいに筋が通っていた。
言葉にされていないことは、枠が全て
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.3

外星人の喋り方が皆、知性を感じさせつつ、独特の一本調子なのが印象的。
ウルトラマンは神ではなく、人類と同じく知的生命体であるということが、希望を感じさせる。
全身で縦回転して相手を蹴り上げる技は、大人
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ゲゲゲの鬼太郎 激突!!異次元妖怪の大反乱(1986年製作の映画)

3.0

朧車ってこんな強い能力持ってたの…と思いながら観てたら、まさかの知らない妖怪が化けているという設定。意外と自由だな。

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

動いてない雲があるってだけで、なんでこんなにワクワクするのだろうか。撮影技師のおっちゃんのレジェンド感がすごい。とにかく最初から語り口がうまいもんだから、好奇心の高まりが止まらなかった。主人公のOJは>>続きを読む

俺たちは天使じゃない(1989年製作の映画)

3.3

人は自分で居場所を決める。
ショーン・ペンが最後に教えてくれた。

君が世界のはじまり(2020年製作の映画)

3.8

原作が小説だからか、セリフを軸に映像が構成されている印象。所々のシーンで、演者の身体がセリフを補完するためだけに存在していて、浮ついているというか、実態を伴っていない感じがした。

しかし、人物たちは
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.1

本作でバットマンは、事件の真相を究明する「探偵」としての役割を与えられているが、ストーリーも、犯人に迫れば迫るほど、自身の抱える自己矛盾や闇が浮き彫りになるという、探偵モノの構造になっている。

バッ
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