救いのない家父長制、人種差別、性差別。どうやって終わりに向けて語って落とすのか予測しながら見た。
主人公ハモンドの葛藤と、露わになる価値観が見もの。
公開直後に見た時はハネケにしてはドラマ性が強いという印象。
母の娘に対する過干渉と、主人公の職務特有の自己抑圧による葛藤とそこから脱却したい願望がある。
セリフにある「巷のロックやポップス」という文言>>続きを読む
ストーム・デ・ハーシュは60年代アメリカのアートシーンにいた画家、詩人、映画製作者だった。本名はリリアン・マルキン。
ジョナス・メカスとの交流がある。
表題となる『Peyote Queen』はそれ単>>続きを読む
冒頭、マークの妻は妊娠しているのでこの旅に出るか許可を取ろうとするところも実際に出るのも微妙なモヤモヤは残っている。道中でカートはマークとの距離感の不安を突然軽く口にするし、マークは妻が分離不安症だと>>続きを読む
こんなにダラダラ語るなら150分あっても良い。それくらい無駄なカットが多くて、その無駄さが北マイアミの退屈な雰囲気を醸し出している。
意外にドラマティック。最後まで本当に何もなくてもよかったのだが。>>続きを読む
アウシュビッツ収容所の隣で生活するナチス党員とその家族を主軸に語られる物語。といっても度々実験的なカットが挿入され、客観的視点だけでなく主人公の潜在的無意識的な部分での葛藤が見られる。いや、葛藤とすら>>続きを読む
「アントワーヌ・ドワネル」シリーズの第4作だけどシリーズとしてはあんまり順を追って見なくてもアントワーヌがどういう人間なのかある程度知っておけばいいくらい。というよりもトリュフォーがアントワーヌっぽい>>続きを読む
この寂れたSF、だだっ広い砂漠に限りなく人間に近い宇宙人、この緩さにそこはかとない東ヨーロッパ感。
物語はある現代のおっさんがパンを買いにいくと偶然宇宙人に出会って見知らぬ惑星に一瞬で飛ばされるとい>>続きを読む
まずは『クレージーホース』を見たいなあと数年前から思っていたのにDVDでこれと『ゲルニカの木』を買う。
ジャケからしてホドロフスキー感が満載で内容もなんとなくメキシコっぽい感じがしていたがこちらはス>>続きを読む
大学生の頃に見たときはフレーム内を人物が水のように流れているという印象を持ったが、今思うとそれはカメラに無駄な動きがないという事で強ちその印象も間違ってはいないなと思う。
割と2020年前後で流行っ>>続きを読む
冒頭からかかる曲が間抜けすぎて笑ってしまうんだがクレジットにMetronomyとあったので驚く。音楽がかかるのは冒頭と最後だけだがこの間抜け曲でなんとなく締まった感がある。物語はそんなに締まってないん>>続きを読む
ブニュエル的な滑稽っぷりが発揮された、当人にとっては大真面目系偏屈ロマンス。おっさんがある女性の足を見て欲求を爆発させて近づくが、うまく結婚できた途端に嫉妬にひっくり返ってモラハラで追い回す。
新婚>>続きを読む
大人しくヒョロい牧師が最も観客に近く疑似体験をさせる役割と思わせておいて、意外にも悪魔に取り憑かれていくような物語。途中からこの偽善っぷりに我慢できなくなってくる。
アイスランドの過酷で雄大な自然を>>続きを読む
ジャストアイデアの着想としてブニュエルの『皆殺しの天使』が引用されている。ただこちらはそれを毒親の管理体制の元、そう洗脳されたという文脈だ。ランティモス初期(と言える年代かは知らんが)は最近の大きい資>>続きを読む
26分でこれほどの濃密さか、、、普通に90分見終わったかのような満足感。
子どもたちが不憫に描かれるシーンがほとんどとは言え、強い母親が見えるポイントが絶妙だしUKの土着感も相俟って日が経つにつれて>>続きを読む
7分とは言っても本編はほぼ5分なのだが、中間の紐の擦れるカットを長くとっている。今年のオスカーで話題になってた『関心領域』のジョナサン・グレイザー監督作。SNSの匿名誹謗中傷パニッシュメントて感じで、>>続きを読む
鑑賞中はその結構なトンデモ展開っぷりに呆気にとられる。でも見終わってから順を追って考えてみればこれは起きた事を過去に追いやる事で連続性を意識的に排除し、現在を肯定する強度が増している。
クローネンバー>>続きを読む
前作と設定は同じだが脚本の巧さに引き込まれる。いかに先を読ませないか、というのが肝だがウィンドウを閉じようとして別のウィンドウの情報に気付いたり、デバイスやアプリを駆使するあたりも現代の集中力のなさを>>続きを読む