脱脂四駆郎さんの映画レビュー・感想・評価

脱脂四駆郎

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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

罪を償って更生した人は他の市民と平等に暮らす権利がある。
と囁く天使と、
いい年して瞬間湯沸かし器みたいにキレ散らかす人を市井に戻さないでくれ!
と叫ぶ悪魔が、
絶えず私の頭の中で押し合いする2時間だ
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.0

世界を揺るがすことは一切ない、小規模タイムループ。少し前にやっていた「リバー流れないでよ」と同じくらいの規模感。
タイムループは舞台装置にすぎず、基本は社内の噛み合わない会話や、自分を見つめ直す時間す
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ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.5

前情報無しでの鑑賞だったが、ちょっと前にバービーを見たせいか、割と序盤でテーマや箱庭世界に既視感を覚えてしまい、観る順番を後悔。
終盤は集中力を欠いてしまい、今作のハリー・スタイルズはチャーリー・ヒー
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海街diary(2015年製作の映画)

3.5

鎌倉が好きで年に何度か散歩する。
都心と程よい距離感にありつつも、海と山に囲まれ外界の喧騒からは少し切り離された空気。
京都ほど都市ではなく「鎌倉」にしかない特別な景観。
そんな鎌倉で、時が止まったよ
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聖闘士星矢 The Beginning(2023年製作の映画)

2.5

うーん。。
実写化にあたっての改変は否定しないが、だからこそ「らしさ」の取捨選択は大切。
口では神・聖闘士・聖衣・小宇宙と言うが、キーワードとアイコンでしかなく、ギリシア神話と言う土台がすっかり排除さ
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

3.5

観たことなかった小津監督。
秋刀魚がどんな役割や意味を持つのか、いつ食卓に並ぶのかあれこれ想像しつつ、この時代における女性のあり方や現代との価値観の差に思い巡らせる。

こだわり抜いた構図、とつとつと
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.5

有害な男らしさ持った主人公をケイト・ブランシェットが演じる。
強権指揮者が、因果応報の果てに堕ちる話だと思っていたが、観終わると若干印象が違う。
何だかもやもやしてすっきりしない。

高圧的なターがす
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万引き家族(2018年製作の映画)

3.5

安藤サクラさんの雰囲気が苦手(食わず嫌い
)だし、テーマ的にもしんどそうだなー、と今まで寝かせていた本作。
ゴジラマイナスワンで安藤さんにすっかり慣れて、今こそ!と鑑賞。
母親でいたい気持ちを正論で剥
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

3.5

日本は外圧がないと変われない国、とよく言われるが水俣病もその典型だった事を知る。
そして、喉元過ぎれば暑さを忘れる国民性も重なり、私自身この病気は法的決着がついてるものと勝手に思い込んでいた。
教科書
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チャイナタウン(1974年製作の映画)

3.5

私のジャック・ニコルソン歴としては、
イージー・ライダーとシャイニングの間ニコルソン。
程よく脂が乗ってる。

チャイナタウンで巻き起こるオリエンタルなサスペンス、、なのかと思ったらまったく違う。
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赤い影(1973年製作の映画)

3.5

夫婦に終始付き纏う不安や不穏な空気をもっと観たままに楽しめば良かった、、と気付いたのは鑑賞後。
『赤い影』と言う邦題は良くも悪くも印象強く、画面上でも無駄に『赤』探しをしてしまい、本筋じゃないところで
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.0

ポリティクスな群像劇に振り切ったシン・ゴジラに対して、戦争の呪縛に囚われた個人にフォーカスしたマイナスワン。
どこか超然として人間など視えていないかのようなシン・ゴジラと、明確な害意を持って人間を追い
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燃えよ剣(2021年製作の映画)

3.5

るろうに剣心と修羅の刻から入り、血風録と燃えよ剣でイメージを固めた頃から、、気付けば四半世紀。
個人的な嗜好だが、やっぱり水滸伝でもアベンジャーズでも古今東西問わず、強者が集うチームアップ物語はシンプ
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ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

3.5

フィンチャー作品の中でこれだけ、腰が重くて放置していた。
快晴で暇だったある日…思い立って鑑賞。
いやー、夜じゃなくて良かった。
気持ちが北欧の冬になるとこだった。

振り返ると、ダニエル・クレイグは
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岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.0

長い!
悪くはないんだけど、、なんか長い!
ルーブル行くまでも長いし、帰ってからも長い。
観てる側の感覚だと、
起起承転結結
みたいな。
キャストも時間も絞って、
もっと映像テンポとルーブル純度を上げ
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.0

中華系アメリカ人の家族が、アメリカに根ざして生きて行く姿をマルチバースを通じて見守る作品。
人種、性別、貧富、世代、、様々な分断と生きづらさが描かれ、テーマはなかなか息苦しいが、そういう閉塞感がアメリ
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

4.0

ジャケットとタイトルから滲み出る謎のカッコ良さ。ようやく観れた。

彼らは必要以上に死を悲観しなかった。
避けれないものとして早々に受け入れ、そして自分たちの生き様(死に様)は自分たちで決めた。
だか
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

3.5

キューブリックは、時計じかけのアレックスに代表されるように、子どもの無邪気と狂気を表裏一体で描く。
それは狂気の兵士が必要なら、子どもに戻してしまえばいい、と言う理屈にも繋がる。
大人の理性や男性の尊
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キングダム2 遥かなる大地へ(2022年製作の映画)

3.0

1でも感じた山崎賢人の違和感。
今作も鑑賞中ずっと気になってしまい、ストーリーに集中できなかった。

信の内から溢れ出る根拠不明の自信。
それが戦場に於いて功を急く無鉄砲さや不遜な小童に映るのだと思う
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.5

ジム・ジャームッシュのナイト・オン・ザ・プラネット、
に魅せられたクリープハイプのナイトオンザプラネット、
にインスパイアされた本作、
と言うメタメタ作品。

内容もメタメタ。
主人公の思い出逆行と、
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.5

ROMA、ベルファストに続く監督自叙伝。
日常を情緒的に切り出した前述2作と比べると、「映画監督」へ至る成長過程を寓話(Fable)的に描いた本作はとっつきやすい。

が、フェイブルマン「ズ」のタイト
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SAND LAND(2023年製作の映画)

4.0

Dr.スランプもDBもその他短編も買い揃え、ドラクエ画集を買うくらいには鳥山明の絵が好きだ。
そのせいもあって、逆にDBアニメは違和感が気になって昔からあまり見てこなかった。

昨今のアニメは原作者の
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