ねこさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ゼイリブ(1988年製作の映画)

3.6

殴り合いが痛い

メガネなんてかけたくないんだよ
余計なものは見なくていい
面倒はごめんだ
それなりの日々を壊してまで変えたいものなどない
おかしいとか間違ってるとか思わないこともないけれど、今のとこ
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カラマリ・ユニオン(1985年製作の映画)

3.5

一作目とは大違い

あるのはわかっているのに、そこに至る方法がわからない男たちの行き当たりばったり
道のりは甘くはなかったが、最後の最後、失望の後にもまだ希望がある、かも
その僅かな「かも」に向かって
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罪と罰(1983年製作の映画)

3.7

道理を殺したかった男が道理に戻る

カウリスマキ長編第一作
初めからあったんだな、ささやかな希望が
さすがカウリスマキ
これぞカウリスマキ

孫文の義士団(2009年製作の映画)

3.7

これでもかと煽ってくる劇伴に身を任せ、熱い世界を堪能する

とにかくキャストが豪華なのが嬉しい
珍しくダメ男を演じるドニーが本物を相手に繰り広げるアクションシーンはさすがの迫力だし、ワン・シュエチーの
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オープン・ユア・アイズ(1997年製作の映画)

3.6

日常だと思っていたらSFという怖さ
ネタばらしの後に見ると、恋人も親友も妙によそよそしく感じてしまう、人の心の不思議
どちらがどうなのか理解が追いついていない部分もあるが、かなり昔の作品なのに古さを感
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ジェイソン・ボーン(2016年製作の映画)

3.6

ベガスがおおごとに

またしても苦悩のジェイソン・ボーン
彼が殺られることに対する不安は1ミリもないが、いつまでたっても迷子のようなところはずっと心配なままだ
人間不信がいっそう募ったであろう今回、そ
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女はコワイです/恋する男(1962年製作の映画)

3.7

コミカルなシーンだらけなのに飽きさせない
いかにも恋愛経験の少なそうな男を、エテックスが台詞ではなく全身で縦横無尽に語り尽くす
彼の父親もその昔、あの妻に対して“恋する男”だったのだろうかと想像するの
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.5

金塊返せこのヤロー!だけで頑張るのがいい
いろいろと吹っ飛びまくるが、自然はとても美しい
理屈は無視して不死身を楽しもう

マイ・ファースト・ミスター(2001年製作の映画)

3.3

ジェニファーの拗らせ方が幼稚な気がするのは20年前の作品だからか
ランダルの内面描写も足りないし、二人が近付いていくエピソードも少しピントがズレているように感じたが、終わりの温度は素敵だった

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.0

あらすじから想像したものとずいぶん違い戸惑ったが、終わってみれば終盤のハーパーの表情、まさにそんな気分だった
この作品の言いたいことはちゃんと伝わっているのだろうか?
そこが気がかり

評決のとき(1996年製作の映画)

2.5

これは正義なのか?
弁護人は陪審員の感情に訴えたわけだが、さすがにあの判決はどうかしていると思う
それでも涙が出たのは、実際に同じような目に遭った子供が世界には大勢いることを知っているからだ

それに
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アダプション/ある母と娘の記録(1975年製作の映画)

3.6

単刀直入というか無駄がないというか、遠慮や婉曲とは無縁な会話に、当時のハンガリーが透けて見えるようだった

たとえアンナが夢に破れても、カタの所に戻ればいい
きっと彼女は宣言通り、男には頼らず歩いてい
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幸福な結婚記念日(1962年製作の映画)

3.8

車社会の悲哀

ふてくされて酔い潰れていても、待っていてくれる人のいる幸せ
この後の二人の会話を想像するのも楽しい

世界最速のインディアン(2005年製作の映画)

3.8

バートは、必ず自ら名乗り手を差し出す
バートは、困ったら手近なところに助けを求める
バートは、人の好意を素直に受ける
バートの世界は、自分にとって大事なこととそれ以外のこととでできている
実にシンプル
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ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

3.8

実際はこれほど簡単ではないと思うが、本作においてはその軽やかさがとても好ましかった
肉体の柔らかさだけでなく心の柔軟さまで手に入れたエリーズが、ふたつ目の人生のスタートを切る
なんと後味の良い物語だろ
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私たちの幸せな時間(2006年製作の映画)

3.3

宗教、死刑制度、愛、どれを主題にしたいのだろう
どれも重い題材だが、それにしては最後以外は中途半端で軽い印象を受けた

冷たく無感覚な人間のままではなく、人の心を取り戻し、生への執着が生まれてから命を
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ノベンバー(2017年製作の映画)

3.6

神秘的なのかと思いきやかなり卑俗で、剥き出しの欲望ばかりが現れる
それでも観続けてしまうのは、美しい映像のせい
物語か否か、それすらわからないが、冒頭のシーンのインパクトは大きかった

形を変え場所を
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Exit The Matrix(2021年製作の映画)

3.4

見捨てられた村
そんなイメージ
人間の良心や環境順応力が国家に利用されているさま
意地悪な目にはそう見える
これほど与えられていない場所にも他と等しく徴兵は存在するとしたら、兵士たちはいったい何に命を
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アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台(2020年製作の映画)

2.0

なんだこのすり替え話
演出家が積年の夢を叶えただけではないか
囚人と演出家、双方が吐く“限界”という言葉の意味がさっぱり理解できない
最後の拍手は何に対して??
笑顔で迎える娘と所長もどうかしている
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スウィート・シング(2020年製作の映画)

3.6

ビリーのいつも不安そうな瞳に気付く大人はいない
彼女のために歌ってくれる人も

たとえこちらが「どのツラ下げて…」と思ったとしても、姉弟が望むならそれでいいと思うしかないラストシーン
それでいい、それ
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星の旅人たち(2010年製作の映画)

3.4

ゴルフでさえカートで周るような初老のおっさんが、いきなりあの距離をすいすい歩けるものか!という捻くれ心が先に立ち、あまり入り込めなかったのだが、この旅が父親にとって何よりの救いとなったことは間違いない>>続きを読む

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.5

キリスト教と悪魔の話だから、やはりわかったようなわからないような
これが1980年代ということに驚くし、悪魔の憑依の仕方に時代の変化はないらしいことにもびっくり
実話なのか実在の人物をモデルにしただけ
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クラッシュ(2004年製作の映画)

4.2

他人にも自分自身にも、見たい部分、見える部分だけを見続けることの愚かさ
そこ以外の場所にも視点を移せば、180度違うものが見えるかもしれないというのに

問いはいくつもあるが、辿っていけば答えはひとつ
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THX-1138 ディレクターズカット(1971年製作の映画)

3.7

デュヴァルがこんなに若い時代
さすがに装置などには古さを感じるが、描かれているのは普遍的なことだった

はっきりとわかることは何もない
現れる人と消える人、白い部屋と白い空間
管理、監視、標準値、機械
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ランド/再生の地(2021年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

主人公の極端すぎる思考も行動も混乱ゆえのものと思えば理解できないこともない
光射すようなラストもいいと思う
その上で、主人公に変化をもたらしたのが動物や自然ではなく同年代の男性だったというありきたりな
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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.4

字幕は読まなければいけないし美術鑑賞も怠りたくない、という40分
色調や背景など、こだわりの詰まった画面が本当に楽しい
この監督は案外これくらいの尺が合っているのかも⁉︎

アトランティス(2019年製作の映画)

3.6

サーモグラフィが描くふたりは、ぬくもりを共有しながら赤く染まる…わけじゃない
生きてりゃ誰だって赤く映る
独裁者も偽善者もみな同じ
単なる科学技術の結果でしかない
そこに意味をくっつけてしまうのは、彼
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Tメン(1947年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

調査報告書を映像化したような中に刻まれる夫婦の遭遇と仲間の死
懸命に装う男たちの表情が苦しい
潜入捜査官のお仕事紹介といった感じだが、テンポの良さと徐々に高まる緊張感で最後まで目が離せない面白い作品だ
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あなただけ今晩は(1963年製作の映画)

3.7

芸達者な二人を見ているだけで楽しい
ジャック・レモンなど、出てきた瞬間から可笑しいのだから
少し長いかなとは思うが、予想外の展開と不思議なラストで面白かった

シャーリー・マクレーンの露出度が高いこと
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犯罪河岸(1947年製作の映画)

3.6

思いもしなかった刑事と写真家の背景
自分の中に古い作品に対する先入観があったことに気付かされた
この時代にこのさりげなさ
この時代だからこそのさりげなさ
監督の手腕に驚く

夫婦どちらもどこに魅力があ
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ショッカー(1989年製作の映画)

3.3

まるで少年マンガの展開
そう思って観れば、荒唐無稽も案外受け入れられる
悲惨な経験をしても衝撃の事実を知っても全然ヘコまない主人公が、鋼のメンタルでぐいぐいと物語を引っ張っていく
何故そうなる?などと
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ドリーム・ホース(2020年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

主人公の行動力と生き物に対する愛
夢や希望の存在意義
そこまでは理解できたのだが、組合であるにも拘らず言い出しっぺの泣き落としで物事が決まってからは一気に気持ちが冷めてしまった
馬の意志を感じるシーン
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.0

オリジナルでは「知らない頃の古い映画」という前置きでスルーできたことが「リアルタイムの新作」ではできない
この話、今の人が観て面白いのだろうか?
トニーとベルナルドの配役はこれでいいのか
そんな気持ち
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オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分(2013年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

仕事、家庭、これから生まれる命とその母、そして自分自身
「誠実さ」ってなんだろう…と考えさせられた

片道2時間なら仕事の件はどうにかなるのでは?という疑問もあるが

ふたつの部屋、ふたりの暮らし(2019年製作の映画)

3.4

子に告げられない気持ちはわかる
その存在自体を否定するような事態になりかねないから
穏やかに説明できない気持ちもわかる
罵って別れた後悔と永遠に失うかもしれない恐怖、そして残り時間が少ないことへの焦燥
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レディ・マエストロ(2018年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

音楽、恋愛、出自の秘密という三要素の中で最も薄かったのが音楽だった
特に主人公の音楽に対する情熱や実力のほどがぼんやりしており、女性指揮者のパイオニアを描くという部分では物足りなかった
冒頭の劇場エピ
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