papandaさんの映画レビュー・感想・評価

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陰陽師0(2024年製作の映画)

3.7

正直、また山﨑賢人か、と思ったが、意外によかった。誰とも連れ合わず人嫌いで孤独に生きながらもまだ未成熟で危なっかしいところもある、そんな感じが似合っていた。アクションはそんなに多くはないけど、武器を持>>続きを読む

鴨川ホルモー(2009年製作の映画)

3.7

昨日舞台を観て、久しぶりに映画版も見たくなった。鬼達の戦いぶりや、京都大学名物の吉田寮の様子、京都のあちこちの名所など、映画ならではの面白さがあってこれはこれでいい。やっぱり要は大学のサークル活動の様>>続きを読む

鬼平犯科帳 血闘(2024年製作の映画)

3.8

完成披露上映会で鑑賞。出演者の皆さんと監督の舞台あいさつがあった。数ある鬼平原作からいくつかのエピソードと人物を取り上げて入れ換えたりしてひとつの作品にしたのだが、けっこう面白かった。今回は北村有起哉>>続きを読む

霧の淵(2023年製作の映画)

3.5

奈良の山奥の小さな村。かつては栄えたが今は古い建物も痛んできているのが映像でよく分かる。山には毎日のように霧が立ち、水が湧き、木が育つ。そういう場所で暮らす人達を少女の目を通して見つめている。本当に美>>続きを読む

ティル(2022年製作の映画)

4.1

辛い映画だった。事件からまだ70年も経っていないのか。南部の白人がこのリンチ殺人を「よくあること」と言っていたが、胸くそが悪くなる。同じことが白人同士で起こったら彼らはどうする、彼らの善悪の基準はどこ>>続きを読む

春の饗宴(1947年製作の映画)

3.6

戦後2年で世の中がまだまだ騒然として不安なとき、もちろんテレビもない時代、こういう華やかなレビューやスターを見られる映画は本当に娯楽だったんだろうな。ストーリーもあるけどやっぱりいろんな歌や踊りに目が>>続きを読む

真剣勝負(1971年製作の映画)

3.8

内田吐夢監督、中村錦之助(萬屋錦之介)主演の宮本武蔵シリーズの番外編。監督は元々この宍戸梅軒のエピソードをシリーズとは別に映画化するつもりだったらしい。剣は生きる道か相手を倒すための技か。シリーズの最>>続きを読む

アンダルシアの犬(1928年製作の映画)

3.5

大筋は男と女の恋の流れを追っているらしいが、いろんな映像がいろいろ入ってきてわけが分からん。面白いっちゃあ面白いけど。目玉を切り裂くシーンとか女性の裸の胸や尻を撫で回すシーン、掌に蟻が湧き出すシーン等>>続きを読む

戦艦ポチョムキン(1925年製作の映画)

3.8

16㍉フィルムでの上映。音楽はなく全くの無音での上映だった。だから正真正銘の映像とほんの少しの字幕だけでストーリーを追っていった。それでも分かるのは考えや感情を言葉でなく映像で見せるからだろう。サイレ>>続きを読む

ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

4.4

隠しカメラや携帯で撮影された映像が脱北の現実をこれでもかというほどしっかり見せている。これ以上のドキュメンタリーがあるだろうか。80歳の老母とふたりの小さな子どもを連れて山やジャングルをひたすら歩く行>>続きを読む

ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)

3.9

おもしろかった。メインの夫の浮気もあるけど、潔癖性とか恋愛依存症とか人種偏見、移民問題、宗教など、いろんなものが見え隠れして、ラストにはそれらがなんとなく落ち着く所に落ち着いた感じ。でも、日本語のタイ>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

大人の物語だなと思った。男は過去にこだわり女は過去にけじめをつける、なんて単純に言い切れないけど、気持ちが微妙にすれ違いタイミングがずれて、二人の関係は流されてしまう。現実的だな。「イニョン(縁)」と>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.9

いろんな人が次から次へと出てきて、いろんな時代が入り交じって、殆ど休みなく会話ばっかりで、難しくて付いて行かれなかった。この映画は恐らくオッペンハイマーというひとりの科学者と彼の生きた時代を描くのが目>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

フィンランドの映画って初めてかも。何かが大きく変わったり大きなことが起こったりすることもなく、市井に生きる人達の姿を淡々と描いていてそれがいい。生活のくたびれ感、なかなか進まない恋のじれったさ、そうい>>続きを読む

パリ・ブレスト 〜夢をかなえたスイーツ〜(2023年製作の映画)

3.8

パティシエのサクセスストーリーなので明るく軽くポップなものかと想像していたら、実話ベースの暗く重いものも含んでいたのが意外だった。そしてこの手のものには主人公を時にくさし時に励ます恋人がいるけど、この>>続きを読む

最悪な子どもたち(2022年製作の映画)

3.8

なんかすごいものを見た、という感想。素人の子ども達を使って映画を撮るというノンフィクションのフィクションはそれぞれが重なりあって、その子ども達の人間性を露にしていく。そのリアルこの上ない感じが怖いくら>>続きを読む

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

3.7

とにかく映像がきれい。真っ白なウユニ塩湖、プラハの町並み、アイスランドの真っ黒な砂浜、行ってみたくなる。日本の風景も綺麗に切り取られている。3人の愛の描写は僕にはちょっとわからないけど、これは人生経験>>続きを読む

戦場のピアニスト 4Kデジタルリマスター版(2002年製作の映画)

4.2

ものすごい物語。しかもこれが実話なのだから余計に重くのしかかる。人って他の人より上の立場になると優越感にのぼせ上がって普段なら絶対にしないような暴虐残虐行為を平気でやってしまうものなのか。あのナチスの>>続きを読む

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

4.0

劇場で見て大正解。日常のあれもこれもを丹念に丁寧に描いた美術があるからこそ、あんなにもデリケートな物語を描くことができたのだと思う。秒速5センチメートルは桜の花びらの落ちる速さだそうだけど、2人の心の>>続きを読む

ラブリセット 30日後、離婚します(2023年製作の映画)

3.8

それこそド定番のテレビドラマによくありそうなベタな展開のストーリーだけど、その定石をちょっと外して見せるとなんとも笑ってしまう。この映画自体がドラマのパロディーみたい。でもちゃんと締めるところは締めて>>続きを読む

ペナルティループ(2024年製作の映画)

3.8

タイムリープものはいくつか見たけど、人を殺すのは初めて見た。殺す方も殺される方もだんだん慣れてきて奇妙な同士意識さえ生まれてくるおかしさ。けっこう面白かった。でもタイムリープの原因が分かると、じゃあど>>続きを読む

宮本武蔵 巌流島の決斗(1965年製作の映画)

4.1

五部作+番外編一作の第5作、一乗寺の決闘の後から舟島での佐々木小次郎との決闘までが描かれる。物語はじめの武蔵の異様な風貌はまるで亡霊みたい。それが伊織少年の父代わりとなって畑を耕し作物を育てることで人>>続きを読む

変な家(2024年製作の映画)

3.5

普通に面白かった。ミステリーとかホラーとか本格的なものが好きな人には物足りないだろうけど、エンタメとしては佐藤二朗さんの演技を見ているだけでも楽しめた。しかし、家の間取り図から「ミッドサマー」みたいな>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.3

映像がすごい。前作以上。砂嵐が本当に迫ってくるようだった。怖いけど美しい。ストーリーは家を滅ぼされた若者の復讐ものなんだけど、権力抗争が複雑に入り交じっててちと分かりにくい。でも悪役は絶対的な破壊力が>>続きを読む

劇場版 名探偵ホームズ デジタルリマスター版(1984年製作の映画)

4.4

「名探偵ホームズ」をまたスクリーンで見られるなんて、単純に嬉しい。はじめの2本は「風の谷のナウシカ」と、次の2本は「天空の城ラピュタ」と同時上映だった。今思うとものすごく贅沢なラインナップ。もう40年>>続きを読む

春の画 SHUNGA(2023年製作の映画)

3.8

春画ってただのエロ目的の絵だと思っていたけど、見方が変わった。そこに込められた浮世絵としての技法の数々、見る人のイマジネーションを掻き立てる絵、いろいろなものを学んだ。絵師、彫り師、摺師の技術の素晴ら>>続きを読む

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.8

空いた時間に見たのだが、面白かった。タフというか頑丈というか、ほとんど素手で戦ってすごい刑事がいたもんだ。悪役の方は理知的なイケメンで、だからこそ面白い。アクション連続の中にちょこっとユーモアが挟まる>>続きを読む

宮本武蔵 一乗寺の決斗(1964年製作の映画)

4.2

完全にセピア色になっていた古い16㍉フィルムでの上映なので、あの有名なカラー➡️白黒➡️カラーの切り替えが全く分からなかったが、ドラマの骨太さが印象深い。五部作+番外編一作の4作目。本阿弥光悦や吉野太>>続きを読む

PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~(2024年製作の映画)

3.8

eスポーツってなんかAIの無機質なイメージがあったけど、ゲームをするのは人間だから当然そこにドラマがあると気づかせてくれた。仲間がいて淡い恋があってなにか熱くなれるものがあって、なんか低体温だけど青春>>続きを読む

カルメン純情す(1952年製作の映画)

3.8

木下恵介監督といえば松竹大船調の王道を行く正統派、というイメージが強いけど、この映画みたいにかなり実験的な作品も作ってるんだ。画面が斜めに傾く構図とか、かなり強烈なキャラクターとか、画面のワイプの仕方>>続きを読む

宮本武蔵 二刀流開眼(1963年製作の映画)

3.9

五部作の第三作。剣の腕を上げることで自分の人間性を磨き、世の中で身を立てようとする武蔵。それに対して欲望を削ぎ落とし静かに佇む柳生石舟斉。その石舟斉の思いを察して去っていく武蔵もいい。そこが吉岡伝七郎>>続きを読む

宮本武蔵 般若坂の決斗(1962年製作の映画)

3.9

五部作の二作目、吉岡清十郎の登場と宝蔵院との関わり、お馴染みの人々のその後が描かれる。錦之助さんの武蔵は理知的な佇まいで、剣の力を磨くことで己の人間を高めようと誓うところから始まる。吉岡清十郎は名門の>>続きを読む

カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)

4.0

日本初の総天然色映画。デジタル修復版で見た。何回も見ている映画だけど、今回は色がきれい。リリー・カルメンの底抜けに陽気でお人好しなところがいい。村の人たちは小狡い奴とか金の亡者みたいな奴とかもいるけれ>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.1

これは恐ろしいほど面白い。他人の笑顔も涙も自分の計画のためには利用し尽くす。もし将来感情を持たないAIが完全犯罪を目論んだらこんな感じになるんだろうか。見た目の綺麗さあどけなさの陰であんなどす黒いこと>>続きを読む

宮本武蔵(1961年製作の映画)

3.9

最初から1年1作で5年かけて5部作とするという、いくら映画に力があった頃とはいえ相当な冒険企画。でも、だからこそ宮本武蔵の人間としての成長を、中村錦之助(萬屋錦之介)の俳優として人としての成長と重ねて>>続きを読む

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

4.0

虐待、DV、ヤングケアラー、LGBTQ、いろんな問題が描かれていた。どれもあまり深入りはしていないけど、必死に発している他人には聞こえない心の声を聞くことの大切さを訴えているのだと思った。いや、心の声>>続きを読む

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