raimuさんの映画レビュー・感想・評価

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飛行士の妻(1980年製作の映画)

4.5

"パリには魅力がいっぱい
裏切られることもある
私の希望や幻想を奪い去る
文中部屋の屋根の下で孤独な私
隣人も知らず 話す相手もいない
でも自慢できる
この孤独を
つらいけれど
惹きつけられて生きてい
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関心領域(2023年製作の映画)

4.1

アウシュビッツ収容所と塀を隔てて、平和に暮らす一家。
不穏な低重音と静寂さ。
収容所からの悲鳴と怒号、銃声。
塀の上から見える焼却炉の煙。
冷え切った空気感。
無関心という暴力がどれほど恐ろしく、残虐
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.8

殺人で服役してた三上は刑期を終え、更生を目指す。しかし、現代の生きづらい社会に彼のような前科者の居場所はない。
三上は、過去の自分自身と葛藤しつつ、
あたたかく優しい世界に触れていく。
この理不尽な世
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ミレニアム・マンボ 4Kレストア版(2001年製作の映画)

4.8

4kリマスター版での再鑑賞

蛍光灯が並ぶ長いトンネルを歩いていく彼女の姿を、背後からスローモーションで撮った美しい映像。
10年後の彼女のナレーション。
新世紀を祝う台北の夜。刹那に生きる若者の男女
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.5

誰にもある人生の挫折と悩み。
自己探究。孤独や不安との葛藤。
メランコリックで生々しい人間模様。
軽快で愉快なロマコメ。
美しく素敵で、人生讃歌。

チャイム(2024年製作の映画)

4.5

Chimeチャイムとは何か
無関心な社会。日常で起こる不条理。
衝動的な殺人。快楽。
陳腐な日常の秩序が突如揺れだす。
世界の法則が塗り替えられ壊れる時。
黒沢清が撮る日常に潜む不安と恐怖。
背中が凍
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偶然と想像(2021年製作の映画)

5.0

"偶然" と"必然"と"想像"
ユーモアと軽妙さをそなえた魅惑的なオムニバス映画。現代的で、ややエロティックで、文学的。
優れた緊張と緩和の対話。
精密な脚本と濱口メソッドの魅力。
台詞がもつ力。
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Helpless(1996年製作の映画)

4.3

全編に漂う孤独感と閉塞感。
喪失からの衝動。感情の爆発。
静かで乾いた、行き場のない暴力。
青山真治

ソナチネ(1993年製作の映画)

4.9

死の無常。死への渇望。不条理。
残酷かつ冷酷で、虚無的な雰囲気。
絶え間ない緊張感と死臭。
静と動のコントラスト。
所々のブラックユーモア。沈黙に潜む狂気。
突然の暴力。
銛に刺さったナポレオンフッシ
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次の朝は他人(2011年製作の映画)

4.5

偶然の出会いと別れ。 無数の偶然。
反復と差異。
クールで美しいモノクロ映像。
引き締まった構図。カメラズーム。
煙草と酒。 バー"小説"とレストラン"多情"
雪。孤独と郷愁。
浮遊感ある緩やかで妙な
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何食わぬ顔(2003年製作の映画)

4.2

濱口竜介による処女作の自主映画。
初期作だが、すでに彼の才能が溢れている。
8mmフィルムの粗い映像。
未熟な学生たちの人間関係を繊細に見事に描いている。
印象的な競馬場と電車のシーン。
巧妙なショッ
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花腐し(2023年製作の映画)

4.2

モノクロ(現代)とカラー(過去)
幻想的で鬱屈とした空気感。
孤独。 哀惜感と寂寥感。
郷愁と哀愁を感じさせる。
とても残酷で強烈。

PASSION(2008年製作の映画)

5.0

PASSION
愛情、欲情。愛の暴力性。
自己と他者。
人間関係の危うさと難しさ。
絡み合う男女。互いの感情の触発。
緻密な脚本。
文字通り奇跡的に美しいショット。
暗闇で光るフリスビー。煙突から吹き
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

5.0

人間と自然の関係性の危うさ。
だんだんと壊れていくバランス。
不条理。
悪は存在しない。
美しさと不穏さが混在する映像と音楽。
実に見事な濱口竜介の脚本。
自然の静けさと石橋英子の調和のとれた劇伴。
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街の上で(2019年製作の映画)

4.5

淡々とした日常。愛おしい日常。
下北沢を舞台としたリアルでナチュラルな空気感。
緩やかで笑える心地良い会話劇。
人間関係の距離感の描き方。
魅力的なヒロインたち。

異人たち(2023年製作の映画)

4.4

官能的で破滅的に美しい
孤独感と喪失感。
同性愛者としてのアイデンティティの苦悩。
傷ついた孤独の心の癒しと再生。
愛する人たちへの寂しく、切ない愛。
ミステリアスで郷愁感じる幻想的な雰囲気。
アンド
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