WILDatHEARTさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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レディ・バード(2017年製作の映画)

3.4

『ラブレター』


すごく面白いと思ったのが、母親ってこんなにも娘のことが気になって仕方が無いんですね。

"Don't you think maybe they are the same thing
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.2

『暗黒版「ラ・ラ・ランド」』


「ラ・ラ・ランド」(2016)の最終章で展開する7分にも及ぶパラレルワールドの回想を観たとき、勘のいい人なら本作「マルホランド・ドライブ」(2001)が元ネタになって
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.3

『夢追い人たちへ捧げられたレクイエム』


「ラ・ラ・ランド」と言えば、何と言ってもオープニングのL.Aのハイウェイ上の群舞!
映画史上に残るであろう、ワクワク感溢れる壮大かつパワフルでポジティブなイ
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デッドマン(1995年製作の映画)

4.7

『死にゆく男が見た悪夢の走馬燈
—ジャームッシュ版「神曲 地獄編」』


死ぬときに我々のマインドをよぎるのは一体どんな光景であろうか。
もしかするとそれは、とてつもなく奇妙な妄想や幻想的な物語かもし
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妹の恋人(1993年製作の映画)

4.4

『ヘタレ野郎が男になるまで』


突如現れた異邦人の姿をした天使が、既存の人間関係に不思議な変化をもたらすパターンのひとつとして楽しい映画であることはもちろん、一人の中年男の成長物語としても爽やかな印
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ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

4.6

『家族という桎梏(しっこく)』


大切な絆であり、同時に逃れることのかなわぬ重い枷(かせ)でもある、家族という名のしがらみ。
ミステリアスな異邦人が保守的な共同体にもたらす不思議な奇跡。

この二つ
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ショコラ(2000年製作の映画)

4.4

『アヌークの想い』


この映画を観る度に不思議に感じるのは、とてもリアリティのある過酷な現実とまるでファンタジーばりの夢想的なエピソードとが混在して描かれていることである。

そして全体を通して、こ
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チャーリーとチョコレート工場(2005年製作の映画)

4.0

『ティムとジョニーの悪ふざけブラック・パロディ劇場』


↓以下、全部妄想なので読まないでね!

2003年に「ビッグ・フィッシュ」で描き切った筈の「父と息子の和解」というテーマを、その直後にまた扱っ
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夢のチョコレート工場(1971年製作の映画)

4.6

『王の帰還』


↓ネタバレなので読まないでね!

ウィリー・ウォンカが普段隠遁しているのであろう書斎の全ての家財道具が半分欠けていることは、心の内の欠落を長きに渡って埋め合わせることが出来ず、決して
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ワイルド・アット・ハート(1990年製作の映画)

4.8

『奇妙で野蛮な世界』


ローラ・ダーンの顔は面白いほどに歪む。
この映画の中でルーラがプーチおじさんに乱暴された時や刑務所から出所したセイラーが去って行ってしまう場面なんか、般若のように歪んだルーラ
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Dawn(2020年製作の映画)

3.5

不慮の事故もしくは病によって死後の世界を垣間見ることになった少年。

成仏出来ぬ亡霊たちが浮遊する黄泉(よみ)の国でたった一人、しかし確かな足取りで生への糸口を求めさまよい歩く。

その道程で自分と同
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ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)

5.0

『オリジナルの凄さ』


スピルバーグ監督によるリメイク作「ウエスト・サイド・ストーリー」を観て間もないということで、折角なので二つを比較してレビューしてみる。

リメイク版「ウエスト・サイド・ストー
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.1

『時を超える映画体験』


1961年版「ウエスト・サイド物語」との最大の違いはカメラワークとダンスのコレオグラフィーであった。
舞台の延長線上にあった前作に対し今回の「ウエスト・サイド・ストーリー」
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ファイアbyルブタン(2012年製作の映画)

3.2

ルブタンとクレイジーホースのコラボが実現したステージを、特等席で観れる贅沢な映画。

デイヴィッド・リンチが音楽を担当したという「Masteroide」は、リンチを意識したというだけあってやっぱりあの
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クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち(2011年製作の映画)

3.2

『平均化された美』


クレイジーホースのダンサーに求められる資質は飽くまでも店側が厳格に規定する美の基準をクリアーしていることであり、同じような美しいプロポーションの肉体を持った女性のみがオーディシ
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とっくんでカンペキ(2012年製作の映画)

3.8

最後おもいっきりドヤ顔しとるけどな、おまえ
「フランケンシュタインと狼男」観てめっちゃ怖がっとったやろコラ

・・・まあ、とっくんしてうまいこといったから大目に見といたるわ

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

3.0

わお〜〜〜う!いきなりKT Tunstall の「Suddenly I See」が流れて来てテンションがぶち上がるぜい!!!
この曲をバックにいけてるニューヨーカー達とアンディ(アン・ハサウェイ)の朝
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

5.0

まだ学生だった頃「パルプ・フィクション」が公開され、リアルタイムでこの映画を観た。

…若い時にそんな体験をしてしまったら、もうそれ以降の人生はこの映画の虜になるしかないぜ!


この映画の面白さを説
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.2

『ジム・ジャームッシュの映画を観るということ』


今宵地球上に散らばる都市で同時多発的に起こっている、タクシー内でのドライバーと客達の小噺を5つ。5つのハプニングが同時進行しているからと言ってそれぞ
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つみきのいえ(2008年製作の映画)

-

採点不能。

主人公のお爺さんの秘められた深層心理へと深く潜ってゆく旅を、海に沈んだ多層構造の家というメタファーとして戯画化したアニメだとばかり思って観始めた。
長い人生ならではの哀惜や封印してしまっ
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旅立ちの時(1988年製作の映画)

5.0

リヴァー・フェニックスの写真集を持っているのだけど、まるで写真集を眺めているような気分になってしまうほどリヴァーの最も美しい時を真空パックで封じ込めたような映画。

この映画の意義は色々あると思うけど
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エル・トポ(1970年製作の映画)

4.8

今よりもずっと若かった頃、「エル・トポ」を観るという行為は、矛盾に満ちた自分の生を浄化するための儀式であった。

以来、映画を観ることが紛れもなく儀式であることを意識するようになった。

そういう意味
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裏窓(1954年製作の映画)

5.0

『変態男と金髪碧眼美女』


↓全部妄想なので読まないでね!

これはもう、どうしてもセクシャルなテーマを探りたくなる。
観る度に妄想を掻き立てられる、不思議にエロティックでとんでもなく変な映画。
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悪なき殺人(2019年製作の映画)

2.2

『映画というシミュレーション世界』


無縁に見えても、呪いとしか呼びようのない因縁で結びつけられた人間たちが織りなす運命とその結果としての救いのない悲劇。その根底にあるそれぞれのエゴと欲望、孤独感。
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ペトルーニャに祝福を(2019年製作の映画)

3.9

『女性の中に内面化された差別意識』


映画の冒頭、物語の主人公であるペトルーニャが冬の間使われなくなった水の無いプールの底に佇んで何かを訴えるようにこちらを見つめいる。
荒れ果てたプールとBGMのヘ
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グライド・イン・ブルー(1973年製作の映画)

3.4

『「カッコよさ」とは男の妄想である』


一言で言うと男の妄想爆発映画。
主人公のジョニー・ウィンターグリーンは職務を全うするためにベストを尽くす警官であり、如何なる時も己の信念を貫き通すために誰とも
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スタンドアップ(2005年製作の映画)

4.2

果たしてこの映画が描いた歴史の未来に、我々はたどり着いたのだろうか?

オリバー!(1968年製作の映画)

4.0

『古典劇では悪役こそ本当の主役』


フェイギン役のロン・ムーディに全部持っていかれてしまった!
表情、身のこなし、歌声、ダンス・・・どれをとっても魅力的で、憎めないケチな悪党を見事に演じきって鮮烈な
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オーケストラ・クラス(2017年製作の映画)

4.0

『オーケストラが象徴する共生社会』


想像でしかないのだが、移民社会であるフランスが抱える現実はこの映画で描かれているよりも遥かに過酷で苛烈なものなんだろう。

でも、だからこそ、肌の色や信仰や民族
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人生の特等席(2012年製作の映画)

2.9

『エイミー・アダムスはセクシーなのか?』


内容については特に文句は無いのだけれど、主演のエイミー・アダムスがミスキャストだったように感じられた。

個人的な印象だがどの映画に出ていても彼女は「肝っ
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ハイテンション(2003年製作の映画)

2.9

『♪ババンバ・バンバンバン 友達選べよ!』
(ハイテンションでドリフのカトちゃん風に)


なんだか腑に落ちないけど、歴代ホラーの様々な面白シーンを踏襲しているところは好感が持てる。

奇跡のひと マリーとマルグリット(2014年製作の映画)

4.6

『与えることと受け取ること』


マルグリットはマリーのために自分の持てる限りの労力と努力を惜しみなく与えた。
それによってマリーはこの世に言葉(概念)があることを知り、観念のない暗黒の孤独の世界から
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アデライン、100年目の恋(2015年製作の映画)

3.9

『ドラマが終わってからが本当の愛』


主演のカップルの劇的な恋についつい目を奪われがちだけど、ハリソン・フォード演じるかつての恋人の、結婚40年のパーティでのスピーチにテーマが集約されているように感
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八日目(1996年製作の映画)

4.0

『ファンタジーは人生の最高のスパイス』


いいことも悪いことも、人間の業のすべてをまるごと並列に捉える神の視点を携えた映画。
その描き方はときにあまりに不条理に感じられて、受け入れることが辛くなるほ
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恋におちて(1984年製作の映画)

3.9

『ふわっとした時代の愛すべき不倫映画』


この映画が得も言われぬ印象を残すのは、エンディングで再会を果たした二人のキスの寸前でスクリーンが静止画になって、幻のキスシーンになってしまうところ。
結局ラ
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ベル・エポックでもう一度(2019年製作の映画)

4.5

こんな映画の魔法にかけられてみるのも、たまにはいいぜ。