JPさんの映画レビュー・感想・評価

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猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

3.5

▼息をのむ映像美と、VFX!

植物と水に覆われて荒廃したビル群、残ったわずかな街灯など、まるでゲームのような美しいディストピア!IMAXの巨大スクリーンでこの世界に包み込まれて最高!
およそ13年ぶ
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ミッシング(2024年製作の映画)

4.6

▼𠮷田恵輔 圧倒的な傑作!

もはや日本版「スリー・ビルボード」。起こりうることが全て起こっていく。無理な展開はひとつもなく、エピソードひとつひとつが唸るほどリアル。
唇を震わすリップロールと扇風機、
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ペナルティループ(2024年製作の映画)

4.0

▼SFと見せかけて、深淵な社会派作品?はたまたコメディー!?

藤子・F・不二雄のゾクッとする短編のような手触りの作品!いいよね!こういうの好き!

よくあるループものと見せかけて、描かれているのは
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空白(2021年製作の映画)

4.4

▼痛みを伴う鑑賞体験

あの辛すぎる事故描写がきつすぎて、見返すのが怖かった。「ミッシング」が「空白」と密接に繋がって生まれたと聞き、勇気を出して見直したが…
やっぱりとんでもない傑作だった!

▼言
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.0

▼乾いた世界で繰り広げられるサバイバル劇!

今作のサバイバルの真骨頂が、序盤の砂嵐の後、ニュークスと鎖で繋がれたまま、フュリオサと格闘する一連のアクションシークエンス。三つ巴で一触即発。繋がれた鎖、
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水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)

3.9

▼JKの会話劇の解像度の高さ!

映画化のためにおそらくブラッシュアップされたとはいえ、本当に女子高生が描いたの?!と驚く、脚本の完成度の高さ。また、当時現役JKが書いたからこその、彼女たちの雑談のリ
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僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)

3.7

▼暴走する片想いムービー!

オカンと息子、ふたりのヤバさがちょっとずつ明らかになって、ゾクゾクする!

エヴリンは、息子が食べなかった夕飯を包んで、頼まれてもないのにカイルに届ける。マジで片想いの暴
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

2.3

▼「余命10年」が好きな人は、見るべし!
僕は好きじゃないけど!笑
映像の美しさでゴリ押し、脚本とキャラクター造形は浅く、主演女優の無駄遣いをするのはまさに「余命10年」と同じ!またやってるわ〜!
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辰巳(2023年製作の映画)

3.7

▼漁師×死体処理

漁業組合に行ったりすると、暴力団事務所かと思ってしまう時がある。魚を絞め、血に塗れ、それを売買する漁師は、農業や林業の従事者とは一線を画している。生殺与奪を厭わず、グロテスクな臓物
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

▼「何も起きない」前半のフリが、見事に効く後半!

前半、びっくりするくらいマジで何も起きない!笑
ひたすら木と空が上から下に縦スクロールする地獄。「PERFECT DAYS」で平山が見る木の夢みたい
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ビニールハウス(2022年製作の映画)

2.8

▼ちょっと思ってたのと違うかな…
「パラサイト 半地下の家族」を明らかに意識させるような宣伝で、「いや流石にパラサイトよりおもろいわけないやろ…」とハードルは下げていったものの、どうしたってパラサイト
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四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

3.3

▼映画に「共感できる」って必要?

思ったより、悪くないぞ!
やれ共感できないだの、登場人物の気持ちがわからんだのと、巷で酷評されてるけど、そもそも「共感できる映画」=「面白い映画」なのだろうか?共感
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その鼓動に耳をあてよ(2023年製作の映画)

4.1

▼射程圏があまりにも広い「お仕事ドラマ」に、圧倒される

東海テレビのドキュメンタリーはマジで面白い。前作「チョコレートな人々」では障がい者の雇用問題から始まり、働かせ方改革、社会福祉まで、ザクザクと
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.6

▼実はめちゃくちゃテンポが良い!

20年以上にわたる、彼らの人生の重みを感じさせる人間ドラマだが、今作の尺、わずか106分!この尺にパッケージした手腕に脱帽。
眠くなった人もいるかもしれないが、非常
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キングスマン(2015年製作の映画)

4.0

▼「ARGYLLE」には無い、学園青春要素!

「ARGYLLE」が面白かったので、こっちも観てみたら…なんとまあ!こっちの方が面白いのでは?!笑
いろんな人に今作を激推しされていたが、やっとその理由
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.5

▼見応え抜群の口論!

後半で待ち構える、夫婦の口論がヒリヒリする。今作で最もスリリングなシークエンス。パルムドールを獲る作品は「口論の見応えがある」というのが、もしかしたら選考基準のひとつにあるのか
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.6

▼どんでん返しは好きじゃない人でも楽しめる!

「あなたもきっと騙される」系の映画、苦手なんだよなあ…。「ある閉ざされた雪の山荘で」も”二重三重のトリック”なんてキャッチコピーにしてしまうから、そうな
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FLY!/フライ!(2023年製作の映画)

3.4

▼なんかこういうのでいいのかもしれない!

過保護な父親や、恐ろしい人間の描写は、まさに「ファインディング・ニモ」の鳥バージョン!観ていると、自然と小学生の頃の映画体験を思い出して懐かしくなる!家族で
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私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

4.5

▼興奮が止まない。グッズが欲しい。

びっくりした…なんだこれめっちゃ面白いじゃん…?!何で「マイエレメント」とか「ウィッシュ」が劇場公開されて、「私ときどきレッサーパンダ」の上映が見送られてたんだよ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.4

▼加速度的に速くなる、恐ろしい足踏み

爆発音と爆風が、何秒も遅れて訪れる衝撃。映画史に残る爆音ジャンプスケアは、トリニティ実験の場面だけでなく、その後の拍手喝采の最中に幻影を見る場面でも訪れる。聴衆
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.8

▼浅野いにおワールド、全開!
「おやすみプンプン」と「ソラニン」しか読んだことないけど、あのシュールで破滅的でポップな浅野ワールドが見事にアニメ映画になっている!
幾田りらのモノローグだけで浅野いにお
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.1

▼実はヴィレッジスリラー?!
オカン覚醒の場面が「ミッドサマー」とかのヴィレッジスリラー感があって◎
ババアの濁った目。怪しすぎる液体。そんでもって幻覚演出のトリップ感。全部コワすぎ!!
監督がキュー
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猫は逃げた(2021年製作の映画)

2.1

▼良かったところ
・オズワルドの伊藤のインチキ映画監督役ハマりすぎて最高。ツッコミだけじゃなくてボケもおもろいんかーい!
・猫がかわいい。

▼会話劇がちょっと面白くない
「愛なのに」がちょっと良すぎ
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.8

サム・ロックウェルファンとしては、今回もこんなにサムをボコボコにしてくれて、カッコよく撮ってくれてありがとう!てか今作、もうサム・ロックウェル主役じゃね?!て感じでサイコーです。毎回ボロ雑巾みたいにズ>>続きを読む

宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました(2022年製作の映画)

3.7

宝くじが飛んでいって、それを奪い合う…だけの話に終わらせないのが◎
人質交換、潜入捜査モノとして展開し、あれよあれよと言う間にどんどん面白くなっていく!

全俳優陣の顔芸がすごい!マジで面白い!顔で笑
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.9

す…すげえ…笑
なんだこれ…IMAXで観れて良かった…!
人を操る「voice」のエフェクト低音とかハルコンネンの低音ボイスとか、サンドワームの地響きとか、骨の髄までビリビリ震えるようなIMAXサウン
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熱のあとに(2023年製作の映画)

3.7

な…何なんだこれは…!?予告で見た以上に尖りまくった映画!
面白かったけど、わからない。眠くなったけど、つまらなくはない。撮り方がすごく工夫されていて、眠くなる映画の授業受けたのを思い出したりした。
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枯れ葉(2023年製作の映画)

2.7

二人は若くないし、日々の労働もしんどいし、どこか死に引きずられているようにも見える。二人が社会に対してうんざりしているのに対し、舞台の描写はレトロでカラフル。二人を表象するかのような、ラストカットの並>>続きを読む

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.4

映画が始まってからずっと、なぜか涙が止まらなかった。なんてことのないシーンひとつひとつに、トットちゃんの純真さがひたすら貫かれていて、やられた。
「トットちゃんは、トットちゃんなのに、どうしてみんなト
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

3.6

「ジョジョ・ラビット」がマジで奇跡みたいな大傑作なので、流石に同じ監督と言えど今作はそこまでの作品ではない。マジでゆる〜く肩の力を抜いて楽しめる、サラッとしたライトなコメディ。なんかうっかり泣きそうに>>続きを読む

ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

3.2

凄まじい。普段僕たちが知ることのできない、北朝鮮の市井の人々の壮絶な日常と人生。徹底的に情報が統制されているため、北朝鮮の国外への想像力が完膚なきまでに叩き潰されている。「ジョジョ・ラビット」で滑稽に>>続きを読む

コットンテール(2022年製作の映画)

3.6

冒頭から、リリー・フランキーのやつれ方がえぐい。目は半分しか開いてないし、挨拶も返さない。本当に酒飲ませてるのかと疑うくらいフラフラしていて危なっかしい。
リリー・フランキーの青年期を演じる工藤孝生が
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.3

おいおいなんだこれ!べらぼうに面白い!画作りもさることながら、話がスリリングで荒々しい!コメディもちゃんと面白い!ハリウッドと遜色なし!実写映画化の相性がこんなに良い原作だったとは!

邦画ではほぼ初
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.2

▼ネタバレなし感想
・「ヘレディタリー」「ミッドサマー」に比べれば怖くない!
・グロ描写 ★☆☆☆☆(体感10秒)
・エロ描写 ★★★☆☆(体感3分)
・幽霊&心霊&悪魔的なものがほぼ出てこない。
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.9

松村北斗×上白石萌音という、三宅監督史上最大規模の観客にリーチしそうなW主演で挑んだ今作が、「きみの鳥はうたえる」「ケイコ 目を澄ませて」以上に優しくて穏やかで温かい物語ということが、なんだか嬉しい。>>続きを読む

カランコエの花(2016年製作の映画)

4.1

「少女は卒業しない」同様、田舎の高校の撮り方が抜群に上手い!
都会では成立しにくい、自転車の2人乗りや、2人きりの帰り道、感情を揺さぶる静けさが◎

不安定な手持ちカメラが印象的。(保健室の花ちゃん先
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