会社員さんの映画レビュー・感想・評価

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福田村事件(2023年製作の映画)

4.0

朝鮮人差別が元で起きた集団虐殺という悲劇。この映画に描かれていることは100年前、実際に生じた出来事である。
観賞後気が滅入り、しばらく立ち上がることが出来なかった。


実際に朝鮮人が悪事を働く様子
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ハマのドン(2023年製作の映画)

3.0

「ハマのドン」と呼ばれる、港湾業界の元締め的存在の藤木幸夫。横浜へのカジノ誘致をめぐり、時の首相にまで牙を剥く。

市民の生活を破壊しうるカジノはダメ、ご先祖様に申し訳が立たない。たとえ相手が権力者で
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.0

事情があり育てることができずベイビーボックスに捨てられた赤子を売り捌くブローカー。ある赤子とその母親との旅を通じて、それぞれの思いが徐々に変化していく。


ブローカーの側と、それを追う警察の側と、二
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.0

韓国においてあらゆる側面で女性が抑圧される様は、日本にも通じる。

登場人物の内面や環境に特段変化があるわけではないため、消化不良の感は否めない。
一方で、社会は突然大きく変わるものではないということ
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空白(2021年製作の映画)

4.0

不条理とどう折り合いをつけるのか。


万引きを疑われた一人の少女が、逃走中に交通事故で亡くなった。
娘を亡くした激高しがちな漁師、万引きを疑い事故直前まで追いかけた物静かなスーパーの店長、正義感の強
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.0

半年後に地球を壊滅させる巨大彗星が衝突することを突き止めた科学者。必死に声を上げ衝突を回避しようとするものの、政治家や世間はそんな声を聞く様子もなく、国内には分断が拡がっていく。
情報があふれかえる中
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.0

出版業界の構造的不況にあえぐ薫風社。社長の急逝を機に社内紛争が激化し、不採算部門の切り捨てを中心とする改革が始まった。大泉洋を当て書きにしたという編集長を始め、くせ者たちの騙し合いが始まる・・・。
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帝一の國(2017年製作の映画)

3.0

自分の国を造る、その理由とは


舞台は昭和。その高校の生徒会長になることが、総理大臣の座に就くための必須の条件であるという超名門校が舞台である。幼少期から帝王学を叩き込まれた主人公は、自分だけの国を
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

3.0

血のつながりよりも強い、絆


町の不良だった主人公の父親は、覚せい剤に深く関わってしまったことで命を落としてしまった。そのせいで暴力団や覚せい剤に対する否定的なイメージが焼き付いてしまう。しかし、あ
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なぜ君は総理大臣になれないのか(2020年製作の映画)

4.0

政治家に必要なものとは


現在は立憲民主党に所属する衆議院議員、小川淳也を追ったドキュメンタリー映画。2003年に「地盤・看板・カバン」なく国政選挙に挑んだ若き情熱家を、約17年間追い続けたものだ。
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ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

3.0

母の愛


移民のシングルマザーとして息子と二人暮らしをする母親が主人公。彼女は徐々に視力を失うという病を患っており、しかもなんとそれは代々遺伝するものだという。母親は息子の幸せただそれだけを願い、視
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グリーンマイル(1999年製作の映画)

3.0

誰にでも訪れる死。そこに向かって人はそれぞれの"グリーンマイル"を歩んでいく。

世界に溢れる苦しみや悲しみを受け止めることは、たとえ奇跡の力を持ってしても難しいことだった。
いやむしろ、その力を持つ
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朝が来る(2020年製作の映画)

3.0

それぞれの事情


不妊治療を経ても子供を授かることができなかった夫婦。子を諦め夫婦二人で人生を共にすることを決意した矢先、偶然目にした特別養子縁組の斡旋に感銘を受け、一人の男の子を迎え入れることとな
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

5.0

TVシリーズが放送されてから約25年。日本を代表するアニメ作品となったエヴァンゲリオンシリーズが、遂に完結した。
本作のネタバレは一切無しで、シリーズを総括する形で思いの丈を述べたい。



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ミナリ(2020年製作の映画)

4.0

ミナリのように、生きる。

Filmarksのオンライン試写会にて鑑賞。
若くしてアメリカに移った韓国系移民の主人公一家。農業での成功を夢見て、アーカンソーに訪れる。しかし夢を追いかける夫に対し、心臓
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

生きづらさを抱える全ての人へ。


極道の道に入り、ついには殺人を犯してしまい13年もの長い間服役した主人公。つい頭に血が昇り自らを制御できなくなる性格ゆえに、服役中も頻繁に問題を起こすほどであった。
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スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

4.0

教会の神父による児童虐待を追った、ある新聞社の事実に基づく物語。

グローブ社はボストンに拠点を置く、半ばローカル新聞と化した新聞社である。上司の配置転換をきっかけに、以前小さく記事になった教会の児童
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新聞記者(2019年製作の映画)

3.0

我が国の民主主義に問いを投げ掛ける。

初めて我が子を抱いたシーンの一言が印象的。

ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣(2016年製作の映画)

4.0

若き天才の苦悩とは。

幼い頃から才能を認められ、史上最年少での偉業を成し遂げたバレエダンサー、セルゲイ・ポルーニン。しかし薬物やタトゥー、挙げ句には突然の退団など、世間を騒がせたのは彼の表面的な行動
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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

3.0

稀代の天才、三島由紀夫。衝撃的な死の直前、保守反動の代表として東大全共闘に呼ばれ、血気盛んな学生1000人を相手に討論を闘う。
歴史的価値のあるその討論を収めた映像が発掘された事を機に、その場にいた者
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星の子(2020年製作の映画)

3.0

とあるきっかけで新興宗教にのめり込んだ両親の下、素直に育った主人公は、中学校生活最後の年に出会った数学教師に恋をする。成長に伴い様々な経験を経ながら、次第に自身の家庭環境に疑問を持ち始めるのだった。>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.0

魅力的かつ難解なギミック、軽快なテンポ、見応えあるアクション。素晴らしい映像体験により、我々は二度三度と観賞したくなる衝動にかきたてられてしまう。



時間を逆行するという斬新なアイディアを中心にお
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劇場(2020年製作の映画)

3.0

自らの才能の限界を感じながらも、夢と現実との間でもがき苦しむ若者の物語。


売れない小さな劇団を率いる主人公の永田は、長年世間に評価されないことから卑屈な性格にねじ曲がってしまい、劣等感や嫉妬心から
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ラヂオの時間(1997年製作の映画)

5.0

ラジオドラマの舞台裏を描いたコメディ作品。


物語はほとんど全てラジオのブースのみで繰り広げられる。平凡な主婦が書いた脚本を元に、生放送に備えるリハーサルから物語は始まる。
一つの作品を作り上げるた
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Fukushima 50(2019年製作の映画)

4.0

最後まで命をかけ闘った男達の物語。


新型ウイルス感染拡大の影響で延期論が高まりつつあるものの、復興五輪という位置付けで、今年東京でのオリンピック・パラリンピック開催が予定されている。
今から9年前
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.0

白夜の中行われる祝祭が意味するものとは。


民俗学を専攻する学生を中心に、スウェーデンに存在する民族の祝祭に立ち会う。白夜で明るく照らされながら行われる9日間の祝祭の中、徐々に高まる違和感や緊張感の
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COMPLY+-ANCE コンプライアンス(2020年製作の映画)

4.0

我々は規制により社会を形作っている。

日本における表現の限界や過剰なまでの忖度といった、昨今のコンプライアンス遵守の雰囲気に疑問符を投げ掛ける、斎藤工監督による挑戦的な作品。
大きく分けて3つのパー
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.0

果てしない使命を背負った男の物語。


第一次大戦中、第一線に送り込まれた二人の伝令兵。ドイツ軍の見せかけの撤退に対して攻撃を仕掛けようとする兵士らに、罠であることを伝え、1600人もの仲間を救う任務
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

大衆向けでありながら、韓国における格差の根深さを強烈に描いた映画。


半地下、そしてパラサイトの二つがキーワードである。
家の半分が地下に潜ったような作りの、半地下物件に住む4人家族。家族揃って定職
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ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(2009年製作の映画)

3.0

男たちの友情の物語。


親友の結婚式前にハメを外した男たち。朝目が覚めると、昨夜の記憶だけでなく、式を控えた親友の姿も消えてしまっていた。


独身最後の夜、ラスベガスの超一流ホテルにチェックインし
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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

4.0

絶対的な孤独、そして愛。


年上の陣治と同居し金銭的に依存しながら、ささいなことでクレームをつけるような退廃した生活を送る十和子。彼が性的な関係を望まず、一途に尽くしていることから、肉体労働者であり
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ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

3.0

「我々の見る目を変えなくては」


生後の度重なる手術により「普通」ではない顔を持つ主人公。家庭学習のおかげもあり成績は優秀、宇宙に憧れる普通の男の子であった。しかし世間は彼の顔つきを好奇の目で見、時
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.0

離婚を決めた夫婦の、絆を再確認するほろ苦い物語。


舞台監督の夫と、そこで演じる女優の妻。子供も大きくなり、夫の仕事も世間に評価されるようになった。しかし妻は女優としての仕事を制約される今の立場に少
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.0

実際に起こった爆発事件を題材にした、英雄から一転して容疑者に仕立てあげられた男の、正義と信念の物語。filmarks試写会にて鑑賞させていただきました。

自らを法の執行人と称する主人公リチャード。し
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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

3.0

一時代を築いたかつての名優達が再集結した、マーティン・スコセッシ監督によるマフィア映画。彼のこれまでのキャリアの集大成であるといえる。

冷戦下のアメリカにおいてマフィアが経済を牛耳っていた時代から、
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