さおりさんの映画レビュー・感想・評価

さおり

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かくしごと(2024年製作の映画)

3.9

雨と土の匂いがする映像がよかった、

ただもっと核心に迫って欲しかった
心の暗いところと微かな愛に縋るにはフィクション感が強く、事実を淡々と並べる中で隠喩するには表現が足りないなと思った

でも映像美
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違国日記(2023年製作の映画)

3.6

ストーリー自体に大きな起伏は無いんだけど、静かな世界で2人の心の世界線が確かに重なっていく様子がじんわりあたたかくて最高だった

そして「海が見たい 人を愛したい」が怪獣のバラードという合唱曲の歌詞だ
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関心領域(2023年製作の映画)

4.1

タイトルの「関心領域」は、ドイツ語でinteressengebiet=アウシュビッツ強制収容群を取り囲む地域を表現するためにナチス親衛隊が使った言葉、の直訳とのこと、まずそれが本当に皮肉

視覚的に得
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.8

匂いや温度を感じる作品が好きなのだけど、これはまさにそれで、

かつ、台湾のまとわりつくような暑さと雪国のみぞおちが冷えるような寒さ、春の匂いと秋の匂い、全部が対比になっていて、本当に「贅沢だなぁ」と
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

-

ノーラン作品を観る時はいつも「絶対に派手な演出や音楽に騙されずに彼の表現の核を捉えるんだ」と意気込んで行くんだけど、それでいっつも「よく分かんない」で帰ってきてしまってた

お恥ずかしながら今回もスト
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

2.9

冒頭10分からもうずっと悩んでた、これはアメリカナイズドされた韓国映画なのか、韓国ナイズドされたアメリカ映画なのか、

いやマジでそんなのどっちでもいいし、私の映画に対する考え方が悪い意味でクラシカル
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国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)

4.3

あまり主観で映画のレビューを書きたくないのだけれど、こればっかりは私の好みの話をせざるを得ない

個人的に、痛みやつらさを自分の中で押し込めながら耐えて努力して生きている人はとても素敵だと思っていて、
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四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

2.5

原作厨なので泣いちゃった

原作で描かれている1番大事なシーンが無くなってて、映画だけ観たら意味わかんない話になってた

音楽だけがよかった

あしたの少女(2022年製作の映画)

3.8

邦題だと分かりづらいが、韓国語タイトルを見てこの作品の意図をよく理解できた。

다음 소희= 次のソヒ、すなわち、明日は我が身の少女がいる、ってことだと

韓国に限らず日本でもこんな事はあちこちで起こ
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.9

原作を愛してやまないので公開日鑑賞。

52ヘルツのクジラの中にも、それでも誰かに伝えようと鳴き続けるものと、伝えることを諦めてしまったものとが居るはずで

どちらも絶望を見ているんだけれども、後者の
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小さき麦の花(2022年製作の映画)

4.5

清貧なんて手放しに言ったらいけないんだけど、食と住、愛、のすべてが手作りの優しさで溢れてた

自分たちが"振り下ろされる鎌に何も言えない麦の穂"であることを理解している2人が見る世界が、どのようなもの
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.4

盛り上がりも盛り下がりも無いんだけど、居心地よく観続けられる作品。実家に帰った感覚になる。

山添くんが栗田科学ジャンパー着てくれた瞬間、うれしかったなあ

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

研究倫理の学者が発狂する内容だったけど、それが許されるならもっと作品作れるよね、という映画の可能性すら感じた

あとはマズローの理論にちゃんと基づいて心(脳)が発達してて非常に科学的な点がよかった
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

5.0

語られたものより語られなかったものの中に多くの重要な意味があるのだということを、希少なアイルランド語と、北国の優しい光と緑と共に伝えてくれる作品。

どこを切り取っても完全に美しく、人の心の機微が痛い
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.9

自然が美しすぎて卒倒。木々の色も、空気の冷たさも、命(カウ)のあたたかさも全部よかった。

リスキーに突き進むアジア人vsコンサバな白人、という対比が少し自分の見てきた世界と違う感じがして、新鮮でおも
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緑の夜(2023年製作の映画)

3.0

多くを語るのは野暮だけど、語らなさすぎるのは"不明さ"が出てきてダメだね

それをカバーするほどの映像美もあまり感じられず、

では何の3.0点かというと音楽です、曲はめちゃくちゃよかったな

正欲(2023年製作の映画)

3.9

「この世界って、明日も生きている(ことが当たり前な)人に向けた情報で溢れた世界ですよね」が好きだった

思わぬところで17歳のわたしが救われた、よかった

「正しく」ありたいという、欲

僕のワンダフル・ライフ(2017年製作の映画)

4.0

観た人を幸せにする作品っていいなぁ、素晴らしいなと思う

お話がハートフルなだけでなくて、映像の色彩や光の取り方も温かさに溢れていて、こころの栄養剤みたいな作品

我が家も犬を飼ってるので、鑑賞後は「
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ゆとりですがなにか インターナショナル(2023年製作の映画)

3.0

手放しでエンタテインメントとして観る映画にちょうど良かった

でもなんか女性を見下したセリフ多くてちょっとイラッとはした

極限境界線 救出までの18日間(2020年製作の映画)

4.2

タリバン韓国人拉致事件に基づいて(というかほぼそのまま)つくられた作品

冒頭注意書きで人物や団体はフィクションだと表記されているけれど、かなり現実に即してるのではと思う

言葉や文化、人種、考え方、
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.8

初めのカットからtheフランス映画!って感じでよかった

自分の人生のハンドルを自分で握ることの難しさと愉しさを教えてくれた作品でした

アナログ(2023年製作の映画)

3.0

以下あくまでも個人の感想ですが、

カット6点、音楽-6点、編集-10点、二宮和也の演技10点、エンドロール3点、の計3点です

ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

3.9

コンテもバレエもダンサーがめちゃくちゃ上手くて良かった

フランス映画として、の切り口で評価するならば、もっと踏み込めた美しさがあると感じだけど、

舞台シーンを観るに、監督が表現したかったのはそうい
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.9

ようやく観た

母親のセリフがかなり印象的

"反抗期なのね。私が盲目だったら、絵を描いていたかも"っていう

生まれ付きのもう者・ろう話者にとって、生活の中での"見えない" "聞こえない"は当たり前
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.3

よすぎて気絶するかと思った、いや、した

愛と恋の教科書的作品

終盤、2人がいたロケーションの連続カットでは、芝生の上にワインの瓶が転がっていて、"たしかにそこに2人がいた"ことが示されていた

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ホーンテッドマンション(2023年製作の映画)

3.9

ディズニー映画は必ず観ると決めているので、ホラー苦手だけど観た。全然怖くなくてありがとうのきもち。

ストーリーが浅いとか批評されてるけど、んなディズニー作品なんて道徳の授業で習った内容を大金かけた演
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.3

ウェス・アンダーソン大好きなので大興奮で鑑賞。

話の枠(構造)を予習してから行ったのでスッと理解できて、ウェスらしさを存分に感じられた

やっぱり、無感情さを鮮やかなパステル色彩でカバーする表現技法
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カールじいさんのデート(2023年製作の映画)

3.9

人類も、仲良くなりたい人とは、お尻の匂いを嗅ぎ合い・おもちゃをプレゼントし合う、といった方針にしましょう

マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.8

話の核としては大きく以下の3本立て
・先入観に捉われた種族差別は良くないということ
・見方が変われば何気ない才能こそ特別なものであるということ
・自分の人生は自分がハンドリングしてよいということ

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ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

4.1

ASAPのMVの被オマージュ作品と知って即鑑賞、映像の質感と音楽が好みすぎて食い入るように観てしまった

特に良かった点は以下3つ

・街と日々の閉塞感、退廃へと向かう変化の兆し、それらすべてが5人姉
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バービー(2023年製作の映画)

3.9

終演直後に隣のカップルが「ケンが蔑ろにされちゃって可哀想」と述べていて、あぁ、この作品はこういう感想のために作られたんだと心の底から思った

つまり、この社会は"男の傷"にはつくづく敏感だということ
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家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.1

映像のタッチが激好みのそれで、開始数分で大発狂した

家族とかいう最小かつ最近(さいちか)のコミュニティ、どう在るのが正解なんだろな

それにしても、これタイトル誤訳と言われてるけど、ポスター誤表現だ
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流浪の月(2022年製作の映画)

4.2

かなり好き、2日引きずった


文と更紗の関係は恋とか愛とかそんな陳腐な言葉では語れなくて、私の本当に大好きな物語から表現を借りると、"魂の番(つがい)"というやつだと思った

人それぞれ抱えてる地獄
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