撮影も脚本も客観を基本としている。
しかし、ここぞという時に主観ショットを使っていたようにも思える。
現代社会の映画への反映にあざとさがなく、確度が高い。
石原さとみはもちろん、脇を固める俳優たちも素>>続きを読む
色んな要素入りまくってるけどカメラワークや編集の巧みさがあり全然破綻せず楽しく観れる。
ハイテクで理知的な捜査の中で、主人公の行く末がはちゃめちゃで最高。
ドラマとして安易に収斂することを拒否するような演出と脚本。
ケアの難しさに向き合っている。
どこを切り取ってもアイコニック。
イタリアが舞台だが断然なるアメリカ映画。
おおらかで切ないロマコメで、70年経っても古びれない。
ベスパでの移動、高低差による演出、何よりも大広間でのラストショットが>>続きを読む
オウム返しや帽子のつばのくだりなど反復に次ぐ反復。
後半のサスペンスに比べて、前半のぐだぐだ具合が面白い。
映画を観ている客に酒を勧めるヒロインの父に笑う。
女性1人を巡る三角関係の小さな争いと、光と爆発が激しいWWIの戦闘との対比。
タバコのゆらめく煙と爆弾の粉塵。
モブシーンで進軍する男たちはどこか亡霊のよう。
サイレント映画なのにラッパの「音」にフォ>>続きを読む
バイカーの映画なのにとにかくスローで、それが官能性や退廃さにつながっている。
アメリカンニューシネマの編み直し?
最後のアクションが変だったし、若き日のウィリムデフォー演じる主人公はただ事が過ぎるのを>>続きを読む
撮影の面白さと会話劇の巧みさを楽しんで観ていたけど、最後の最後に???となる。
二項対立を避け、そもそも人間は自然を開拓することで生活してきたという前提のもと、その「バランス」を問いかける。
歌もダンスもキスも唐突さが美しい。
90年代半ばのパリで、3人の女性と2人の男性がすれ違い出会う。
街映画に求めているものがこの作品に全部あるような気さえしてくる。
アルツハイマーになった妻トミ子さんを撮り続けた夫の生さん。
病が進むトミ子さんをあまり映さずに 、2人の人生に敬意を込めた構成と編集だった。
山田太一が原作小説で自身の人生を反映させたように、アンドリューヘイも自らの人生を用いて物語を語り直す。
作家の孤独、家族や友人のいない孤独、都市での孤独に加え今作ではセクシャリティによる孤独が描かれる>>続きを読む
初めての成瀬作品。観やすいし面白い。
各シーンをなめらかに繋ぎ、ドラマをさらりと魅せる。
東京の家の外からのショットは障害物があるのに対し、信州の家では何もなく開けている。
なんとなくUFO慣れした東京に暮らす主人公2人と友人たちとうごめくイデオロギー。
ドラえもんをストーリーの補助線としているのが面白い。
最後どう着地させるんだろ〜
デザインやキャスティングで世界観をしっかりと構築し、夫であるエルヴィスに幽閉された主人公を描く。
後半は放置されるプリシラに呼応して映画自体もスローダウンする。
時系列をシャッフルさせてミステリーを成立させるのはこのデビュー作から揺るがない。
とにかくカットを割るのもアクションを重視しないのも変わらない。
この規模の作品だからこそ作家性の核がはっきりとわかる。
簡単に言えば機関車で行って戻ってくる話であるが、アクションによって笑いを起こしどんどんドライブさせていく。
実際に橋に落としただろう機関車のスペクタクル。
熱狂が抑えられた映画。
父の内省は描かれることはなく、暗闇になじむように撮られたショットが印象的。
職を失った主人公夫婦2人がどんなにどん底に落ちても、衣装や壁紙など美術における色彩の鮮やかさに希望を感じられる。肩の力が抜けたユーモアにも。
それが結実した奇跡みたいなラストに映画を観ることの喜びがあ>>続きを読む
とても静かで死体を見せないサイコキラー映画。
一線を越えてしまうタイミングは誰しもに訪れるかもしれないことを見せているような。
主人公の家のテレビでは天安門事件のニュースが流れている。
銃後の熊本天草で、若い2人が結婚するまでのうまくいかない道のりを描く。
その背景には徴兵による未来の見えなさがある。
主人公と仲間は血気盛んな漁師で、カメラはそんな彼らに呼応するかのように動き大仰にズ>>続きを読む
映画的な仕掛けをかっちりと配置しているにも関わらず、役者が演じているシーンはゆったりとした時間が流れる。
12年を区切りとしたストーリーで、「イニョン(縁)」についての思考をとにかく美しい撮影で彩る。>>続きを読む
異言語で自然が厳しい土地への宣教がどういうことか。
宣教師は当初の目的から離れ、取り繕うことも出来なくなり全てをさらけ出されてしまう。
人間の営みがどうであれ自然は悠然と在る。
スタンダードのスクリー>>続きを読む
ヨーロッパに移民したクルド人男性のサバイブ物語。
移民がいかに犯罪と密接になってしまうかを見せる。
楽しい1本。
松竹の当時の若手オールスター映画で、大学を舞台にした群像劇コメディ。
山田太一の脚本はメタも入れつつ面白いけど、学生寮での固定カメラ、扉を使った反復のアクション、人物を両端において間に人>>続きを読む
面白かった!
現代と17世紀を主人公は鈴を合図に行き来するがそのシームレス具合が見事。
視線の交差の見せ方も良い。
60年代の台湾を舞台にした3監督によるオムニバス。
当時の貧困および日本と米国との対等ではない関係が反映されておりどの作品も面白く観た。
侯孝賢作品で、主人公がピエロに扮装する姿が情感たっぷりだった。
かっちりとした設定でシステマティックではあるのだけど同時に肩の力が抜けていて浮遊感がある。
撮影も音響もしっかり作り込まれていると感じた。
作品自体は複雑な構造だが、はっきりと残酷なまでに映されるのはニコラスレイの死期の近さである。
だからこそヴェンダースとニコラスレイは作家としての矜持を求めこのような作風にしたのだろうか。