麻生将史さんの映画レビュー・感想・評価

麻生将史

麻生将史

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雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

4.0

・顔のデザインのならではさが印象的だ。みんな違う顔で類型的でないのが良い。

・ああいう仏像があるのかは分からないが、影の使い方も相まってよかった。

・シリアスとオフビートのテンポ感が心地よい。馴染
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.1

ウェルメイドな作品でおもしろかった!

子どものころ、友達とうちの裏山で遊んでる内に怪我しちゃった時の申し訳なさを思い出した。棘が刺さって血が出ただけだが、あの「とんでもない事をしてしまった」感、呼吸
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

3.8

未読だった最終巻読んでから観れたので良かった。原作よりも爽やかなラストと感じましたね。
自分が見終わって一番印象に残ったのは前衛的な外連味描写だった。

・原作読んでて最もギョッとしたシーン、侵略者の
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.3

言外の魅力に惹きつけられた映画だった。けっこう好き。

突飛な感想だけど幽霊映画だなと感じた。それも人の幽霊とはではなく、「自然の」というか、「森自体の」というか、何か私たちには計り知れない存在の幽霊
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.5

非の打ち所がないほど古典的風格を湛えた傑作だった。
映画の静けさの中に、主人公コットの回復していく穏やかな呼吸と、生きていく力強さが、同時に、確かに感じられた。

そしてここまで主人公の感覚・自分の子
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22番VS人間の世界(2021年製作の映画)

-

22番がきらめきを見つけてくれて良かったよ

でも人生の意味って何なんだろか

何で22番なんだろ。42番の方がまだ意味がわかる。

夢追いウサギ(2020年製作の映画)

4.5

ソウルフル・ワールドの同時上映で鑑賞。

こっちの方で既に泣いてました。

地底コロニーでの生活というのは僕が好きでよく妄想するイメージだ。だからショートフィルムとはいえそれが映画として見れたことに興
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ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.6

傑作とは聞いていたがここまでとは。もうずっと泣いてたよ。ジョーや22番のように生きられたら。

映画の中で描かれる、驚きに満ちた“世界”の豊かさ。
初めて食べるピザの素晴らしさ、ゆったり落ちてくるカエ
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魔女の宅急便(1989年製作の映画)

4.3

ケーキを貰うところ、オソノさんの「あの子飛んだわ!」のところで、まーた泣いちゃった。

ジブリアニメの中でストーリーだけで言ったら最も完成度が高いと話題の(私の中で)魔女の宅急便、金曜ロードショーで観
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3

冒頭のプロメテウスの説話が、この映画を象徴するにあたってこれ以上にないというくらいに効果的な引用でたまげた。
そこから続くイメージ群。連続する池の波紋、その干渉縞の広がり、粒子の発散、震える波の束、音
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.8

原作は11巻まで既読

嫌な感じはしなかったが不思議はバランス感覚で成立した映画だなと思った。
原作の味わいと少し違うところがあると感じた。


【良かったところ】

・これはもう確信だったが門出とお
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猫とピットブル/キットブル(2019年製作の映画)

4.0

『わたしときどきレッサーパンダ』の同時上映にて鑑賞

ネコらしいリアクションと動きが楽しい

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

4.3

めちゃめちゃ面白かったな。泣いた。

まずタイトルバックが楽しくて素晴らしい。
リズム感というかテンポ感というか、「あ、これはすごいぞ」と作品に一気に引き込まれた。
『GotG vol.1』のタイトル
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平成狸合戦ぽんぽこ(1994年製作の映画)

4.4

観るたびにこんなに面白かったっけとなる。
ユーモアと切なさは紙一重というか、同根のものなんだなとずっと感じていた。

古今亭志ん朝の語りがものすごい。
白眉は終盤の宝船のシーンと思う。
「どんちゃんど
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.9

3時間退屈した時間は全くなかった。
二重に欠けた太陽(月?)、定番の別惑星描写だが好き。
が、珍しいかもだけどPart.1の方が好きかもしれないな…

いや、全然好きなシーンもあるのだが、DUNEの世
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.0

パート2の方を見たんでついでに記録。

けっこう好き。

サンドワームが砂漠の目みたいに見えるのがいいね。

「我ここにあり、ここに留まらん」のシーンが白眉と思う。

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.9

ウェルメイドなミステリで面白かった〜

『黄金少年』のタイトルバックがかっこいい

登場人物全員が閉鎖的な椅子取りゲームの論理を内面化している世界に生まれた、2人のサイコパスとその対決、とみた。
誰も
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.1

特徴的な画作りによって、常に心地よい感覚に満たされていた。

特に印象に残るのは、淡い夕焼けのひかりに包まれる社屋と、それを定点で映し続けるエンドロール。

なにかの「解決」を急がないことの穏やかさ。
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

4.0

動画のシーンとラストが鮮烈

なんか同じような内容の夢を小さい頃に見た気がする。12モンキーズの方をロードショーかなんかで見たのかもしれない。

人類の終焉、地底世界、郷愁、空港。どれもわたしの好きな
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攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society(2006年製作の映画)

3.8

タチコマが復活しただけで泣いちゃった。

これでSACシリーズは完走したことになるけど、やっぱりseason 1の“笑い男事件”が個人的ベストだったな。

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.1

おもしろい〜

原案・押見修造『血の轍』+『おかえりアリス』、作画・漫⭐︎画太郎みたいな映画だった。(漫⭐︎画太郎は第一幕だけか。幕ごとに作画変わる)
他の人の表現だけど、『水ダウのクロちゃん3時間ス
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

ゆっくりと時間が流れるいい映画だった

根拠は別にないんだが、これは幽霊の話なんじゃないか。

幽霊を思い出して、幽霊に思い出されるはなし。

作中車窓からの映像がままあったことに託けて、自分の話をす
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Pearl パール(2022年製作の映画)

4.2

面白すぎるね

アバンタイトル、農場の扉が開くシーンがまず良い。パールの“芸能”への憧れというか、「これから世界は開けていくはずだ」という期待感がわかる。そして農具のフォークを使ったダンスシーンへ。あ
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おもひでぽろぽろ(1991年製作の映画)

4.2

こんな面白かったっけ…

リアリティの中にアニメ的ワンダーが入り込むシーンがやはり素晴らしい。空の階段の登るところとか、最高。

田舎の人がずっと微笑んでんの、ちょっと怖いんだよな。なんか変な笑顔じゃ
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キリング・オブ・ケネス・チェンバレン(2020年製作の映画)

4.1

あまりに苦しい…

事態がエスカレーションしていく様が、実話を基にしているからだけど、あまりにもリアリティがあって苦しかった。

以下本作とは関係ないが、受けた印象のイメージ、書き散らし

一個の現実
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イノセンツ(2021年製作の映画)

4.5

めっちゃめちゃ面白い

ああ、僕がみたかった『超能力もの』のまさにそれだった…

全編通して静謐で寂寥感溢れる画面が胸に沁み入ってくる。孤独な子ども達の静かな心の重ね合いが痛切さを持って響く。

冒頭
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.9

面白かったけど疲れたな〜

事故後ゆっくり走るシーンが好きだったな

パーツが組み上がってレーシングカーになる描写、「変身!」みたいな感じでそりゃ熱いわ。(いやもう実際に「変身!」って言ってほしかった
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EO イーオー(2022年製作の映画)

4.2

面白かった!好きな映画だ。
動物の物憂いた眼差しが鮮烈に印象に残る。

映像に力がある。風力プロペラとロバ。絶壁と枯れ木とロバ。ダムと豪水とロバ。

打楽器のミニマルな音楽もよかった。

ロバのWik
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WXIII 機動警察パトレイバー(2001年製作の映画)

4.1

いやいや、普通に面白いよ。

クライムサスペンスものとしてウェルメイドだと思った。

この時代のアニメ特有のルックというか空気感が好きだ。聞き込み調査で街を歩き回ってるだけでドラマになる。
劇場版パト
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機動警察パトレイバー2 the Movie(1993年製作の映画)

4.3

『劇場版1』から3年後の設定を知らず見始めてしまい、みんなが大人になってる事になんだかしんみりしてしまった。そんな中太田はいつまでも太田で安心した。

『1』がエンターテイメントの極致とするとこれはそ
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ミニパト(2001年製作の映画)

3.8

ゆるい感じだと思ってたけど結構しっかりした内容で良かった。

一方で可愛らしいパタパタアニメで癒される。テレビ版、OVA版にあったようなドタバタ特車二課がまた観れて嬉しい。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

途中までは、この映画の予告編やラジオの紹介から想像されるような筋で物語を楽しめたと思う。即ちそれは「一人の人間が、自分とその身体・その身体と他人との関係を通じて、"主体"的に生きるとはどういう事かを知>>続きを読む

傷物語-こよみヴァンプ-(2024年製作の映画)

4.2

初物語シリーズだったけど楽しめた!

この演出・背景の感じ、めちゃくちゃ好み。連続構造体好き(そんな言葉があるとは思えない)の私にとって垂涎ものの映像の連続で、もうそれだけで大満足だった。これは何回も
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千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

5.0

わたしの人生の一本

好きとか嫌いとか、面白い面白くないとかの遥か手前に燦然と輝く魂の一作。
もはや「映画」という枠にすらなく、精神の一部分のように感じている。
わたしのために創られたとすら思っている
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アウトレイジ ビヨンド(2012年製作の映画)

3.9

タイトルバックが相変わらずかっこいい

石原の殺され方も良いが大友に土下座してる時のブルブル震える感じがめちゃめちゃ良かった

あとなんか物語の起伏というか展開がそんなはっきりしてるわけでもないのに、
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