えむばーどさんの映画レビュー・感想・評価

えむばーど

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海がきこえる(1993年製作の映画)

4.5

「日本が今より元気」だったころの、綺麗でキャッチーなところだけを的確に描きとってゆく。
ぼくにとっては「誰にだってこういう青春と呼ぶ日々が訪れるんだ」と教科書で習った内容のように感じて、眩しくて仕方が
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.5

異常事態が日常になり、その中で生活をしてゆく。「この世界の片隅に」みたいな側面もあるような気がしたし、浅野いにお氏の作品らしい、誰しもが何かを抱えて生きている描写は鋭く、せまるものがある。
映像作品と
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.5

まったりの雰囲気のところから、どんどん不穏な空気が差し込まれてゆくのがよい。
周りが当たり前の生活として《異常》な習慣を継続しているなかで、それにのまれてゆくさまがすごく自然で、けれど異様でたいへんに
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パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

救いは必要だとおもう。どんな酷い現実のなかだって、生きるためには。
苦しかった。観てよかった。ぼくはハッピーエンドだと受け止める。なぜなら、ぼくにも救いが必要だから。
感情が裏と表でぐちゃぐちゃになっ
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.5

なんでもない日常が、いかにして戦争によって変わってしまうのか。それでも生きてゆくのか。淡々と当時の生活が描かれるのだが、日常が戦争に急速に侵食されてゆく様が恐ろしい。子ども向けアニメかと思うと、かなり>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

5.0

出来が良すぎて気持ちが掻き乱される作品であった。想像以上に刺さってしまって、観た後に席が立てない。
現代的な綺麗なキャラデザインではあるが、細かい描写が「確かにかつてあっただろう、この国の過去」と感じ
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アンストッパブル(2010年製作の映画)

3.5

サクッと楽しめて良い映画。テンプレート展開だけどちゃんとパニック映画でドキドキできてよい。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

5.0

傑作だと思う。
ゴジラが怖い、絶望感がすごい、それでも諦めない。邦画叫びがちだけど、そら叫ぶよ、あんなのでてきたら。シン・ゴジラと対極のつくりの面白さだけど、忘れられん一作。音響凄いのでドルビーシネマ
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

大好物。劇場で観たかった作品。
ハコモノのホラーミステリかな?と思いつつ観ていたら、凝ったミステリーになってるし、たった100分と少しの映画なのに、そうとは感じさせない大変な濃密さである。たぶん、最初
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

4.0

大変よく出来てるB級ホラー映画。
定番なかんじなんだけど、ちゃんと怖くてちゃんと盛り上がる。テンポ良くて面白くて、画面も迫力があってワクワクドキドキする。なんかキリスト感強いインディ・ジョーンズ館あっ
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善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

葛藤、そして『善き』人とは。
自分がどう生きるのか、何を善きとし悪とするのか。

この映画には、ずっと問われていた気がする。何に対して真摯で真面目であるのか。自分の向いている方向が正しいのか。そして見
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エルヴィス(2022年製作の映画)

4.5

エンタメ映画として大変よくできてる。ただ、これをエンタメ映画として消費してしまって良いのか?という葛藤はある。これは、大佐のショーに対する哲学を追体験させられてるよう。
エルヴィスプレスリーについては
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

メタすぎるがド直球でもある。本作は宮崎監督の13個目の作品。さて、石の数はいくつだったろうか?

東映時代の宮崎駿や過去のジブリ作品を彷彿とさせるシーンの数々。その世界を積み上げ、のちに託そうとする老
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パラドクス(2014年製作の映画)

3.7

B級かと思ったら、かなりしっかり面白いぞ。めちゃくちゃ含みのある映画だし、軽い作品ではないけれど、何だか人生について考えてしまう。とても印象に残る、良い映画である。
しかし、メキシコ映画ってほとんど初
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四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

4.5

良い。
青春と夏をギュッと凝縮した感じ。似たような、くだらない学生時代を送っていたので、たいへん感じるものがある。
ずっと浸っていたい世界。映画が終わる時にさみしさを感じてしまった。

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.0

好みなんだけど、手放しで好き!と言えない映画。
サブで謎残す、みたいなところならいいんだけど、物語根幹が敢えてめちゃくちゃ複雑に作られてる気がしてしまう。手段が目的になってしまっているような。

そう
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顔のないヒトラーたち(2014年製作の映画)

4.0

これは良い。西ドイツの当時の状況……若者がアウシュビッツについて知らない状況が、親世代たちがそれを公にしない状況の雰囲気がよくわかる。でもたしかに、そうなるのだろうとも思うのだ。事実が明らかになるとい>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

5.0

メッッチャ好み。刺さる。熱量がすごい。
広く受ける作品ではないかもだけど、ほんの少しの勇気と決断と、今あるものを大切にすることについて考えさせられる。
本当に意味のある物事なんて、ほんのわずかしかない
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ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦(2016年製作の映画)

4.5

壮絶な映画だ。常に緊迫感があり、鬼気迫る映像だ。しかし、これほど作り話であってくれ、と思う映画はない。しかし、そのように思う出来事や想像を遥かに超えることが起きていたのだろうとも、思わせてくれる作品だ>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.6

いやー素晴らしい!3時間は長いかな?と思ったけど、あっという間!迫力あるしテンポいいし、ものすごく引き込んでくる。これは劇場で観るべき映画。
丁寧に主人公二人が親交を深めるシーンが描かれているのがいい
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ドリーム(2016年製作の映画)

4.6

すげー良かった。ミッションを支えるひとたちを描く物語は引き込まれる。
絵作り、音楽、テンポ。どれ取ってもケチのつけようがない。様々な差別を描くシーンがありつつも、重たくなりすぎないように描かれている手
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バーバリアン(2022年製作の映画)

3.5

不気味で怖くてよかった。予測不可能、事前情報なしで見てほしい。いわゆるB級ホラーなんだけど、絵作りが良くて間がきちんとあって良い。

シャッター アイランド(2009年製作の映画)

5.0

これすき。傑作。途中まではちょっとだるいかなー?と思ったけど、後半の引き込まれようよ。
きちんと言葉で解説するところ、暗喩するところ。そのリズムが悲しく、しかし心地よい。
じぶんのアイデンティティ揺さ
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.3

これ好き。60年代の煌びやかなロンドンを舞台に、夢か現か入り乱れる。
グロテスクでレトロでポップな世界に、ずっと浸っていたくなる不思議な感覚。人を選びそうな映画だけど、ぼくは気に入った作品だ。

死霊館(2013年製作の映画)

3.5

面白いしよく出来てるんだけども、過去に何があったのか?みたいなのと、おきてる現象があんまり結び付かなくて、びっくり事故物件映像化なだけに感じちゃったなぁ。実話ベースということらしいので、そんなもんだよ>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.5

良作。新海誠節全開だけど、テンポよくエンタメとしてわかりやすく楽しめる。キャラクターみんなに、背負っているものがあり、人生があるのがよい。
イタ車が大活躍なのものマル。イタ車はこわれないからね。

ワールド・ウォーZ(2013年製作の映画)

4.0

これは良いゾンビ。テンプレ展開だけど、ドキドキできて面白い。安心して?観られる。
キャラクターの立ち位置の設定に妙があり、テンポよく話が進んでゆく。息つく暇もない

タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(2010年製作の映画)

4.0

好みの映画。こういうネタ映画なのに、手を抜かず作り込んでる映画好き。酒飲みながらゲラゲラ観られてよい。

劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [前編] 君の列車は生存戦略(2022年製作の映画)

4.5

テレビシリーズでめちゃくちゃ刺さったものを、あえて予習せず観に行った。濃縮された原液をダイレクトに飲まされた、そんな印象であった。
実写パートが音楽とあわせて本当に素晴らしく、このシーンを観るために、
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.3

めちゃくちゃ良かった。全世界の酒飲みはビール片手にこれを一回観るべし、である。

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

4.0

オーソドックスだけど、ハラハラする映画。短くコンパクトだけど、きっちりエンタメしてるし映像綺麗だし、物凄くよくできた映画。良作。

犬王(2021年製作の映画)

4.5

気に入った!しかし惜しい!
ミュージカル映画キャラクターデザインも映像の勢いも最高で、ラストシーンは変な笑い出ちゃうくらいの勢い。なんかすげーこと起きてる!勢い良すぎて振り落とされる!という感じで最高
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トップガン(1986年製作の映画)

4.0

いやー、王道青春映画でよい!下手に複雑な話にしなくても、ズバッと王道で分かりやすく展開するのは良い!そして皆かっこいい!
凝ったえいがもたのしいけど、こういうある種シンプルな映画も楽しいな、って思える
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イノセンス(2004年製作の映画)

3.8

押井守監督の、限られた予算の中で工夫して「静と動」を使い分け魅せてくる手腕が好きなぼくにとっては、逆にもったいないなと思ってしまう。
凄いし、好きなんだけど、限られた制作期間、予算のなかで諦めたカット
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天使のたまご(1985年製作の映画)

4.0

ぼくは好きだよ、この作品。アート作品で人を選ぶが、映画監督としての押井守監督の「映画哲学」エッセンスがぎゅっと詰まっている。
この作品に詰め込まれた押井演出、そしてモチーフは、後のパトレイバー、攻殻、
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GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)

4.5

哲学とエンタメの危ういバランスを保っている押井守監督の傑作のひとつ。そして、4k版、見違えるような出来である。35mmフィルム上映で見てばかりだったから余計そう感じるのかもしれないが、読み取れる情報量>>続きを読む