つかだめぐみさんの映画レビュー・感想・評価

つかだめぐみ

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アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~(2024年製作の映画)

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ほろ苦くて甘いカカオ50%くらいのチョコレートを温かなコーヒーと一緒につまんでるみたいな、甘くて大人な映画だった。

女性が夢見る物語をそのまま描いている設定は、ほとんどファンタジーだけど、それを現実
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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不協和音の奇妙さが赤ん坊の泣き声みたいに無邪気に響きわたる。
非道徳もただの欲望も嫌悪の悪ではなく、好奇心ゆえの愛に変えてしまう寛大な美術の美しさはまるで少し恐ろしさをも感じる世界一の絵画の中に迷い込
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

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そこは寒かったのだろうか。熱かっただろうか。
凍えるような白い世界の痛々しい青も、真っ暗な闇の中の燃えたぎる赤も、恐怖と絶望と悔しさを描くように孤独な色として悲しく心を締め付ける。
その対比となる色彩
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かがみの孤城(2022年製作の映画)

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「大丈夫」って言葉を映画にしたら、きっとこんなくすんだ色彩の中で優しさと弱さとちょっとの勇気がキラキラ輝く物語なのだろう。

この映画には主人公が3人いると思ってる。その3人の目線でこの物語は見え方が
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ずっと独身でいるつもり?(2021年製作の映画)

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私たちに呪いがかかる。若い方が価値がある。結婚しなきゃ幸せじゃない。ひとりは寂しい。
そんな呪いに立ち向かって、「大丈夫」っていう洋服と笑顔で着飾って、自分に言い聞かせて、ひとりで生きている人たちがい
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

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面白いという言葉の定義をすんごい分厚い辞書にまとめてくれたような真面目さと王道さと遊び心を兼ね揃えた優秀なエンターテイメントだった。
テーマの選び方、展開の仕方、感情の描き方、セリフ、全てが「面白い」
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メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

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笑顔と会話がテーブルを囲む。縁側の光と緑が2人を見守りながら、キラキラと一緒に笑ってる。
この空気感が見たかった。原作ファンとしては大満足のシーンばかりだった。

どこかの家から流れてくるカレーの匂い
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梅切らぬバカ(2021年製作の映画)

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完璧じゃないけど、楽しそうなおもちゃのピアノの音。
太陽に照らされてキラキラ光る薄緑色の梅の実が、風に揺らされてケラケラと笑っているような軽やかで気取らなくて自由でかわいい音色たち。この映画にピッタリ
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大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

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今の人々へのエンターテイメントの接し方に怒り、呆れ、「もっと自由にやらせてくれよ、もっと自由にやろうよ」と祈るように誕生したエンターテイメントだと思った。

ずっと思っていたことがある。
今の映画もド
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おらおらでひとりいぐも(2020年製作の映画)

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しまった。原作を読んでから見るべきだった。
心情の表現演出が面白くて、どういう文体の原作ならこういう楽しい表現になるのかが気になる。

「寂しさ三兄弟」の存在も、時々踊ったり歌ったりするのも、空間の使
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

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見せたい景色がたくさんあるんだろうな。
言いたいこともたくさんあるんだろうな。

そう思えるほど、キレイな景色やシーンが瞬きの速度くらいでコロコロと変わっていくし、伝えたいテーマや言葉たちが土砂降りの
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HOMESTAY(2022年製作の映画)

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「カラフル」はこうやってこれからも何度も映像化されるんだろうな。
そう思えるテーマ性と設定は、思春期真っ最中の世代にもちゃんと響くくらい優しくて理不尽で、その温度感がちょうどいい。この作品を観たら死に
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ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)

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妻夫木実写版を78%くらい美化しとる。
魚という小道具の使い方が妻夫木実写よりえらい可愛くてキラキラしてて、宇宙一きれいな水族館を2周して、おしゃれなお土産をたくさん買って、スキップして帰宅してるよう
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ラ・ブーム(1980年製作の映画)

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少女漫画みたいなキラキラ青春映画だと舐めてかかったら、色々震えた映画でした。
ヘッドホンのシーンは胸キュンすぎるので、「壁ドン」にはお腹いっぱいな全ての映画好き乙女におすすめしたい。

感想を四コマに
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ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

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これが理想の夏である。
キラキラと光る太陽がなにもかもを鮮やかで眩しくさせてしまうのが夏という季節だが、これほど美しい配色で描くのは全くもってデタラメである。きれいな瞳を持つ人間が描く夏という幻想はこ
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雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)

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ちょっと緑みがかった鮮やかな青がとてもきれいだし、団地のくすみ具合もきれい。海や雲、空、雑草、明かりの灯る部屋たち、揺れる洋服、廃れた建物、全てがもっと観ていたいと思える心地よい景色だった。この美しい>>続きを読む

あん(2015年製作の映画)

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雑音が聞こえる。だれかの話し声、笑い声、木が揺れる音、鳥の声、足音、水の音、乗り物の音。
セリフじゃない雑音たちが主役だと言わんばかりに目立っている。なんでだろうと思っていたけど、樹木希林さんの手紙の
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ワイルドバンチ(1969年製作の映画)

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カタルシネマのスタッフ(40代)とこの映画の感想を言い合ったのですが、「その時代を生きてなきゃ、この映画の魅力わからんのだろうなあ」という意見で一致しました。自分の生まれた年が平成であることを悔しいと>>続きを読む

ラストレター(2020年製作の映画)

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広瀬すずちゃんが紡ぐ卒業式の生徒代表の言葉を聴くだけでも価値がある。大人になってしまった人へ必ず届くその青春讃歌を聞いていると、懐かしい記憶が蘇って、今まで自分が過ごした全ての時間を褒めたくなった。>>続きを読む

Love Letter(1995年製作の映画)

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雪という天気が紡ぐ、人間たちへのメッセージを物語にして絵にするならきっとこういう映画だと思った。
雪が伝えたい言葉たちをそのまま表現したように、こんなにも美しく、寂しさと暖かさが調和し、人々にちょうど
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EMMA エマ(2020年製作の映画)

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例えるなら、おしゃれなケーキ屋さんのショーケースをメリーゴーランドに乗って眺めている。この映画はそんな「かわいい」という幸せに溢れている。
個性豊かでお人形みたいに可憐な登場人物たちと、洗練された可愛
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哀愁しんでれら(2021年製作の映画)

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水色ドレス、赤いクッション、黄色のカーディガン、紫のベッド、鮮やかな色彩の世界の中で、妖美に踊るようにヒロインを描いている。奇妙で美しい重厚感も、軽やかでかわいい空気感も、童話を観ているようで楽しい。>>続きを読む

明け方の若者たち(2021年製作の映画)

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きっと、青が綺麗な夜空に、緑がかったライティングのコントラスト豊かなフィルムの中で、登場人物たちがモノローグなしに表情だけを魅せる。オレンジ色が明け方の優しさと強さみたいにマジックアワーとして時々現れ>>続きを読む

シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

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音が美味しくて楽しい。
ジュージュー、トントン、シャクシャク、ジュワリ、ガブリ、モグモグ、全ての食べ物の音が高解像度で表現されていて、こだわりを感じた。BGMも楽しそうで、一緒にトラックに乗って旅をし
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TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

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私はトーベにはなれない。
そう絶望した。

トーベ・ヤンソンの世界観に憧れて、どうしたらこんな世界を描けるのかと興味本位でこの映画を観た。
私はトーベになれない。なりたくない。

部屋の美術がおしゃれ
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キャラクター(2021年製作の映画)

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まず、Fukaseさんをキャスティングされた方に5ヶ月分のボーナスをあげたいし、Fukaseさんがサイコパス役をやられる映画をまた観たい。

原作なし。近年、原作あるものばかりが充満する中で、ちゃんと
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思い、思われ、ふり、ふられ(2020年製作の映画)

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淡い水色とピンク、グレージュがかった朝日のような柔らかな光の中に、2人以外の時は止まっているかのような尊い静けさを纏う。
こういうアオハルの空気感をもつ映画のフィルターをなんて呼ぶんだろう。そのフィル
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映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ(2021年製作の映画)

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キッズアニメとして優秀すぎる。「ありがとう」や「ごめんなさい」、挨拶、お辞儀をちゃんと入れていて、子どもを飽きさせない短編集のような画面展開を繰り広げている。なのに大人でも子どもでもクスリと笑えるネタ>>続きを読む

サイダーのように言葉が湧き上がる(2020年製作の映画)

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背景が主人公だと言わんばかりに自己主張している。霞むこともくすむこともなく、サイダーのようにエネルギッシュな鮮やかさを魅せつける背景は夜でさえもカラフルで、見てるだけでも楽しい。街頭や太陽の形も個性的>>続きを読む

九月の恋と出会うまで(2019年製作の映画)

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川口春奈ちゃんの衣装と部屋がかわいい、おしゃれムービー。でも部屋にごちゃごちゃ物置きすぎじゃないかな。やるならもっと海外のおしゃれな女の子の部屋くらいにして欲しかった。高橋一生の部屋には住みたい。
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さんかく窓の外側は夜(2021年製作の映画)

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黒い服の人ばかりが登場する。色彩がシンプルだけどキレイで、イケメン2人によるアンニュイな表情のアップが多く、美しいBLを見ているようだった。どこを切り取っても真っ黒な額縁に飾られた写実的な絵画のようで>>続きを読む

ステップ(2020年製作の映画)

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「原作:重松清」という文字に納得をした。どこを切り取っても暖かさで溢れていて、「そんなわけない」と思ってしまうほど人間がみんな優しかった。
演出が全てわかりやすくて、山田孝之の体温を感じる演技もわかり
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

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きれいな色のマニキュアをきれいに塗るけど、それは永遠に終わらない爪水虫を隠したいから。生まれつき手の皮膚が火傷したみたいにボロボロで、いい匂いのするハンドクリームを毎日塗るけれどちっともきれいにはなら>>続きを読む

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

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私もポンポさんと映画が作りたい。
役者さんもポンポさんもジーンくんも「いい映画を作りたい」という同じ気持ちで、色んな人が意見を言い合って、「映画は本当にひとりじゃ作れないんだな」と感動した。

まさか
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

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「花束みたいな恋」などしたことないが、麦くんにも絹ちゃんにも、ちゃんと感情移入できるセリフたちがすごい。特にモノローグはかわいくて、愛しくて、麦くんも絹ちゃんも応援したくなったし、ムカついてきたし、優>>続きを読む

海獣の子供(2018年製作の映画)

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線を繊細に描いていて、青をメインに赤や黄色、緑も鮮やかにバランスよく使った色彩が、とても美しく、背景を見ているだけで大きな美術館を2周したような楽しさがある。

キレイな言葉を下手くそにテトリスさせた
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