百音川魔瑠琥さんの映画レビュー・感想・評価

百音川魔瑠琥

百音川魔瑠琥

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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.1

こんな素晴らしい作品がアメリカで製作されたことに驚きと深い感銘を受けました。抗えないような人生の理不尽さに直面したとき、人に許されるのは心の安らぎを求めることだけなのかもしれません。
人生の終わりと向
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オデッセイ(2015年製作の映画)

4.8

極限化における人間の生存本能、人生観、価値観、勇気、叡智、愛、などなどが試されるパニック王道映画ですね。140分と尺は少し長めですが、それを全く感じさせないエンタテインメントに優れた作品として楽しめま>>続きを読む

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.0

予定調和された少し退屈な物語を、小粋にお洒落に楽しく魅せるのが名作映画の条件の一つだとすれば、この映画は間違いなく退屈な午後のひと時を魔法にかけたようた楽しい時間に変えてくれる名作映画である。
映画が
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探偵マリコの生涯で一番悲惨な日(2023年製作の映画)

3.8

上質な、大人のためのアダルトなコメディ映画でした。現場のノリだけで撮っている商業主義な作品ではなく、役者の真摯な演技や製作スタッフの真剣な作品への取り組みが、喜劇的でファンタジーな物語を、人間の深い哀>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

4.1

私自身もゲームソフト「グランツーリスモ」で車が好きになり、F1やGTのレースをレース場で観戦するようになった人間ですので、この作品の公開には大変を期待をしていました。率直な感想としては、期待を裏切らな>>続きを読む

志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2017年製作の映画)

3.6

原作が押見修造ということで興味を持ち鑑賞しました。ちなみた原作は未読です。

映画としての完成度は高く、演技や演出、脚本など最後まで集中して観ることが出来ました。唯一にして最大の問題は、主人公の志乃ち
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夕方のおともだち(2022年製作の映画)

4.5

万人にオススメできる作品では決してありませんが、個人的には心に深く響いた素晴らしい映画でした。

とにかく菜葉菜さんがとても可愛く魅力的で、さらに村上淳さん演じる主人公に深く共感できて、個人的には最高
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.1

B級映画らしいハラハラ&ドキドキの映画でした。お金を払って映画館には絶対に観に行かない作品ですが、暇つぶしに無料で観るには最適な映画です。

エンド・オブ・キングダム(2016年製作の映画)

3.6

「エンドオブ」シリーズの二作目です。今回も小気味良いテンポでアクションを楽しめます。チープになりがちな人間ドラマを極力排除し、緻密に構成されたアクションをノンストップで提供してくれます。
キアヌ・リー
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エンド・オブ・ホワイトハウス(2013年製作の映画)

3.6

低予算ながらエンターテイメント性に優れたアクション映画に仕上がっていると思います。人間ドラマの描写を潔よく省くことにりより、テンポ感の良いアクションとストーリー展開が大変に小気味良いです。

永遠の831(2022年製作の映画)

3.2

良くも悪くも神山監督らしい作品だと思いました。心で感じる映画ではなく、頭で理解して鑑賞する映画です。特殊能力を持つ主人公が、平凡な生活からテロ事件に巻き込まれていくボーイミーツガール的な王道映画なので>>続きを読む

うみべの女の子(2021年製作の映画)

1.8

原作漫画が大好きで、まさか実写化されているとは思はなかったので、不安な気持ちで鑑賞したのですが、やはり、とても残念な気持にさせられた作品でした。ウエダアツシ監督は原作の何に惹かれて、この作品を映画化し>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

3.3

戦争映画なにの不謹慎かもしれませんが、とても映像の美しい作品です。ディティールにこだわった日本アニメを観ているような美しさがあります。しかし物語に関しては、脚本にリアリティを追求しているせいなのか説明>>続きを読む

この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

4.8

この作品は芸術性、文学性の非常に高い作品だと思いました。泣ける、笑える、癒やされる、娯楽映画としての何かを求めて観るなら裏切られるかもしれません。しかし映画には、アニメーションには、娯楽以外の、もっと>>続きを読む

スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)

3.9

極上のコメディ映画です。音楽の好きな子供、音楽を志す子供、その親御さん、親子一緒にぜひ観て欲しい映画です。
ジャック・ブラックの演技、というか存在感に好き嫌いがあると思うので、この作品も好みが分かれる
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セッション(2014年製作の映画)

4.3

非常にアメリカ的な、文学的で美しい音楽映画だと思いました。ヨーロッパ映画にはないアメリカらしい素晴らしい作品です。
アメリカの音楽といえばジャズですが、劇中まるで西洋のクラシック音楽の様に譜面を追う姿
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劇場版 奥様は、取扱い注意(2020年製作の映画)

1.2

学芸会レベルの作品です。決して少なくない制作費を注ぎ込んで、どうしてこんな駄作を作れるのか、その仕組みを教えて欲しいです。

総理の夫(2021年製作の映画)

1.2

暇つぶしにもならない駄作です。何が言いたいのか全く理解できない作品でした。
こんな作品に出演しなければならないキャストさん、携わるスタッフさんに心から同情します。内容が全く無いのに、作品としてそれなり
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犬部!(2021年製作の映画)

3.9

ドキュメンタリー『ザ・ノンフィクション 花子と先生の18年 ~人生を変えた犬~』の太田快作先生の若い頃をモデルにした映画です。
自分はドキュメンタリーを観てから映画を観たのですが、心に強く響いたのはド
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遊びの時間は終らない(1991年製作の映画)

3.6

1991年の作品というこで、随所に古臭さは感じられますが、脚本や演出は大変に優れていて、時代を超える面白さが感じられます。本木雅弘の演技も魅力的でラストまでしっかり観る者を引っ張ってくれます。
個人的
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九月の恋と出会うまで(2019年製作の映画)

3.5

普通に楽しめて、ラストは普通に少し泣けました。高橋一生のファンなので、普通に楽しめたのかもしれません。
この類の作品は、ライトノベルならぬライトムービーとでも言えばいいのですかね。物語は大きく破綻せず
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ミュリエルの結婚(1994年製作の映画)

3.8

全編がABBAの歌に彩られた、少女の成長物語です。閉塞感に押し殺されそうな現実から、結婚という未知の憧れに盲目的に救いを求める少女が、やがて手に入れた幻想の果に、現実としっかり向き合い逞しく生きていこ>>続きを読む

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

4.6

すべての映画ファンにお薦めしたい作品です。ポンポさんが、とにかく魅力的。主人公のジーンの成長に、映画好きな自分自身を投影せずにはいられなくなり、自分自身の映画愛に気づかされていきます。自分の愛する映画>>続きを読む

リリーのすべて(2015年製作の映画)

4.4

とにかく映像が美しく、そして物語も哀しいまでに美しい極上の作品です。
エディ・レッドメインの演技が最高で、その美しさに時間を忘れてしまいます。個人的には、エディ・レッドメインがシスジェンダーだからとい
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AWAKE(2019年製作の映画)

3.2

自分は将棋もAIも専門ではない普通の一般人なので、自分の知らない分野で一生懸命に頑張っている人の物語は普通に楽しいです。ただラストのシーンは個人的には蛇足だったように感じます。あんな場面を最後に挿れる>>続きを読む

映画 ギヴン(2020年製作の映画)

3.8

鑑賞のため映画館に入ったとき、座席に座っているのが女性ばかりで、男である自分はひどく居心地の悪さを感じたのを覚えています。しかし、作品を鑑賞した後は、そんなことは本当にどうでも良いと思えるぐらい素敵な>>続きを読む

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

4.3

京都アニメーション渾身の一作です。この作品はTVシリーズの完結編に位置づけられるため、観る前にTVシリーズ(全13話)の視聴を強くお薦めします。この作品の前に外伝映画が公開されていますが、そちらは未視>>続きを読む

OVER DRIVE(2018年製作の映画)

1.8

WRC布教のためにトヨタが製作した、出来の悪いプロモーション映画として割り切れば良いかなと個人的には思いました。作品の内容はリアリティが全く無くファンタジーです。
キャストさんや撮影クルーは、それなり
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斬、(2018年製作の映画)

1.8

このレビューはネタバレを含みます

修行のように鑑賞しました。忍耐力、読解力、集中力、自分の持てる力の全てを総動員させられた映画です。しかし、未熟な自分には塚本晋也監督の表現したかったことが全く理解できず、ひたすら徒労感だけを味わう作品>>続きを読む

散り椿(2018年製作の映画)

2.4

岡田准一のファンで映画館まで観に行きましたが、作品の内容的には悪い意味で古臭い映画でした。岡田准一と西島秀俊の華麗な殺陣を愛でる映画だと割り切れば、それなりに観る価値はあるかもしれません。

メランコリック(2018年製作の映画)

4.3

とても素晴らしい映画でした。こんな映画を撮る人達がいるなんて日本映画界もまだまだ捨てたもんじゃないなと嬉しくなりました。
エンドクレジットで主演の皆川暢二さんがプロデューサーを兼ねていたので、気になっ
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Avalon アヴァロン(2000年製作の映画)

3.3

押井守監督の実写映画です。予算的にはB級映画だと思いますが、押井監督と脚本の伊藤和典のコンビにより押井ワールドが実写でもちゃんと表現されています。
また物語の設定は、当時大流行した映画「マトリックス」
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スカイ・クロラ The Sky Crawlers(2008年製作の映画)

4.3

決して他人に薦められる作品ではありませんが、個人的には大好きな作品です。忘れた頃に何度も観たくなる作品です。押井守監督の世界観と川井憲次さんの音楽が大好きな人にはお薦めの作品です。
作品の設定とか物語
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イノセンス(2004年製作の映画)

3.2

残念ながら、この作品は作画と音楽しか個人的に評価できるところがありません。実質的に「攻殻機動隊」の続編になる作品ですので、そちらを観ていないと内容も世界観も全く理解できないと思います。
攻殻機動隊に関
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人狼 JIN-ROH(1999年製作の映画)

4.1

押井守監督が原作・脚本を手がけた作品です。98分という短い尺で、よくまとまった恋愛物語に仕上がっていると思います。
政治的、社会的な背景が良く出来たフィクションとして描かれていますが、その全ては主人公
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GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)

4.0

押井守監督の映画作品としては、前作の「パトレイバー2」のが完成度が高かったと個人的には思います。しかしB級アニメ映画ながら、この作品の扱うテーマの意義は、公開当時とても斬新で革新的でもありました。ネッ>>続きを読む

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