ogawanderlandさんの映画レビュー・感想・評価

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悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.7

芸術的で美しいカットが多く、ヨーロッパ映画を観ているような気分になった。だるまさんが転んだの映し方など、自分のなかの固定観念をひっくり返されたような感覚になった。
最初はゆっくり進むが、徐々に不穏さが
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.3

天才科学者の功罪が時系列をシャッフルしながら描かれており、赤狩りのあたりは分かりにくかったが、原爆に対する開発側の目線が少しは知れて良かった。ただ、結果的にどれだけ反戦ものとして描かれようと日本人とし>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.8

PART 1に引き続き、古代の叙事詩のような壮大なストーリーを大迫力かつ美しい映像で描いていて3時間ずっと集中して観れた。物語を尺におさめるためかもしれないけどサクサク展開が進むので、中だるみせずテン>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.5

世界観がすごくてよくこんなストーリーを思いつくなと感心したに尽きる。性欲の気持ち悪さも描かれていてフェミニズム的な側面もあったと思う。
カラーのシーンは衣装が綺麗で色使いが可愛かった。
エマ・ストーン
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.5

淡々と主人公が日常を送るなかで、少しずつ周りに変化が起きる様を繊細に描いていた。淡々とし過ぎて人によっては好き嫌いが分かれるかもしれない。
主人公含め、登場人物がどこかしら善いところがあって憎めないの
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

2.8

アメリカでの評判が良いので観ることにしたが、だんだん展開が読めてしまって映画としては普通に感じた。VFXはすごいと思ったしそこが評価されるのは納得できる。
監督のインタビューで『シン・ゴジラ』といろい
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.5

世界史好きなのでストーリーや衣装など楽しめた。戦闘シーンも迫力があったし、当時の戦法をよりリアルに想像できて面白かった。
セクシーなシーンが多いと聞いていたが、予想していたほど濃厚ではなかったので普通
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(2023年製作の映画)

3.3

さすがユーモアを交えつつ、現代の感覚を巧みに潜ませながらリアリティを感じさせる歴史物に仕上げていて北野武はやっぱり映画を作るのが上手いなと思った。ただ、今作は日本史をある程度知っている前提でないと物語>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

3.5

「普通」の枠にどうしても収まらない人の辛さを丁寧に描きつつ、それでも人と人が繋がる尊さにジーンときた。わかり合える人がいることのありがたみを再認識させられる。
原作を読んでいたので水にまつわるシーンと
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

3.3

説明しすぎない映画らしい撮り方の映画で良かった。
本当のことも他人のことも、そして自分のことも分からないながら、それでも繋がり合う人々を丁寧に描いていた。

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.5

しっかりウェスワールドで映像がかわいい。物語は入れ子構造で、没入しようとしたところで頬を引っぱたかれるように場面が切り替わるようなところにフランス映画の影響を感じた。
宇宙人のくだりは笑った。

バービー(2023年製作の映画)

3.4

ポップな世界という体で、極端な思想を一方的に押しつけることの暴力性を描いていて良かった。ただ、結構テンポが早いので人によっては好き嫌いが分かれるかもしれない。

リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

2.5

朝早くに観たけど、ハラハラする戦闘シーンが多いので眠くならずに観れた。派手なアクション映画と思って観た方が良い。
キャストが豪華だった。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

2.8

どういう物語だったかと聞かれると要約して答えるのが難しい、抽象的な駿ワールドの作品だった。
今までのジブリ作品のモチーフが散りばめられていて集大成なのだろうとは思った。
子どもの頃にジブリ作品を楽しん
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.0

予告を見て想像していた以上にヘビーで、後半は観ていてしんどかった。人間関係の機微を繊細に描いていたけれど、説明を極力省いていたので、その分主人公の心情をあれこれ想像させられた。そういう意味でも視線が重>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

3.6

物語が進むごとに様々な登場人物の視点から事実が明らかになり、その度に各登場人物に感情移入できてしまうのでずっと観ていて苦しかった。たしかに良い脚本だなと思った。
子役含めてキャストの演技もそれぞれ良か
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名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

3.0

海中ではもっと視野狭いだろうとかいろいろとツッコミどころはあったけれど笑、黒の組織や哀ちゃんにフォーカスがあたって面白かった。
ウォッカが意外と面倒見が良い兄さんだった笑。
そして蘭姉ちゃんがキレッキ
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.7

ケイト・ブランシェットの演技が見事。
性別に関係なく権力による問題が見過ごされないところにフェーズが進んでいる感じがして、脚本も良いなと思った。作品内の現実と幻想が混じり合っていて混沌とした雰囲気もあ
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

2.8

やはり展開がサクサク進んでいろんな要素が詰め込まれていた。仮面ライダーの元々の世界観が暗めというのもあるかもしれないが、『シン・ウルトラマン』や『シン・ゴジラ』より重い。
初代仮面ライダーを通っていな
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

映像もストーリーも発想すべてがぶっ飛んでいて感心した。展開が目まぐるしいけれど、根幹に家族のテーマが一筋通っているから、着地が感動的でうるっとくる。主人公を見ていて「豊かな人生とは?」という問いに対し>>続きを読む

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(2017年製作の映画)

3.5

『ライ麦畑でつかまえて』は読んだことあるけれど、各シーンやホールデンの人物像はサリンジャーの実体験ーー戦争体験も含めてーーから生まれていたんだと、映像によって視覚的に理解できた。
なぜ書くのか、書き続
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.0

大人な映画だと思った。わたしはまだこの境地に達し得ない。。
離婚を通して結婚とは?夫婦とは?を描いていて深かった。与え合うこと、支え合うことがいつの間にか奪い合うことになった時、二人の心はどうしようも
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レディ・バード(2017年製作の映画)

3.6

遠い国の話だけど、狭い世界から出て行きたい気持ちや尖らずにいられないお年頃、そして環境が変わることで少しずつ大人になっていく心の動きにとても共感できる。というか刺さった。コンパクトだけど繊細で良い作品>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.2

少し前の出来事とファンタジーをかけ合わせることに居心地の悪さを感じたが、セクハラ的な気持ち悪さは今作は無かったので良かった。
アニメでも震災の風景は辛いものがある。
これから地震きたら思い出しそうな作
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麦秋(1951年製作の映画)

3.5

『東京物語』と役者や役名が同じだから最初人間関係を把握するのに混乱した笑。
『東京物語』ほどではないけれど、20代後半にもなると周りから結婚しろって言われることとか今と変わらないなと思うようなことが丁
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フランシス・ハ(2012年製作の映画)

3.5

テンポ良くストーリーが進むうちに、自分も27歳ということでだんだん刺さっていく。大人になりきれないけれど否応なしに世間の流れに流されていく感じが共感できた。空気読めないシーンとか親友は結局友でしかない>>続きを読む

東京物語(1953年製作の映画)

4.0

言葉遣いなど時代を感じる面もあるが、今見ても新鮮に楽しめるくらい、家族の関係性が生々しく丁寧に描かれている。他人だから優しくできることもあるよなと切なくなった。ちゃんと親に優しくしようと思った。
モン
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窓辺にて(2022年製作の映画)

3.9

スローテンポなので好き嫌いは分かれるかもしれないが、スローな理由は観れば分かるようになっている。見終わった後、映画も贅沢だなと思った。こういう自己言及的な作品は好き。
自分も主人公に近い性質だから性別
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.8

見終わった後の余韻が大きな作品。構図がキマっていて綺麗な画だし、劇伴も良かった。メモリの演出がなかなか他に見たことなかった方法で、観てるこちらも自分と宇宙の繋がりを感じるような感覚になる。記憶のシーン>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.5

全編通して画がフェルメール等の絵画のようで美しかった。建物も素敵。3人が仲良くなっていくところにほっこりしたが、切ないストーリーだった。伏線の回収の仕方に品があると思った。

スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

2.8

観る前に想像していたより短い期間の物語だった。誰もが夢想するプリンセスとしての暮らしも辛いものがあるというか、簡単に言うとダイアナには合わなかったということが丁寧に描かれていた。厳しい言い方をするなら>>続きを読む

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

4.4

最初から最後まで画がカッコ良くてとても好き。現実ではなかなかあり得ないまるで映画のような、とつい言いたくなるような恋愛模様(恋したときのヤバい変態さも含めて笑)が映画だからこそのカッコよさで描かれてい>>続きを読む

サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)

3.8

画がノスタルジックで綺麗だった。小学生の頃の感触を上手くすくい取って表現している。子どもだけで遠くへ行く楽しさとか、少しはみ出していたクラスメイトに優しくできなかった反省とかいろいろ思い出した。
世界
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劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明(2020年製作の映画)

3.2

テレビの新シーズンを観るために観た。作画はとても綺麗だけれど、相変わらず正視できないようなシーンが多いので、映画館で大画面・大音量では観れないなと思った笑。

異動辞令は音楽隊!(2022年製作の映画)

2.7

勝手に『スウィングガールズ』のような軽いノリの作品かと想像していたが、結構シリアスだった。全体的にストーリーのテンポがゆっくりしているわりに主人公のドラムの上達は早いなとか、事件の顛末についてツッコミ>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.6

遠い国の話なのに冒頭から「私のこと描いてる?」と思うくらい共感した。この年代の女性が感じやすい、自分の内と外からくる焦りがとてもリアルに、そして美しく、描かれていた。ファンタジックな部分もあくまで表現>>続きを読む