落下の垂直運動という簡潔に映画的になりうる題材にもかかわらず作品は早々に家族間の心理の描写というありきたりなものに堕してしまう。
現代で溝口健二をやっていて驚く。いつものダルデンヌと言われがちだと思うが、手法を先鋭化させ、誰かを想っての行動をここまでエモーショナルかつサスペンスフルに描ける映画作家はいないのでは。
ひさしぶりに満足度の高いハリウッド映画。アクションシーンの編集がきっちりしてるだけで好感が持てる。少し長いのが今風だし、中盤まで段取りくさいが、小ネタや独創的なVFXとセットの使い方で飽きさせない。ク>>続きを読む
ブランコ映画。田中陽造らしい地に足のついていない、というより重力という概念を知らない人たちの物語。
ジョナサン・デミはキャラクターを幸せにする方法を知っている。それはつまり、それをみている観客を幸せにする方法も知っているということだ。
笠智衆は事故で死んだ教え子を思い続けて自分を罰し、息子の愛が父に届くことはない。決して叶わないものを乞い続ける異様な親子の残酷な物語。
この映画の高峰秀子はなんとなくフローレンス・ピューっぽい瞬間がある。というか、元来ピューは高峰秀子的存在なのかもしれない。
もっとこういう虚無的な映画を作って、毎日平日夜に上映すべきだ。しかし、十代の頃はあんなに心動かされたアメリカンニューシネマが自分のなかで割と色褪せてしまったことに軽いショックを受けた。
孤独な人々が集まる映画館という場の特殊性をオリヴィア・コールマンが身を持って体現している。地味だけどしみじみ良い作品。こういうものも月一で、映画館で見たい。
実は恋愛映画において一番必要ないものは「共感」なのではないかと、この傑作を見て思った。
超素晴らしいのですが、なんでこれアカデミー賞にノミネートされなかったの?