oriさんの映画レビュー・感想・評価

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関心領域(2023年製作の映画)

3.8

塀の向こうに見える黒い煙、
渇いた発砲音、
ただ事ではない時に発せられる"彼ら"の声、
川に流れる"彼ら"の灰と焼け切らない何か。

次第に不眠になる娘、暴力的になる息子、家に遊びにきても居心地の悪さ
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アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

3.9

とっても前向きで明るくなれる映画。
なのだが、タイムリープ系Sci-Fiが苦手な私はやっぱり心から感動できず。。いやいや、家族と自分のためにも最初から1日1日大切に生きてくれよって思う私はただのひねく
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梅切らぬバカ(2021年製作の映画)

3.5

最後まで綺麗事で済ませないところがいい。家族や支える介護職の方、本当に尊敬する。

永い言い訳(2016年製作の映画)

3.8

モッくんのクズ男っぷりが素晴らしい。
冒頭の夫婦の数分の会話でふたりの距離感やクセ強な主人公のキャラがよくわかる。脚本もすごいし、演じる二人もさすがである。
喪主挨拶の自己陶酔っぷりや霊柩車の中で身だ
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

3.7

移民1世は、大概きつい。
その中の成功者はほんのわずかで、多くはこの主人公や最初に出会う警備員のように昼夜問わず長時間労働しながら生きる人がほとんどであると思う。まるで幽霊のように自分の存在に影を落と
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愛は霧のかなたに(1988年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

前半いい感じだったのに後半20分で狂気じみた悪い人に変貌する主人公。愛って人を狂わせる。恐ろしい。
字幕では「山から出てけ!」ってなってたけど「Get off MY mountain!」って言ってた時
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.2

個人的に好きな色彩と世界観が詰まっててずっと観たいと思ってたやつ。
ピクサーはほんっと世界中の人間の涙腺のツボを理解してる。弔う方法は違えど故人を想うことが供養につながるってことは全世界共通なんだな

僕のワンダフル・ライフ(2017年製作の映画)

4.1

オムニバス映画だと思ったら、まさかそこで繋がっているとはね🐶こんなに優しい生き物がなぜ人間と共存を始めたのか別の方向に興味が湧く。
犬好きの人に教えてあげたい映画。

ロミオ&ジュリエット(1996年製作の映画)

3.8

初めて出会う水槽のシーンはストーリーを知らずとも美しすぎて何度も見たことがあったけど、ようやく本編観れた。
どうやって現代版に落とし込むのか楽しみでもあり不安でもあったがシェイクスピア時代にはないギラ
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

「何かを失えば、何かを得られる」
日本にいるとなかなか経験できないが言語の壁というものは非常に厚くて、バーで韓国語で話す二人の横でコミュニケーションに参加できずしんみりしてるアーサーを想像すると切なす
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スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)

3.8

その人に最適な役割を与え、褒めるのが上手な人がこうして成功するんだろうな。
ほとんどがジャック・ブラックのアドリブにも見えるが信頼関係が築けているのか子供たちが難なく喰らい付いているのがいい。

プリシラ(2023年製作の映画)

3.4

好きな時代のファッションだっただけに予習もせず観に行った結果、なんていうか、生理的にダメであった。

エルヴィスがプリシラを所有物のようにしか扱っておらず、彼の別れ際の最後のセリフも馬鹿げていて地獄に
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ドーナツもり(2022年製作の映画)

3.4

神楽坂の坂が人生の浮き沈みを表しているかのような。
主演の中澤梓佐さんがあまりにもチャーミングなので調べてみると歯科医の資格を持ってるんだとか...。いかにもドーナツ屋さんにいそうな雰囲気でこの映画に
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かがみの孤城(2022年製作の映画)

3.7

もやもやが伏線回収のラスト10分ですっきり。原作未読なので、「善処する」って言ってたのね、あーなるほどね!ってなるまで時間がかかった。

金の国 水の国(2023年製作の映画)

3.3

猫と犬が可愛過ぎて終始二匹の動きにしか目がいかなかった

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

日本は唯一の戦争被爆国として日本以外の国からどのように見られているか、考えられているかについて知るべきだと思うし、そのためにまずはこの映画を観てみてもいいと思う。オッペンハイマーの葛藤と反核についてが>>続きを読む

ゆれる(2006年製作の映画)

3.9

香川照之、怖ぇー(褒めてる)
優しい人ほど、胸の内がわからない。優しい人ほど怖いとはそういうこと。

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.7

クスリとしながらも哀愁漂うラストシーン。シンメトリーで直線的な美術と印象的なパステルカラーが目を楽しませてくれる。

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.9

PMSを扱った映画と聞いて観に。

生理前のなんとも説明し難い気持ちの波。自分もそれが最初はPMSだと分からず、ピルでコントロールできるまで色々な人を傷つけたことを思い出した。
藤沢さんのように母親が
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そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)

4.0

出てくる人がみんないい人すぎるのが少し気になるところではあるが、気楽に感動できるヒューマンドラマとしては楽しめる。
個人的には梨花さんのファッションと各家のインテリアが印象的。見方によっては主人公の振
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.6

生きづらいと思うほど
足掻きながらまっすぐ生きる人が輝いて見えて
また明日も生きようと思える

生きる意味なんていまだに分からないけれど、生涯孤独でも最期に悲しんでくれる人が一人でもいればこの世に存在
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Dr.コトー診療所(2022年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

前半は割と良かった。でも台風が来る後半はまぁひどい。

もはや野戦病院どころか次々にバタバタ倒れる毒ガステロみたいな状況は流石に笑った。映画館で見なくて良かった。
コトー先生のしたいことはよくわかる。
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.8

戦争と同様このあとの二人のことなんて誰にも分からないけど、そこに愛とか信頼みたいなものがあるなら大体の物事はどうにかなるんよなと思わされる。(ただ、それが難しかったりするんだけど)

・シンプルに淡々
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エゴイスト(2023年製作の映画)

3.8

鈴木亮平と阿川さんはすでにその辺りに実在しているかのような存在感だった。特に鈴木亮平においては演技の域を超えており、完全に浩輔が憑依していた。
一連の行為がエゴイストといえるのか。ただ、この映画のタイ
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メットガラ ドレスをまとった美術館(2016年製作の映画)

4.1

中国をテーマにするってとてつもなくエネルギーが必要なんだろうなぁーと思ってたら想像の上を行く大変さだった。
お祭り騒ぎの裏ではアジア美術部門のお堅そうなおじさまボスとの帳尻合わせだったり、社会主義国家
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.1

ポスターの映画タイトルの横にちょこんと添えてある小さなクッキーサンド。何かと思っていたら映画のなかでコットの心を解くキーアイテムだった。
水汲みに初めて行く時は落ちないでねと声をかけたり、牧場でいなく
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.9

ダンカンのような哀れな男が喜んで所有したがるのは少し知能が低いくらいの女。しかし女が次第に知識を得て自分より賢くなり所有物であることを嫌うと面白くない。残念ながら今でも日常生活にそういう場面はある。仕>>続きを読む

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.0

今は離れていても簡単に連絡が取れる時代だからこそ、会話の大切さを見失いがち。限られた時間を過ごす二人の思い出の場所や出会った人々、紡いだ会話が印象深い。
レコード屋の試聴室とか明け方のチェンバロバック
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春の雪(2005年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

最後まで清様のことを想い、ひとりで辛い思いをした聡子が浮かばれない。どんな気持ちで頭を丸めたか、清様には一生分かるまい。一方で聡子の気持ちも理解できずに最期まで自分の欲を押し通す頭の弱い男、清様。自業>>続きを読む

きみに読む物語(2004年製作の映画)

4.1

・アリーがとにかく可愛くて飾らず天真爛漫。アリエルに似てる。
・アリーのお母さん、一番人間味がある。私もあなたと同じ境遇だったということを伝えつつも、今はその人の顔さえ覚えてない、今のパパが好き、と娘
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

3.9

千年女優を観たのでずっと放っておいたレビューを書いてみる。

初見は2010年。怖かった。
それまでアニメの大半は楽しいもの、明るいものだと思っていたがその概念を一気に覆される。火垂るの墓の包帯ぐるぐ
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