おぎこさんの映画レビュー・感想・評価

おぎこ

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奇跡の海(1996年製作の映画)

4.0

愛と信仰×NTR願望
トリアー監督の描くいびつな純愛像。ときに性愛的でもありながら、互いが互いを一番愛していることは伝わる。なんともいびつ。途中神の声が聞こえなくなった(=自信を失った)ベスが何故最後
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アンブレイカブル(2000年製作の映画)

3.5

自己を確立していく中年男たちの物語であり、スーパーヒーロー誕生譚であるという不思議な一作。MCUが流行るはるか前からこのフォーマットを作っていたのはかなり画期的なのではないか。
特にデイビッド再起の物
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ドッグヴィル(2003年製作の映画)

4.5

人間心理の醜さをじっくりと描いた傑作。とにかくキャラクターが魅力的で、徐々に現れる田舎社会の醜い本性が多様である。特にトムの無自覚な悪意、押し付けがましさは全編を通して気分の悪いものであるし、妻と関係>>続きを読む

ニンフォマニアック Vol.2 ディレクターズカット完全版(2013年製作の映画)

3.5

Vol1のパワーアップ版な内容で、話の筋はほぼ同じなのにこれも飽きずに3時間楽しめる。ジェロームの俳優が最後だけ変わったのは謎。オチは文字通り開いた口が塞がらなくなる体験を出来て満足

ニンフォマニアック Vol.1 ディレクターズカット完全版(2013年製作の映画)

3.5

まるで一人の人間の半生を覗いたような気になれる細かな物語進行が最高に楽しめる一作。フォントリアー監督の神の目が炸裂するような感じ。
ただ、延々と語られる哲学はコメディ要素にしかなっていないのはどういっ
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ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)

2.5

ディストピアsf映画
人口増加と環境破壊によってグロテスクな見た目になっている街の描写が鮮烈。また、人が家具として扱われているという突飛な設定が、オチの前振りになって妙な説得力を持たせている

クリープショー(1982年製作の映画)

3.5

コミックをそのまま映像化したようなスタイルで、オープニングからワクワクしっぱなしになること間違いなし。
毎年ハロウィン近くで見返したくなるような、何度でも見たい映像体験だった。
個人的には潮の話とGの
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ロブスター(2015年製作の映画)

3.0

独身だと動物に変えられるという設定がヒキなのかと思えば、共通点がないと恋愛できないというより狂った恋愛観が提示される一作。
恋愛における自己犠牲について暗喩的に言及しているのではないかと思った

ゼイリブ(1988年製作の映画)

3.5

陰謀論系SFの傑作。この映画の虜になって陰謀論者になってしまう人も多くいるはず。
キャラクターデザインや演技を含めてちょうどよく安っぽいのと、突然のコメディやプロレスシーンがクセになってしまう。消費社
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ガタカ(1997年製作の映画)

4.0

近未来SFの傑作。
科学技術の発展に伴って避けられないゲノム倫理に踏み込む視点はもちろんのこと、sfながら、技術描写的な要素は極限まで少なくしてあくまでその世界での人間同士の繋がり、人間の無限の可能性
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.5

アンダーソン監督の漫画の一コマのような美しい構図と、物語口調で語られるダークユーモアが良い具合にマッチしてる一作。
グスタヴ氏の高貴でありながら無鉄砲でもあるキャラクターと、徐々にそれに染まっていくロ
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.0

アベンジャーズ的なマルチバース×コメディ×家族愛という、相容れないようなテーマミックスを達成してる映画
一見コメディ要素として持ってこられた世界線が感動要素に繋がってきたり、本格的なアクションがあった
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アンチクライスト(2009年製作の映画)

4.5

あまりにも美しくて残酷な画に心奪われる
人間の傲慢さに言及する哲学的なテーマも良い。キリスト教文化に詳しくない自分でも十分楽しめた。
そしてなんといっても自分が大好きなトリアー監督独特なカメラの切り取
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

科学者として、人間として、また政治や権力的な側面としての、オッペンハイマーという一個人を描いた作品。原爆についての作品ではない。
映像表現、音響表現は劇場で鑑賞してこそその魅力が100%発揮されるよう
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スカーフェイス(1983年製作の映画)

4.5

現時点で個人的ベストなギャング映画
破天荒サイコパスなトニーの成り上がりストーリーはデパルマ監督の映像術も相まって飽きずに楽しい時間が続く
トニーに感情移入することは全編通しても難しいが、それでも成り
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.0

アリアスター監督が芸術路線に挑戦した異色作。
はじめから終わりまで内容はちんぷんかんぷんで、今起こっていることを追っていくのが精一杯ではあるが、その中でも少しの違和感や敷かれていた伏線に気付いてハッと
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ブラック・レイン(1989年製作の映画)

4.0

日本を舞台にしたハートボイルドアクション
マイケルダグラスと高倉健のキャラクターがほんとにずっとカッコよく描かれている!音楽の使い方も最高で、エンドロールまでハートボイルドな雰囲気に酔いしれてしまった
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シックス・センス(1999年製作の映画)

4.0

どんでん返しは知った上での鑑賞。
ただ、他のどんでん返し系の映画とは違ってこれを中核として作った作品という感じは全くなく、ネタバラシは思っていたよりずっとあっけなく終わる。本作の魅力は心の傷ついた人々
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.0

会話劇中心で展開されるムカムカする腹黒ビジネスの世界
何と言っても長尺が特徴の映画であるが、常に何かしらの事件は起きているので見ていて飽きたり苦痛になることはない。ただ、丁寧に少しずつ話が展開されるの
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オーディション(2000年製作の映画)

3.5

日本流スプラッターの一級品!
なんといっても全身がゾワゾワしてくる、クライマックスシーンはJホラーの魅力満点。表情、動き含めてリアルで恐ろしい。
どうしてもクライマックスの素晴らしさが際立つが、それ以
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.5

会話劇の傑作
全体を通してキャラクター同士の会話が多い上に上映時間もかなり長いが、あっという間に感じてしまう。というのも、独特な会話の間がシュールで面白いのと、緩い流れが続いている中で突然事件が発生し
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ロジャー・ラビット(1988年製作の映画)

3.0

2Dと3Dの融合に挑戦する意欲作
もちろん違和感のあるシーンもいくつかはあるが、かなりのクオリティでこの共演を映しているし、別に多少安っぽいのが気になるような作風でもないのでかなり楽しめた。基本的には
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

3.0

油絵のような独特のアニメーションから繰り出されるニンジャカンフーアクション!
とにかくアニメーションが最高!下手すると全アニメーションの中でこのスタイルが1番自分にハマってるかもしれない。背景のクレヨ
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キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

3.5

前作のいいところを引き継ぐ傑作。
これに尽きる。前作で良かったことをそのまま全面に出してくれているのでとても楽しめる。ただ、キャラの使い捨てがさすがに見ていて気持ちの良くないレベルだったことと、別に掘
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キングスマン(2015年製作の映画)

4.5

最高にスタイリッシュなスパイアクション!!
007シリーズが大好きで、スパイ関連でせっかくだからと見てみたところ大ハマり!どらえもんの秘密道具くらいの科学考証で作られてるガジェットは見ていてちょうど良
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グッドモーニング、ベトナム(1987年製作の映画)

3.5

ロビンウィリアムズの良さが全面に出ている作品。
なんといっても冒頭10分くらいの段階で披露される主人公クロンナウアのDJ口上から作品にグッと引き込まれていく。これが他の軍人のラジオとは別次元のものにな
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

3.0

サイコスリラー映画の新定番!
とにかく怖い演出。ジャンプスケアを連発する安っぽいホラーとは違い、ワンシーンごとに「あいつ」が出てくるかも…という緊張感が走っていて常にビクビク出来るシーンの撮り方が特に
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ナイルの宝石(1985年製作の映画)

3.0

ジョーンワイルダー冒険譚第二章。
ジャングルの次は砂漠というエスニックな冒険劇ものありがちなロケーションチョイスは良いし、前作のラブロマンスが本当にそのままうまく行くのか?に触れる脚本も目の付け所が良
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劇場版 STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)負荷領域のデジャヴ(2013年製作の映画)

2.0

少し残念な劇場版続編
岡部の孤独な戦いとして後半展開されていたアニメ版に対し、映画中盤で主人公がくりすになった瞬間はくりすの孤独な戦いを期待させる胸熱な展開であり、ここまでは良かった。しかしながら実際
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サスペリア(1977年製作の映画)

3.0

とても見やすいカルト映画
話の分かりやすさや脚本の流れを度外視して監督の描きたいものを帰納的に作っている感じが映画から伝わってくるのがとても良い。それでいてストーリーには難なく付いていけるので、カルト
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ロッキー(1976年製作の映画)

3.5

アメリカンドリームを代表するような映画。
脚本も展開も分かりやすくて面白いし、恋愛もあり労働階級の苦悩もありトレーニングのシーンもありで展開に飽きずに見やすい。
そして何よりこの映画で素晴らしいのは勝
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サウスパーク/無修正映画版(1999年製作の映画)

3.5

とんでもない映画No1級
そもそもアメリカとカナダが戦争するというコンセプト自体もアウトだろうし、なにより実在する(しかも結構ヤバめの)人をいじり倒しているのは見ていてヒヤヒヤする。これは本当に映像と
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アメイジング・スパイダーマン(2012年製作の映画)

3.0

子供の頃スパイダーマン新章としてワクワクしながら観た作品。
トビーが演じるピーターとアンドリューが演じるピーターはキャラクター性に明らかな差異があり、この違いが楽しめるのは俳優の味が出ていてとても素晴
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スパイダーマン3(2007年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

トリロジー1番の問題作
色々なところで言われ尽くされてることではあるが、本作は明らかに敵キャラクターを出しすぎてストーリーラインがとっ散らかってしまっている。特に、前作の最後でハリーがグリーンゴブリン
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スパイダーマン2(2004年製作の映画)

4.0

サムライミ三部作の中で1番好きな作品
アクションシーンの魅力は前作を上回る勢いがあって、好きなシーンも多い。特に車が店に投げ込まれるところの緊迫感。
また、今作は純粋なヒーロー映画としての魅力を残しつ
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ウィリーズ・ワンダーランド(2021年製作の映画)

3.0

最高のはちゃめちゃ映画。
大袈裟な演技のイメージが強いニコラスケイジが一言も喋らないことはもちろん良い方向に行ってるし、こんなにイかれているキャラクターは喋らせるべきではないことも合わせてこれはかなり
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