RIOさんの映画レビュー・感想・評価

RIO

RIO

サントメール ある被告(2022年製作の映画)

3.7

世界の1部になれない存在たち

壁に遮られ誰からも見られずに生まれて
祝福を受ける前に死んでいく哀しい命

前にある筋のお仕事をされてる方から聞いた話で人間というのは気付かれずに亡くなっても必ずその死
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.9

驚きのカメオ 神を知らない人には神は神なり得ない

好きな詩集が好きだったり
夜 全然眠れないのが一緒だったり
倒れるまでよく話したりした
惹かれる時は終わりの事なんて意識にもない そうであるならば
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.8

今の全てから脱して自分を作った全てのものへの反逆

音が足りない 片っ方足りない魚眼レンズで覗き込むような歪んだ形
合ってない小さな響きが知らせてくる気付き
瞳が見る先を感じなくてはならない

何もか
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ボッカチオ'70(1962年製作の映画)

3.8


時間も忘れて一緒にいたいのにどうしてもあべこべになってしまう新婚夫婦とか全然素直になれないムッツリ博士はキモいけど気持ち分かる

ひとりひとりの物語
知的な雰囲気がゼロだった「人間喜劇」が退屈しなが
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フィツカラルド(1982年製作の映画)

-


秘境の地に新たな色彩をもたらしたい
人生は幻想で真実は影に隠れている
と伝道師は言ってたけれど
ほぼ闇が闇と思えないほどの異様な光景

かなり微妙な雰囲気です
インパクトはあったけれど苦しさだけが残
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沈黙のレジスタンス~ユダヤ孤児を救った芸術家~(2020年製作の映画)

3.7

マルソーはレジスタンスに憧れたわけではなく 子供好きで世話をしたいわけでもなかった

命を狙われ束縛を受けても平和な世界で過ごすことができた奇跡は長くは続かない フランスからスイスへと寒い雪山を越えて
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君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

3.7

救いがたいだるさの堀貝は親しみを感じて呼捨てにしたくなる

不条理に疲れてしまっているイノギ 穂峰
大きい傷は体の1番奥にしまっている 上手く知られないように隠してる それでもその傷に気付かなくては
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こじらせて屋上(2022年製作の映画)

3.5

とっても素敵
こじらせるにはそれなりのワケがある
アヤコのワケは全然明かされない

主張したいのではないけど
天使に向かって吠えたくなる
それは違うと

見知らぬ人から貰った日常が回りに回ってる
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隣人は静かに笑う(1999年製作の映画)

3.8

OPは不穏な空気がビシバシ凄い ウィルス感染の話なのかなと思った そうではなかった
この隣人という距離は神経に障る

ジェフ・ブリッジズの視線はいつでも彷徨っている 好きだなぁ
隣人が怪しいと踏んだマ
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二十歳の恋(1962年製作の映画)

3.7

朝イチ音楽 引っ越しギリギリまで音楽なのが分かる
壁に掛けてあったタートルネックの絵の青年はアドルフのようだった

窓から空をあおぐ余裕すらなかった
コレットが何を見ているのか 気まぐれな瞳に悲しい気
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夜霧の恋人たち(1968年製作の映画)

3.9

大人になっても自由への逃亡は変わらない あの頃から走り続けている

クロード・ジャドは可愛い ジャン=ピエール・レオの2人はお互いの存在が魅力を際立たせて見える
「家族」96' に繋がっていく流れも感
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汚れなき祈り(2012年製作の映画)

3.8

心を痛めて悩んでいる
思い詰めて弱っている隙間に囁く言葉

知らずに犯している罪を見つけることのできる464のリストを修道女が読み上げるのを聞いていると思い当たる項目が一杯だった 心が痛い

救いと償
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ひな鳥の冒険(2016年製作の映画)

3.5

映像がクリアで遠近法が目立つ

まだエサを採れない雛鳥が嘴を開けて母鳥がくれるのを待ってるのを見て 前に見た小さな女の子がアイスクリームをお母さんがスプーンで食べさせてくれると勘違いしてずっと口を開け
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最後のチュパカブラ(2021年製作の映画)

3.6

最後のひとり タマレ売りのばば様が見せてやろうじゃないか
と呟く意気込みが素晴らしい

1滴の涙が土に吸い上げられ老婆の前に現れた山羊の血を求める怪物
家にあった端切れを縫い合わせたみたいなチュパカブ
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評決のとき(1996年製作の映画)

3.7

冷静に観ていたはずなのに
裁判が佳境を迎えてS.L.ジャクソンがマシュー・マコノヒーに君は白人の目でしか見ていないという下りは核心でした

先入観だけで感情移入や想像力が全く働いていないじゃないかとい
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ナショナル・シアター・ライヴ 2016「ハムレット」(2015年製作の映画)

4.0

NTLiveシェイクスピア特集「ハムレット」

即日完売になった満杯のロンドンの劇場内にいるような音響が嬉しい
カンバーバッチの演技は他のキャストとの親和性はあるもののズバ抜けた存在感で引力があります
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スコットランドは死なず/戦場をかけぬけた男たち(1971年製作の映画)

3.8

『スコットランドは死なず/戦場をかけぬけた男たち』 Kidnapped*1971

「探偵スルース」前年のマイケル・ケイン グレーカラーのチェックを着ているんですが猛烈カッコ良い
いちいち高地人であ
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バベットの晩餐会(1987年製作の映画)

4.0

火に炙られてシューシュー言ってる亀の悪夢を見たマーチーネが私たちはバベットに何を食べさせられるのか分からないと聞かされた村人たちが命懸けで晩餐会の席に着くのが面白い

ユトランドにはそとの国から人々が
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私がやりました(2023年製作の映画)

3.8

草葉の陰で咲く小さな花
残された華麗なる幻影
今にも息が絶えていく最後の戦い

救いがたい運命に
思惑あっての告白

女たち 曇り空を抜け出して
豊かなる清らかな心から
たおやかに薫る


モラハラ
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ジェイソン・ボーン(2016年製作の映画)

3.7

ジェイソン・ボーンは働かなくてもお金があるから何年経っても大丈夫なんだとか妄想が膨らんで余計なことを考えてましたけど予想に反してファイターになってた 重荷を自分に課しているようだった

街に出て来た瞬
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否定と肯定(2016年製作の映画)

3.9

ホロコースト否定論を否定する

自由に表現して良い事との相違
その自由を悪利用すること 公のものは嘘や説明のつかない事であってはならない

冷静さを欠いてしまう自分にはお仕置きのような教えを貰いました
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さよなら、私のロンリー(2020年製作の映画)

3.8

変な毒親は他に生きる道はなかったのかと思うほど見ていてセコくて笑えてきました 一人娘にドリオと名付けるあたりが大好き メラニーが聞き直すのも好き

生きる術は教えたから後は何とかせいという厳しい掟に生
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わが魂を聖地に埋めよ(2007年製作の映画)

4.0

「今日は死ぬのにもってこいの日だ」
タオス・プエブロの言葉のように
生きているもの全てが私と呼吸を合わせている

資本主義たちの発展の為にインディアン部族の土地が強奪される
人道主義的改革家たちもまた
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さよならのとき(2014年製作の映画)

3.9

意味のないことは嫌だと言うダグニーが可愛い上にノルウェー語がとても聞き心地良い

その先には何もないかもしれない
孤独感に震え続けている鼓動
光と音がシャープに重なる ノイズが初々しい

ゆったりと流
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ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

3.8

膨れる妄想 悪魔の僕たち
変な赤ちゃんが生まれてくる予感

タニスという薬草のお陰でミア・ファローの目の下のクマ凄いけど服が可愛いかった
悪魔崇拝のわりにアパートのおばさん全開なのは異色に映りました
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ボーン・アルティメイタム(2007年製作の映画)

3.8

ジェイソン・ボーンを消したいボスは前回と同じ展開 同じ台詞にも関わらず面白いって何故だろう CIAが3作品の中でも1番映ってたからかな あらためてCIAに情報は全て筒抜けですね

記者と接触するとこは
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長州ファイブ(2006年製作の映画)

3.5

おい 長州 日本で会おう
とか言っちゃう薩摩もとても良かった
志があるのが伝わってくる
私も大きくなりたい

グラスゴー行きの餞別
地球の回る音が聞こえるようです

ボーン・スプレマシー(2004年製作の映画)

3.8

ジェイソン・ボーンはいつも
少し先を歩いてます

世界の裏側に行ってもロシアに行ったって目の前に現れる殺し屋 強い者同士の衝突は見応えある
マリーと暮らしたインドのお部屋が素敵

一瞬でも目を離すと見
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ボーン・アイデンティティー(2002年製作の映画)

3.7


君の名は

少しだけ話が進んで終わっていくのが
なんか凄く良かったです
最悪のシチュエーションで思い出される黒い過去

大人しいけどスーパーサイヤ人なのも魅力大 階段を落ちながらも撃つっジェイソン
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

物理学とニューメキシコの融合が小さな頃から夢であった男の狂暴な長い興奮に絶望的な証明宣言は後に地獄を目にすることになる

物理学の革命的な研究だとしても決して作ってはならない
物理学者300年の集大成
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ザ・ヒューマンズ(2021年製作の映画)

3.7

マンハッタンにひしめき合って建てられたアパート
向き合う古い壁を下から見上げて撮るセンスとラストの上と下の階から照らされる明かりのセンスが素晴らしかった

サンクスギビングで集まった家族がずっとずっと
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マジカル・ガール(2014年製作の映画)

3.6

ダミアンが出てきて空気が変わる
魔法の掛かったアリシアがなかなか狂気

スペインと日本語の融合が哀愁を極めてました
バルバラに再会したくないというダミアンの気持ち分かる
出逢いが運命 出逢ったことで動
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デ ジャ ヴュ デジタルリマスター版(1987年製作の映画)

4.5

過去と現在は凄い引力で引き合っている
時間という流れが私たちの中に違いを作る
少しだけ

死者を呼び起こす鈴の音
魂の窓から何も見えなくなると また心の奥底から会いたくなる衝動
イェナチュの存在がク
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冷血(1967年製作の映画)

3.7

一家4人を殺した後に奪った薄っぺらな紙切れで幸福感を味わっている
ディックとペリーの軽薄から生じる残忍さ

父親への憎しみを拭いされない男のその頬を窓に打ちつける雨が蔦う
真っ暗で雨の降り続ける夜の空
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ドライヴ(2011年製作の映画)

3.8

OPのdaft punkを思わせる
夜景にピンクの文字が心地よい始まり

彼女と子供を助けるために段々に深みから出れなくて更に孤独感を増す男 ライアン・ゴズリングしか考えられない嵌まり役

黙ってハン
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スミス都へ行く(1939年製作の映画)

3.9

はじめスミスは何だろうこのおじさんは
という雰囲気を漂わせてた

巨大な力を倒すには死力を尽くさなければ風向きは変わらない

議員に祭り上げられ嘘で固められた政界に正義を通したいスミスは汚名を着せられ
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