Siestaさんの映画レビュー・感想・評価

Siesta

Siesta

  • List view
  • Grid view

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

“人を喰らう”ということのメタファーと、青臭いまでの純粋で究極の愛の形 カニバリズムを題材にしていて直接的な描写も多く、R18指定 シャラメとルカグァダニーノの君の名前で僕を呼んで以来のタッグ しかし>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画史に残る伝説的傑作「マッドマックス 怒りのデスロード」に連なる救世主フュリオサのオリジン。ディメンタスに誘拐され、イモータン・ジョーに囚われる。イモータン・ジャーへの復讐となるのが前作であり、今作>>続きを読む

トウキョウソナタ(2008年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

家庭内の不協和音を可笑しみと恐怖のミックスで描き出す黒沢清の00年代以降の代表作なのでは。リストラされたことを家族に言えない父親、濡れ衣で教師との不和になり給食費でピアノ教室に通う次男、米軍に志願する>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

怖くて、居心地が悪くて、泣きそうになった。人工的な製作・配給の切り替え、目の錯覚かと思うようなタイトルがじわじわと黒に侵食されていく。“機械的”、“侵食”、タイトルの“関心領域”というキーワードが浮か>>続きを読む

アカルイミライ(2002年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

00年代×オダギリジョー×浅野忠信×黒沢清という圧倒的な雰囲気のパッケージング オダギリジョー、浅野忠信は謎のヘンテコ、オンボロファッションがカッコよく見えるんだから訳分からん これがサマになる20代>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

令和版旧劇エヴァと言ってしまえば容易いのかもしれないが、もちろん単純な焼き回しではない。前作よりSF的要素が前面に押し出されてきていて、個人的には「進撃の巨人」のファイナルシーズンと重なる。未来を見る>>続きを読む

碁盤斬り(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

草彅剛が格之進を演じる必然。立場ある身でありながら、濡れ衣で藩を追われ、密やかに、しかし矜持を捨てずに生きていく格之進は、国民的大スターでありながら事務所を追われ、独立してメディアから距離を置かれつつ>>続きを読む

アバウト・シュミット(2002年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

偏屈なおじさんモノという割と定番の作品なんだけど、脚本、編集、音楽、演出といった様々な要素の妙によって、まさに人生におけるユーモアとペーソスの傑作になっていると思う 日本でいうと山田洋次監督を想起する>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「ドライブ・マイ・カー」がアカデミー賞作品賞ノミネート、外国語映画賞受賞という快挙を経て、濱口竜介監督による注目の最新作。ただ、昨年のヴェネツィア国際映画祭では上映されて銀獅子賞を受賞しており、そこか>>続きを読む

ミッシング(2024年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞後に言葉を失う希少な映画体験。吉田恵輔、石原さとみによる本気の一本。突然、子を失った親を主人公に、その周囲の人々を含めた“折り合い”という吉田恵輔監督に通底するテーマ性は「空白」とも重なる。ベース>>続きを読む

回路(2000年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

かなり難解 カンヌで賞を獲ったと言えばそうも思えるし、00年代のカルト深夜テレビドラマと言われたらそれもまた信じると思う 音楽はキュア、カリスマよりはめちゃくちゃ分かりやすくホラー ホラーですよ、って>>続きを読む

シティーハンター(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

日本でもエンタメアクションでもしっかりと面白い。何よりも、もはや日本が世界に誇る俳優と言っても過言ではないだろう鈴木亮平の力。鈴木亮平の演技力と存在感で完全に成り立っている。アクションの迫力と所作のキ>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

人間の性悪さを曝露される居心地の悪さ スリービルボードを彷彿とさせる 子どもの死により、その原因究明という名の暴走が親子関係の不健全さ、自身や周囲の利己的な態度を炙り出していく
威圧的な態度で周囲を従
>>続きを読む

彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

日本映画のミューズ蒼井優が同じく日本映画を彩る阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊という多様な俳優陣と体当たりの演技でぶつかっていく 蒼井優、これで日アカ獲ってたのね トップレスのシーンがないからR15なん>>続きを読む

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

本当に何の捻りもない例えをするのなら令和版「Love Letter」と言えるのだろう。かなり重ね合わせて作られていると思う。作品そのもの引用もそうだが、時間を経ての初恋の答え合わせとなっていく展開、そ>>続きを読む

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

モンスターヴァース5作目。前作でゴジラとコングのクロスオーバーを果たし、日本の「ゴジラ-1.0」が大ヒットし、というタイミングでの公開もあって本国アメリカでは大ヒットとのこと。まぁ、良くも悪くも日本の>>続きを読む

駅馬車(1939年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

記念すべき1000レビュー目 あの淀川長治さんのオールタイムベストにして「映画のオリジナル」とまで言わしめた不朽の名作 昭和一桁生まれの亡き祖父も当時見たことがあると言ってた たしかにハリウッド映画の>>続きを読む

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

遂にゴジラとコングがクロスオーバー 前作よりはかなり見たい画をはっきり見せてくれてそこは好感 ゴジラが水面から顔を出して口の中を見せるというファーストルックがめちゃくちゃ良い あと全然喋らせてもらえな>>続きを読む

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

新作公開自体が国民的イベントと言っても過言ではないレベルのコンテンツとなっているコナン映画。流石にそのお祭りに、ビッグウェーブに乗らないわけにはいかないだろう、ということで昨年から劇場にも足を運び始め>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

孤独に生きることのささやかな慰めと励ましを与えてくれる静かな傑作だった。原作、大林宣彦監督版は未鑑賞かつアンドリュー・ヘイ監督作品も初めて。昨年の「aftersun」枠。ポール・メスカル出ているしクィ>>続きを読む

マッドマックス2(1981年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

前作から爆破、クラッシュと大幅にスケールアップ 今見てみると、怒りのデスロードは今作を世界観作り込んで予算注ぎ込んでアップデートさせたものだったんだなぁと思う
設定上は近未来ディストピアモノだけど、ま
>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

想像超えて全方位的に尖り散らかしてて笑う。ただのキャラ萌え映画じゃないわ、これ。巨大な謎の母艦の登場により、アメリカが新型爆弾を投下、さらに津波の発生、避難生活、8.31のネーミング、母艦からの空気汚>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

“運命的”だと思った気持ちを“運命”ではなかったと確かめるための旅路。ラブストーリー的な作品でありながらアカデミー賞はじめ各賞レースにノミネートされていたあたり、ただの結ばれるだけのカタルシスを描いた>>続きを読む

ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

「ゴーストバスターズ/アフターライフ」に次ぐ新「ゴーストバスターズ」2作目。基本的にはコメディなんだけど前作同様に初期2作ほどはふざけ倒していないくらいのバランス。そして、今作の実質的な主人公はフィー>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

21世紀ハリウッドの覇者であるクリストファー・ノーランが満を持してアカデミー賞作品賞を受賞した今年一の話題作。公開前の“バーベンハイマー”騒動もあり一時は公開さえも危ぶまれたようだけど、まずは無事に公>>続きを読む

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

リュック・ベッソン久しぶりの快作と名高い今作。たしかに21世紀以降の監督作では最も魅力的で、しっかりと今の時代の映画になっている。良くも悪くもリュック・ベッソンは80's、90'sの空気感との親和性が>>続きを読む

X-MEN:アポカリプス(2016年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

X-MEN新シリーズ3作目 最強の敵である、実質ほぼ神のアポカリプスがマグニートー等、人間を憎むミュータントたちを教唆扇動していく プロフェッサーとマグニートーの仲違い、仲直りはマジでずっとやってんだ>>続きを読む

上海から来た女(1947年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

結構、複雑で密度が高くて、序盤からずっとしっかりとセリフや細かい部分を見ていないと置いていかれる それこそ、リタヘイワースの美貌に見とれていると、マイケルと同じ罠に嵌ってしまう
本当にまずはリタヘイワ
>>続きを読む

カラーパープル(1985年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

まぁ美しい名作 スピルバーグのシリアスな面が前面に出た初めての作品か セリーの残酷な運命と美しい南部の太陽、夕陽、草木たち スピルバーグの演出が冴え渡っている 今作は白人と黒人の差別構造という部分より>>続きを読む

女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

どうにもこうにもゴダールなんだな よく分からないんだけど、どうしようもなく映画になってしまう 非常に女性映画的でありそれは過去作にも通じる部分 個人的には、今年の哀れなるものたちとも通じるものを感じた>>続きを読む

「A」(1998年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

感想が難しい オウム真理教が行った犯罪の数々は決して許されるものではないという大前提のもとではある しかし、“マスゴミ”というものをこれほどまでに生々しく感じたのは初めて マスコミの取材、公安の転び公>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

徹頭徹尾全部面白い 全部のエピソード、全部の瞬間面白い ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキでの同じ時間に起きたタクシーでの顛末を集めたオムニバス
ロサンゼルス これはもうウィノナ・ラ
>>続きを読む

日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

凶悪に続いて白石和彌監督による実録犯罪モノ しかし、かなりエンタメ色強めでめちゃくちゃハイテンポ グッドフェローズとかが近いのかな 比較対象が悪すぎるけれど 後の狐狼の血2作のベースっぽさある 刑事の>>続きを読む

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

モンスターバース3作目 お祭り的にゴジラ、モスラ、ラドン、キングギドラが大集結の怪獣プロセス ただ、やっぱり今作でもジュラシックパーク病とでも言おうか、雨の降った夜にしか怪獣たちは活動できないんか?っ>>続きを読む

プリズナーズ(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ミスティックリバー、母なる証明とも重なるサスペンス ラストにかけては少し黒沢清っぽさも感じた 先の読めない緻密でサスペンスフルな展開、役者陣の演技、人間の業をじっくりと描き出していく奥深さと、いずれも>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

公開初日IMAXで。約3時間、たしかにアラキスにいた。IMAXはマスト。没入感は正直、「トップガン マーヴェリック」超えた。花粉症、寝不足と体調最悪で心配だったけど杞憂だった。マジで面白過ぎるし迫力が>>続きを読む