れでぃおさんの映画レビュー・感想・評価

れでぃお

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SWEET SIXTEEN(2002年製作の映画)

4.1

ケン・ローチの描く個の先にはかならず社会がある、、

ライトハウス(2019年製作の映画)

3.7

あらゆる記号が意味と結び付けられて増殖していくパラノイア的な世界観が面白い

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.7

映画とか小説が好きだったはずの彼氏がパズドラしかやらなくなって、前田裕二の本とか読み始めたら確かにつらい

あとジャックパーセルそんなに映さなくてもとは思った

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.1

一曲目に配された脳科学の問いから、ショーを経て他者論へと転換する構成が美しい

パフォーマンスを通して体現されるデビッド・バーン流の他者論ー存在論

変革の可能性は他者とのあいだにある


トーキング
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暗殺のオペラ(1970年製作の映画)

3.9

演出された劇場としての街ー映画

その核としての物語ーフィクション

ドリーマーズ(2003年製作の映画)

4.6

最高だった、、

あらゆるボーダーを揺さぶる倒錯的ー犯罪的なものとしての〈映画〉を体現しつつ、そうした〈映画〉そのものにおける〈内〉と〈外〉のボーダーを揺さぶる

作り上げた映画的な〈内〉に〈外〉から
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シークレット・サンシャイン(2007年製作の映画)

4.4

徹底した丁寧さをもって描かれる残酷と、ラストシーンの祈りのような優しさ、、

主人公の信仰によって保たれた生活に亀裂を入れる面会のシーンが衝撃的

しんどすぎる展開の中で息継ぎすることを許してくれるソ
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天安門、恋人たち(2006年製作の映画)

4.2

欲動的な力の錯綜が天安門事件の喧騒において、内容的にも映像的にもピークに達する点が最高

そこからラストにかけての落差も秀逸

社会への実際的な言及は少ないながらも、映画として、革命的な熱量のリアルを
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サタンタンゴ(1994年製作の映画)

4.3

あらゆる行為がその完了までワンカットで映され続ける

それを可能にする、映像の強度と生々しさ

そしてその意味性、記号性が瓦解する限界において剥き出しになる、それ自体としての運動ーイメージ

まさに体
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ふたりの人魚(2000年製作の映画)

3.8

メタ的な次元と語られる物語の次元が混ざり合って劇化していく

基本的に映像はすごく良いんだけど、メタ性を可能にしているカメラ=一人称の視点はなんとも言えない

ビリディアナ(1960年製作の映画)

4.2

ビリディアナの同情融和的な善意と、その背景にあるカトリック的な中心化に対する、浮浪者たちの晩餐の差異的な反乱が凄まじい

晩餐の場面は、近親相姦を媒介とした二項の縦軸(母→ビリディアナ/叔父→従兄弟)
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スプリング・フィーバー(2009年製作の映画)

4.2

後半の旅行中、三人の関係が絶妙なバランスで平衡を保つ場面がとても良い、、

カメラの距離、動きも、映し出される街の色味も、人の生々しさも抜群

ハハハ(2010年製作の映画)

3.8

2人が会話の中で過去を振り返るという俯瞰的な視点が、可笑しさと切なさを生み出していて良い。

その中で、2人の視点には入っていないはずのことが描写される歪さも面白い。

具体的な個に寄り添いつつも、語
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次の朝は他人(2011年製作の映画)

3.8

かなり構造的な作品だったけど、そのずれ感、揺れ感がとても良かった

多層的に反復されながらずれていく物語

ホン・サンスにしかないような唐突さとカメラの距離感も良い

希望のかなた(2017年製作の映画)

4.2

方法としての喜劇
現実的悲惨を異化的に掬い上げる

人が複数人いるだけで生じるおかしさが凄い

物語を中断させる音楽も効果的
ギターも最高

寿司とジミヘン!あと犬!

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

3.8

仕立て屋のマゾヒスティックな間接性が、アルマのサディスティックな直接性によって引き裂かれていく

そこにドレスが担う間接性や、映画そのものがもつ直接性などが相まっていて良かった

戦艦ポチョムキン(1925年製作の映画)

4.1

「私」という中心の不在が革命の構造なのかなと思った

保守的な同一性(が生み出す否定性)、中心点を瓦解させていくことこそが革命であり、オデッサの階段のシーンはそういった同一性、否定性に抗う差異の氾濫で
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これがロシヤだ/カメラを持った男(1929年製作の映画)

4.1

カメラで撮っている人を撮るといったメタ的な視点や、線的な物語性のない断片的な映像など、映画の額縁的な機能を強く意識させられる作品だった

映像そのもの、映像を撮るということ、その映像を流すということが
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.8

人種差別云々から出発しながらも、それをフリにして、その点を思いっきり飛び越えたところに着地する

面白かった!

終始ちょっとふざけてる感じもいい

おとぎ話みたい(2014年製作の映画)

3.7

非言語的で身体的なダンスに対して、心の中でめちゃくちゃ喋る主人公の語りが印象的

その上で音楽と映画の位置を考えると面白い

欲望の翼(1990年製作の映画)

4.1

時間の使い方が良い

長回しのじめっとした場面での時間の延長と、時間を飛ばしてシーンが切り替わっていく部分での時間の短縮が、この映画の倦怠感と焦燥感を演出していて良かった

時間の中を自由に、けど途切
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

3.8

ごつごつした海岸でラジオを掛けながらピクニックするシーンが良かった

淡々とした中に挟まれる喜劇的な描写

生きることへのユーモアが素晴らしかった

皆殺しの天使(1962年製作の映画)

4.0

反復され、虚実が入り混じることによって輪郭を失い曖昧化していく映画的空間の中で、登場人物がその構造に気付き、メタ的な視点を得たところで脱出できるというのが面白かった

現実的な設定に一つの非現実的な設
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真夜中のパーティー(1970年製作の映画)

3.9

括れないごたごた感が凄く良かった

各々のキャラクターが限られた舞台である場をどんどん壊していくような

モダン・タイムス(1936年製作の映画)

4.0

外からの規定に抵抗するチャップリンの動きと、そのピークとも言えるダンスシーンが最高

対象を次々に滑稽化していく描き方は感情移入を拒み、客観視させるという点でも批判的

恋恋風塵(れんれんふうじん)(1987年製作の映画)

4.1

中心を絞り過ぎないストーリーと画が相まっていて良かった

中心に寄った時は映えるし、絞り過ぎないからこそ描かれる多様な細部は瑞々しくて最高でした

最後の号泣するアワンに寄ったシーンで挟まれる、田舎の
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恋人たちの食卓(1994年製作の映画)

4.0

料理の描写と父の味覚がストーリーの上下に連関してるのが面白い

お父さんは最高にチャーミングだし、娘の個々の話も家族が集まる食卓が象徴するような喜劇的な枠組みの中にはまっていて良かった

一番その食卓
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.1

前作では人間の視点から人間/レプリカントとその間の揺らぎが描かれていたのに対して、今作はレプリカントの視点からそれが描かれていた。

ただ今作はある程度安定した後の社会を舞台としていて、支配/被支配、
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動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

3.9

捉えられることから逃れようとするような曖昧な断片の集まり

映し出される偶然性に一瞬一瞬置いていかれる映画

オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

3.5

ちょっと長いしやりたい放題だったけど、クストリッツァのパーティーシーンはやっぱり良い

恐怖分子(1986年製作の映画)

4.1

あまり多くを話さない夫に後半からやや焦点があっていき、最終的にそこに物語が集まるという展開が良い

何度か個々でストーリーはぶつかりつつ、3つのストーリーが交わる点で物語は終わる
3つのうち2つのスト
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ダンケルク(2017年製作の映画)

3.6

感情論的な内容が刺激的な描写によって描かれているという感じ

太陽(2005年製作の映画)

4.1

天皇の神聖さを剥ぎ取る細かい描写の連続によって、天皇の神格返上を描くという点が秀逸

写真や外国語など天皇の神聖さに触れるシーンも印象的

天皇を真正面から描写するということそれ自体に意味がある作品

第三の男(1949年製作の映画)

3.9

外国語の効果が面白い

不可視から来る不安と謎の掛け合わせ

冬冬の夏休み(1984年製作の映画)

4.2

台北にいるお母さんの病気という要素が映画の内と外のバランスをとりつつ、田舎での夏休みの話が展開されていく

不慣れな田舎への移動とともに、見ている側もまだ慣れていないこの映画の世界へと引き込まれていく
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