KengoTerazonoさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

2046 4Kレストア版(2004年製作の映画)

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初めてキムタクがいい!って思った。

王家衛は過剰な人だけれど、キムタクも自分を過剰にビジュアライズしている俳優だと思う。そういう意味では相性が良かったのかな。

誰かの話を他人事として見ていたら、い
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天使の涙 4Kレストア版(1995年製作の映画)

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王家衛が王家衛的な作品を撮ったみたいな印象を受けた。

セルフオマージュ的な演出も含めて、王家衛の過剰性が際立っていると思う。

過剰なんだけれど、目障りではない。ただ、クスクス笑ってしまうよね。王家
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怒りの日(1943年製作の映画)

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すごく昔の映画で描かれるすごく昔の物語が、質感をもって僕たちに伝わるのはシンプルにすごい。

信仰はどこにあるのか

大きな組織の都合や、全体を守るための犠牲ではなく、個人の誠実さみたいなものに、信仰
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裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

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ほとんどが顔。顔。顔。

表情は静と動が表裏一体となったダンスのようなものとはまさにこのことだと思った。

画角がスタンダードであることも関係しているとは思うが、背景もほとんど何もない、被写界深度も浅
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奇跡(1954年製作の映画)

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家庭の事情が生々しすぎる、、、

長男の妻はアンナ・フロイトみたく、かつては力があったが、今は弱々しい義父の面倒をみている。
個人的にはこの二人の関係性のグロテスクさのようなものにめちゃくちゃ惹かれた
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気狂いピエロ(1965年製作の映画)

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ワイドスクリーンというのは、その名の通り、ワイドなスクリーンであるのだが、この作品は違う。ワイドスクリーンの狭さを利用している。だからこそ、魅力的な画面になっているし、こんなにもワイドスクリーンが魅力>>続きを読む

ワイルドバンチ/オリジナル・ディレクターズ・カット(1969年製作の映画)

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殺しの美学なだけあって、かなりいい。落ちてくスローモーションや、それにズレて配置された叫び声、ほとんど無音であることにより生まれる緊張感に、突如響き渡る銃声、からの乱射音。

それに顔のクロースアップ
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砂漠の流れ者(1970年製作の映画)

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かなりよかった、、、

最後のエセ牧師の言葉が全てだと思う。

人を信じきれない哀しさと信じたいという哀しさが、あの娼婦との最後の夕食にあらわれてた。

この話の人間たちはみんな負け組で、そうであるが
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からかい上手の高木さん(2022年製作の映画)

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みんな!『からかい上手の高木さん』における、萌えるショット群の一つ、超クローズアップ高木さんを大写しで観れるぞ!
ぼくのおすすめは冒頭のじゃんけんにおける、スローモーションでパーをだそうとする高木さん
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ゆるキャン△(2022年製作の映画)

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映画という大画面になったことで、より実写を模倣することで生まれるズレ感と、その美しさが際立っていた。

たしかに実写で『ゆるキャン△』で観たような富士山やおいしそうな料理を大写しにしても、感動はするだ
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犬王(2021年製作の映画)

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異端であることに全ての動きが収斂する。異端である喜びや、もの珍しさ、狂気。それが犬王のステップなんだ。私たちが知ってる室町時代に流行った舞とは明らかに、文化的に異なる犬王の舞と友有の語は、犬王が、近江>>続きを読む

ゲームの規則(1939年製作の映画)

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誰が決めたかもわからないゲームの規則に則った、どこか空虚な人間関係を、面白く描いているはずなのに、なんかルノワールの視点は生々しくて、でもだからこそ余計おかしくなっちゃったりもする。

本物も偽物もな
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Battle at Big Rock(原題)(2019年製作の映画)

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本編は普通に楽しくて怖かったんだけれど、これの論じるべきはむしろエンドロールに挟まれる、日常的なスマホ映像を模したCGI映像にあると思う。日常に恐竜がいて、人間の生活に侵食していることを表しているのは>>続きを読む

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

面白かった、途中まで。

ぼくとしてはブラピエンドを迎えて欲しかったのだけれど、途中から二重人格の話しになり始めて、、、

今までぼくは男のオナニーを見せられていたのかしら、、、

セックスだと思って
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夜霧の恋⼈たち 4Kデジタルリマスター版(1968年製作の映画)

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アントワーヌものの魅力は二重の等身大性にあると思う。
一つはトリュフォー自身の化身であること。トリュフォーのこれまでの人生経験や、そこで獲得してきた人生観を赤裸々にアントワーヌに託している。
二つはト
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アントワーヌとコレット/二十歳の恋(1962年製作の映画)

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前作とはうって変わってめっちゃコメディ。大人は判ってくれないと思っていた彼らも大人になって、そしたら大人の気持ちも少し判ってくるのよね。

大人の無理解とともにまた子どもも大人に対して無理解で、そこが
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⼤⼈は判ってくれない 4Kデジタルリマスター版(1959年製作の映画)

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やはり劇場で観ると一味も二味も違うわけで。大人になってしまった今だからわかることもあるわけで。

トリュフォーはこの映画において子どもと同一化しすぎているくらいにしていて、そこばかりが目につくけど、ち
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道 -白磁の人-(2012年製作の映画)

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叙情がねぇ、、、というのが正直な感想で、あんなに感情を掻き立てられないクロスカッティングも珍しい。

結局因果応報に落ち着くところとか、再考の余地ありだと感じる。その結論でいいのか、、、。そういう道徳
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ゆるゆり なちゅやちゅみ!(2014年製作の映画)

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日常系アニメ劇場版の鑑だろ、これは。

徹底してアニメ版のテンポ感と、何も起きない感じを反復している。劇場版はいかに変えるかよりも、いかに同じであるかが重要だと思う。スクリーンの大きさと話の規模は比例
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シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)

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この物語とても好き、、、

切ない、、、切なすぎる、、、

誰も責めることができないし、しょうがないって思えるから。

この人たちが不幸なわけはない。誰しもタイミングのずれが生んだすれ違いを経験する。
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ロシュフォールの恋人たち(1966年製作の映画)

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チャキリスがああいう感じで踊ってたら、もはやそれはウエストサイド物語、、、

そして、ジーンケリーがタップダンスをすればそれはもう雨に唄えば、、、

超最高

みんなでワッと踊ったり、バレエの感じで踊
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サイコ(1998年製作の映画)

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ヒッチコックの脚本で、ヒッチコックのやり方で撮ったらそりゃ面白いよ!
めっちゃ楽しかった〜

素で「『サイコ』最高」というクソ寒駄洒落ができました。

わー、ここヒッチコックっぽい〜
あー、こういうシ
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How to Live in the German Federal Republic(1990年製作の映画)

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なかなか興味深かった。西側の国家は自由を謳っているようで、人を、それとわからせない形で、パーツになることを強要する。

子どもを生産し、バグがあったらメンテしてっていうのが、産業的なイメージとともにし
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東から(1993年製作の映画)

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今までに観たことのない類の映画。
ひたすらにイメージを眺めるのみなのだが、その順序は秀逸で、考え抜かれている。気がする。

トラベリングが秀逸。ファントムライド的に車からのぞいていることが多いが、道路
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天はすべて許し給う/天が許し給うすべて(1955年製作の映画)

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この男ムカつくな〜と思ったら、そういう展開になって、この子どもムカつくな〜と思ったらそういう展開になる。

上手に正しく誘導されて、ぼくは満足です。

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

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映画のイメージにはインデックス的な性格がある。そういうふうに習う。インデックス、つまりは痕跡。紛れもなく、それがそこにあった、何かが起こった確かな証。そこに人は妙に感動をおぼえたりもする。

アニメに
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欲望(1966年製作の映画)

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時間の感覚がとても好き。公園のシーンなどの音のズレ感ー音がそのシーンのものでないような、そんな感覚ーが、主人公の虚実のないまぜになった世界観とリンクする。脱線や混線が虚構をサスペンスたらしめるが、それ>>続きを読む

ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

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いかにも男性的な力強さと、恋愛特有の線の細さの同居が、ゲイのリアリティを物語っているようで、だからこそ単なる「LGBTQ+もの」ではなく1つの恋愛不倫劇として作品を観ることができた。

肉体的な近さは
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パリ13区(2021年製作の映画)

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大好き。
全員がよそ者かつ、パリらしい雰囲気ではない。パリのアイコンもでてこない。優雅さなんかはなくて、生きるための小銭を稼ぐ。極端に貧しいわけではないが、かといって余裕があるわけでもない。花の都の隅
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トラベラー(1974年製作の映画)

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サッカーの試合を一試合みるためだけにここまでするかっていうくらい全てのものを手放していく。

キアロスタミはずっとぶれないのだね。
自分の子ども時代、大人がよほど嫌な存在だったのかな、、、?

ホームワーク(1989年製作の映画)

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イラン、時期が時期だけに大人のピリピリが子供にまで伝わっている感じで、複雑な気持ちになった。子どもの可愛らしさはさることながら、知らない大人との駆け引きはスリリング。
自分の嘘が露呈しないように繕おう
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イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

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曲はとてつもなくよかった。ただ、あそこまで直接的すぎるとなんか逆に引くというか、もう少し別の表現できなかったのではと思ってしまう。いくらミュージカルでも、観客に全てを話しすぎていてしんどい。

ステレ
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子供たちは見ている(1942年製作の映画)

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いつだって巻き込まれるのは立場の弱い者たちで、巻き込んでいる方は無関心を決め込んでいる

大人の一挙手一投足を、子供は案外しっかり見ている。話の内容はわからなくても、いいことが悪いことがくらいはわかる
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郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942年製作の映画)

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ぼくはあの女、嫌いです

臭いのする映画だった
汗臭くて、人間臭くて、いいな
音の雑味も、大袈裟に激情する感じも、昔の映画な感じがしていい
まあ昔の映画なんだけど