さかもとさんの映画レビュー・感想・評価

さかもと

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ありふれた教室(2023年製作の映画)

3.0

善き行いをし続ければ善き展開を歩めるか。
そんなことは絶対にありえない。

『ありふれた教室』の主人公はとても良い先生だ。
学校で盗難事件が起こる。
解決を願う彼女はパソコンのインカメラで録画をし、自
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ミッシング(2024年製作の映画)

3.0

【missing】
欠けていること。失われていること。また、行方不明であること。
(goo辞書より)


映画の内容はまさにこの通りだ。
娘が行方不明になる。
それにより欠けていたことに気付かされる人
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.0

新しい爆弾ではなく、新しい世界が始まる。
そして「世界を破壊してしまった」という苦悩。
天才二人が短い言葉でその現実を受け入れたという演出がすごいと思いました。

完成後のスピーチのシーンでも演出がす
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

世界を愛するのが上手い人と苦手な人がいる。
平山(役所広司)は渋谷区の公衆トイレを清掃する仕事をしている。スカイツリーが近くにある足立区で暮らしており、毎日渋谷区と家を車で往復している。
休みの日は木
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.0

妖怪漫画の金字塔『ゲゲゲの鬼太郎』をなぞりつつ敗戦国日本のおぞましさを描いています。
もちろんいまだに続いている敗戦国としての現代日本をも標的にしていて、老人に食い物にされ続けている我々にとって、この
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ほかげ(2023年製作の映画)

3.0

塚本晋也監督いわく、『野火』というタイトルにある「火」は戦場の火であると。
今作『ほかげ』は漢字にすると「火影」でありここでの「火」は戦場により焼け野原になったあとの生活に灯る小さな火であり、その影で
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正欲(2023年製作の映画)

3.5

映画版『正欲』のキャッチコピーは「観る前の自分には戻れない」だが果たしてそうだろうか。
原作は「読む前の自分には戻れない」でこちらは未読のため映画版よりもさらに深く、大きなものが描かれている可能性があ
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シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

3.0

承認欲求沼。

注目度を最大限にするためなら嘘をつくし副作用が強い薬だって飲みまくる。
心配されジャンキー。

自分の葬式に参列者が多く集まるのをセックス中に想像して絶頂するのが笑えた。
注目されるた
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(2023年製作の映画)

3.5

考えがうまくまとまらない。
まとまらないのではなく目を背けていただけで、この映画が無理矢理目をこじ開けてきただけだ。

以下の文章は映画『月』の内容に触れるが、未見の方がすでに想像している通りの映画だ
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

2.0

「だから何?」という感じ。
思わせぶりな要素を散りばめて、最後は役者に演技バトルをさせずに終わる。
もったいないな、という想い。
真木よう子が演じた女性の心情の変化は?
井浦新演じる男性の共同生活の目
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福田村事件(2023年製作の映画)

3.5

「声がデカいだけの馬鹿に従うな」
とてもわかりやすい教訓だが、その程度の当たり前のことを学ぶための犠牲としてはあまりにも酷過ぎた。

悲惨な事件に発展する前に止められたであろうポイントはいくつかある。
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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

3.0

『アリスとテレスのまぼろし工場』は悲しい作品だ。二重の意味で。
本稿ではまず『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』と本作を対比させ、次に本作自体が放っている悲しみについて考えたい。そして我々が
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658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

3.0

利己性から利他性へ

ヒッチハイクのドライバー達が利己性から利他性へとグラデーションになっている。
(パンを与える代わりに自分の話を聞かせる黒沢あすかから、おにぎりと靴とスパッツと次のドライバー手配と
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君たちはまだ長いトンネルの中(2022年製作の映画)

3.0

加藤小夏さんがかわいいので見てみたらかなり大賛成な内容。
とてもわかりやすいので気軽に鑑賞できるのでYouTube無料配信中にぜひご覧ください。
このままでは長いトンネル(不景気)はどこまでも伸びてい
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探偵マリコの生涯で一番悲惨な日(2023年製作の映画)

2.0

伊藤沙莉さんは主演作品に恵まれない気がする。
『獣道』、『タイトル拒絶』と見てきたけどどれも伊藤沙莉さんの良さを出し切れていないというのが僕の評価です。
本作は片山慎三監督と内田英治監督が加わっていざ
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岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.0

ドラマファン向けの内容。

以下気になった点。




黒い絵が過去や後悔を呼び起こすという設定ですが、先祖の記憶を呼び起こすのであれば岸辺露伴は「襲われる側」ではなくニザエモンとして「襲う側」になる
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怪物(2023年製作の映画)

3.0

是枝監督はやっぱ僕とは合わないんだなと再確認。
坂元裕二先生が好きなので期待値を上げたのも良くなかったです。

以下ネタバレ。

(1)安藤サクラパート、(2)永山瑛太パート、(3)子供2人パートとい
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最後まで行く(2023年製作の映画)

3.5

バナナマンは「ボケ」と「ツッコミ」ではなく「追い込む方(設楽さん)」と「追い込まれる方(日村さん)」だそうで、この映画を観終わってふとそんな事を思い出した。
本作は追い込まれる岡田准一さんを観てハラハ
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波紋(2023年製作の映画)

2.5

期待値を上げ過ぎたのか僕には刺さらず。
木野花パートとキムラ緑子パートで筒井真理子の描かれ方が違うのは良い表現だと思ったんですが、ずっと分断されたままだったのが個人的には消化不良でした。
木野花パート
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宇宙人のあいつ(2023年製作の映画)

3.0

映画ファンからは映画に見えず、コントファンからはコントに見えず、不思議な感触の映画という印象。

荒唐無稽でご都合主義。説明がなされていない展開になるなど、思い返すとツッコミどころが多い気がします。
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ヴィレッジ(2023年製作の映画)

3.5

とても救いのない物語だ。
父親が殺人を犯し直後に自殺。母親(西田尚美)がギャンブル依存症。そしてその息子の片山優(横浜流星)は親の借金のために村のゴミ処理施設でいじめに遭いながら抜け殻のように働き続け
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

4.0

めっちゃおもしろい。
レビューなんか読んでないで映画館へ行こう。
前作とは関連が無いし監督も違うみたい。
でも前作を上回る面白さ。
激おすすめ。
「激おすすめ」とか言う奴のことは信用ならないかも知れな
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ロストケア(2023年製作の映画)

3.0

ここ数年貧困がテーマの名作が多く作られている。
『岬の兄妹』『万引き家族』『PLAN75』『夜明けまでバス停で』など、どれもがお金さえあれば悲惨な状況は回避できたストーリーです。
『ロストケア』はそれ
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テイク・ユア・ピル: スマートドラッグの真実(2018年製作の映画)

3.0

そこまでして生きる価値がこの社会にあるのか問題。

薬で精神と肉体を変容させてまで社会についていかなければならないとしたら、間違ってるのは薬物服用者か社会か。

未来の健康を先取りして寿命を縮める。
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監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影(2020年製作の映画)

3.0

便利な機能がビジネス化することで効率的にユーザーを中毒にして搾取するモデルにシフトしてしまう。

「いいね!」の数を意識することが日常生活よりも上位に来てしまう若者や、限定的なプロパガンダにより極端な
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.5

あるシーンで大笑いしそうになったけど変態だと思われそうなので我慢した😌

物語の序盤からすでに「あの形なんかア◯◯ストッパーみてーだなー」と思ってたらマジでア◯◯に入ってて、そりゃあ笑うでしょ😌

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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

3.0

完全に河合優実さんと小野莉奈さん目当てでしたが全員素敵でした。
『ブラッシュアップライフ』のまりりん(瀧七海さん)が出てて「あっ」となったりした。

タイトルのタイミングが個人的には違和感がありました
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ちひろさん(2023年製作の映画)

2.0

有村架純さんが可愛かったので星5!

ですが他が合わな過ぎて全体的に受け付けませんでした。
死体遺棄とか入院患者を連れ回しても会釈で済む病院とか。
息子から花束をもらって怒鳴り込む母親とか。

濡れ場
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

5.0

最高!

鑑賞中に体温が上昇しまくった!
JAZZの音と3人の映像に細胞ごと奮い立たされた!

単行本を読んでる人にとってにくい演出もあって、より楽しめる内容。
原作の前半を大幅にカットした構成も成功
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対峙(2021年製作の映画)

3.0

高校銃乱射事件での被害者生徒の両親と加害者生徒の両親による和解プログラムをテーマにした作品。

加害者生徒の父親リチャードと母親リンダ。
リチャードは偉そうな態度、リンダはいわゆる空気が読めないタイプ
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.5

『イニシェリン島の精霊』の不可解さを読み解く


自分の指を切り落としてまで避けたいことってなんだろう。
相手の家を焼いてもまだ許せないことってなんだろう。
『イニシェリン島の精霊』(The Bans
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REVOLUTION+1(2022年製作の映画)

3.0

鑑賞後のトークイベントを拝聴しての感想です。

社会の外に逸脱せずに生きるため、繋ぎ止めるものは何か。
主人公の川上は過酷な境遇を理解し合える宗教2世の美少女と出会い、生き方を学べる革命2世の美女と出
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ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

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会議が進むにつれ段々ユダヤ人から人権・尊厳が剥奪されていきモノ化する。
いかに効率的で損失を抑えて処理できるか、という議題になっていった。

って今の日本と同じじゃねーか。

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.0

スーパー激キモムービーでした。
邦題は付け間違いでは?

以下ネタバレ




キリスト教に造詣が深ければ手の痕や無性生殖、自殺、愛、男と女などから意図を汲み取れるのかも知れませんが、僕は詳しくないの
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

5.0

最高
観ろ


以下ネタバレ感想。

観る前は不安だったけど杞憂だった。
リョーちんを軸に山王戦と宮城家の話を交互に描かれる。
それが間延びにならずプレイひとつひとつの意味や想いを際立たせている。
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