平和の在り方について幾度となく問うてきた中で、今回の劇場版が最も人間らしく、かつキャラクターを身近に感じることができるテーマの帰結だった。というのも、どこか人間離れした高尚な存在であったラクス・クライ>>続きを読む
本編よりも子供向けにシフトした脚本で、やはり本作がアーニャのキャラクター力で保っているのは、否めないところ。
ただ、ロイドが背負っているものを台詞で感じさせたりと「大人」な部分もあった。
総括的には笑>>続きを読む
ノスタルジーな幻の世界を舞台に展開していく、恋愛模様を描いた作品。毎度のことながら、岡田監督は思春期特有の恋愛感情への造詣が深く、感情表現のリアリティ、もとい生々しさにまたもや驚嘆させられた。
作品中>>続きを読む
全体的にあまり緩急がない中で、宮崎駿氏らしいミーニングを込めた脚本が淡々と展開されていくため、かなり受動的な見方を拒む作品だと思った。
あらゆる嘘偽りが人物や事象、言葉などの様々な形で表現される“嘘っ>>続きを読む
CGであることの意義はあまり理解できなかったものの、現代社会の問題を提起するような社会的メッセージが込められていたりと、キッズ向けのお笑いだけで留まらないクレしん映画の懐の深さは本作でも十分に感じ取れ>>続きを読む
久美子の性格や能力を様々な角度やアプローチ、人物対比を用いて表現しており、これ程長く続いたシリーズであるのにもかかわらず、未だ主人公を掘り下げてシナリオメイクされていたことに対して感銘を受けた。
台詞>>続きを読む
ニコラス・ケイジが本気で掃除し、全力で休憩時間を楽しみ、偶に人形と闘うお掃除系アクション・ホラー映画。
正直人形よりもニコラス・ケイジの方がサイコパスで怖い存在だし、謎過ぎる意味のない演出の数々がシュ>>続きを読む
キャラクターのバックグラウンドから物語の骨組みを組み立てていき、それを演奏という形で感情を爆発させる本作には脱帽したと言わざるをえない。演奏シーンでの数々のドラマティックな演出が、視聴者側をJAZZ>>続きを読む
クレしん映画ならではの怖くて不気味な演出や笑えるアクションシーンに加え、壮大なシナリオがたったの90分で見事に展開されている。
シナリオ面以外では、クラシックカーのアニメーション等は何度観ていて飽きな>>続きを読む
Adoのプロモーションビデオといっても差し支えない程歌唱シーンが多かったので、キャラクターではなくストーリーでもっと見せてほしかった。
あとはウタワールドという設定上とはいえ、バトルシーンの演出が流石>>続きを読む
全編フルCGなのは決してプラス要素ではないが、バトルアクション中心の前作よりも、脚本に比重を置いたような構成だった。
かつてのオマージュともいえる展開があったりと、キャラクター間の絆を感じられるバトル>>続きを読む
マッドでクレイジーな最強の"倒すべき敵"であるブロリーが、本作では人間味があってマイルドなキャラクターに仕上がっており、最強感は残しつつもライバル的なポジションになっていた。
そのおかげか、より子供で>>続きを読む
"死"という人生の終わりに直面していてもなお、悔いのないように全力で"生"を楽しもうとする姿勢がエネルギッシュであり、心地のいい作品。
余命宣告を受けた2人が只々遊び倒しているだけではなく、その友情が>>続きを読む
韓国社会の貧富の格差をコミカルに描きつつ、エンタメの領域まで昇華させるも、そこに終始しないテーマ性を持っていた作品。
いくら寄生して裕福な暮らしの恩恵を受けたとしても"半地下"の臭いだけは消すことがで>>続きを読む
宇宙空間の沈黙と恐怖を最もシンプルな形で表現していた映画で、冒頭の音楽を止めた瞬間の静けさから既に本作の世界観に飲まれていた。
90分間ひたすら宇宙空間を描くことに徹しており、登場人物のバックグラウン>>続きを読む
自由自在に変化する声色によって表現される歌唱は、まさにライブの域を超えた「名演」と形容したくなるような圧巻のパフォーマンスだった。
歌謡ポップスの範疇では収まらず、ハードロックのようなパワフルな一面も>>続きを読む
朴監督が得意とするのはやはりアクションであり、迫力のあるバトルシーンで思う存分堪能できる最終盤は1時間45分におけるピークであることに疑いようがない。
その一方で、中序盤がやけに説明口調であるほか、テ>>続きを読む
『ソードアート・オンライン』のアイングラッド編をアスナ視点で描いたスピンオフ作品。
音響面やアクションシーンからは、現時点におけるA-1 Picturesのキャリアハイを感じられた。
命を賭して戦う">>続きを読む
オーディエンスに「最高」どころか「究極」とさえ呼ばせる、90年代の熱狂的な空気をそのまま映画館に閉じ込めたようなドキュメンタリー。SNSにアップロードするためではなく、歌いたいからこそ歌うのだと語る当>>続きを読む
鈴木亮平が演じる上林の悪魔的な狂気に終始圧倒されたが、それ以上の巨悪として警察を描くところは前作から一貫したテーマ。
ハードボイルドかつアングラな裏社会の印象を受けた第1作目とは異なり、今作は原作から>>続きを読む
真琴はよく「前を見ろ」と注意されていたが、そこにこの作品の意図するメタファーが隠されていた。
序盤の方は恋を知らない真琴の「青さ」を強調するかのような脚本で、少年少女の快楽主義的な側面がタイムリープを>>続きを読む
戦争作品でありがちな反省や贖罪をテーマとして描かずにあくまで戦場のリアルを追求することに徹した、いい意味で淡白な作品だった。
いつ助けが来るのか全く読めない状況下で重苦しく停滞した展開が続くが、だから>>続きを読む
ハードでグロテスクな描写とは裏腹に、しっかり骨組みのある脚本が際立っていた。
「警察じゃけえ、何をしてもええんじゃ」という台詞が象徴するように、マル暴刑事の違法捜査を見ていると何らヤクザと変わらねぇな>>続きを読む
TVシリーズから続く『きんモザ』のゆるふわ感は健在だったが、急ぎ足なシナリオ構成だったのが少し残念な部分。あとはキャラクターの衣装ももう少し変化があれば…。
とはいえ第1期から8年たった今、完結できな>>続きを読む
度し難い程シリアスが続くヘビーなシナリオで、ポップなキャラデザからは想像できないようなものであり、決して人道的な内容ではない。
TVシリーズの方で幾分か残っていた明るい雰囲気は鳴りを潜めており、とにか>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
「時代は変わったんだ」と理解しつつも、その時代の奔流に押し流され、翻弄されるヤクザたち。金があっての義理や人情という、かつての任侠精神が否定される形で現代におけるヤクザの末路が描かれる。
綾野剛演じる>>続きを読む
少女漫画らしいふわっとした演出はこの作品にマッチしていたと思う。主役の由奈がどんどん前向きに成長していく姿が涙ぐましい。
…男性が自分ともう1人最前列にしかいなかった、女性だらけのアウェーな劇場はあま>>続きを読む
山田尚子監督の現時点における最高傑作。
TVシリーズ『響け!ユーフォニアム』とは異なる線の細いタッチでキャラクターを描き、この作品の繊細な感情表現にマッチするとともに、よりそれを際立たせている。
音響>>続きを読む
戦争をテーマにして観客から笑いが起きるのは、この作品の持ち味の1つなのかもしれない。戦時中はどうしても貧しいというイメージがあり、確かに物資は不足しているものの北條家の人々は精神的に豊かであり皆一様に>>続きを読む
PV通りの映像美は言うまでもなく、シャトル「ハウンゼン」の内装からして作り込まれていることを実感した。
従来のガンダムシリーズと比べても見易いのは、やはり人間ドラマに重きを置いていたからだと思う。モビ>>続きを読む
友人と訳もなくふざけあったり喧嘩したり、時には助け合ったり…ノスタルジックな気持ちで溢れる本作。
ラストの一文で切ない気持ちになるのは、「あの頃」にはもう戻れないからというのは勿論のこと、大人になった>>続きを読む
新しいことへの挑戦を試みた細田監督の意欲作なんだろうけど、ディズニーやら色々と混ぜ込んだ結果、ストーリーとしても世界観としても秩序が損なわれ、ゴチャゴチャしていた。ちょっと海外を意識しすぎかな…と思わ>>続きを読む
後味最悪のパニックホラー。
スーパーマーケットという隔離された無法地帯だからこそ人間の本質が露わになるという脚本で、そこには正義も悪も描かれていなかった。デヴィッドの行動も全く以て正義ではなかった訳だ>>続きを読む
『Q』の上映から一度も見直さずに映画館へ足を運んだ。冒頭で「これまでのあらすじ」として振り返ってくれたので、記憶を呼び起こすのに時間はかからなかった(詳細な設定はさておき)。
世界観や舞台設定、演出は>>続きを読む
随所に溢れるお洒落な演出(特に場面の切替時が秀逸)に、説得力のあるポンポさんの台詞。細かい部分まで丁寧に描かれた背景美術にアニメーション。とっつき易いシナリオで、終盤に向かうにつれて感情面でのボルテー>>続きを読む
障害に立ち向かっていく姿や苦悩する姿を描く「お涙頂戴」の展開に持っていくのであれば、健常者視点のエゴに過ぎないし、それは感動ポルノと言わざるを得ない。
しかし、この作品は「お茶を入れられないなら、ペッ>>続きを読む