snmcさんの映画レビュー・感想・評価

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チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

4.5

2人の男の子がヒロインを取り合う典型的少女マンガパターンではなく、3人の関係性を模索する過程が、時間軸を行ったり来たりしながら描かれる。アートとパトリックの間に漂うほんのり性的な空気(チュロス食べなが>>続きを読む

バティモン5 望まれざる者(2023年製作の映画)

4.0

パリにこんな側面があるなんて。移民と、移民を排斥しようとする行政の対立が描かれたけれど、移民以外の地元民はほぼ出てこず、世論はどうなのか気になる。最近も同じく移民問題を扱う「人間の境界」見たばかりだな>>続きを読む

ステイ・フレンズ(2011年製作の映画)

3.9

夫があまりにも「恋するプリテンダー」を絶賛するものだから、同監督の過去作を見たら、めーちゃくちゃいいですね。下品で笑えてお決まりのハッピーエンド、ラブコメって元気になれますね。フラッシュモブ2010年>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

4.5

夫の転勤が決まってもアウシュビッツの自宅を離れたくないと主張する妻にゾッとする。だけど、遠くの惨事より自分の暮らし第一なのは自分も同じだよな?と思い直し、さらにゾッとする。監視カメラを繋ぎ合わせたよう>>続きを読む

ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(2009年製作の映画)

3.2

アメリカ映画の本に「この映画が大ヒットしたことによって、アメリカのコメディはこういうただ笑えれば何でもいいという脚本ばかりになったのだ」みたいなことが書かれていたので見てみた。おバカやってるだけであん>>続きを読む

僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)

3.5

自分とも同年代の若い監督が大学生のときに撮った作品。本当の試練が訪れたときには自分でなんとか乗り越えなきゃいけない、ていうわかりやすいテーマで、映像は学生作品感あるけど、不思議な間の魅力があるなあ。最>>続きを読む

美しき仕事 4Kレストア版(1999年製作の映画)

5.0

乾燥した青い世界で、身体と音楽が躍動する美しさだけでずっと見ていられた。ピストルと脈打つ血管、死と生のコントラストの描き方が巧妙で、緊張感が漂う。最後のダンスは、全ての情熱を身体で発散させて使い切って>>続きを読む

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

3.5

90分未満でサクッと見ようと思ったら、まだあるんかい!の連続で良くも悪くも満足感がすごい。激ヤバおじいちゃんはなんで警備会社入れてるんだろうか。いらないよね。

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

3.0

冴えない男風な主人公ホアキン・フェニックスがセクシー美女にモテモテなのがフィクションすぎて引いてしまった。手紙代筆という即効AIに取って代わられそうな仕事なのに、呑気に恋愛してていいんかい。

ユニコーン・ウォーズ(2022年製作の映画)

4.2

キャラデザの可愛らしさにまんまと魅かれて鑑賞。冒頭からテディベアの性器に度肝を抜かれ、その後もデフォルメされた可愛らしいキャラたちが残酷な目にあう。監督本人は言及していないけれど、日本人なら誰もが「も>>続きを読む

マリア 怒りの娘(2022年製作の映画)

3.0

ニカラグアの映画ははじめて。主題は好きだと思ったんだけど、劇団四季みたいな猫人間で冷めてしまった。

ありふれた教室(2023年製作の映画)

4.6

正義感が強いゆえの行動がどんどん裏目に出て孤立していくストーリーは、まさに社会の縮図。キャンセルカルチャー、文春砲、不寛容さ、とか。最後まで全く途切れずむしろ高まっていく緊張感でお腹いっぱい。こんなに>>続きを読む

蛇の道(1998年製作の映画)

4.0

セルフリメイク公開前に予習。情報量の少なさが潔くてかっこい〜〜!Vシネというものを掘ってみたいなと思う所存。

CURE キュア(1997年製作の映画)

4.3

蛇の道公開を前に黒沢清監督を予習しようと思い。時代的に催眠術が流行っていたんでしょうか。今見てもカメラワークやリズムがすごく好きだったし、廃墟が美しい。

胸騒ぎ(2022年製作の映画)

3.9

北欧のホラーってカラッとしてるのになんでこんな気持ち悪いんだろう。石で殴打されるところにアリアスターみ。

人間の境界(2023年製作の映画)

4.2

日本にいると難民問題は遠い話になりがちで、私にとって観る意義は大きかった。その上で映画としても秀逸だと思う。ちょうどマリウポリの20日間を観た直後だったので、最後のウクライナ国境での場面「その優しさが>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

2.0

アカデミー賞視覚効果賞ということで、日本の作品だし観てみた。ゴジラの東京上陸シーンは確かに見応えがあり、監督は映像の人なのだと思うので、脚本は別の人に任せたらいいのにと思う。気になるところは色々あるけ>>続きを読む

ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版(1975年製作の映画)

3.8

結局何もわからないんだけど、それがめちゃくちゃ怖い。だけど、いちばん美しい時期の少女たちや、繊細なレースの衣装を見つめているだけでも豊かな気持ちになる。

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.6

横移動する映像も美しければ、説明会や車内の会話劇にもどんどん引き込まれる。音楽がピシャリと止まってカットが変わる場面がいくつかあり、ほどよい緊張感がもたらされて絶妙。
野暮かもしれないけど、引っかかっ
>>続きを読む

システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたい(2019年製作の映画)

4.1

「システム・クラッシャー」とは、あまりに乱暴で行く先々で問題を起こし、施設を転々とする制御不能で攻撃的な子供、とのこと。家に帰りたい一心で叫び、怒り、暴力に訴える主人公ベニーは、手のつけられない暴れん>>続きを読む

ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

3.9

「クーリンチェ殺人事件」に引き続き鑑賞したけど、こちらも多数の登場人物が少しずつ繋がって世界を構成している。なのに散らかってない。ひとつの物語としても完成している。字幕フォントの気持ち悪さには驚愕した>>続きを読む

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

3.9

人生で観た映画で最も長尺かもしれない、ほぼ4時間。とにかく登場人物が多く、名前が外国語なので覚えづらく、ストーリーも一本道ではないので、わかりにくさはある。そしてやっぱりさすがに長い。だけど、パンフレ>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.4

わー、これは良かった。棒読みなのにするすると心に入ってくる。長さも感じない。こんなことしか言えないがとにかく良い

異人たち(2023年製作の映画)

4.5

美しい映像と音楽の完璧な舞台で、アンドリュー・スコットとポールメスカルという最強すぎる2人なので最高になるしかない。監督と俳優陣のメンタルが心配になるくらい痛切な話でもあった。ポール・メスカル、これか>>続きを読む

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

4.1

最近読んだ朝井リョウ「正欲」にちょっと似てる。世間に認められていない欲望と葛藤して折り合いを付けようとするフリアンは、怪物じゃなくてむしろ誰よりも人間らしく思えた。彼女とお隣の男の子、顔の雰囲気かなり>>続きを読む

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.7

自分のクローンを身代わりにして罪を免れることができるという島の話。金持ちの横暴さを描いている面もありつつ、メインは身体と精神の関係性で、前作見ていないけどあらすじから察するに監督の一貫したテーマなのか>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.2

ヘソンがアメリカに来て以降の気まずさと緊張感に引きこまれた。特にバーでの会話シーンは、2人だけが画角内にいる状況にハラハラして、わからない言語の会話をただ聞いている夫を思うと心臓がぎゅっとなる。そして>>続きを読む

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

3.9

途中はこの話大丈夫なのかと不安になったけど、ありのままを受け入れてくれる人を好きになるし、その人のためなら変わりたいと思うのが愛、というストレートな話だった。音楽とエイダの所作の美しさが印象に残る。子>>続きを読む

美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

4.0

不満や不公平を受け入れてしまいがちな自分を恥じた。ナンの行動は、過去も現在も、血が繋がりに関わらず親しい人を大切に思い、その人たちを助けようというものだったように思う。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.6

ノーラン監督のSFには苦手意識がありましたが、本作は人に焦点を当て、会話や表情で物語が進んでいく作品で、その点は過去作より好きでした。そういった意味で、広島・長崎の光景が出てこないのは納得。せっかくな>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.2

プロレスについては知識はほぼゼロ、「A24のプロレス映画なんかおもしろそう」だけで観た。が、期待よりかなり面白かった。マッチョイズム、家父長制の中で苦悩する兄弟たち。これが実話(むしろ実話はさらに残酷>>続きを読む