はなたまごさんの映画レビュー・感想・評価

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あの夏のルカ(2021年製作の映画)

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イタリアの小さな港町を舞台に、陸に上がった「シーモンスター」のルカが自由と友情を知る一夏の物語。

なんと暖かく、素朴ないい話なのだろう・・・。

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

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人々に寄り添い、その心の声を聞き届けてきたベルリンの天使たち。その1人である天使ダミエルが人間の女性マリオンに恋をする。
長いモノローグや哲学的なセリフ回しによって人間の思考の深さが表現されており、見
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東京裁判(1983年製作の映画)

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極東国際軍事裁判、通称「東京裁判」の実録フィルムを編集した長編ドキュメンタリー。
東条英機をはじめとする十数人が裁かれたこの裁判において、弁護人として参加したアメリカ人弁護士が問い掛けたのは「戦争責任
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ティファニーで朝食を(1961年製作の映画)

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兄との再会を夢見てお金を貯める娼婦ホリーと金持ちのお抱え愛人をしながら執筆活動をしている小説家ポールの恋を描いた映画史に残る名作。
この作品は名曲「ムーンリバー」によって成り立っているといっても過言で
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晩春(1949年製作の映画)

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妻を亡くした父を案じ結婚を先延ばしにする娘・紀子とその行く末を案ずる父親・周吉の、思いやりに溢れた関係を描いた作品。
小津監督作品に多く見られる親子関係を主題にした紀子三部作のひとつである本作品は、原
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

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娘を嫁にやりたい父親とその気のない娘の淡々としたやりとりを描いた物語。
小津監督の作品を初めて鑑賞した。非常にさっぱりした作風だと聞いていたが本当にその通りだった。人々のなんてことない会話がこんなに味
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劇場版 名探偵ホームズ デジタルリマスター版(1984年製作の映画)

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名探偵ホームズのキャラクターすべてを犬に置き換えた子供向けアニメーションの名作。

子どもの頃にテレビで見たアニメを映画館で鑑賞するのはなんとも不思議な気分だった。しかし、テレビであれ映画館であれ笑っ
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ムーラン・ルージュ(2001年製作の映画)

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19世紀終わりのパリ。貧しい作家のクリスチャンと高級娼婦サティーンの恋を描いたミュージカル作品。
キャバレー「ムーラン・ルージュ」の夜は怪しく情熱的で色欲にまみれたドロドロ感があるが、惹かれ合ってゆく
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レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年製作の映画)

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言わずと知れたインディ・ジョーンズシリーズの第一作目。ナチスが兵器として狙う古代エジプトの宝〈聖櫃(アーク)〉を守るためにインディアナ・ジョーンズが奔走する。
初鑑賞だと思っていたが、最後のシーンでも
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8月の家族たち(2013年製作の映画)

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父の失踪をきっかけに集まった家族が「家族」という呪縛から抜け出そうとする話。
正直、おもしろくないと思った。でもそれは単純に映画にハッピーエンドを求めすぎている自身の姿勢の問題かもしれない。家族なんて
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ムーンライト(2016年製作の映画)

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とある男の葛藤を幼少期、青年期、大人の3つの姿から描いた作品。

歪んだ社会の残酷な現実に為す術も無く傷ついていくシャロンの姿は見ていてとても辛かった。特に青年期の描写は男性らしさの保持と暴力という点
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5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

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癌検査の結果を怯えながら待つシャンソン歌手クレオが、パリの町をそぞろに歩きながら人々と交流するお話。
死を意識すると何もかもが不吉に思えてくるという人間の心理が心象風景としてパリの町に現れている点が興
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

孤独な少女コットが、心優しい夫婦、アイリンとショーンの愛情に触れその温かみを知る一夏の物語。
コットと夫妻が心の結びつきを強めていくその過程がなんとも愛おしい。”愛してる”といった直接的なセリフが無い
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テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

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気晴らしの旅が一転、人生をかけた逃避行に。そんな数奇な運命を走り抜ける二人の女性を描いた作品。
この映画は「二人がどうして前に進むしかないのか」という問いを見る者に与えていると感じる。テルマは旅を通じ
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ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)

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バツイチで冴えない本屋の店主が偶然アメリカの人気女優と出会い恋に落ちるラブコメディ。
出会い、恋の進展、衝突、愛への帰着、というラブコメ定番の起承転結をしっかりと押さえた脚本が心地よい。観客への見せ方
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メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

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17歳の女子高生と、75歳の老婦人がBLマンガを通じて仲を深めていくお話。
生きがいや目標を見つけた人間は輝いて見えるということがよく分かる映画だった。そして輝く者同士は互いに影響し合ってその輝きを増
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

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 アガサ・クリスティ原作、悠久の歴史流れるナイル川で起きた愛憎劇を灰色の脳細胞、エルキュール・ポワロが解決する。
 前回鑑賞した『オリエント急行殺人事件』に引き続きとても面白く、ラストもとてもドキドキ
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禁じられた遊び(1952年製作の映画)

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 戦争で孤児となった少女ポーレットと心優しい農家の息子ミシェル。二人が始めた遊びはやがて周りを巻き込む騒動へと発展していく・・・。
 この映画が伝えんとするところは一体何だったのか、見終わった後に考え
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ある愛の詩(1970年製作の映画)

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 フランシス・レイ作曲の音楽によって切なく輝く二人の男女の出会いと別れの物語。
 劇中の、”Love means never having to say you're sorry."というセリフはとて
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

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ロアルドダールの児童文学『チョコレート工場の秘密』、そして1971年公開の映画『夢のチョコレート工場』を下敷きに、その前日譚である若き日のウィリー・ウォンカを描いたミュージカル作品。
 1971年の映
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三銃士(1948年製作の映画)

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アレクサンドル・デュマ作の冒険小説「三銃士」を原作とする同名の映画作品。立身出世を志す田舎育ちのダルタニアンとフランスきっての銃士アトス・アラミス・ポルトスが繰り広げる冒険活劇だ。

ダルタニアン役で
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麗しのサブリナ(1954年製作の映画)

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叶わぬ恋と知りつつも愛に向き合うことを決意し美しく変身したサブリナと大富豪のララビー家の兄弟達が織りなすラブコメディ。
兄ライナスを演じるハンフリー・ボガートの「哀愁ただよう大人の男性」感はさることな
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コッホ先生と僕らの革命(2011年製作の映画)

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 保守的な雰囲気の残るとある名門校へドイツ初の英語教師として赴任した男が、サッカーを通じ生徒達にフェアプレー精神、そして仲間を思いやる心を教えていくお話。
 個人的に、授業に来た負傷兵を馬鹿にした生徒
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チップス先生さようなら(1969年製作の映画)

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 堅物で融通の利かない性格だが、心の底から生徒を思い、教育に熱意を注ぐ古典文学教師、チップス先生がひょんな出会いから人気舞台女優と結ばれ、結婚生活を送るお話。
 あまりそう見えないのだがミュージカル映
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シング・フォー・ミー、ライル(2022年製作の映画)

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 舞台恐怖症のワニ、ライルが人前で歌えるようになるまで、そして慣れぬ土地へ引っ越ししてきた家族が自分らしく生きられるようになるまでを描いたお話。
 ワニのライルの設定がまず可愛い。背も高くて頭も大きい
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皮膚を売った男(2020年製作の映画)

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祖国シリアを追われた若者の、自由と愛を求める数奇な体験を描いた作品。

アラビア語で「自由」はحرية(フッリーヤ/ハッリーヤ)というが、この作品はそのحريةを抽象と具体の両方の側面から描き出してい
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天空の結婚式(2018年製作の映画)

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このラスト、あなたは許せますか?と思わず人に問いたくなるようなぶっ飛び映画。
後半へ進むにつれてなんとなく感情描写が雑になっていく感じは否めないが、気にせずツッコミをいれて見ていくのがいいと思う。
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桜桃の味(1997年製作の映画)

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イランの映画監督、アッバス・キアロスタミの映画観の片鱗がみえる作品。

特に何も考えずにこの映画を見始めたため、その単調さにとても驚いた。背景は砂埃に霞む丘陵ばかり。主人公の情報はほとんど語られず、ど
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エデンの東(1954年製作の映画)

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 旧約聖書の逸話「カインとアベル」を土台とし、愛に飢えた若者の悲しみや疎外感を描いた作品。ジェームズ・ディーンが主役のキャルを演じ、彼はこの作品をきっかけにスターダムにのし上がった。
 「カインとアベ
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オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

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 世界で最もその作品が翻訳された作家、アガサ・クリスティの色あせない名作。
 原作を読んだのは中学生の頃だった。異国をひた走る豪華寝台列車オリエント急行、そこで起こる壮絶な殺人事件、そして想像もしてい
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ベニスに死す(1971年製作の映画)

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(↓長文が苦手な方)
色々な意味で「限界オタク」と成り果てた男のお話。
作曲家マーラーの美しい旋律はもちろんのこと、汚れ無き少年と病に蝕まれていく町と男の対比がなんともドラマチック。
この映画をきっか
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太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

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 血で染まった手を巧妙に隠しながら、束の間の悦楽と遁走に身を委ねる男を描いたサスペンス作品。
 俳優、アラン・ドロンの鈍く怪しげに光る瞳がとにかく強烈で、瞳の色が何色にも変わっているのではないかと思わ
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ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

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 映画を愛する男サルバトーレ(トト)のノスタルジックな回想と、彼を大きな優しさで包み込む映画技師アルフレードの言葉が見る者の心を震わせる名作。
 ちょっと騒がしいけれど素直で心豊かな村の人たちの姿は見
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 正反対な二人だからこそ違いを乗り越え、不可能を可能にできるという強いメッセージが感じられる可愛らしいラブストーリー。
 二人の初々しい恋模様にじれったくなる一方で、父娘関係、移民のアイデンティティな
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オットーという男(2022年製作の映画)

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 「残された者はどう再出発し、誰のために生きるのか」という問いにシンプルだが理想的な答えを出す作品。
 気難しい男が周りの人々との関わりによって変わっていく、というストーリー自体はあまり目新しくないと
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フィールド・オブ・ドリームス(1989年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 ある日突然聞こえた”If you build it, he will come.”という「声」。その後も導かれるがままに行動し、男は奇跡を目の当たりにする。
 ”he”とは誰なのかがプロットとしての
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