たけしさんの映画レビュー・感想・評価

たけし

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誰がハマーショルドを殺したか(2019年製作の映画)

3.9

プリゴジン暗殺のタイミングでタイムリーな一本。暗殺ミステリーのはずが思いもよらない巨大な陰謀へと繋がる。
陰謀論とジャーナリズムの狭間を揺れながら辿り着く先は…?
真面目なのかふざけてるのか微妙なテン
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流転の地球/さまよえる地球(2019年製作の映画)

3.2

設定もキャラ造形も大味ではっきり言って雑。CGのクオリティも低く、宇宙を舞台にした三流ドタバタ劇を見せられている気持ちになる。

猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)

3.9

現代のリアル上京物語。ありそうな設定、いそうな人物、その間を縫いながら自分を見失っていく少女の様が痛々しい
手持ちカメラに切り替わって相手に迫っていくカットで心の揺れを描くなど細かな演出が光る、世の中
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21世紀の資本(2017年製作の映画)

3.5

映画映像をふんだんに使った現代資本の問題提起VTRとしては及第点

ニモーナ(2023年製作の映画)

3.9

マイノリティや個性に対する世の眼差し(偏見)をパンクなキャラクターに落とし込むという発明に脱帽
スピード感ある展開とアニメ表現、過去の名作へのオマージュも楽しい凄まじい名作アニメである
お蔵入り寸前の
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1秒先の彼女(2020年製作の映画)

3.4

前後半で視点が変わるネタバレ系恋愛ストーリー。
話が急展開する後半の演出、ブスかわいいヒロインは見ものだが、キャラクターの心情変化には共感できず、消化不良感が否めない。
男女を入れ替える日本版リメイク
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.7

女子殺し屋二人組、という突拍子もない設定をゆるコメディと超本格アクションで包み込んだ前作の良い点は上手く踏襲。一方で新しさにはやや欠ける。
敵のアップグレードがなく、視点が敵側中心に移した点は今後の展
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

この映画のメッセージは下記2点である。
・なりたかった自分の裏返しが今の自分であり、”nothing is matter”だからこそ、今からまだ私達は何にでもなれる。
・それぞれがそれぞれの人生を歩ん
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コレクティブ 国家の嘘(2019年製作の映画)

3.8

多くの犠牲者を出したライブハウス火災での怪我人がその後病院で次々に死亡した闇を暴く。官民の腐敗とそれに切り込む調査報道と新米大臣を追ったドキュメンタリー。
現代の実話とは思えない腐敗の惨状、そのリスク
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ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)

3.5

1830年代のアメリカ陸軍士官学校という、時代設定、世界観を重厚に表現した演出と撮影は素晴らしい。
ミステリーはどんでん返しも含むが少し物足りない。テンポが重くやや眠くなる展開も否めない。

あの子を探して(1999年製作の映画)

3.7

中国の地方の貧困、教育格差という大きなテーマを小さな出来事と目線で描く演出は、かえって問題のリアルさを浮き彫りする。
問題に孤独に向き合い一人で立ち向かっていた少女が堰を切ったように涙を流すシーンは観
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妻への家路(2014年製作の映画)

3.6

20年間の下放から戻った夫を待っていたのは心労の末に記憶を失った妻であった…文化大革命で引き裂かれた夫婦・家族の悲劇と再生の物語。
誰を責めるでもなく、家族が絆を取り戻そうとする姿を淡々と描く様が胸を
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

3.6

まずドイツ語でこの作品が作られたことを評価。言語や映像、プロットまでこの映画を貫く柱は「リアリティの追求」である。
「兵隊」を代わりがきくものとして描写する冒頭からはじまり、最後まで冷めた眼差しで戦場
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シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)

3.6

空中という密室で繰り広げられるグレムリンおよび性差別(女性蔑視)との闘い。
設定がメタファーそのものだが、90分以内のお手軽サイズでしっかりエンタメしている。それを支えるのはクロエの存在感。つまるとこ
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ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)

3.7

潜水艦が舞台であることによる息苦しさ、緊張感の演出がうまい。
陸と海(海中)で並行して進むアクションは手に汗握るが、ややご都合主義でとんでもな展開、荒っぽさは否めない。

長いお別れ(2019年製作の映画)

3.7

認知症が徐々に進行する父親との「長いお別れ」を通じた家族の物語。
ほぼ台詞のない山崎努の演技は圧巻。蒼井優、竹内結子の悩みながらも優しい家族像も大変良い。

ある用務員(2020年製作の映画)

3.3

演技の粗も目立つし、アクションの質もまだまだ。ベイビーわるきゅーれが素晴らしい出来なので期待したが、全体に期待に届かず。

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.6

富豪によって孤島に集められた一癖二癖ある友人たちとそこで巻き起こる殺人劇を探偵が解き明かす。
古典的なシチュエーション・ミステリかとミスリードさせた後の転調、テンポアップとラストのカタルシスが爽快。

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.1

凄まじい一本を観てしまった。1991年公開、236分の台湾映画。1960年代初頭に台湾で起こった実際の青少年殺傷事件が元ネタ。
不安定な社会情勢、大人たちの緊張と社会のストレス、未来への不安と怒り、そ
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ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

3.7

誘拐された少女を助け出す元軍人、というどこかで聞いたことのあるような設定だが、台詞を最小限にし背景の説明を短い映像で観せる技は大胆で繊細。
主人公が振り回す武器が、トラウマや固定観念を破壊するメタファ
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

3.5

俳優陣の鬼気迫る演技、痛みが伝わる映像が凄い。一方でプロット、男女の描き方はちょっと古い感じが否めない。
主人公とヒロインはずっとすれ違ったままだけど、あれでいいのか?

百万円と苦虫女(2008年製作の映画)

3.6

ひょんなことから前科持ちになった若い女性が、場所を転々としながら人との繋がりを探していくロードムービー。
蒼井優の存在感、演技、可愛らしさが抜群で物語に絶妙なリアリティを与える。

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.8

殺し屋少女という漫画的設定が上滑りすることなく、適度なリアリティと馬鹿馬鹿しさが同居する絶妙な味付け。
キレのあるアクション、緩さとテンポのメリハリのある会話、笑いと緊張とバランスも秀逸。公開時から話
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初恋のきた道(1999年製作の映画)

4.0

極めて単純で素朴なプロットを、素朴で美しい映像と、同じく素朴で美しいチャン・ツィイーで描く純愛物語。
チャン・イーモウの色彩センス、画づくりとそれによる心情描写が素晴らしく、序盤から号泣してしまう。台
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13th 憲法修正第13条(2016年製作の映画)

3.5

奴隷制から続く黒人差別を歴史的・制度的推移で追うドキュメンタリー。
やや白人陰謀論のきらいがあるのは否めないが、制度的問題を定量的証拠も交えてよく分析しており見応えは十分。

インサイド・マン(2006年製作の映画)

3.7

銀行強盗立て篭もり事件の背後にある犯人の本当の狙いと刑事との駆け引きが面白い。
視点と時間軸が移動しながら、ミスリードとどんでん返しを演出する脚本構成が非常に巧み。

監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影(2020年製作の映画)

3.7

デジタルデバイス、SNS、ショートムービーなど、情報量が多くなりその受動性が高くなり続ける一方で、人間の脳と処理能力は変化しておらず、自ずと情報アルゴリズムに支配されるようになっている。
「テック業界
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

3.6

初見から長い時を経て再鑑賞。
テンポがいいんだが悪いんだかわからないタランティーノ独特のリズムで刻まれるクライム・オムニバス。
それぞれのエピソードが緩やかに繋がっていくが、一気に収斂するようなカタル
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新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

3.1

ディストピアカーチェイス中心、ゾンビ世界での人間同士の争い、前作とは全くの別物。
4年もの間ゾンビの栄養源が不明など、前作からの設定引き継ぎがかえってリアリティを減らしている。

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

3.8

宮沢りえ、杉咲花の演技が抜群に光る家族愛の物語。余命僅かの母親が家族のためにタスクをこなし、愛を残していくお話。まだ幼い伊東蒼も好演。
ショッキングなラストは好みが分かれそう。

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

3.7

実際に起こったインド・ムンバイの同時テロ、ホテル占拠事件に基づく物語。
映像の質感、カメラが実際にそこにいるかのような緊迫感を演出する。
テロに遭遇し、ホテルからの脱出を試みる「無名の人々」の演出がう
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タイラー・レイク -命の奪還-(2020年製作の映画)

3.8

逃走と追走視点が入れ替わりながら展開するシーンは見どころ十分でさすがの製作ルッソ兄弟。
ジトっとしたバングラデシュの質感もよく出ており全体に撮影がとても良い。

活きる(1994年製作の映画)

3.7

国共内戦、大躍進、文化大革命と40年代〜70年代の中国の激動に翻弄されながらも生きる、一つの家族の物語。
市井の生活を描く優しい視線と音楽、ドラマが素晴らしい秀作。

300 <スリーハンドレッド>(2007年製作の映画)

3.4

スパルタの強さを語る上で最重要のテルモピュライの戦いを描いた作品。
漫画をそのまま実写にしたような見応えのある映像も繰り返されるうちにやや飽きてくる。もう一捻り必要。

トレーニング デイ(2001年製作の映画)

3.7

麻薬捜査課配属初日の「トレーニングデイ」が舞台。
必要悪と「やり過ぎ」の境界線をジワリと狭める演出とそれ自体が伏線になっている脚本がグッド。
デンゼルワシントンは本作でアカデミー主演男優賞受賞。納得

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

3.5

怪獣プロレスをやりたいだけの映画。その他の要素は無駄だと言わんばかりの割り切りが清々しさすら感じる。

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