おおたきさんの映画レビュー・感想・評価

おおたき

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関心領域(2023年製作の映画)

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壁の先で行われている「狂気」に対して、無関心で居続けられるという「狂気」

夥しい数の犠牲の上に成り立っている暮らしに対して美しさを見出すこと。

その「幸福な」暮らしに耐えられない母と夫。

犠牲者
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阿賀の記憶(2004年製作の映画)

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『阿賀に生きる』から10年後
土地に残る痕跡・記憶・亡霊

阿賀に生きる(1992年製作の映画)

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「阿賀に生きる」人々の日常生活を撮るだけで映画になる。
そこに映し出される力強さ

ラジオ下神白―あのとき あのまちの音楽から いまここへ(2023年製作の映画)

4.5

清さんを一人映すショット。
そこには言葉では表現できない「悲しさ」が映されていて、あぁ、これは泣くな、というのがわかる。

幸せでない世の中で、音楽を聴くと幸せになるという子ども。

残された人たちを
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軽蔑 60周年4Kレストア版(1963年製作の映画)

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ゴダールからみたアンナカリーナはこんな感じだったのだろうか。

悪は存在しない(2023年製作の映画)

5.0

不穏な美しさが奏でられながら、魅惑される自然の中に分け入っていく。そうして森が神話的な空間として創出されていく。

ヨソモノであるはずの観客も、神隠しにあったような子供をともに探している。

森におけ
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なみのおと(2011年製作の映画)

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災害という出来事を語り直すこと。
語りが場所を創出する。

息の跡(2015年製作の映画)

5.0

被害を繰り返さないために、忘れないために、言葉で記録すること。母国語を離れて

それを希望の種として映像に残すこと。
見る観客に、幸せの種を蒔くこと。

心の種として生きること。

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

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夜の遊歩者である母は、娘の秘密を覗き見る。

始まりの部屋、夜明けの部屋、海を眺める娘の視線。

見られている者の視線の方が、ある種メタ的な視線であること?観客のまなざし

ラストショットの美しさをど
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

母でもあり、娘でもあるベラ。

冒険を経て、女性としての(性的)身体を保ったまま生きていくことを決める。

元夫があまりにも男性性の象徴として描かれていた。銃の乱用や所有への欲望など

作品内で知の男
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

5.0

助け「られ」るから、助け「られ」る。

受身と可能は同じになりうる、それがケアして生きるということ。

明るい「昼」だけじゃく、うまくいかない「夜」もある。でも星は「夜」にしか輝かない。

自分の夜を
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

繰り返される日常の中にある、その日にしかない、二度と繰り返されない光景や出来事。

微妙な差異を木漏れ日とともに夢に見る。
まるで切り撮ったはずの光景が動き出すように。
それらは光と影が交差し生まれる
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